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FXのレバレッジ。ロスカットの仕組みと対策を知って上手に取引

FX取引における「ロスカット」は、トレーダーの資金を守るためのシステムですが、過信すると大きなダメージを被ることもあります。ここでは、ロスカットやレバレッジの算出方法のほか、ロスカットを未然に防ぐための対処法について説明します。

ロスカットとは何か

FX取引をする上で忘れてならないのは、全てのトレードが常に資金を失うリスクと隣り合わせにあるという点です。

『ロスカット(強制決済)』は、取引で発生した損失が一定レベルに達した際、自動的に約定(反対売買)し、取引を終了させるのシステムです。

ロスカットの意味

FX取引には、少額の資金で多額の取引ができる『レバレッジ( leverage)』という仕組みがあり、これによって資金の何倍ものリターン(利益)が期待できます。

その反面、損失も同じ割合で大きくなり、最悪の場合はマイナスになることもあります。ロスカットは、損失をできる限り資金の範囲内に収める目的で執行されます。

海外ではレバレッジ1000倍の取引も可能ですが、日本では2011年8月に25倍という上限が設けられています。金融庁は2017年9月の発表で、今後さらに10倍まで引き下げる可能性を示唆しています。

ロスカットの計算方法

FXは、『証拠金』として取引会社に預けた資金を担保に売買取引をする『証拠金取引』です。取引の最低額である『必要証拠金』は、取引会社によって異なりますが、概ね取引金額の2~5%です。

取引額に対する証拠金残高の割合が『証拠金維持率(取引中の損益を含む純資産÷必要証拠金×100)』で、ロスカット値判定の基準になります。

『ロスカット値』は、ロスカットが実際に執行される値です。基準は取引会社により幅がありますが、一般に証拠金維持率50%を切ると『マージンコール』で証拠金不足を知らせ、20~40%以下でロスカットされます。

※『』内の名称は取引会社により多少異なります。

具体的な状況で計算してみよう

主要な取引会社では、証拠金維持率の変動によって必要証拠金が変わり、レバレッジやロスカット値が変わります。また、ロスカット値や純資産額などは、取引会社ごとのルールで自動計算され、リアルタイムで発動します。以下は算出法の一例です。

  • ロスカットまでの値幅=余力額÷取引額
  • 余力額=純資産-必要証拠金

次に、以下の想定でレバレッジごとのロスカット値を単純計算します。

  • 1ドル100円
  • 取引額100万円(10,000米ドル)
  • ロスカットレベル30%

レバレッジ25倍の場合

  • 必要証拠金:4万円(100÷25=4)
  • ロスカット値:1万2千円(4万円×30%)

4万円の資産が、時価(建玉評価損)1万2千円以下になるとロスカットされる計算です。このときの値動きは2.8円程度で、主要通貨でも常識の範囲内と言えます。

レバレッジ10倍の場合

  • 必要証拠金:10万円(100÷10=10)
  • ロスカット値:3万円(10万円×30%)

レバレッジ10倍なら、単純計算で7~9円前後の値動きまで耐えられると予想できます。

レバレッジ2倍の場合

  • 必要証拠金:50万円(100÷2=50)
  • ロスカット値:15万円(50万円×30%)

単純計算で、35円前後の値幅です。参考までに、2007年に起きたサブプライムショックでは、半年間でドルが28円暴落し、翌年のリーマンショックでは2日間で20円以上のドル安を記録しています。

レバレッジ1倍の場合

  • 必要証拠金:100万円(100÷100=1)
  • ロスカット値:30万円(100万円×30%)

レバレッジ1倍(ノーレバ)は、FXの最大の特徴であるレバレッジを使わずに証拠金取引を行いますので、計算上ロスカットのリスクはありません。しかも外貨預金に比べて手数料が安く、通貨によってはスワップ(為替差益)を稼げる可能性もあります。

ロスカット | 楽天 FXビギナーズガイド | 楽天 FX | 楽天証券

ロスカットを発生しないようするには

ロスカットは資金を守る最後の砦ですが、万全というわけではありません。要人発言などで大幅な値動きがあれば、自動決済が追い付かないというのはよくあることで、設定値でストップできない場合は資産がマイナスになります。

取引がコントロールできなくなる前に、大切な資金は自分で守るという意識が大切です。ロスカットを回避する方法は、主に以下の2つです。

十分な証拠金を用意しよう

十分な証拠金(資金)があれば証拠金維持率が高くなり、その分ロスカットのリスクが軽減されると言えます。マージンコールで証拠金を追加すれば、当面のロスカットは免れることができます。

しかし、資金が増えれば取引額も増えてしまうのが人間の自然な心理です。特にリスク管理ができない初心者のうちは、安易な証拠金の増額はおすすめできません。

まず証拠金に見合ったレバレッジを想定し、取引の単位や回数を制限することが肝心です。

素早い損切りも大切

マイナスが拡大する恐れがあるときは、「損切り(反対売買)」で取引を終了させ、早めに相場から撤退するのが上策です。ロスカット値が近い場合も、損切りすることで証拠金維持率を一時的に回復させることができます。

損切りは、ダメージを最小限に食い止めるための「受け身」のようなもので、資金を守るための重要なスキルです。

ロスカット回避の損切りはダメージも大きくなりますので、そうなる前に独自の損切りルールを決め、設定値に達したら速やかに実行しましょう。

損切りにはメンタルの訓練が大切

損切りにメンタルの強さが必要とされる最大の理由は、ひとえに自分が決めたトレードのルールを順守することの難しさにあります。

損失が発生すると、設定しておいたストップ・ロス値を変更したり、解除したい衝動に駆られたりするものですが、損切りができなければ、ロスカットは時間の問題と言えます。

まとめ

ロスカットは資金を守る方法と言われますが、守れないことも珍しくありません。FX取引を始めるにあたっては、レバレッジやロスカットの仕組みをよく理解し、リスクを認識することが重要です。

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