仮想通貨の取引所で何ができる?
一般に、仮想通貨取引所が行っている売買のサービスには、以下の2つが存在します。
スピーディーに購入できる販売所
取引所を開設する業者も、自己で仮想通貨を運用し利益を出しています。そのために通貨を販売・購入する場所が、仮想通貨の『販売所』です。
販売所では、業者が設定した売買価格(※)でシンプルな取引が行え、余計な時間をかけず、確実に仮想通貨を売買できるというメリットがあります。
確実に仮想通貨を購入し、比較的長いスパンで保有する場合などに向いているのが、仮想通貨の販売所です。
※業者が決める仮想通貨の売買価格には、安い買値(利用者側は売り)と高い売値(利用者側は買い)がつけられ、この価格差をスプレッドと呼びます
安く購入できる取引所
仮想通貨を売りたい人と買いたい人の間で、値段のマッチングを行うのが『取引所』です。取引所では、自分が希望している価格に応じてくれる相手が出てくるまで、売買が約定(取引が成立すること)はしません。
取引所を利用するトレーダーは、オファーされた価格と数量を売り手と買い手の双方について一覧表示した『板』と呼ばれる相場情報を見ながら、自分の取引価格を決定します。
価格のすり合わせを待つ時間が発生するので、一般に取引所での通貨売買は時間がかかりますが、売りと買いの価格差は販売所の1/10以下に設定されており、割安で通貨を購入することが可能です。
自分の望んだレートで売買が行え、取引にかかる手数料が小さいことから、積極的な取引から利益を狙う場合などに向いているのが、仮想通貨の取引所だといえます。
日本の取引所の特徴
仮想通貨は、その種類も取引額も急激に増加しており、また、一部の業者で顧客から預かった仮想通貨が消失するなどの事態が発生したため、日本では現在、法的な管理が進められています。
金融庁への登録が義務
2017年度から、改正された資金決済法が施行され、仮想通貨についての法的な解釈が明確化されるとともに、その取引を行う業者は『仮想通貨交換業者』として、金融庁への登録が義務付けられました。
仮想通貨取引所を運営する事業者は、資本金1,000万円以上の株式会社でなければならず、登録を受けるには申請書の内容などについて審査が行われます。
登録を受けた取引所では、利用者から預かった財産を自社のものと区別して管理する義務などが発生します。また、利用者に対して仮想通貨の仕組みやリスク、それが実体のないデジタル情報であることなどを、事前に説明しなければなりません。
正規に登録を受けた仮想通貨取引所は、金融庁のHPで公開されているので、誰でも簡単に確認できます。
資金決済に関する法律
仮想通貨交換業者に関する内閣府令
仮想通貨交換業者登録一覧
不正流出のコインチェックはみなし業者
資金決済法の改正にともない、ビジネス環境が変化することに対する経過措置として、2017年3月31日以前に仮想通貨取引所を営んでいた会社は、登録の申請中であることを条件に『みなし仮想通貨交換業者』として扱われ、取引所の業務を継続することが認められました。
最近、仮想通貨のひとつである『ネム』が不正に盗まれ大きな話題となったコインチェックは、このみなし業者の状態で審査を受けている最中でした。現在(2018年2月)において、みなし仮想通貨交換業者は15社あります。
コインチェック株式会社に対する立入検査の着手及び仮想通貨交換業者に対する報告徴求命令の発出について
海外との比較
仮想通貨は、容易に国境を越えて移動できることがメリットのひとつであり、日本から海外の取引所を利用することも十分に考えられます。
しかし、仮想通貨の存在については、法的にも社会的にも国ごとに扱いが異なるので、取引に際してその点の注意が必要です。
海外のほうが銘柄が豊富
海外取引所を利用する大きな利点のひとつが、取扱う銘柄の多さにあります。仮想通貨は、代表的な存在であるビットコイン以外にも、イーサリアムやネムを筆頭に100種類を超えるものが存在しており、現在も急激に増加しています。
新規に立ち上がった仮想通貨は単価が安く、後の値上がり幅が期待できるため、投資対象としては魅力があります。
しかしながら、現状で国内の取引所は、知名度の高い通貨数種類が取扱のメインになっていることが大半です。反面、海外の取引所では100を超える通貨を扱いながら、新規に登場した通貨も積極的に組み入れる業者も少なくありません。
したがって、知名度の低い通貨で大きな利益を期待する投資家には、海外の取引所が向いているともいえます。
海外にはリスクの高い取引所も多い
日本においては資金決済法などにより、仮想通貨取引所には利用者保護のための法的な義務が課せられています。
しかし、他の国の取引所は日本の法令の管轄外となるので、場合によると安全措置が脆弱であったり、詐欺まがいの目的を持っていたりする業者の可能性もあります。
また、法的に問題がある業者から被害を受けた場合でも、国によって日本の司法では取り締まれないというデメリットもあります。海外の取引所を利用する際には、そういったリスクをしっかり把握して、検討するようにしましょう。
緊急時に日本語対応できない
一部には日本市場に正式参入を決め、国内で体制を整えた海外の取引所がありますが、基本的に日本ではない国の会社の場合、日本語での対応は難しいでしょう。
取引所が存在する国の言語に馴染みがない場合は、何か不測の事態が起きた際、メールや電話を使ってでも意思の疎通ができないということは、ひとつの大きなリスクとなり得ます。
取引所のチェックポイント4つ
ここでは、仮想通貨取引所を選ぶ際に、気を付けておきたいポイントを見ていきます。
手数料がお得か
利用者にとっては、取引に関する手数料が低ければ低いほどよいわけですが、自分の取引スタイルによって、手数料についてチェックすべき部分が変わってきます。
大きく分けて、仮想通貨取引と手数料の間には、以下のような関係が考えられます。
取引タイプ | 取引場所 | 手数料の注意点 |
高頻度の積極取引 | 仮想通貨FX、信用取引、先物取引 | 取引手数料を無料としていても、スプレッド幅のがロスとして影響する |
中頻度以下の取引 | 仮想通貨販売所 | 取引所に比べ、スプレッド自体が大きめに設定されている |
通貨を決済に使用する | 仮想通貨販売所 | 外部のウォレット(※)に移動する場合は、通貨の送付手数料が発生する |
※ウォレット:仮想通貨のユーザーが自身で通貨を保管するために使用する、ソフトウェアやウェブサービスなどのことです。
また、仮想通貨取引から得た利益を日本円で受け取る際には、一般的に金額に応じた出金手数料が発生します。
上記を踏まえ、効率よく仮想通貨取引を行うためには、自分にとって最もバランスのよい仮想通貨取引所を選ぶか、必要であれば用途を分けて、複数の業者を併用するとよいでしょう。
セキュリティ対策がされているか
前述のとおり、日本国内の仮想通貨取引所は、利用者から預かった財産を自身のものから分離管理することが法的に定められています。
しかし、仮想通貨の保持体制には業者ごとに違いがあるため、ハッキングなどに対する強固なセキュリティ対策は、取引所選択の際の重要な確認事項となります。
基本的には、利用者の仮想通貨情報はネットワークから切り離して保管(コールドウォレット)している業者が望ましいといえます。
また、その通貨を移動する場合でも、複数の暗号鍵(マルチシグネチャ)が必要なシステムとなっているかも、取引所選択のうえでのチェックポイントです。
取引したいコインの取り扱いがあるか
仮想通貨は、常に新たなものが作り出されています。仮想通貨に詳しくなってくると、将来の成長を見込んで新規の通貨に投資したくなることも考えられます。
ただ、現状では取扱銘柄が少ない国内の仮想通貨取引所は、こういった仮想通貨投資の需要に応えきれていない面もあります。
より積極的なスタンスで仮想通貨投資を行うのであれば、自分が狙っている仮想通貨が売買可能かどうかも、取引所選択の段階では忘れずにチェックする必要があるでしょう。
使いやすいツールが揃っているか
仮想通貨FXなどを利用する場合は、頻繁に細かな取引を行うことになり、取引ツールの使い勝手は無視できないポイントとなります。
ツールは、価格情報やチャート画面の見やすさ、売買ボタンの配置などが分かりやすく、自分の好みに合っているかといったことが重要なポイントです。
また、PC版の取引ツールは、比較的容易に使い始められるブラウザ動作のタイプと、初期設定時に若干の知識を要するインストールタイプがあるので、自分のPC知識を考慮して決定することになります。
その他、モバイルアプリがリリースされているかを含め、各取引所ごとに、取引ツールの持つ特徴も検討すべき項目になるでしょう。
安全性で選ぶならbitFlyer
『bitFlyer』は、金融庁への登録を早々と完了しており、大手取引所としての安定感がある仮想通貨取引所です。
仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)の購入/販売所/取引所【bitFlyer】
日本初の取引所で取引量No.1
bitFlyerは、日本初のビットコイン取引所として、2014年に開業した会社です。現在では、ビットコインに加えて、イーサリアム、ライトコイン、モナコインなど、知名度のあるアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)も取扱銘柄に加えてきています。
ビットコインの取引量としては、bitFlyerが国内シェアの半分以上を占めており、現状で人気が最も高い取引所だといえます。
市場調査とコンサルティングのシード・プランニング [ SEED PLANNING ] - プレスリリース
高いセキュリティと補償サービス
セキュリティに対する意識が高いのも、bitFlyerの強みです。当然、利用者の間のインターネット通信は、SSLにより暗号化されています。
このSSLサーバーは、世界的な認証局である『DigiCert 』が発行した証明書により、正規の業者であることが確認できます。
SSLの暗号化には、銀行取引などで広く普及しているものより、さらに安全性の高い暗号方式(SHA-256)が使われています。この方式は、通信内容の不正な改ざんを行うことが事実上不可能とされている技術です。
また、利用者のログイン情報が盗まれた場合と、サイバー攻撃などで仮想通貨が紛失した場合の保証として、2つの損害保険に加入している点も、徹底した利用者保護の姿勢が見られます。
お得に取引したいならbitbank
アルトコイン取引を便利に安く行いたい場合には、『bitbank』がおすすめです。
主要コインの指値取引ができる
bitbankではビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、リップル、モナコイン、そしてビットコインキャッシュの6銘柄すべてを、板をつかった指値取引(※)で売買することが可能です。
これにより、取引を希望する価格だけで成立させることができ、ビットコイン以外の仮想通貨による資産運用を、より柔軟かつ効率的に行えます。
※指値取引:板と呼ばれる相場情報の一覧表示を見ながら、自分の望んだ価格で通貨の売買オファーを出す投資手法のことです。
手数料やキャンペーンがお得
bitbankは取引手数料も低く設定している業者で、特に、金融庁登録完了記念のキャンペーン中である現在(2018年2月)では、全通貨ペアに売買手数料無料のサービスを行っています。
手間をかけずに投資するならZaif
『Zaif』は、ユニークな方法で利用者サービスを展開している仮想通貨取引所です。
自動積立でリスク分散
Zaifが提供するサービスの中でも、大きな特徴となっているのが『コイン積立』です。
これは、あらかじめ決定した固定金額を1カ月に一度、仮想通貨に換金して同社の口座に積み立てていくという投資手段です。
投資する金額は毎回変わらないので、通貨の価格が高い時期には自動的に少ない数量を、安い時期には多い数量を購入することになります。
これは、『ドルコスト平均法』と呼ばれる投資手法で、長期的にみると投資対象(仮想通貨)の相場変動を平均化し、安定的な資産運用を実現するというものです。
取引手数料がマイナスに
もうひとつ、Zaifを利用することの大きなメリットに、マイナスの手数料設定があります。
これは板による指値取引において、すでに提示された価格に応じ取引成立させる場合(taker)は-0.01%の、自身で提示した価格で取引成立した場合(maker)は、-0.05%の手数料となるものです。
よって、取引が成立するたびに、報奨金のような形で利益が得られることになります。
使いやすさで選ぶならDMM bitcoin
仮想通貨を投資対象として、積極的に取引を行いたい人がチェックしておくべき取引所のひとつが『DMM bitcoin』です。
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大手ならではの取引ツール
DMM bitcoinが提供する取引ツールは、PC版とモバイル版(iOS、Android)の2種類です。どちらも見やすい色で表示され、相場チャートから売買のためのボタンへスピーディーに移動できる作りとなっています。
また、仮想通貨取引の手数料も無料に設定されており、頻繁にトレードを行い利益を狙う人にとっては便利な取引所だといえます。
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レバレッジ取引が可能
DMM bitcoinはビットコイン、イーサリアム、ネム、リップル、イーサクラシック、ライトコイン、およびビットコインキャッシュを取り扱っています。
これらの全銘柄について日本円、もしくはビットコイン(一部イーサリアム)との間で、証拠金(取引の資金)を預けたうえで行うレバレッジ取引(4倍)が可能となっています。
アルトコインの運用を積極的に行えるのは、仮想通貨の投資家にとっては、有用なサービスといえます。
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まとめ
仮想通貨の投資は、ごく最近生まれてきたものであり、世界的にも法律の整備が追いついていない面があります。
そんな中、日本では改正された資金決済法によって、すべての仮想通貨取引所に対して、金融庁の審査を受けたうえで登録することが義務付けられました。
仮想通貨取引所には、法律改正にかかる状況変化への救済措置として、未登録であっても申請中を条件に業務継続を認められた、みなし業者が存在するので一定の注意が必要です。
過去には、ハッキングなどの不正アクセスにより、顧客の仮想通貨が消失したケースも複数あり、そういった外部からの攻撃への防御態勢も、仮想通貨取引所の選択時には重要なチェック項目です。
海外の取引所は国内にない利便性を持つことがありますが、そういった業者を利用する場合には、法律の規制が曖昧などのリスクが存在することを認識しましょう。