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所得税の予定納税って何?制度の内容や理解すべきポイントのまとめ

予定納税は、個人があらかじめ所得税を納税できる制度です。しかし、個人が自由に行えるわけではなく、決められた額をきちんと納税しなければなりません。今回は、所得税の予定納税仕組みや計算方法を詳しく解説します。

この記事の目次

確定申告の「経費精算」・「節税対策」期限まで、残り 25日 です。

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予定納税とは

前年の所得が多かった場合、所得税の納付が負担になってしまったり、納税できなかったりすることがあります。それを防ぐために、あらかじめ所得税を納めておく制度が『予定納税』です。

この制度は個人が選択できるものではなく、条件を満たした場合、所得税および復興特別所得税の予定納税を行わなければなりません。

予定納税|国税庁

前年の所得税をもとに通知

予定納税は前年の所得をもとに、税務署が納税者に通知をします。前年1月1日から12月31日までの所得税の申告納税額が多かった場合に、予定納税が適用されます。

予定納税は、前年の所得と同じだけの所得があると仮定して行われるので、退職所得や雑所得などの一時的な所得は含まずに計算されます。この一時的な所得のことを、予定納税の制度内で『除外所得』と呼ばれます。

つまり、予定納税は前年の所得税をもとに計算されますが、所得税の課税対象となった所得が除外所得の場合、予定納税は行われないということです。

また、会社員が所得税を会社の給与から天引き(源泉徴収)されている場合、源泉徴収税額は差し引いて計算されます。よって、副業などをしていなければ、予定納税の通知はこないということです。

所得税の予定納税は給与所得者にも。減額申請や還付加算金も解説

納期限と振替日

予定納税は、予定納税額の1/3を2期に分けて納付しなければなりません。つまり、翌年に納付する予定の所得税の2/3を納めることになります。そして、翌年の確定申告で残り1/3の所得税と差額分を納めれば完納となります。

予定納税の納期限は、第1期が7月1日から7月31日、第2期が11月1日から11月30日です。ただし、特別農業所得者は除きます。

特別農業所得者とは、1年間の所得の多くが農業による所得(農業所得)であると認められた人のことです。

農業所得が総所得額の7/10に相当する金額を超え、さらにその年の9月1日以降に生じる農業所得が1年間の7/10を超える場合に、特別農業所得者と認められます。

特別農業所得者は、その年の所得の大半が収穫期である9月以降になるため、9月15日の現況で予定納税が行われるか判断されます。

特別農業所得者の承認申請手続|国税庁

予定納税の意味

予定納税は国が所得税の徴収を、より確実に行うために定められた制度です。所得が多ければ所得税額も多くなるので、納税できないということを避けるために定められました。

特に、個人事業主で前年の利益が多く、事業を拡大するという人はたくさんいます。しかし、その年も同じような利益が出るとは限らず、所得税を納めることができなくなるということが起こってしまいます。

予定納税の納税額は、前年の12月31日で判断できるため、納税するための資金がないということを避けられます。予定納税で多く納税してしまった場合はきちんと返還されるので、納税者にとってデメリットにはなりません。

予定納税と確定申告

前述したとおり、予定納税は第1期と第2期に分けて行い、残りの納税額を確定申告で納付します。

申告義務があるにもかかわらず、確定申告をしなかった場合は脱税とみなされ、罰金や懲役を科せられることもありるので必ず納税しましょう。

基準額の計算方法

予定納税基準額は、以下のように計算します。

  • 予定納税基準額=前年分の課税総所得(※)に係る所得税額 - 前年分の源泉徴収税額

ただし、課税総所得を計算する際は、総所得の中に除外所得の金額(山林・退職・譲渡・一時・雑所得、および平均課税を選択した臨時所得)が含まれている場合、それらがなかったものとして計算をしなければなりません。

また、災害減免法の規定の適用を受けている場合には、その適用がなかったものとして計算します。

(※課税総所得とは、収入から給与所得控除や経費を差し引いた『所得額』から、所得控除を差し引いた金額のことです)

予定納税|国税庁
災害減免法による所得税の軽減免除|国税庁

通知が届いた場合は支払い義務が発生

予定納税に該当する場合は、税務署から通知書が送られてきます。この通知が届いた場合は、必ず予定納税を行わなければなりません。

前年の所得をもとに決定した予定納税基準額が15万円以上の場合は、予定納税の義務が発生します。予定納税基準額が15万円未満の場合、予定納税の義務は発生せず、通常通り翌年に納税をします。

予定納税基準額は、5月15日時点で確定している前年の所得で計算されます。その後、6月ごろに税務署から通知書が送られてきます。

確定申告では控除に含める

予定納税は、1月1日から12月31日までにかかる所得税、および復興特別所得税に関して、本来であれば翌年3月15日に納める分を、本年に前納するシステムです。

翌年3月の確定申告では、本年中に納めた予定納税額を控除して申告しなければなりません。確定申告書には、『所得税及び復興特別所得税の予定納税額』という欄があるので、そこに予定納税額を記入します。

たとえば、予定納税額が30万円だとすると、予定納税の第1期に1/3の10万円、第2期に1/3の10万円を納めます。

そして、翌年の所得税額が30万円だった場合、予定納税で納めた20万円(10万円 + 10万円)を控除した残りの10万円(30万円 - 20万円)が納税額ということになります。

税金の計算をする|国税庁

納付方法

予定納税の通知が届いたら、納期までに納付をしなければなりません。ここでは、納付方法について説明します。

国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)|国税庁

現金での直接納税

予定納税は、税務署や金融機関の窓口に納付書を提出し、現金により直接納税をすることができます。この場合、窓口でクレジットカードを用いて納付することはできないので注意しましょう。

現金に納付書を添えて納付(金融機関又は税務署の窓口)|国税庁

口座引き落としによる振替納税

納付方法は、普段利用している金融機関の預貯金口座からの引き落としによる、振替納税も可能です。振替納税をするには、事前に口座振替依頼書を提出する必要があります。

なお、一度依頼書を提出しておけば、翌年以降も自動で引き落としが行われるので非常に便利です。

申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付|国税庁

e-taxでの電子納税

e-tax(国税電子申告・納税システム)を利用している人は、インターネットを利用した『ダイレクト納付』が可能です。

ダイレクト納付とは、e-taxソフトを利用して申告を行い、登録している口座から納付をする方法です。e-taxでは確定申告だけではなく、国税に関する各種手続きをインターネット上で行えます。

事前登録が必要ですが、一度登録しておけば、翌年からはその情報をもとに手続きができます。

クレジットカードによる納税

国税クレジットカードお支払サイト』に登録をして、クレジットカードによる予定納税も可能です。

国税クレジットカードお支払サイトは、トヨタファイナンス株式会社が運営する、国税のクレジットカード納付専用サイトです。

国税庁がトヨタファイナンス株式会社を納付委託者として指定しており、立替払いを委託する形で納税を行います。

[手続名]クレジットカード納付の手続|国税庁

予定納税の減額申請

予定納税は、翌年の所得税をあらかじめ納める制度ですが、本年の所得が少ない場合、納税者の大きな負担となることがあります。

年の途中で、申告納税見積額が予定納税基準額に満たないとわかったときは、予定納税額の減額申請を行えます。

減額申請の方法

減額申請は、期限までに『予定納税の減額申請書』を税務署に提出しなければなりません。予定納税の減額申請書には、『申告納税見積額等の計算書』という欄があるので、納税額の見積もりを計算して記入します。

なお、予定納税の減額申請書の提出の期限は以下のとおりです。

  • 第1期、および第2期:7月1日から7月15日まで
  • 第2期のみ:11月1日から11月15日まで

提出期限が土日祝日の場合は、その翌日までとなります。

所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続|国税庁

減額申請が認められる主な理由

減額申請が認められる主な理由は、以下が挙げられます。

  • 事業の廃業・休業・失業
  • 業況不振による所得の減少
  • 災害・盗難・横領などにより資産に損害が発生
  • 本年分の所得控除額や税額控除額が増加

所得税の予定納税を減額申請する。その決まりと申請の仕方をご紹介

所得税の予定納税は廃業したらどうなる?減額の条件と活用方法

払いすぎの場合は還付される

予定納税は、未確定の所得に対して税金を納めています。よって、納税額が確定した時点で、予定納税額が本来の納税額を上回っていることもあり得ます。納めすぎた分の税金は、還付金という形で返還されることになります。

還付金とは

還付金とは、所得税の源泉徴収や予定納税など、あらかじめ納付することが定められている税金を納めすぎた場合に返還されるものです。

還付金を受給するには、自分で申告しなければなりません。所得税(予定納税)の場合、会社員であれば年末調整、個人事業主など年末調整を受けていない人は、確定申告書に還付金の金額を記載します。

国税の還付及び還付加算金 - 国税庁

還付加算金とは

還付加算金とは、還付金が返還される際に支払われるもののことです。利息のような性質を持っており、返還までの日数によって還付加算金額は変わってきます。

還付加算金は、納税があった日の翌日から、還付支払い決定日までの日数に応じて計算されます。その割合は年7.3%か、特例基準割合(※)のどちらか低いほうが用いられます。

(※特例基準割合とは、毎年銀行の金利をもとに国が計算して発表する割合のことです)

還付加算金|国税庁

還付加算金は仕訳に注意

還付加算金が発生した場合、所得税上では基本的に『雑所得』として計上します。つまり、その年の所得として計上され、翌年に納める所得税が発生するということです。

また、企業や個人事業主が帳簿をつける場合は、簿記上の勘定科目(簿記の仕訳に用いる名目)は『雑収入』として仕訳を行います。

銀行預金の利息などは『受取利息』として処理しますが、還付加算金は雑収入としての扱いです。受取利息と同じ性質を持っていますが、別の科目になるので注意が必要です。

還付加算金の収入すべき時期|所得税目次一覧|国税庁

所得税の予定納税は還付加算金でお得?その仕組みと申告方法をご紹介

予定納税の義務者が死亡した場合

予定納税の義務があり死亡した場合でも、基準日が到達していれば納税の義務は発生します。その義務は相続の対象となるので、相続人が納税することになります。

基準は6月30日

予定納税の義務が発生するかどうかは、判定基準日である6月30日がポイントとなります。6月30日以前に納税者が死亡した場合、予定納税の義務は発生しません。

もし予定納税の通知が届いた場合、納税者が死亡したことを税務署に連絡すれば、予定納税が取り消されます。

また、死亡時期が7月1日以降の場合、相続人が予定納税の納付を行わなければいけません。

法第104条《予定納税額の納付》関係|国税庁

相続と準確定申告

納税者が死亡した場合、相続人が納税者の代わりに確定申告を行い、これを『準確定申告』といいます。

この場合の所得税は、故人の所得にかかる税金で、相続した財産にかかるわけではありません。相続した財産には相続税がかかります。

準確定申告は納税者が死亡し、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に行わなければなりません。相続の開始があったことを知った日とは、基本的には納税者が死亡した日を指します。

また、納税者が1月1日から3月15日までに死亡し、確定申告と納税を行っていない場合、相続人は納税者の前年度分も合わせて、確定申告をする必要があります。

たとえば、2017年3月3日に納税者が死亡し、確定申告が済んていなかった場合、2016年1月1日から2017年3月3日までの所得を計算して確定申告を行う必要があります。

納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)|国税庁

予定納税で知っておきたいポイント

ここでは、予定納税を行うにあたり、知っておきたいポイントをみていきます。

予定納税でも延滞税は発生する

延滞税とは、定められた税金が期限までに納付されない場合に課せられる税金のことです。所得税・住民税・法人税・相続税・贈与税など、さまざまな国税に対して課せられます。

予定納税も所得税の一種なので、もし予定納税や減税申請を行わず、期日(納付期限)を過ぎてしまった場合、ほかの税金と同じように延滞税が発生します。

延滞税は、利息や延滞金のような性質を持つ税金で、完納までの日数に応じて加算されていきます。

延滞税の計算方法|国税庁

予定納税の仕訳

納税者が個人事業主の場合、予定納税の仕訳は、基本的には『事業主貸』で行います。たとえば、第1期の予定納税額が20万円で、現金による直接納付をした場合、以下のような仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
事業主貸 200,000 現金 200,000

また、個人事業主が普通預金口座から現金を引き出して納付をした場合は、以下のような仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
事業主貸 200,000 普通預金 200,000

予定納税額を個人事業主のプライベート用の預金口座や財布から支払ったときは、仕訳の必要はありません。上記の仕訳は、事業用の預金口座から支払うことにより、事業用の預金口座の残高が減少したこと記録するために行っているものです。

納税準備預金を活用しよう

予定納税などで資金繰りが難しくなることを避けるために、『納税準備預金』というサービスがあります。銀行などの金融機関が行っており、納税用の資金を預け入れるための商品です。

金融機関によって異なりますが、利率は普通預金よりも高く設定されています。また、発生した利子は非課税と定められています。

基本的に、納税のときだけしか出金することはできません。金融機関に納付書や納税額決定通知書などを提出し、納税目的であると認められた場合に出金ができます。

また、振替納税を登録しておき、納税準備預金から自動的に引き落としをしてもらうよう設定しておくことも可能です。

納税準備預金 | 貯める | 個人のお客さま | さわやか信用金庫

まとめ

所得税の予定納税は、納税者の負担になることがあります。しかし、翌年に納める分を前納しているだけなので、結果的には納税者のデメリットになることはありません。

むしろ、還付金があった場合には、還付加算金が発生することもあるので、納税者のメリットになります。予定納税の通知書が届いても、焦らず納税できるよう準備をしておくことが大切です。

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