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所得税の扶養とは。制度の概要と知っておきたいポイントまとめ

日本では、収入が多ければ多いほど、所得税も高くなってしまいます。しかし、扶養などの条件を満たせば、納税額が少なくなる可能性があります。今回は、所得税に関する扶養について、控除の種類やその条件などについて解説します。

この記事の目次

所得税上の扶養とは

所得税法上で扶養は、『扶養親族』のこと指し、生計を一にしている配偶者以外の親族のことをいいます。

配偶者控除と扶養控除

所得税は、所得のすべてが課税の対象となるわけではありません。条件に合致していれば、それぞれ一定額が控除される仕組みになっています。

その中でも特に扶養に関係しているのが、配偶者控除と扶養控除です。納税者に配偶者や扶養親族がいる場合、その年齢や条件に応じて一定の控除が得られる制度です。

なお、配偶者控除と扶養控除は、所得税法で定められている所得控除14種類の中に含まれています。

配偶者控除|国税庁
扶養控除|国税庁

扶養の条件

配偶者控除と扶養控除は、対象者の条件がほぼ同じです。まず、それぞれに共通している条件は以下のとおりです。

  • 納税者と生計を一にしている
  • 年間所得合計額(※)が38万円以下
  • 事業専従者(納税者の事業に従事している人)ではない

(※所得額とは、収入から給与所得控除や経費を差し引いた金額のことです)

児童手当制度とは

児童手当制度は、中学生以下の児童を育てている保護者(養育者)に対して、一定の金額が支払われる制度です。児童の年齢に応じて、毎月手当金が給付されます。

申請した手当(給付)のみを受けることができ、申請が遅れた分に関してあとから手当を受けることはできません。出生があった日から15日以内が期限となるので、忘れずに申請しましょう。

なお、児童手当制度では、扶養親族の人数によって、手当を受けられる所得の制限が決められています。

扶養親族等の数 所得額 収入額
0人 622万円 833.3万円
1人 660万円 875.6万円
2人 698万円 917.8万円
3人 736万円 960万円
4人 774万円 1002.1万円
5人 812万円 1042.1万円

たとえば、扶養親族が2人いる場合、保護者の所得が698万円を超えていると、児童手当は受けられません。

また、保護者の所得が960万円以上の場合も、児童手当の給付を受けられず、その場合は、特例給付として月額5,000円が給付されます。

児童手当制度の概要 - 内閣府
リーフレット「児童手当」(平成30年度版) - 内閣府

収入の基準と控除の金額

扶養は、収入額や年齢などによって控除額が変わります。それぞれの収入の基準と、控除額について解説します。

配偶者の場合

納税者に配偶者がいる場合、控除適用条件に該当すれば、配偶者控除が受けられます。

配偶者控除は、配偶者の合計所得額が38万円以下の場合に適用され、控除額は納税者の所得額に応じて、以下のように異なります。なお、配偶者が70歳以上の場合、老人控除対象配偶者として扱われます。

納税者の所得額 配偶者控除 老人控除対象配偶者
900万円以下 38万円 48万円
900万円超 950万円以下 26万円 32万円
950万円超 1,000万円以下 13万円 16万円

また、配偶者の所得が38万円を超える場合、配偶者特別控除が認められています。配偶者特別控除では、納税者の所得額と配偶者の所得額によって控除額が異なります。

配偶者の合計所得額 納税者の合計所得額が900万円以下 納税者の合計所得額が900万円超 950万円以下 納税者の合計所得額が950万円 超1,000万円以下
38万円超 85万円以下 38万円 26万円 13万円
85万円超 90万円以下 36万円 24万円 12万円
90万円超 95万円以下 31万円 21万円 11万円
 95万円超 100万円以下 26万円 18万円 9万円
100万円超 105万円以下 21万円 14万円 7万円
105万円超 110万円以下 16万円 11万円 6万円
110万円超 115万円以下 11万円 8万円 4万円
115万円超 120万円以下 6万円 4万円 2万円
120万円超 123万円以下 3万円 2万円 1万円

満額38万円の控除を受けるためには、納税者の合計所得額が900万円以下、かつ配偶者の合計所得が85万円以下である必要があります。

配偶者控除|国税庁
配偶者特別控除|国税庁

子供などそのほかの親族の場合

納税者に子供やそのほかの親族がいる場合、年間38万円以下の所得であれば扶養親族として認められます。

控除額は、扶養親族の区分によって異なります。

扶養親族の区分 適用年齢 控除額
一般の控除対象扶養親族 16歳以上 38万円
特定扶養親族 19歳以上 23歳未満 63万円
老人扶養親族(同居老親等) 70歳以上 58万円
老人扶養親族(同居老親等以外) 70歳以上 48万円

同居老親等とは、納税者またはその配偶者の父母・祖父母にあたる親族で、常に同居している人のことを指します。

扶養控除|国税庁

所得税の扶養控除について。子供はいつまで扶養控除の対象になるか

親など年金受給者の場合

親が70歳以上で、年間合計所得額が38万円以下の場合、老人扶養親族として認められ、控除を受けられます。ただし、年間の所得が年金だけの場合は注意が必要です。

公的年金の所得計算には、金額ごとに控除が定められており、65歳以上であれば、120万円までの年金収入は全額控除されます。

つまり、70歳以上で120万円 + 38万円 = 158万円までの収入であれば、老人扶養親族として認められるということです。

公的年金等の課税関係|国税庁

所得税の扶養控除について。年金受給者を扶養対象としたいときは?

所得税の扶養に入れる金額は?扶養控除で知っておきたいこと

扶養で知っておきたいポイント

配偶者控除や扶養控除など、扶養に関する基礎知識として、知っておきたいポイントがいくつかあります。

判断時期

控除の対象となる年齢は、その年の12月31日時点での年齢で判断します。

たとえば10月1日現在、18歳の子供(扶養親族)がいた場合、誕生日が9月1日であれば12月31日時点でも18歳ですが、誕生日が11月1日であれば、12月31日時点では19歳ということになります。

この場合、一般の扶養親族ではなく、特定扶養親族として扱われます。

給与額面と所得の違い

『所得』とは、会社から受け取った給与の金額のことではなく、収入(給与)などから経費を差し引いた金額のことをいいます。

給与の場合、給与所得控除が経費の代わりとなります。給与所得控除は、給与収入の金額にもよりますが、最低でも65万円を控除することができます。

たとえば、給与収入が90万円だった場合、給与所得控除の65万円を差し引いた25万円(90万円 - 65万円)が給与所得となります。

給与所得|国税庁

配偶者控除の改正

配偶者控除は、2017年の税制改革により条件が変更され、2018年1月から改正されました。税制改革とは、そのときの社会情勢に合わせせて、国税の税率や控除の内容を改革していくことです。

2017年の税制改正前は、納税者の所得額は関係なく、配偶者の所得額と年齢によってのみ控除額が変わる仕組みでした。

たとえば、納税者の年間所得が1,000万円を超えていても、配偶者の所得が条件(38万円以下)を満たしていれば、控除を受けることができていました。

また、改正前は納税者の年間所得に関係なく、控除額は一律38万円でした。しかし、改正後は、納税者の年間所得額に応じて、控除額が変わる仕組みになっています。

配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて|国税庁

扶養人数の数え方

扶養を考えるとき、人数の数え方に注意が必要です。ポイントは、配偶者控除や扶養控除など、対象を分けて考えることです。たとえば、『妻と子供2人の4人暮らしだから、扶養人数は自分を除く3人』と簡単に計算できるものではないということです。

生計を一にしている親族に対して、それぞれ控除の対象かどうか調べていく必要があります。

納税者の配偶者に年収はあるか、子供の年齢や収入はいくらか、親の年齢や年金額など、それぞれ個別に考えていくことがポイントです。

所得税の扶養、別居の場合。別居の親や子など様々なパターンを解説

障害者控除とは

障害者控除とは、親族に障害者がいる場合に受けられる所得控除のひとつです。

納税者自身にも適用

障害者控除は、納税者自身にも適用されます。つまり、自身が障害者である場合、自分の所得に対して障害者控除を適用することができるということです。

障害者控除|国税庁

対象となる人

障害者控除の対象となる障害者・特別障害者と認められる条件は、以下のとおりです。

  1. 精神上の障害により、ものごとを理解する能力が低い人
  2. 児童相談所・知的障害者更生相談所・精神保健福祉センター・精神保健指定医の判定で『知的障害者(脳の発達障害により日常生活に支障をきたしている人)』と判定された人(※重度の知的障害者と判定された場合、特別障害者と認められる)
  3. 『精神保健及び精神障害者福祉に関する法律』の規定により、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人(※精神障害者保健福祉手帳に、障害等級が1級と記載されている場合、特別障害者と認められる)
  4. 『身体障害者福祉法』の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある人と記載されている人(※障害の程度が1級、または2級と記載されている人は、特別障害者と認められる)
  5. 障害の程度が、上記1.2.4に当てはまり、市町村長や福祉事務所長などから認定を受けている人(※特別障害者の基準を満たしていると認定を受けた人は、特別障害者と認められる)
  6. 『戦傷病者特別援護法』の規定により、戦傷病者手帳の交付を受けている人(※障害の程度が『恩給法(陸軍軍人を対象とした恩給制度)』に定める特別項症から第3項症(特別項症の症状が最も重く、準に軽くなり第7項症まであり)までの人は、特別障害者と認められる)
  7. 『原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律』の規定により、厚生労働大臣の認定を受けている人
  8. 身体の障害により、その年の12月31日の時点で寝たきりの状態が6カ月以上継続しており、複雑な介護(排便など)を必要とする人

控除額

障害者控除の控除額は、以下のとおりです。

区分 控除額
障害者 27万円
特別障害者 40万円
同居特別障害者 75万円

同居特別障害者とは、特別障害者の中でも、納税者・配偶者・生計を一にしている親族と常に同居している人のことです。

障害者控除|国税庁
同居特別障害者|国税庁

所得税の扶養と社会保険の扶養との違い

ここでは、所得税における扶養と、社会保険における扶養の違いについてみていきます。

扶養の範囲

社会保険の扶養の範囲は、配偶者・子・孫・兄弟姉妹・直系尊属が対象です。直系尊属とは、扶養者(被保険者)の父母や祖父母のことです。そのため、配偶者の父母や祖父母は直系尊属には該当しません。

また、扶養者と同居していることを条件に、3親等内の親族や内縁関係の配偶者の父母、および子が対象となります

3親等には姪や甥、曾祖父母、曾孫、伯叔父母(おじおば)などが該当します。そして、内縁関係とは、民法上の婚姻届は提出せず、婚姻の意志をもって共同生活している者のことをいいます。

従業員が家族を扶養にするときの手続き|日本年金機構

収入の基準

社会保険における被扶養者の収入基準額は、年間の収入額が130万円未満と定められています。さらに、同居している場合は扶養者の収入の半分未満、別居している場合は、扶養者からの仕送り額未満であることも条件となっています。

社会保険においては、被扶養者に該当する時点での収入と、それ以降の見込み収入を合わせた年間の収入が基準となります。

扶養控除申告書は必ず提出しよう

会社から給与をもらっている人は、年末調整の際に『扶養控除等(異動)申告書』を会社に提出しなければなりません。

会社員の場合、毎月所得税や住民税を源泉徴収(天引き)されています。源泉徴収は、給与額から納税額を計算し、あらかじめ会社が徴収しているものです。

本来、納税額は年末にならないと決まらないので、最終的に誤差がでる可能性があり、その過不足を調整するのが年末調整です。

年末調整をするために、納税者の扶養人数などを知る必要があるため、毎年必ず会社に提出しなければなりません。

提出しないと税金が高くなる

会社の給与から源泉徴収される際、会社が独自に金額を決めて天引きしているわけではありません。国税庁が公表している『源泉徴収税額表』に基づき、その人の給与額に合った金額を徴収しています。

源泉徴収税額表の中には、甲欄・乙欄という分類があります。これは、扶養控除等(異動)申告書を提出しているかどうかで徴収額が変わることを示しています。

つまり、扶養控除等(異動)申告書を提出していれば、徴収税額が低い甲欄での徴収、提出していなければ徴収税額が高い乙欄の金額で徴収することになります。

最終的に納める所得税額は変わりませんが、乙欄で源泉徴収された場合、毎月の負担が大きくなります。徴収されすぎた場合は、自分で確定申告をして還付を受ける必要があります。

平成30年分 源泉徴収税額表|国税庁

確定申告が必要になる

年末調整を受けるには、扶養控除等(異動)申告書の提出は、必要条件となっています。申告書を提出しないと、会社は年末調整を行うことができません。

会社が年末調整を行わないということは、自分で確定申告をしなければならないということです。

自分で確定申告をすれば、源泉徴収で多く徴収された所得税は還付されますが、手間がかかってしまします。したがって、年末調整の際にきちんと提出しましょう。

また、複雑な計算も確定申告専用のソフトを活用することで、簡単に確定申告が可能になります。確定申告ソフトで効率的に確定申告をしていきましょう。

freeeの使い方とは?確定申告や会社設立で役立つ機能を紹介

2カ所以上で働いている場合

扶養控除等(異動)申告書は、1人につき1カ所の勤務先にしか提出することができません。つまり、2カ所の勤務先で給与収入を得ている場合、どちらか一方の会社にしか提出できないということです。

申告書を提出していないほうの給与については、提出したほうの給与と合わせて、まとめて確定申告をする必要があります。

ただし、2カ所目の給与所得が20万円以下だった場合は、確定申告をする必要はありません。

給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

申告の手続き

扶養控除等(異動)申告書は、会社に提出することで手続きが行われます。ここでは、申告の手続きについて具体的にみていきます。

提出時期

扶養控除等(異動)申告書の提出は、その年の最初の給与支払日の前日までにしなければいけません。

また、扶養親族や配偶者が控除の適用を受ける場合や、適用がなくなる場合(異動)には、異動があった日の後の、最初の給与支払日の前日までに提出しなければなりません。

添付書類と方法

扶養控除や障害者控除など、控除の対象者がいる場合は、その証明となる書類を添付して提出しなければなりません。たとえば、勤労学生控除を受けるのであれば、勤労学生に該当することを証明する書類が必要です。

所得税上の扶養とは。手続きの方法や注意点をわかりやすく解説

まとめ

所得税における控除は、条件を満たしていれば誰でも受けられます。控除を受けるかどうかで、所得税額に大きな差が出てくるため、基本的な控除はしっかりと押さえておきましょう。

所得税ってなに?その概要と知っておきたいポイントについて

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