iDeCo掛金は全額が所得控除の対象
iDeCoとは、将来受け取る年金額を増やすために任意加入する、個人型年金制度のことです。
iDeCo専用の口座に掛金を拠出(※1)し、自分で運用商品を購入・運用して、60歳以降に年金として受給します。
iDeCo専用の口座に拠出した掛金は、全額が所得控除(※2)の対象となっているため、iDeCoに加入することが節税対策につながるのです。
(※1.拠出とは、相互扶助などを目的として、それぞれが金銭などを出し合うことです)
(※2.所得控除とは、所定の金額を所得額から差し引き、所得税の負担を軽くするための制度のことです)
イデコってなに|イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会
所得税、住民税が軽減される
所得額からiDeCoに拠出した掛金を控除すると、所得税と住民税の負担が軽減されます。
所得税と住民税の金額は、1年間で得たすべての所得の合計額から、各種の所得控除を差し引いた金額(課税所得)によって決定されるためです。
iDeCoの掛金額を所得額から差し引くと課税所得額が少なくなるので、所得税と住民税の金額は下がります。
所得控除のあらまし|国税庁
所得税のしくみ|国税庁
住民税について 墨田区公式ウェブサイト
加入資格ごとにiDeCo掛金の上限が違う
iDeCoは、国民年金の種別や現在加入している企業型年金の種類などによって、掛金の上限が異なります。
公的年金の種類と加入する制度|日本年金機構
確定拠出年金の対象者・拠出限度額と他の年金制度への加入の関係
自営業者、フリーランス
自営業者やフリーランスは、国民年金の第1号被保険者に該当します。国民年金の第1号被保険者の場合、iDeCoの掛金の上限は、『月額6万8000円(年額81万6000円)』となっています。
会社員
会社員は、国民年金の第2号被保険者に該当します。国民年金の第2号被保険者の場合は、企業型年金の加入の有無や、加入している企業型年金の種類で掛金額の上限が異なります。
- 企業型年金未加入の場合:月額2万3000円 / 年額27万6000円
- 企業型確定拠出年金に加入している場合:月額2万円 / 年額24万円
- 確定給付型企業年金に加入している場合:月額1万2000円 / 年額14万4000円
注意したい点は、企業型年金加入者は、勤務先が企業型年金とiDeCoの同時加入を許可している場合のみ、iDeCoに加入できるということです。
企業型年金加入者でiDeCoへの加入を考えている場合は、まず会社の年金担当者に、iDeCoへの加入が許可されているかを確認しておきましょう。
公務員
公務員は、国民年金の第2号被保険者の確定給付型企業年金加入者となります。そのため、iDeCoの掛金額の上限は、『月額2万3000円(年額27万6000円)』となっています。
専業主婦など
専業主婦などの、第2号被保険者に扶養されている配偶者の場合は、iDeCoの掛金額の上限が『月額2万3000円(年額27万6000円)』となっています。
掛金の拠出でどのくらい節税になるか
iDeCoに掛金を拠出することによって、どれぐらいの節税になるのでしょうか。
節税効果を計算シミュレーション
iDeCoに加入することで、いくらぐらい節税できるのかは、所得額と掛金額によって異なります。
iDeCo公式サイトなどで公開されているシミュレーションツールで、簡単に節税額を計算できるので活用するとよいでしょう。
かんたん税制優遇シミュレーション|イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会
専業主婦は要注意
専業主婦などの被扶養者が、節税目的でiDeCoへの加入を検討している場合は注意が必要です。被扶養者は、そもそも所得税や住民税を納めていないため、iDeCoに加入しても大きな節税効果は得られません。
所得税や住民税の納税者の場合は、仮にiDeCoの運用で損失が出たとしても、節税額が損失額を上回れば、損失を相殺できることになります。
しかし、被扶養者は節税額がほぼ0円に近いため、節税額で損失を補うことができません。
ただし、通常の投資で得た利益には税金がかかりますが、iDeCoの運用で得た運用益は非課税となっているため、資産運用目的での加入であればメリットがあります。
まとめ
iDeCoに加入することで、どれぐらいの節税効果を得られるのかは、所得額と掛金額によって異なります。
iDeCo公式サイトなどで公開されているシミュレーションツールを利用して、節税額を計算してみましょう。
iDeCoの上限金額は?掛け金に関するポイントや控除計算のまとめ