住宅ローン減税制度とは
住宅ローン減税制度とは、住宅ローンの年末残高に対して一定額を、所得税や住民税から控除できる制度です。
借入金額の1%が10年間還付
住宅ローン減税制度は、住宅ローンの年末残高の1%にあたる金額が控除額となり、10年間控除を受けられます。
しかし、控除額には上限があり、一般住宅の場合は年間最高40万円、認定住宅の場合は50万円までとなっています。認定住宅には認定長期優良住宅と、認定低炭素住宅の2種類があります。
認定長期優良住宅とは劣化対策や耐震性、バリアフリー性などの、長期間良好な状態で保持するのに必要な項目を満たしている住宅をいいます。
認定低炭素住宅とは、低炭素化に関する措置が取られている住宅のことをいいます。具体的には、省エネ法の省エネルギー基準と比較して、省エネ対策をした住宅が対象となります。
減税が受けられる条件
住宅ローン減税制度を受けるには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。
- 床面積が50平方メートル以上(マンションの場合は専用部分の面積)であり、床面積の1/2以上が自分の居住用である
- 住宅ローンの期間が10年以上
- 取得日から6カ月以内に入居し、その年の12月31日まで住み続けている
- 合計所得額が3,000万円以下
- 長期譲渡所得の課税の特例などを5年間適用していない
住宅ローンの借入先は金融機関に限られますが、金利が0.2%を超える場合には、勤務先からの借入も認められます。また、長期譲渡所得の課税の特例については、居住用に用意した年の前後2年を合わせた5年間となります。
中古住宅の場合には、耐火建築物であれば取得日から25年以内に建設されたもの、非耐火建築物の場合は、20年以内に建設されたものに限られます。
しかし、これに該当しない場合でも、一定の耐震基準を満たしていれば控除が受けられる場合があります。
住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁
住民税が控除される場合は
住民税が控除される場合について、具体的に説明します。
控除はまず所得税から
住宅ローン減税制度による控除は、まず所得税から行われます。たとえば、以下のケースで住宅ローン減税を適用させると、控除額は10万円になります。
- 年末ローン残高:1,000万円(一般住宅)
- 所得税額:15万円
- 1,000万円×1%=10万円(控除額)
したがって、所得税額15万円から10万円を、控除として差し引くことができます。また、以下のケースでは控除額は30万円となります。
- 年末ローン残高:3,000万円(一般住宅)
- 所得税額:15万円
- 3,000万円×1%=30万円(控除額)
所得税額15万円から30万円を控除として差し引きますが、控除額のほうが大きいので15万円分が控除しきれません。
所得税を超えた分が住民税から
所得税から控除しきれない金額がある場合には、翌年度の住民税に控除を適用させることができます。住民税から控除する場合、所得税の課税総所得額の7%、または13万6,500円のうち、どちらか少ないほうの金額が上限となります。
先述したローン残高3,000万円のケースで、課税総所得額(※)が500万円であったと仮定して、1例をみていきます。
- 500万円×7%=35万円
課税総所得額に7%を掛けると35万円なので、控除額は13万6,500円が上限額となります。
したがって、所得税から差し引き後の控除額の残高は15万円でしたが、住民税からは13万6,500円までしか差し引くことができないということです。
(※課税総所得額とは、所得額(収入から経費を差し引いた金額)から、控除所得額を差し引いた金額のことです)
総務省|所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方|新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります。
減税を受けるための手続き
住宅ローン減税制度を受けるための手続きについて説明します。
新居に6カ月以内に引っ越す
先述した住宅ローン減税制度を受ける条件にあるように、新居を取得してから6カ月以内に引っ越す必要があります。
期限を過ぎると減税を受けられないので、速やかに引っ越し住所変更を済ませておきましょう。
必要書類を用意
住宅ローン減税制度を受ける際に必要な書類は、以下のとおりです。
- 住民票の写し
- ローン残高証明
- 登記事項証明書
- 工事請負契約書
- 源泉徴収票
上記に加え、中古住宅や増改築の場合は、建築基準法に適合した耐震基準である証明書が必要です。また、認定住宅の場合には、認定通知書の写しが必要になります。
確定申告をする
確定申告とは、1年間に生じた所得に対して所得税額を計算し、源泉徴収された税金と、実際に支払う税金の過不足を調整するものです。
確定申告における住宅ローンの控除は、入居した日の翌年に行います。通常は2月16日~3月15日までの1カ月間で行いますが、還付を目的とする場合には1月から行えます。
したがって、住宅ローン減税を受けるための確定申告の期間は、1月~3月15日ということです。
しかし、申告期限を過ぎた場合でも、還付を受ける場合の還付申告であれば、5年以内はペナルティなく行えます。
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まとめ
住宅ローン減税制度は10年間で最大400万円、認定住宅であれば500万円が控除され、大きな節税が期待できます。
所得税から控除しきれない分は住民税から控除されますが、住民税の控除には限度額があることを覚えておきましょう。
住宅ローン減税制度を受ける際には、適用条件を確認したうえで、必要書類を揃えて確定申告をしましょう。
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