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住民税の徴収方法を教えて。特別徴収と普通徴収はどう違うのか

住民税の徴収は、会社員であれば特別徴収により行われます。しかし、個人事業主や無職の人は、自分で納税しなければなりません。今回は、住民税の徴収方法や納付方法をはじめ、それぞれの手続きの流れについて解説します。

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この記事の目次

住民税の徴収方法

住民税とは、都道府県に納める都道府県民税と、市町村に納める市町村民税の総称です。大阪府大阪市在住であれば府民税と市民税、奈良県奈良市であれば県民税と市民税の納税を行います。

県や市に対して納める税金ですが、それぞれ個別に納めるわけではなく、個人住民税として一括で徴収されることになります。徴収は、特別徴収と普通徴収の2種類の方法で行われます。

会社が納付する特別徴収

会社に勤めている人は、会社が住民税を徴収します。会社は国(県や市)から『給与支払義務者』として指定(条例による)され、住民税を徴収する義務を負っており、この徴収方法を『特別徴収』といいます。

具体的には、会社員の給与から天引きという形で徴収をします。従業員に支払う給与から、税金分をあらかじめ差し引きして給与支払することを、『天引き』や『源泉徴収』といいます。

給与からの特別徴収|横須賀市

自分で納付する普通徴収

個人事業主や無職の人は、自分で住民税を納めることになります。この納付方法を『普通徴収』といいます。なお、会社員は特別徴収が基本なので、会社に希望を出したとしても、基本的には普通徴収にはできません。

普通徴収の場合、住民税は自己申告制なので、自分で確定申告をする必要があります。確定申告とは、前年の所得を計算して税務署に申告をすることです。

確定申告に基づき税務署が住民税額を決定し、役所を経由して住民税の納付書が送られてきます。普通徴収では、この納付書を使用して住民税を納めることになります。

普通徴収|江東区

住民税の徴収区分を知っていますか?特別徴収の義務化について

徴収方法は選べるのか

徴収方法は、給与をもらっている場合は特別徴収、それ以外の人は普通徴収というが基本です。しかし、会社の状況や確定申告の方法によって、徴収方法を選べることもあります。

たとえば、以下の場合に特別徴収ではなく普通徴収ができます。

  • 会社の総従業員数が2名以下である場合
  • 他の会社で特別徴収をしている場合
  • 給与が毎月支払われていない場合
  • 給与が少ないため、特別徴収ができない場合

また、副業で副収入を得ており、確定申告をしている場合、その分の住民税に関しては普通徴収で納めることができます。

この場合も、本来は会社からの特別徴収が原則ですが、確定申告時に普通徴収を選択しておけば、普通徴収で納めることが可能です。

地方税法の定めあり

地方税法第321条の4により、市町村が個人の住民税(市町村民税)を徴収する場合、給与支払をする者を特別徴収義務者として条例で指定し、これに徴収させなければならないと規定されています。

つまり、市町村の条例によって会社は特別徴収義務者として指定されており、それに従って会社員の給与から特別徴収を行っています。会社の意向で、特別徴収をやめて普通徴収にするというのはできないということです。

また、都道府県でも、個人住民税の普通徴収から特別徴収への切替を推進する取組みが進められています。

特別徴収の推進について
大阪府/平成30年度から個人住民税の特別徴収義務者一斉指定を実施します!
個人住民税は特別徴収で納めましょう | 全国地方税務協議会

退職時は徴収方法を変更できる

会社の特別徴収は、会社員として勤務しているあいだのみ行われます。つまり、退職したあとは特別徴収ではなくなるので、普通徴収に切り替えたり、転職先に特別徴収を引き継いだりする方法を選ぶ必要があります。

普通徴収に切り替え

基本的には退職すると、住民税の徴収は普通徴収に切り替えられます。会社は役所に『給与所得者異動届出書』を提出することで、特別徴収の義務がなくなったことを申告し、役所の手続きによって普通徴収に切り替わります。

転職先が決まっている場合も、いったん普通徴収に切り替えてから、再び転職先で特別徴収に切り替えるという流れになることがあります。この場合、転職のタイミングによっては特別徴収が間に合わず、自分で納付しなければいけないこともあります。

大阪市:転勤・退職などがあった場合(給与所得者異動届出書の提出)(市税について 個人市民税)

退職時に一括徴収

前年の住民税が決定すると、その年の6月から徴収が始まり、来年の5月まで12回に分けて特別徴収されます。たとえば、2016年の住民税は、2017年6月から2018年5月まで徴収されるということです。

徴収が終わっていないタイミングで退職した場合、残りの住民税を一括徴収してもらうことができます。また、タイミングによっては一括徴収が義務づけられていることもあります。

たとえば、1月から5月のあいだに退職した場合は、会社は従業員の給与から、残りの住民税を一括で徴収しなければなりません。ただし、住民税は自治体が徴収する税金なので、各自治体によって時期などが多少異なります。

また、6月から12月のあいだに退職した場合は、一括徴収をすると個人の負担が大きくなることから、分割徴収が認められています。

たとえば、10月に退職した場合、10月分(会社によっては11月分)の住民税を徴収し、それ以降の分に関しては徴収しません。

東京都主税局<税金の種類><個人住民税><個人住民税の特別徴収推進ステーション><特別徴収にかかる手続きについて>

転職先で特別徴収を継続

会社を退職してすぐに転職する場合、転職前の会社から転職先の会社へ、特別徴収を継続することが可能です。また、期間があく場合でも、転職前の会社で一括徴収してもらっている場合は、翌年度の住民税から引き継げます。

特別徴収を継続してもらう場合、転職前の会社と転職先の会社、両方で許可をとっておく必要があります。何もいわなければ、転職前の会社は届出を役所に提出してしまいます。

特別徴収の継続は、『給与所得者異動届出書』を退職前の会社で記入したあと、転職先に渡します。給与所得者異動届出書の『転勤(転職)等による特別徴収届出書』欄に、転職先で必要事項を記入してもらわなければなりません。

住民税の徴収は退職するとどうなる?徴収方法と退職金の税金について

特別徴収の徴収方法

特別徴収は会社が給与から天引きして、個人の代わりに納税をするというシンプルなシステムです。ただし、全体の流れはもう少し複雑です。

会社が行う手続き

会社は、毎年1月から12月までの給与支払を、給与支払報告書としてまとめ、役所に提出します。これは、地方税法317条の6で定められており、翌年(2017年分の住民税であれば2018年)の1月31日までに提出しなければなりません。

提出された給与支払報告書をもとに、市町村の役所は税額の計算を行います。そして、毎年5月31日までに、役所が会社(特別徴収義務者)に対して、『特別徴収税額の決定通知書(特別徴収通知書)』を送付します。

会社は通知書に記載されている税額をもとに、会社員の給与から天引きを行います。そして、会社が個人の代わりに税金を納めるという流れです。

徴収期間は6月から翌年5月

住民税の特別徴収は6月から翌年の5月まで、12回に分けて行われます。普通徴収は年4回なので、1回ごとの負担は少なくなります。

たとえば、1年間の住民税が24万円だった場合、24万円 ÷ 12カ月 = 2万円ずつ毎月徴収されることになります。実際の金額は、前年の所得額や控除額によって異なります。

納付は徴収月の翌月

会社が徴収した住民税は、徴収月の翌月10日までに納めなければなりません。たとえば、2018年10月分の給与から徴収した住民税は、同年11月10日までに納付します。

納期の特例とは

会社の社員が10人未満の場合、会社の負担が大きくなるということを考慮し、納税を半年に1回(年2回)にすることが許されています。この場合、『納期の特例に関する申請』を役所に提出しておく必要があります。

いつから特別徴収が始まるのか

住民税の特別徴収は、基本的には6月から始まりますが、新卒や転職など、入社のタイミングによって異なることがあります。ポイントは12月31日の時点で、その会社に在籍していたかということです。

新入社員のケース

新入社員(新卒など)で4月入社の場合、2年目から住民税の特別徴収が始まります。たとえば、2017年4月入社の場合、2017年1月から2017年12月までの所得に対して、2018年6月から住民税の天引きが行われます。

中途入社のケース

中途入社の場合、何月に入社したかどうかで大きく異なります。判断基準は、前年12月31日に在籍していたかどうかです。

たとえば、12月1日に入社した場合、その年の12月31日に在籍しているので、翌年の6月から住民税の特別徴収が始まります。

また、2月1日に入社した場合、前年の12月31日の時点では在籍していないので、その年の6月から特別徴収はされず、翌年の6月から開始されます。

ほかにも、転職前の会社から特別徴収の継続があった場合、入社月やその翌月から徴収されることもあります。

特別徴収税額決定通知書とは

特別徴収税額決定通知書とは、住民税額の詳細が記載された書類のことです。自治体によって名称が異なり、特別徴収通知書と呼ばれることもあります。

特別徴収税額決定通知書には、主に以下の項目が記載されています。

  • 前年1月から12月までの所得額や所得控除額
  • 課税標準(住民税計算の基礎となる金額)
  • 住民税(市町村民税・都道府県民税)の税額

徴収額をチェックしよう

特別徴収税額決定通知書は、毎年5月ごろに役所から会社に届きます。2通届くので、1通は会社用、1通を個人用としてもらえます。

特別徴収税額決定通知書を受け取ったら、内容に問題がないかチェックしましょう。記載されている税額は決定した税額で、間違いがあれば訂正してもらう必要があります。

会社によっては、経理担当がすべてチェックしてくれていることもあります。間違いが発覚したときは、直接役所に問い合わせる前に、まずは会社の経理担当などに問い合わせてみるとよいでしょう。

なぜ6月だけ高いの?

特別徴収税額決定通知書には、1年間にかかる住民税の税額が記載されています。それをもとに、12回で割った金額が均等に給与から天引きされることになります。

しかし、まれに6月だけ住民税が高くなっていることがあります。これは、端数計算によるものです。

1年間の住民税を12カ月で割ると、100円未満の端数が発生することがあります。100円未満を切り捨てて計算され、7月から翌年5月までの税額が決定し、端数を合わせた残りの税額が6月の税額ということになります。

また、6月が住民税の開始月ということもあり、所得額によっては、前月(5月)よりも大幅に住民税が高くなっていることもあります。これは、単純に所得が上がったということなので、間違いではありません。

徴収されないこともあるの?

住民税の特別徴収は会社の義務なので、給与を支払っているのであれば、徴収しなければいけないものです。しかし、条件によっては徴収されないこともあります。

支払うべき住民税がない

住民税が非課税(0円)の場合、納めるべき住民税がないということで、特別徴収が行われません。住民税が非課税になる条件は、以下のとおりです。

  • 生活保護を受けている
  • 未成年者・障害者・寡婦・寡夫で、前年の合計所得金額が125万円以下
  • 前年の合計所得金額が各地方自治体の定める額以下

一般的な会社員でも、前年の給与が少なかった場合、自治体の定める額によっては、住民税が非課税になる可能性があります。

少額で一括徴収になっている

住民税が少額だった場合、一括徴収されている可能性があります。その場合、開始月の6月に一括徴収されるため、7月からは徴収されません。特別徴収税額決定通知書で税額を確認するか、会社の担当者に問い合わせてみましょう。

勤務先の手続きミス

勤務先が役所に対して、給与支払報告書を提出していなかったり、経理の計算間違いがあったりなどが原因で、住民税が徴収されていない可能性もあります。

給与支払報告書を役所に提出していなければ、役所は個人の住民税の税額を計算することができません。

そもそも給与支払報告書がなければ、役所は給与支払いがないと判断します。その場合、特別徴収税額決定通知書が送られてくることもなく、会社も特別徴収ができないこととなります。

普通徴収の納付方法

個人事業主や無職の人は、普通徴収によって住民税を納めなければなりません。納税をするには、まずは確定申告によって、前年の所得を税務署に申告します。

確定申告の期限は、2月15日から3月15日(年によって前後する可能性あり)までです。副業などを含め、所得がある人は必ず確定申告を行いましょう。

確定申告によって住民税額が決定すると、税務署が所轄の役所に通知します。そして住民税の納付書を個人に送付し、個人がその納付書によって納税を行うという流れになります。

徴収時期は年4回

普通徴収の納付は、年4回に分けて行われます。具体的な納付期限は、以下のとおりです。

  • 第1期:6月30日
  • 第2期:8月31日
  • 第3期:10月31日
  • 第4期:翌年1月31日

納付書には、一括納付用の納付書も添付されており、6月に1年分(4期分)の住民税を一括納付することも可能です。

納税の方法(普通徴収と特別徴収) | 白子町

納付方法は自治体による

納付方法はさまざまで、コンビニや金融機関、口座振替やクレジットカードによる納付が可能です。具体的な納付方法は、各自治体によって異なります。

一般的には納付書払い

一般的な納付方法は、市役所やコンビニ、金融機関に納付書を持参して納付する方法です。ただし、バーコードのついていない納付書、または30万円を超える納付の場合、コンビニでの納付はできないので注意が必要です。

クレジットカードや口座振替

自治体が『Yahoo!公金支払い』に対応しているなどの場合は、クレジットカードでの納付が可能です。

また、事前に申請しておけば、口座振替での引き落としも可能です。口座振替の場合、納付期限の6月30日・8月31日・10月31日・1月31日に引き落とされます。(振替日が金融機関の休業日の場合は翌営業日に引き落とし)

まとめ

住民税は会社から特別徴収されている場合、ほとんど意識していない人もいるのではないでしょうか。毎月給与から天引きされているので、今一度確認してみましょう。

退職して個人事業主になった人は、普通徴収で納めることになります。確定申告をしていれば、役所から納付書(税額通知書含む)が送られてくるので、金額の間違いがないかしっかりと確認をして納付しましょう。

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