ICOCAはモバイル対応していない
『ICOCA(イコカ)』は、JR西日本を主な利用エリアとする、交通系IC(アイシー)カード(※)です。交通系ICカードは、以下の場面で利用できます。
- 公共交通機関に乗車する
- 加盟店で買い物する
『交通系ICカード』を持っている人は、カードの残額以内で公共交通機関の乗車や加盟店での買い物ができます。カード内の残額が少なくなった場合は、チャージすることで残額を増やすことが可能です。
交通系ICカードは、使用している種類により、利用方法の詳細が異なります。ここではまず、ICOCAとSuica(スイカ)の特徴を見ていきましょう。
(※交通系ICカードとは、電車やバスといった公共交通機関で、運賃として利用できるカードです。ICOCAのほかに、SuicaやPASMO(パスモ)などがあります)
モバイル対応はSuicaのみ
交通系ICカードの中で、『モバイルサービス』に対応しているのは、『Suica(※)』のみです。(2019年8月現在)モバイルSuicaを利用すれば、携帯電話をICカードとして利用できます。
モバイルSuicaを利用するメリットは、以下のとおりです。
- カードを持ち歩く必要がない
- 携帯端末を通してチャージができる
- 携帯電話で残額を確認できる
モバイルSuicaでは、携帯端末を通してクレジットカードなどからチャージできるため、券売機やコンビニなどでチャージする手間が省けます。
ICカードを利用したいけれどカードは増やしたくない人は、携帯電話で利用や手続きができる、モバイルSuicaが便利です。
(※Suicaとは、JR東日本の窓口で購入できる交通系ICカードです。首都圏だけでなく、日本全国の公共交通機関や加盟店で利用できます)
SMART ICOCAとは
SMART ICOCA(スマートイコカ)は、クレジットカードでチャージを行うICOCAで、手元に現金がなくてもチャージができる点が特徴です。
SMART ICOCAを利用するには、あらかじめクレジットカードを登録しておく必要があります。登録できるクレジットカードの一例は、以下のとおりです。
- J-WEST(ジェイ ウエスト)カード(※)
- VISA(ビザ)
- JCB(ジェイシービー)
- アメリカンエクスプレス
- ダイナースクラブ
(※J-WESTカードとは、JR西日本の公式クレジットカードです)
モバイルSuicaとの比較
モバイルSuicaとSMART ICOCAの特徴は、下表のとおりです。
モバイルSuica | SMART ICOCA | |
カード発行 | なし | あり |
年会費 | 1030円(税込み※1) (ただし、ビューカード保有者は当面無料) |
なし |
デポジット(※2) | なし | 500円 |
チャージ方法 | ・手動チャージ ・オートチャージ(ビューカードでの登録が必要) |
・クイックチャージ |
オートチャージでは、残額が一定期間を下回った場合、改札通過時に一定の金額まで自動でチャージされます。オートチャージされるのは、SuicaおよびPASMOのエリアに設置された自動改札機のみです。
(※1:20年2月26日以降の会員登録および継続は、クレジットカードの種類に関わらず、モバイルSuicaの年会費が不要になる予定です)
(※2:デポジットとは、カード発行預かり金のことです。カードの使い捨てを防止するなどの目的で設けられ、カードの返却時に返金されます)
SMART ICOCAの作り方や使い方
次に、SMART ICOCAについてさらに詳しく解説します。
申し込みから購入の流れ
SMART ICOCAを購入するには、以下の方法があります。
- JRおでかけネットから、オンラインで申し込み
- JRおでかけネットから入会申込書を請求し、郵送
- ICOCA対応エリアの駅で申込書を入手し、郵送
- 大阪駅のClub(クラブ) J-WESTサービスコーナーで申し込み
手続きをするには、決済用クレジットカードおよび本人確認書類(運転免許証)が必要です。また、カードの発行には2000円(デポジットを含む)がかかります。
大阪駅のサービスコーナーで申し込んだ場合、SMART ICOCAが即日発行されます。その他の申し込みでは、発行までに1週間程度待たなければなりません。発行を急ぐ人は、サービスコーナーを利用しましょう。
SMART ICOCA、SMART ICOCA定期券のご購入方法 │ ICOCA:JRおでかけネット
SMART ICOCAの使い方
SMART ICOCAは、JR西日本の利用可能エリアに設置された、以下の機械でチャージできます。
- クイックチャージ機
- 入金機
- 自動券売機
- のりこし精算機
チャージをするには、カードホルダーにカードを挿入し、画面上で希望のチャージ金額(3000円・5000円・1万円)を選択しましょう。金額を選択すると、あらかじめ登録したクレジットカードを通じて、チャージが完了します。
SMART ICOCAにチャージ:クイックチャージ機 │ ICOCA:JRおでかけネット
モバイルSuicaの作り方や注意点
最後に、モバイルSuicaの作り方を見ていきます。
利用開始までの流れ
モバイルSuicaを利用したい人はまず、メールアドレスが設定されている携帯電話とクレジットカードを用意しましょう。モバイルSuicaに利用できるクレジットカードの一例は、以下のとおりです。
- ビューカード
- JCB
- VISA
- マスターカード
次に、アプリをダウンロードし、クレジットカード情報などの必要事項を入力すれば、会員登録は終了します。登録終了後は、すぐにモバイルSuicaの利用が可能です。
なお、モバイルSuicaへの移行に伴い不要となったSuicaカードを、JR東日本Suicaエリア内のみどりの窓口に持って行くことで、500円のデポジットが返金されます。
JR東日本:モバイルSuica>モバイルSuicaをはじめる
モバイルSuicaの使い方
モバイルSuicaでは、携帯電話を改札機の読取部分にかざすだけで、運賃が支払われます。加盟店で利用する場合は、店舗に設置された読取機に携帯をかざし、代金を支払いましょう。
電車やバスへの乗車や加盟店での買い物以外にも、以下のケースなどでモバイルSuicaを利用できます。
- 定期券の購入
- グリーン券の購入
- 新幹線乗車券の購入
モバイルSuicaを利用することで、窓口に行くことなく、定期券やグリーン券・新幹線乗車券を購入できます。また、払い戻しの手続きも携帯電話から可能です。
注意すべきポイント
モバイルSuicaを利用する注意点には、以下があります。
- 切り替え後は、すぐにカードが使えなくなる
- 子供用通学定期券は購入できない
- 機種変更時には手続きが必要
モバイルSuicaをダウンロードした携帯電話を機種変更する場合、変更前の旧機種および変更後の新機種でそれぞれ手続きが必要です。携帯ショップに行く前に、旧機種での変更手続きを忘れずに行いましょう。
まとめ
ICOCAは、クレジットカードでチャージができる交通系ICカードです。モバイルSuicaは、携帯電話をSuicaとして利用できるようになる、モバイルサービスです。
それぞれの特徴を比較検討し、自分に合ったカードを選びましょう。