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フィンテックの銀行への影響は?概要や国内外の流れまとめ

ニュースなどで、フィンテックという言葉を聞いたことはないでしょうか。また、耳にしたことはあっても、何を指すのか知らないという人もいるでしょう。本記事では、フィンテックの意味やメリット・デメリットといった基礎知識を解説します。

この記事の目次

フィンテックとは

最近ニュースなどで耳にする機会が増えた『フィンテック』ですが、具体的な意味は知らないという人もいるでしょう。まずは、フィンテックの意味や概要について解説します。

金融と技術を組み合わせた言葉

Fintech(フィンテック)とは、『Finance(金融)』と『Technology(技術)』を組み合わせた造語です。情報通信技術を駆使した金融商品やサービスのことを指しており、『金融テクノロジー』『金融IT』などと言われることもあります。

Paypalが代表的

フィンテックに該当するサービスとしては、『Paypal(ペイパル)』が代表的です。Paypalとは、インターネットを介した決済代行サービスのことです。

Paypalにクレジットカードなどの情報を登録すれば、ネットショッピングの際にPaypalを介した決済ができるようになります。通常、初めて利用するネットショップでは、クレジットカードなどの情報を入力しなければなりません。

しかし、Paypalでの支払いに対応しているネットショップであれば、Paypalにログインするだけで決済できるため、情報を入力する手間が省けます。

また、ネットショップに直接クレジットカードなどの情報を伝える必要がないことから、不正利用などの防止にも役立ちます。

PayPal(ペイパル) - かんたん&安全なオンライン決済サービス

日本でも注目を集める

アメリカでは早くから注目されていたフィンテックですが、日本で注目を集め始めたのは2015年ごろです。政府が15年にフィンテックフィンテック推進の方向性を明確にしたためです。

同年9月に金融庁がフィンテックへの対応を施策として明記したのを皮切りに、経済産業省ではフィンテック研究会、自民党ではフィンテック推進議員連盟が発足されています。

進化したIT技術を金融につなげることで、日本の金融業界を大きく変化させ、活性化させることが期待されています。

フィンテックのメリットとデメリット

現在、多くの金融機関などでフィンテックが業務に取り入れられ、便利なサービスが生まれています。しかし、フィンテックはメリットばかりではありません。ここでは、フィンテックのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

フィンテックのメリット

フィンテックが業務に取り入れられることには、以下のようなメリットがあります。

  • 決済や送金などのシステムが充実し、現金を持ち歩いたり、銀行に行ったりする手間が省ける
  • 便利な会計ソフトなどが開発され、経理処理にかかる手間や時間が削減できる
  • AI(人工知能)によって資産運用が自動化され、誰でも気軽に資産運用ができるようになる
  • クラウドファンディングなど、これまでなかった融資サービスが利用できるようになる

このように、今まで多くの手間や時間、知識を必要としていた処理が、誰でも簡単にできるようになります。

フィンテックのデメリット

非常に便利に感じるフィンテックですが、デメリットも存在します。

  • 新規サービスであるため安定性が未知数で、急にシステムダウンしたり、サービスが終了したりする可能性がある
  • ほとんどのサービスがインターネットを介して提供されるため、インターネットが利用できなくなると、サービスも利用できなくなる
  • 情報漏えいやデータの消失などのリスクがある

多くのフィンテックがインターネットに依存しているため、システム障害や災害に弱いという点が大きなデメリットといえます。また、個人情報、機密情報の漏えいのリスクを考慮することも重要です。

銀行法改正のポイント

日本には『銀行法』という法律があります。この法律は、銀行業務の公共性と信用維持、預金者保護の確保、及び銀行業務を健全かつ適切に進めるための法律です。

日本の法律は、時代の流れや経済の動向、政府の政策などに応じて定期的に改正が行われています。それは銀行法も例外ではありません。17年には、フィンテックの広がりに合わせた改正が行われています。

e-Gov法令検索

銀行法改正の流れ

銀行法に限らず、法改正は以下のような流れで進められます。

  1. 法律案の原案作成
  2. 内閣法制局の審査
  3. 国会提出のための閣議決定
  4. 国会での審議
  5. 法律の成立
  6. 法律の公布

主なポイント

17年の銀行法改正の主なポイントは、電子決済等代行業制度の創設です。フィンテックの推進によって出現した電子送金・口座管理サービスなどを主な業務とする企業を、『電子決済等代行業者』として登録し、法的に管理することを目的としています。

  • 電子決済等代行業の定義を定めること
  • 電子決済等代行業者を登録制とし、内閣総理大臣の登録を受けた業者でないと電子決済等代行業が営めないようにすること
  • 電子決済等代行業者が利用者に対し、健全かつ適切に対応すること
  • 銀行に対し、電子決済等代行業の有無や導入時期を明らかにすること

主に、上記のような点を重視した改正が行われています。

「銀行法施行令等の一部を改正する政令等(案)」の公表について

施行と経過措置

法改正が行われたときには、新たな法律が施行されるまでに猶予が設けられます。企業などが新たな法律に対応する時間をつくるためです。

ただし、公布から長期間放置されるようなことはなく、1年以内に施行するのが原則です。17年6月2日に公布された改正銀行法は、18年6月1日に施行されています。

また、改正銀行法が施行される前から電子決済等代行業をしていた企業は、施行後6カ月間は登録なしで事業を継続できるなど、経過措置も設けられています。

フィンテックと世界の動向

フィンテックが広がりを見せているのは日本やアメリカだけではありません。フィンテックと世界の動向を見てみましょう。

中国は電子決済先進国

中国は電子決済の先進国です。日本銀行発表の『17年・モバイル決済の現状と課題』によると、日本のモバイル決済普及率は6%しかありません。

しかし、中国におけるモバイル決済普及率は68%あると言われており、農村部でも電子決済が可能な施設や店舗が60%を超えています。

決済システムレポート別冊「モバイル決済の現状と課題」: 日本銀行 Bank of Japan
中国、モバイル決済浸透率68% 金額は米の11倍 写真1枚 国際ニュース:AFP BB News

フィンテック推進に積極的なイギリス

イギリスもフィンテック推進に積極的です。財務大臣が14年8月のスピーチで、イギリスを『Global Fintech Capital(グローバル・フィンテック・キャピタル)』として発展させると宣言しています。

実際の取り組みとしては、フィンテック関連サービスの導入にあたり、法規制に抵触しないかの事前チェックやフィンテック推進を妨げる規制の調整などが行われています。

また、フィンテック関連企業10社をロンドンに招待する計画を立てるなど、国を挙げてフィンテック推進に取り組んでいるのです。

各国政府のフィンテックに関する取り組み : 富士通総研

シンガポールではテクノロジー活用を重視

シンガポールでは、政府が金融サービスにおけるテクノロジー活用の促進を表明しています。

金融管理局が中心となってフィンテック専門組織を立ち上げ、そのトップにフィンテックのテクノロジー活用に携わった担当を据えるなど、積極的な取り組みが行われているのが特徴です。

16年からは『フィンテック・フェスティバル』という、世界最大級のフィンテックのイベントが毎年開催されており、世界各国から多くの企業・団体が参加しています。

フィンテック・フェスティバル、4.5万人参加 - NNA ASIA・シンガポール・金融

フィンテックの銀行への影響は破壊的?

フィンテックはこれまでの金融業界を大きく変える力を持っています。金融業界の中心である銀行にとってその影響は非常に大きく、今後銀行業務が大きく変化する可能性があります。

銀行のサービスとは

銀行が提供する主なサービスには、以下のようなものがあります。

  • 預金:預金者のお金を預かり、管理する
  • 貸付:個人や法人にお金を貸す
  • 為替:口座振替や料金の引き落とし、送金などをする
  • 外国為替:外国とお金をやりとりする
  • 投資信託:投資家から預かったお金を運用し、収益を還元する

これらのサービスを提供する際に発生する手数料が、銀行の主な収入源です。なお、預金者が預けたお金は銀行に保管されているわけではなく、貸付金に利用されたり、資産運用されたりしています。

銀行の預金に利子が付くのはこのためです。預金者から預かったお金で利益を得ているので、その利益の一部が還元されています。つまり、銀行にお金を預けることは、資産運用の一種なのです。

銀行員や店舗は減少の流れ

これまでは、銀行が前述のような業務を担うには、多くの人員と時間を必要としていました。しかし、フィンテックによって、これらの業務が自動化、簡易化されていっています。

また、インターネット上で振り込みや送金などができるので、窓口業務も減少しています。その結果、銀行員や店舗は減少の流れになってきているのです。

例えば、日本のメガバンクである三菱UFJ銀行は、23年までに窓口のある店舗を半減させること、20年の新卒採用を前年比の45%減とすることを発表しています。

同じくメガバンクの三井住友銀行は新卒採用を10%減、みずほ銀行も20%減を目指す計画を打ち出しています。大規模なリストラも敢行されており、厳しい時代が到来しているといえるでしょう。

三菱UFJ銀、窓口のある店舗半減 23年度までに :日本経済新聞
「令和2年」新卒採用、三菱UFJは45%、三井住友は10%削減 - 産経ニュース

フィンテックと銀行業務

フィンテックと銀行業務には共通点が多く、これからさらにフィンテックが広がることで、銀行が不要になる可能性も指摘されています。

例えば、これまで公共料金の支払いやクレジットカードの引き落としなどは、銀行を通すしかありませんでした。しかし、今後フィンテックが広がれば、銀行を介さなくても直接相手に振り込みできるようになるでしょう。

銀行を介さなければ、営業時間や休日、手数料などを気にする必要がなくなるので、企業にとっても利用者にとってもメリットが大きいのです。さまざまな分野でフィンテックが広がることで、銀行は意義や収益を失い、衰退していく可能性があります。

フィンテックが可能にするサービス

フィンテックを活用したサービスは、すでにいくつも提供されています。ここでは、その中でも代表的な『決済』『クラウドファンディング』『ロボアドバイザー』について紹介します。

決済

多くの人に馴染みがあるフィンテックは、『モバイル決済』や『Paypal』、『電子マネー』などの決済サービスです。これらの決済では現金を必要とせず、データ上ですべてが完了します。

電子マネーは多くの交通機関で導入されているので、利用したことがある人も多いでしょう。自分では意識していなくても、フィンテックが生活に入り込んでいるのです。

モバイル決済とは、電子マネーを含めることもありますが、主にスマートフォンを利用した決済方法を指します。スマートフォンをかざすだけで決済できるもの、QRコードを読み取るものなどいくつか種類があるのが特徴です。

政府がキャッシュレス化を推進しているのに伴い、今後さらに利用が拡大していくことが見込まれます。

クラウドファンディング

『クラウドファンディング(crowdfunding)』は、ニュースなどで耳にする機会が多いフィンテックですが、実際に利用したことがある人は少ないでしょう。

『crowd(群衆)』と『funding(資金調達)』を組み合わせた造語で、インターネット上で不特定多数の人に融資を募る仕組みのことです。

融資を募る側はビジネスなどのための資金を、融資をした側は融資金で開発・提供されたものやサービスを得られます。また、クラウドファンディングの種類によっては、税金の控除や利益の分配金が得られることもあります。

銀行を介さない融資という画期的なサービスですが、融資を募った側が商品を届けないなどのトラブルも起きているため、見極めが重要です。

ロボアドバイザー

資産運用を考えている人であれば、『ロボアドバイザー』という言葉を聞いたことがあるでしょう。ロボアドバイザーとは、AIが金融工学の理論や過去のデータを分析し、資産運用に関するアドバイスをしてくれたり、自動で資産運用してくれたりするサービスのことです。

金融商品の選択や資産管理など、すべてを自動で行ってくれるロボアドバイザーもあり、投資初心者で知識がなくても手軽に資産運用ができます。

多くの証券会社などがロボアドバイザーを提供していますが、それぞれ性能が異なるので、自分が希望する機能が搭載されているかを確認することが重要です。

WealthNavi(ウェルスナビ)| ロボアドバイザーで全自動の資産運用

銀行の今後や覚えておきたいポイント

これから先、フィンテックはますます生活の中に浸透していくでしょう。そのために覚えておきたいポイントや、銀行の今後について解説します。

プライベートバンク型が増える?

フィンテックの浸透で、銀行を通さない決済や個人間の融資が増えることにより、銀行は従来のやり方から大きく変化することを求められます。

しかし、モバイル決済やクラウド型の会計システム、クラウドファンディングなどは、すでに多くの事業者が参入しており、これから莫大なコストをかけて銀行が参入するには遅すぎます。

これから銀行が進む道として考えられるのは、フィンテック関連のサービスと連携しやすいようネットバンクの機能をさらに充実させることです。

また、現在世界的に富裕層が増加しています。それは日本も例外ではありません。そのような富裕層向けに、銀行の資産運用やコンサルティングなどの知識と信用度を活かしたプライベートバンク(※)を提供する道もあるでしょう。

(※プライベートバンクとは、単にお金を預けるだけでなく、顧客それぞれに合わせた資産管理や資産運用などのアドバイスをする銀行のことです)

提携して生き残ることが道?

銀行がフィンテックの広がりに対応するには、多額の費用がかかります。メガバンクの資産規模であれば耐えられるかもしれませんが、地方銀行など資産規模の小さな銀行では対応しきれないでしょう。

そのため、規模の小さな銀行同士で提携、あるいは吸収・合併を進め、生き残りをかけることが一つの道であるといえます。

フィンテックや資産運用に興味を持とう

フィンテック関連のサービスはすでに数多く登場していますが、これからさらに増えていくでしょう。そうすると、従来のサービスが終了することもあり得ます。

実際、キャッシュレス決済のみ対応の飲食店が登場しています。コンビニ各社もレジの無人化やキャッシュレス決済の取り扱い数を増やすなど、フィンテックの導入に積極的です。

いずれ、引き落としや振り込みなどが、インターネット上での取り扱いのみに変わるかもしれません。このような変化に対応するためには、消費者側もフィンテックに興味を持つことが重要です。

また、フィンテックによって資産運用も手軽できるようになっていっています。老後の生活に不安がある日本では、フィンテックを活用した資産運用も重要なものとなるでしょう。

まとめ

フィンテックとは、情報通信技術を駆使した金融商品やサービスのことです。世界中でフィンテックの導入が積極的に行われており、日本でもさまざまなサービスが登場しています。時代の変化についていけるよう、フィンテックに興味を持ち、活用してみましょう。

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