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iDeCoの節税メリットとは?掛け金の上限や節税効果のまとめ

iDeCo(イデコ)の節税メリットとは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。本記事では、iDeCoの節税メリットの詳細や節税額の計算方法について解説します。また、掛金の上限や控除を受けるための手続きの流れについても知っておきましょう。

この記事の目次

iDeCoのメリットとは

iDeCoとは、任意で加入する私的年金制度のことです。毎月拠出(きょしゅつ※)する掛金を使い、自分で投資商品を選択、購入、運用します。

そして、積み立てた掛金と運用益に応じた金額を、60歳以降に老齢給付金として受けとるという仕組みです。また老後の資金作り以外にも、節税に役立つというメリットもあります。

(※拠出とは、相互扶助を目的に、互いに金銭などを出し合うことをいいます)

イデコってなに|イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会

掛金の全額が所得控除

iDeCoの節税メリットのひとつに、1年間で拠出した掛金が全額所得から控除できるというものがあります。

所得税・住民税は年間の所得額(※1)から所得控除(※2)を差し引いた後の、『課税所得額』に応じて税額が決まります。

1年間で拠出した掛金額を全額差し引くと、その分、課税所得額が下がることから、所得税や住民税が節税できるのです。

(※1.所得額とは、収入額から会社員などの給与所得者は給与所得控除、自営業者は必要経費を差し引いた後の金額のことです)

(※2.所得控除とは、所定の条件を満たす場合に、所得額から一定額を差し引いて所得税や住民税の負担を軽減できる制度のことです)

運用益が非課税

iDeCoの投資商品の運用で得た運用益は非課税であることもメリットのひとつです。通常の資産運用では、運用益に20.315%の税金が課されます。

例えば、10万円の運用益を得たとしたら、2万315円が税金として差し引かれるということです。しかし、iDeCoでは10万円の運用益をそのまま手元に残せるため、効率のよい資産形成が可能です。

受取時にも税制優遇がある

iDeCoには、『老齢給付金』『障害給付金』『死亡一時金』の3種類の給付金がありますが、どの給付金の受取時でも、税制優遇が受けられます。

給付金の種類 受取方法 税制優遇
老齢給付金 年金 公的年金等控除(※)
一時金 退職所得控除(※)
障害給付金 年金 非課税
一時金
死亡一時金 一時金 法定相続人1人あたり500万円まで非課税

(※老齢給付金受取時に適用される、公的年金等控除・退職所得控除の詳細については後述します)

iDeCoの節税効果は嘘?

iDeCoの節税効果を考えるときに、注意すべき点があります。それは、『老齢給付金受取時に税金がかかる』ということです。

iDeCoの積立期間中は、掛金全額が所得から控除できるほか、運用益も非課税であるため税金の負担を軽減できます。

しかし、老齢給付金は、自分で積み立てたお金と投資の運用益から受け取るものであるにもかかわらず、所得とみなされ税金が課されるのです。そのため、完全な節税対策とはいえません。

ただし、老齢給付金受取時には、『公的年金等控除』や『退職所得控除』といった税制優遇が受けられます。これらの控除を活用すれば、税金の負担を軽減できる制度であることは確かです。

退職金の重複に注意

老齢給付金を一括で受け取る際は、他の退職金との重複に注意しましょう。老齢給付金は「退職所得」に該当するため、老齢給付金と退職金を同じ年に受け取ると、2つを合算して退職所得控除額を計算することになり、課税対象額が増えて税率が高くなる可能性があります。

また、老齢給付金の受け取り以前14年の間に他の退職金を受け取っていると、勤続年数と加入期間が重複している部分を差し引いて控除額を計算しなければなりません。

仮に、勤続年数が30~60歳の30年の退職金を受け取り、その後加入期間が40~61歳のiDeCoの老齢給付金を受け取ったとします。

この場合、勤続年数と加入期間の重複部分を差し引くと、iDeCoの加入期間を1年として退職所得控除額を計算しなければならず、老齢給付金の控除額が大幅に少なくなります。

No.2735 同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき|国税庁
No.2732 退職手当等に対する源泉徴収 |源泉所得税|国税庁

もらい方に工夫が必要

できるだけ節税メリットを得られるようにするには、老齢給付金のもらい方に工夫が必要です。例えば、老齢給付金を一括で受け取ると退職所得控除がほとんど受けられなくなるのであれば、分割で受け取るとよいでしょう。

また、通常の退職金は、受け取る前年以前『4年間』に別の退職金を受け取っている場合に、勤続期間が重複している部分を差し引いて控除額を計算することになります。

そのため、60歳で老齢給付金、65歳で退職金を受け取るなど、受取の順序とタイミングを考慮すると、退職所得控除を最大限活用できるでしょう。

手数料もしっかり考慮しよう

老齢給付金を分割で受け取る場合は、手数料についても考慮することが重要です。iDeCoを利用する場合には、金融機関に専用の口座を作る必要がありますが、この口座の管理に手数料がかかります。

また、老齢給付金を受け取る際にも毎回手数料がかかるため、分割で受け取ると、その度に手数料が発生します。

事前に老齢給付金にかかる税金や手数料についてシミュレーションし、受け取り方や受給開始年齢を考えることが大切です。

手数料 | 個人型確定拠出年金(iDeCo) | 楽天証券

掛金の上限や平均

ここでは、掛金の上限額や平均額について見ていきます。

掛金の上限

掛金の上限は、国民年金の被保険者種別や企業型年金の加入の有無、加入している企業型年金の種類によって異なります。なお、掛金の下限は被保険者種別などにかかわらず、一律5000円です。

被保険者種別 対象者 掛金上限額(月額)
第1号被保険者 ・自営業者
・農業従事者
・フリーター
・無職
・学生
・6万8000円
第2号被保険者 ・公務員
・会社員
・企業型年金未加入者:2万3000円
・企業型確定拠出年金加入者:2万円
・確定給付企業年金加入者:1万2000円
第3号被保険者 ・第2号被保険者に扶養されている配偶者 ・2万3000円

確定拠出年金の対象者・拠出限度額と他の年金制度への加入の関係

掛金の平均

掛金の平均はいくらぐらいなのか、国民年金基金連合会発表の『iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況 (平成30年10月時点)』のデータを見てみましょう。

被保険者種別 掛金の平均
第1号被保険者 2万7424円
第2号被保険者 企業型年金未加入者 1万6189円
企業型確定拠出年金加入者 1万612円
共済組合員 1万1015円
全体 1万4236円
第3号被保険者 1万5584円
全体 1万5995円

業務状況|ライブラリ|イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会

掛金の変更について

掛金額の変更は、1年(12月~翌年11月)に1回のみ可能です。変更を希望する場合は、運営管理機関(※)に『加入者掛金額変更届』を提出しましょう。

なお、退職などで国民年金の被保険者種別が変わったことによる掛金額の変更は、回数制限には含まれません。

(※運営管理機関とは、厚生労働省・金融庁の承認を受けた、iDeCoの運営管理を行う金融機関のことです)

加入者の方へ|イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会
【iDeCo】毎月、掛金を拠出し続けなければいけませんか?|よくある質問|楽天証券

iDeCo加入で節税額はどれくらい?

ここでは、節税額の計算方法について解説します。

課税所得の計算方法

節税額を計算するためには、まず『課税所得額』を算出する必要があります。課税所得額の計算方法は以下の通りです。

  1. 『収入額−経費、または給与所得控除』で所得額を算出
  2. 『所得額−所得控除額』で課税所得額を算出

このとき、1年間で拠出した掛金額を差し引く前と差し引いた後の2パターンで、課税所得額を計算しておきましょう。

そして、各パターンの課税所得額に所得税率・復興特別所得税率を掛け、控除額を差し引いて、所得税額・復興特別所得税額を計算します。

  • 所得税額=課税所得額×所得税率−控除額
  • 復興特別所得税額=所得税額×2.1%

こうして算出した2パターンの所得税額・復興特別所得税額の差額が節税額です。

所得税のしくみ|国税庁
No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁
個人の方に係る復興特別所得税のあらまし|国税庁

主な所得控除は?

所得から差し引く所得控除には、以下のようなものがあります。

  • 基礎控除:誰でも無条件で受けられる所得控除
  • 配偶者控除:納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に受けられる所得控除
  • 扶養控除:納税者に所得税法上の扶養親族がいる場合に受けられる所得控除
  • 社会保険料控除:国民健康保険・健康保険・国民年金・厚生年金保険などの保険料を納めた場合に受けられる所得控除
  • 小規模企業共済等掛金控除:納税者が小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合に受けられる所得控除

iDeCoは上記のうち、『小規模企業共済等掛金控除』の対象となっています。所得控除は全部で14種類あり、それぞれ適用条件や控除額が異なるので、よく調べておきましょう。

No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

会社員や公務員の場合の節税額

会社員や公務員といった給与所得者が節税額を計算するときには、収入額から『給与所得控除』を差し引いて所得額を算出します。

給与所得控除とは、給与所得者に適用される控除のことで、所得控除とは異なるものです。控除額は、以下で計算できます。(2017年~18年分)

給与収入額 給与所得控除額
180万円以下 収入額×40%
※65万円に満たない場合は65万円
180万円超 360万円以下 収入額×30%+18万円
360万円超 660万円以下 収入額×20%+54万円
660万円超 1000万円以下 収入額×10%+120万円
1000万円超 220万円(上限)

No.1410 給与所得控除|所得税|国税庁

自営業の場合の節税額

自営業者が節税額を計算する場合は、収入額から必要経費を差し引いて所得額を算出します。必要経費として計上できるのは、以下のいずれかに該当する費用です。

  • 総収入金額に対応する売上原価
  • 総収入金額を得るために直接要した費用
  • その年に生じた販売費、一般管理費、その他業務上の費用

ただし、自営業者で自宅を仕事場にしているなど、経費と個人の支出が明確に分けられない場合もあります。

必要経費にできる範囲の詳細は、税務署や税理士に確認するとよいでしょう。

No.2210 やさしい必要経費の知識|所得税|国税庁

シミュレーションしてみよう

自分で節税額を計算するのがむずかしい場合は、公式サイトなどで公開されているシミュレーターを利用するとよいでしょう。年収や毎月の掛金額などの情報を入力するだけで、自動で節税額が計算できます。

ただし、シミュレーション後に収入額や掛金額などに変更があると、節税額も変わるので注意しましょう。

かんたん税制優遇シミュレーション|イデコ公式サイト|iDeCo|国民年金基金連合会

住民税の軽減も確認できる

多くのシミュレーターでは、住民税の節税額も表示されます。住民税の節税額を自分で計算するのは手間がかかるので、所得税の節税額と併せて確認しておきましょう。

受取時の税制優遇

老齢給付金受取時の税制優遇について、くわしく見てきましょう。

分割受け取りの場合

老齢給付金を分割(年金)で受け取る際の『公的年金等控除』とは、公的年金などによる収入額から所定の金額を差し引いて、税負担を軽減できる制度のことです。公的年金等控除の控除額は、以下の通りです。

年齢 公的年金等の年間収入金額 控除額
65歳未満 130万円以下 70万円
130万円超 410万円以下 収入金額×25%+37万5千円
410万円超 770万円以下 収入金額×15%+78万5千円
770万円超 収入金額×5%+155万5千円
65歳以上 330万円以下 120万円
330万円超 410万円以下 収入金額×25%+37万5千円
410万円超 770万円以下 収入金額×15%+78万5千円
770万円超 収入金額×%+155万5千円

公的年金等控除|用語集|企業年金連合会

一括受け取りの場合

老齢給付金を一括(一時金)で受け取るときに受けられる『退職所得控除』とは、退職金などの退職所得から勤続年数に応じた金額を差し引いて、税負担を軽減できる制度のことです。控除額は以下で計算できます。

勤続年数 計算方法
20年以下 40万円×勤続年数
※80万円に満たない場合は80万円
20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

iDeCoの老齢給付金の控除額の場合は、勤続年数を加入期間に置き換えて計算しましょう。

退職所得控除|用語集|企業年金連合会

iDeCoと住宅ローン

ここでは、iDeCoと住宅ローンの関係性について解説します。

住宅ローン控除の概要

住宅ローン控除とは、個人が住宅ローンによって住宅を購入・新築・増改築して、一定の要件を満たしている場合に受けられる税額控除(※)です。

所得税を対象とした控除であるため、所得税額から控除額を差し引くのが原則です。ただし、所得税から引ききれなかった場合は、翌年の住民税から控除することが認められています。

(※税額控除とは、所定の要件を満たしている場合に、所得税額や住民税額から所定の金額を直接差し引くことで、税金の負担を軽減できる制度のことです)

No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除|国税庁

併用はできる?

iDeCoと住宅ローン控除の併用は可能ですが、注意点があります。それは、iDeCoは所得控除、住宅ローン控除は税額控除の対象であるということです。2つの制度を併用した場合、以下のように控除が行われます。

  1. 所得額からiDeCoの掛金を含む所得控除額が差し引かれ、課税所得額が決定される
  2. 決定された課税所得から、所得税額・住民税額が算出される
  3. 所得税額から住宅ローン控除の控除額が差し引かれる
  4. 所得税額から住宅ローン控除の控除額が引ききれなかった場合は、翌年の住民税額から差し引かれる

iDeCoの掛金が所得控除されることで所得税額・住民税額が下がります。その結果、後から住宅ローン控除の控除額を差し引く際に、控除額全額を引ききれなくなる可能性があります。その場合は、翌年の住民税額から差し引かれますが、その金額には上限があるので注意が必要です。

所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方|総務省

iDeCoの控除手続き

掛金の控除を受けるためには、『年末調整』か『確定申告』で控除額を申告しなければなりません。それぞれの具体的な手続きの方法を知っておきましょう。

年末調整の場合

給与所得者は、年末調整の際に控除額を申告します。まずは、『給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書』を用意しましょう。

出典:税理士がやさしく解説 平成29年分保険料控除申告書の書き方

そして、『小規模企業共済等掛金控除』という箇所の、『個人型及び企業型年金加入者掛金』という欄に、1年間に支払った掛金の合計を記入します。

出典:年末調整のときに渡される保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書の書き方講座(平成29年版) – やまばた税理士事務所

そして、小規模企業共済等掛金払込証明書(※)と一緒に、勤務先に提出しましょう。

(※小規模企業共済等掛金払込証明書とは、1年間で拠出した掛金額の証明書のことです。11月頃に運営管理機関から送られてきます)

確定申告の場合

自営業者は確定申告で控除額を申告しましょう。まずは確定申告書第一表・第二表を用意します。そして、確定申告書第一表の『小規模企業共済等掛金控除』という欄に、1年間に支払った掛金の合計を記入しましょう。

平成29年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書B 第1表

出典:所得税及び復興特別所得税の申告に使用する申告書第一表様式の解説 平成29年分 松本寿一税理士事務所

次に、確定申告書第二表の『小規模企業共済等掛金控除』という欄に、以下の内容を記入します。

  • 『掛金の種類』という項目に『個人型確定拠出年金』と記入
  • 『支払掛金』という項目に1年間に支払った掛金の合計を記入

平成29年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書B 第2表

出典:所得税及び復興特別所得税の申告に使用する申告書第二表様式の解説 平成29年分 松本寿一税理士事務所

そして、小規模企業共済等掛金払込証明書と一緒に、税務署に提出しましょう。

まとめ

iDeCoは所得税や住民税の節税に役立つほか、運用益が非課税になったり、給付金受取時にも控除が受けられたりと、様々な節税メリットがある制度です。

節税メリットを最大限に活かせるように、老齢給付金の受取方法や手数料などについてよく調べておきましょう。

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