Steemとは?
Steem(スチーム)は略号がSTEEMの仮想通貨です。仮想通貨とはインターネット上でモノやサービスの対価として使用でき、主体となる管理者が存在しないという特徴があります。法律では以下のように定義されます。
5 この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
ほかの仮想通貨と同様に市場で流通する通貨以外にも、2種類の通貨が存在します。通過の種類については後述します。
Steemの目的
Steemは『Steemit.com』という記事投稿サイトの、優良コンテンツを集めることを目的に発行されている仮想通貨です。
SNSの貢献者に報酬
Steemit.comではより良い記事を集めるために、記事を投稿した人と、良い記事に投票した人に、報酬が支払われるという仕組みになっています。
記事を書く側は投票されないと報酬が貰えないので、より良い記事を目指します。そして、投票者側は良い記事にいち早く投票すると、その分多くの報酬が貰えるうえ、投票数に制限があったりするので、本当に良いと思った記事に投票していきます。
このシステムにより、Steemit.comには優良コンテンツが集まりやすくなっています。
Steemの特徴
Steemは利用目的にも特徴がありますが、役割の異なる通貨が3種類存在するという特徴もあります。
役割の異なる3種類の通貨
- STEEM
- Steem Power
- Steem Dollar
Steemにはの上記の3種類があり、連動して異なる役割を果たしています。以下でそれぞれについて詳しく説明していきます。
STEEM
STEEMは、Steemのブロックチェーンという取引履歴をチェーンのように繋げたものの基本の単位で、Steemit.com内での基本の通貨になります。STEEMはほかの通貨と同様に市場で取引ができ、年間100%ずつ発行量が増加していきます。
しかし、STEEMは所有していると、1日で約0.19%価値がなくなっていくので、1年間で価値が半減します。したがって、STEEMは購入後、Steem PowerかSteem Dollarに変換する必要があります。
Steem Power
Steem Powerは記事に投票する際に利用するものです。STEEMから変換するか、報酬として入手できます。
報酬はSteemit内で支払われるもので、Steemit.comで記事を投稿した投稿者と、記事を評価した評価者に支払われる報酬の50%を占めています。STEEMと異なり、市場では流通することができません。
Steem Dollar
報酬の残りの50%がSteem Dollarで支払われます。Steem DollarをSTEEMに交換して売却することで、現実のお金を得ることができます。価格は常に1ドル分のSTEEMに固定されており、いつでも同じ価格相当のSTEEMと交換することができます。
Steemの仕組み
Steemは3種類の通貨がそれぞれ異なる役割を果たしており、それぞれの交換については制限がかかる場合があります。
SPからSteemへの変換は制限あり
STEEMからSteem Powerへの変換は『パーワーアップ』と呼び、制限がありませんが、Steem PowerからSTEEMへの変換は『パワーダウン』と呼び、制限があります。具体的には週に一度、保有数の1/104までしか交換することができません。
Steemのチャート相場・価格推移
Steemのチャート相場、価格推移についてみていきます。チャート相場を確認することで、日々の相場の動きをグラフ化し、価格の変動を視覚的に捉えることができます。仮想通貨のチャート相場を見たい場合には、CoinGeckoというサイトがおすすめです。
順調に成長中
Steemは2016年の7月に価格が上昇し、1Steemあたり4.33ドルまで上がりました。その後0.1ドルまで下がるなど価格が低迷していましたが、2017年末頃ごろから価格が高騰し、2018年1月に8.19ドルまで上がりました。
2018年2月現在は1Steemあたり4ドルほどに落ち着いており、順調に成長しているといえます。
Steemが購入できる取引所
仮想通貨は取引所において、購入することができます。円やドルなどの実際の通貨で購入したり、ビットコインで購入したりできます。
日本での取り扱いはなし
Steemは日本の取引所では取り扱いがないので、海外の取引所で購入しなければなりません。海外の取引所を利用する場合には、以下のステップを踏む必要があります。
- 日本の取引所でビットコインを購入
- ビットコインを海外の取引所口座に送金
- 海外の取引所でSteemを購入
日本の取引所でビットコインを購入する場合、おすすめの取引所はコインチェックとビットフライヤーです。
コインチェックはデザインや操作性が良く、仮想通貨の購入方法を一からわかりやすく説明してくているので、初心者でも利用しやすくなっています。また、多くの種類の仮想通貨を取り扱っており、人気の高い取引所です。
ビットフライヤーは取り扱っている仮想通貨の種類は少ないですが、個人間の直接的なやり取りでビットコインを購入できるので、安く入手することができます。
Steemの始め方・買い方
Steemを保有したい場合には、取引所で購入するか、Steemit.comの報酬として受け取るという方法があります。以下でそれぞれ詳しく説明していきます。
取引所での購入
先述したとおり、取引所で購入する場合には、日本の取引所では購入できないので、海外の取引所で購入する必要があります。海外のおすすめの取引所はBINANCEです。
BINANCEは世界一の取引高を誇る(2017年12月現在)海外の大手取引所で、取り扱っている仮想通貨の種類が多いのが特徴です。
また、定期的に利用者にアンケートを取り、新しく取り扱ってほしい仮想通貨を、投票の結果によって決めています。利用者の意見が反映されやすく、将来性の高い仮想通貨を多く取り扱っている点も魅力です。
手数料は0.1%ですが、BNB(トークン※)で支払うと初年度は0.05%になるため、ほかの取引所に比べて格安なため、お得に仮想通貨を購入できます。
※トークンとは、既存のブロックチェーン上で発行された独自コインのことです。
Steemit.comの投稿と投票
Steemit.comに記事を投稿したり、投票したりすることで、報酬として受け取ることもできます。しかし、投稿しただけでSteemが貰えるわけではなく、良い評価を受けなければいけないので、簡単なことではありません。
投票の場合には、保有しているSteem Power数によって票数としてカウントされます。また、良い記事により早く投票すると、その分多くの報酬を受け取ることができます。
Steemのメリット・デメリット
Steemを購入して保有することのメリットや、デメリットについて説明していきます。メリットだけでなく、デメリットもきちんと把握しておきましょう。
メリットはブロックチェーンによる恩恵
Steemのメリットは、ブロックチェーンがベースとなっている点です。これにより、サーバーダウンのリスクが小さくなります。
Steemの内容はブロックチェーンに保存されおり、Steemit.comが落ちてもほかのサイトで見ることができます。また、投稿履歴や編集履歴が残るので、過去のデータを改ざんすることが難しいというメリットもあります。
デメリットは大口保有者との格差
Steem Powerには高い利子がつくので、保有数が多いほど利子による利益が増加していきます。
また、報酬の獲得方法についても、大口保有者に有利になっています。特に、投票により報酬を得るには、かなりのSteem Powerを保有する必要があります。
これにより、新規ユーザーのモチベーションの低下や、新規ユーザーの減少によって投票数が減ることで、記事投稿者のモチベーションも低下してしまう可能性があります。
Steemの今後の将来性
最後に、Steemの購入を検討している人のために、今後の将来性について説明していきます。購入する際の参考にしてみてください。
順調だが新規ユーザー獲得がネック
Steemは価格が暴落することもなく、これからも順調に人気のアルトコインのひとつかもしれませんが、新規ユーザーの獲得は難しくなる可能性があります。
その理由は先述した通り、報酬として受け取るSteem Powerが大口保有者に優遇されてしまい、新規ユーザーのモチベーションが上がらない可能性があるからです。
新規ユーザーを獲得できなければ、似たような仮想通貨が登場したときに、今の立場を奪われるかもしれません。
まとめ
SteemはSteemit.comという記事投稿サイトで、より良い記事を集めるために開発された仮想通貨です。
通常の仮想通貨と同様に市場に出回るSTEEM以外に、投票の際に用いるSteem Power、価値が固定されているSteem Dollarの計3種類があり、Steem PowerとSteem Dollarは、Steemit.comで支払われる報酬となっています。
Steemは独自のスタイルを確立しており人気の仮想通貨ですが、新規ユーザーの獲得がネックになりそうです。古参ユーザーと新規ユーザーのバランスをうまくとることができれば、将来性のある仮想通貨といえるでしょう。