仮想通貨は雑所得?仮想通貨と税金の関係とは

仮想通貨は新たな投資先として注目されています。これまで、法的な定義がなく曖昧な部分も多くありましたが、2017年に改正資金決済法が施行されたことによってその状況は変わりつつあります。そこで今回は、仮想通貨の税金について解説します。

仮想通貨とは

仮想通貨は、円やドルと同じように支払いに使用できたり送金できたりなどお金として使うことができます。ネットショッピングの支払いで利用できたり、実際の店舗でも支払いに利用できるところも増えてきています。

また、通貨として支払いに利用するだけではなく、株やFXに変わる新たな投資先としても注目を集めています。

仮想通貨の中で最も有名とも言えるのがビットコインです。仮想通貨と聞いてビットコインを真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし仮想通貨は世界中にたくさんあり、数100種類以上存在すると言われています。

そのなかでも、日本の取引所でも購入することができる主な仮想通貨は以下の通りです。

これらはほんの一部ですが、日本の取引所でも購入することができます。

仮想通貨と法定通貨の違い

仮想通貨とはどのようなものなのかわからない人も多いのではないでしょうか。仮想通貨と法定通貨の違いとして以下のことが挙げられます。

  • 実体
  • 発行量
  • 管理している機関

仮想通貨と法定通貨の主な違いは実体があるかどうか、発行量の違い、管理している機関の3つについて見ていくとわかりやすくなります。また、普段私たちが使っている法定通貨についても、掘り下げて見ていくことで仮想通貨との違いが明確になり、仮想通貨を理解しやすくなります。

法定通貨

法定通貨は、私たちが普段使っているお金です。紙幣と硬貨があり実体がある通貨です。発行量に上限はなく、国が管理していて日本の場合は日本銀行が発行量を調整しています。法定通貨の価値は政府の信用によって変動するのが特徴です。

また、国ごとに通貨が決まっているため、国ごとで両替をする必要があります。仮想通貨には国ごとの違いがないため、対応している決済システムがあればどこの国へ行っても使うことができます。

仮想通貨

仮想通貨には実体がなく、法定通貨のような紙幣や硬貨がありません。仮想通貨は全てインターネット上に存在していてパソコンやスマートフォンを使って送金や売買、決済などを行います。

特定の管理している機関はなく、発行量の上限もあらかじめ決められています。また、法定通貨の場合は、国ごとに管理されそれぞれの国でしか使うことができません。

しかし仮想通貨の場合は、国などの管理する機関が存在しないため、世界中で使うことができます。仮想通貨の価値は、プログラムの信用や、投資家の需要と供給のバランスなどによって変動します。

仮想通貨と電子マネーの違い

仮想通貨は、実体がなくインターネット上に存在していて、決済などに使用できます。このことだけを見ると電子マネーも同じではないかと思われることも多くあります。実際に、店舗でビットコインでの決済を利用すると、電子マネーでの決済とそれほど変わらないやり方で決済できてしまいます。

しかし、仮想通貨と電子マネーはまったく違うものです。電子マネーとはどのようなものなのか改めて見ていきましょう。

電子マネーとの違い

電子マネーは、硬貨や紙幣を使わずにデータ処理だけで決済をする仕組みです。コンビニや駅の改札で利用したりオンライン上で決済できるものもあります。

仮想通貨も、実店舗での決済に利用できるので、この点に関しては電子マネーと同様の使い方ができます。

しかし電子マネーと仮想通貨はまったくの別物です。電子マネーは、その国の通貨を電子的に決済するためのものです。そのため通貨を銀行口座に入れておいたり電子マネー対応のカードに入金しておく必要があります。

紙幣や硬貨を使わずに電子的に円などの通貨のやりとりをしているということになります。これに対して仮想通貨はスマートフォンなどの端末に通貨を入金するものではありません。

円などの通貨を仮想通貨に両替します。仮想通貨そのものが通貨ということです。このことが電子マネーと仮想通貨の大きな違いです。

仮想通貨が法的に定義された

2017年、仮想通貨が法的に定義されました。仮想通貨は近年、流通量や利用者が増加していますが、2017年以前は制度の明確な定義がありませんでした。

そのような中で、マウントゴックス事件が起こったことや、仮想通貨が資金洗浄に利用される可能性を懸念する動きが高まり、規制が新たに設けられることとなりました。

また、仮想通貨には管理している機関がないことも法整備が進められた一つの要因となっています。

改正資金決済法が施行

2017年4月、改正資金決済法が施行され仮想通貨が法的に支払い方法の手段と定義されました。この法律によって仮想通貨は、支払い手段の一つと定義されています。また、税法上では資産の一つとして扱われます。

仮想通貨の定義(資金決済法2条5項)

この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。

一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

出典:資金決済に関する法律

改正資金決済法が施行されたことによって、資金洗浄に対する規制に加え、利用者保護の観点からも規制が設けられました。具体的には、仮想通貨と法定通貨の売買を行う交換所について登録制が導入されました。

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、特定の管理者が存在しないため、何らかのトラブルによってシステム上の情報が消失してしまう可能性もあります。

そうなれば、管理者がいないためどこからも補償を受けることができなくなってしまいます。このようなことをできるだけ防ぐという役割もあります。

施行以前の仮想通貨

改正資金決済法が施行されるまでは、仮想通貨の定義が曖昧なままでした。以前は、法的な定義がないために有価証券や通貨などとは別物だったため、仮想通貨の売買では消費税が課税されていました。

取引所などの仮想通貨交換業者は、届け出などの義務がありませんでしたが、施行後は事前に申請を行い内閣総理大臣の登録を受けることが必要になりました。これにより、仮想通貨利用者が詐欺などに巻き込まれるリスクが軽減されました。

仮想通貨の消費税が非課税

2017年4月に改正資金決済法が施行され、仮想通貨が法的に定義されたため、その後2017年7月には仮想通貨の消費税が非課税となりました。

以前は消費税が課税されていた?

以前は仮想通貨には消費税が課税されていました。通貨に課税するということがよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

例えば、ビットコインで商品や何らかのサービスを購入する場合、支払うビットコインと購入する商品それぞれに8%の消費税が課税されていました。

これは以前から二重課税ではないかという指摘もありました。今回の施行によって、二重課税による仮想通貨利用者の税負担が軽減されました。

消費税とは

消費税とは、消費をすることによって課税されるもので、商品やサービスの購入の時に支払う間接税です。

消費税は、特定の物品やサービスに課税する個別消費税とは異なり、消費に広く公平に負担を求める間接税です。
消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供と外国貨物の引取りです(注)。
この消費税は、生産及び流通のそれぞれの段階で、商品や製品などが販売される都度その販売価格に上乗せされてかかりますが、最終的に税を負担するのは消費者となります。

出典:No.6101 消費税の仕組み|消費税|国税庁

国税庁は仮想通貨をどう見ているのか

これまで、仮想通貨投資によって利益が出た場合、どのように課税されるのか明確に決められていませんでしたが、国税庁のホームページに以下のように掲載されました。

ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。

このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。

出典:ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係|所得税|国税庁

このように、ビットコインで出た損益については原則雑所得として区分されると公表されました。

仮想通貨が課税されるタイミング

株やFXなどの場合は利益確定したタイミング、すなわち日本円に換金したタイミングで課税対象となります。それでは、仮想通貨の場合はどのタイミングで課税対象となるのでしょうか。

仮想通貨の購入は非課税

仮想通貨を購入した段階では、課税対象となりません。例えば、ビットコインが10万円の時に購入して現在は50万円まで値上がりしている場合、これを円に換金しなければ課税対象とはなりません。含み益が出ているだけでは課税されないということになります。

仮想通貨の売却は課税対象

持っている仮想通貨を売却した段階で課税対象となります。例えば、ビットコインを10万円で購入し現在50万円に値上がりをしている時に円に換金すると利益となる40万円が課税対象となります。

確定申告をしなければいけないとき

給与所得のある人が確定申告をしなければいけないときについて国税庁では以下のように説明しています。

次の計算において残額があり、さらに(1)から(6)のいずれかに該当する

(計算)

1 各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む)から、所得控除を差し引いて、課税される所得金額を求めます。

2 課税される所得金額に税率を乗じて、所得税額を求めます。

3 所得税額から、配当控除額と年末調整の際に控除を受けた(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額を差し引きます。

(1) 給与の収入金額が2,000万円を超える

(2) 給与を1か所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える

(3) 給与を2か所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える

※ 給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。

(4) 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・ 工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた

(5) 給与について、災害減免法により源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた

(6) 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税を源泉徴収されないこととなっている

出典:確定申告が必要な方|確定申告に関する手引き等|国税庁

このことから、サラリーマンがビットコインの取引によって20万円以上の利益が出た場合に確定申告をしなければならないということがわかります。

ビットコインでの節税

ビットコインを利用して節税をする方法はあるのでしょうか。ビットコインは所有しているだけでは税金はかかりません。したがって、購入したビットコインを売却しなければ課税対象となりません。

ビットコインを購入しても節税はできませんが、含み益が出ているだけでは課税されないので、売却せずにそのもまま持っておくということはできます。

税金がかからない方法はある?

ビットコインを売却せずに含み益が出ている状態なら課税はされません。しかし、ビットコインで直接買い物ができる店舗なども増えています。保有しているビットコインで買い物をすると課税対象となる場合もあるので注意が必要です。

ビットコインに限らず、投資によって利益が出たら必ず税金を納めなければなりません。脱税になってしまうこともあるので、しっかりと管理しましょう。

雑所得と給与所得

ここまで仮想通貨によって出た利益は雑所得に区分されると解説してきました。それでは雑所得とは具体的にどのようなものなのでしょうか。給与所得と比較しながら解説します。

また参考として、所得区分は雑所得と給与所得を含めて全部で11区分あり以下の通りです。

  • 給与所得
  • 雑所得
  • 配当所得
  • 一時所得
  • 事業所得
  • 不動産所得
  • 利子所得
  • 配当所得
  • 譲渡所得
  • 山林所得
  • 退職所得

雑所得

雑所得は本業以外で得た所得で、印税や講演料なども雑所得に該当します。雑所得は、「雑所得にかかる総収入金額から必要経費を引いた金額」で算出できます。

この金額に給与所得などのその他の所得を合計した総所得金額に応じて納める税率が算出されます。これにより、累進税率が適用されるので総所得金額が高くなれば最高45%の税率となります。

また、雑所得は課税年度ごとに計算となります。損失が出た次の年に利益が出たとしても、損失を繰り越すことはできません。

国税庁による雑所得の説明は以下のようになっています。

雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します以下は所得税に対する税率をまとめたものです。

出典:雑所得|所得税|国税庁

以下の表は所得金額に対する税率をまとめたものです。

所得金額 税率
330万円以上695万円以下 20%
695万円以上900万円以下 23%
900万円以上1800万円以下 33%
1800万円以上4000万円以下 40%
4000万円以上 45%

給与所得

雑所得に対して給与所得とは、会社からもらう給料のことです。賞与なども含まれます。国税庁による給与所得の説明は以下のようになっています。

給与所得とは、勤務先から受ける給料、賞与などの所得をいいます。

出典:給与所得|所得税|国税庁

法人の場合の税金

仮想通貨は法人名義でも取引所を開設できます。それでは法人として仮想通貨を所有した場合の税金はどのようになるのでしょうか。

法人で仮想通貨を所有し利益が出た場合は、個人での所有と同じように課税の対象となります。法人の場合は、法人の事業内容と仮想通貨の購入目的によって損益計算書の区分が変わってきますので、どの区分に入れるかは顧問税理士に相談したほうが良いでしょう。

まとめ

仮想通貨の税金について解説してきました。2017年になってようやく法的な定義が示された仮想通貨ですが、まだ曖昧な部分もあり今後の課題もたくさん残っています。

しかし、投資方法だけではなく、税金などの部分まで知っておくことで今後さらに注目を集めることが予想される仮想通貨をより理解することができるでしょう。

仮想通貨投資による税金は株やFXとは違う部分も多いので、投資経験がある人でも難しく感じてしまうこともあります。また、ビットコインは価格の変動が激しく2017年に入ってからは急激に値上がりしています。利益が出てから税金について迷わないように事前にしっかりとま学んでおくと安心です。

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