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消費税の中間納付額の計算方法。いくら必要か事前に把握しておこう

事業を行っている人は消費税を納めなければなりません。その納付は1回だけではなく、中間納付をしなければならない場合もあります。今回は、中間納付が必要となるケースと、その納付税額の計算方法をわかりやすく解説します。

この記事の目次

消費税の中間納付とは

消費税の課税期間は原則として1年間ですが、一定要件の課税事業者は、中間申告を行う必要があります。なお、次のいずれかに該当する事業者が課税事業者です。

  • 基準期間での課税売上高が1,000万円超である
  • 前年(前事業年度)開始以後6カ月間の課税売上高が1,000万円超であり、かつ給与等の支払額が1,000万円超である
  • 新法人設立の場合は、その法人のその事業年度開始の日における資本金が1,000万円以上である
  • 消費税課税事業者選択届出書を提出している

中間申告は、確定申告での計算で確定する年税額の前払いをしているイメージです。そのため、確定申告の際に年税額から中間納付額が差し引かれ、その残額を納めることになります。

分割することで負担軽減

消費税は、大きな納付税額となる可能性が高い税金です。中間納付という制度が設けられていることで、1年分の消費税を分割して納めることができ、1回で多額の資金を準備する必要がなくなります。

また、中間納付の制度は、国の資金繰りのためでもあります。消費者から預かった消費税をすぐに国に納める形であれば、国としても資金繰りにもよいのですが、それでは事業者側の負担が大きすぎます。

そこで、売上規模に応じて中間申告回数を定めることで、効率的に資金を確保しているのです。

中間納付の対象者

次のいずれかに該当する事業者が、中間納付の対象となります。

  • 直前課税期間の消費税年税額が『48万円超』である。
  • 直前課税期間の消費税年税額が48万円以下の事業者が、『任意の中間申告書を提出する旨の届出書』を提出している。

ポイントとなる48万円という金額は、国税部分であるという点に注意してください。地方税は含まれません。

中間申告対象期間の末日が令和元年10月1日以後の場合は、その中間申告対象期間中に適用される消費税率の異なるごとに納付すべき消費税額及び地方消費税額を計算することになります。消費税10%の場合は、7.8%が国税、2.2%が地方税、消費税8%の場合は、6.24%が国税、1.76%が地方税になります。

中間申告の方法|消費税|国税庁
任意の中間申告書を提出する旨の届出手続|消費税|国税庁

中間納付額の計算式

計算方法には、『予定申告方式』と『仮決算方式』という2つの方法があります。それぞれの方式における具体的な計算を確認していきましょう。

また、中間申告の回数は1回とは限りません。年税額に応じて次の回数となります。

直前課税期間の消費税年税額 回数
48万円以下 0回
48万円超 400万円以下 1回
400万円超 4,800万円以下 3回
4,800万円超 11回

一般的な予定申告方式の場合

予定申告方式は、直前課税期間の消費税年税額を元に計算する方法で、年税額に応じて計算式が異なります。中間申告の時期になると税務署から、予定申告方式での税額が印字済の中間申告書と納付書が送付されます。

少ない手間で申告と納付を終えることができるため、ほとんどの事業者が選択している方法となっています。また、予定申告方式による場合には申告書を提出しなかったとしても、自動的に申告があったものとみなされます。

前年度48万円超から400万円以下の場合

種類 計算式
国税 直前課税期間の消費税年税額×6/12
地方税 国税中間納付額×22/78(※)

(※22/78とは、消費税10%の構成比率である国税 7.8% と地方税 2.2%からきています。なお、軽減税率8%でも構成比率は同様です。)

前年度400万円超から4,800万円以下の場合

種類 計算式
国税 直前課税期間の消費税年税額×3/12
地方税 国税中間納付額×22/78

前年度4,800万円超の場合

種類 計算式
国税 直前課税期間の消費税年税額×1/12
地方税 国税中間納付額×22/78

端数処理はどうするのか

上記の計算式で計算していく過程において、ほとんどの場合で端数が生じます。この端数処理は消費税法で明確に定められています。

まず、国税部分である『直前課税期間の消費税年税額×6/12』の計算では、直前課税期間の消費税年税額を12で除した後に6を乗じます。12で除した時点で端数が生じた場合には円未満を切り捨て、6を乗じた時点で100円未満を切り捨てます。

例えば、消費税年税額が100万円であった場合には、以下のようになります。

100万円÷12=8万3,333円(円未満切り捨て)

8万3,333円×6=49万9,900円(100円未満切り捨て)

次に、地方税分である『国税中間納付額×22/78』の計算では、国税中間納付額に22/78を乗じた後に100円未満を切り捨てます。この場合は国税と異なり、22を乗じた後に78で除しても、78で除した後に22を乗じてもどちらでも構いません。

49万9,900円×22/7814万900円(100円未満切り捨て)となります。

No.6371 端数計算|消費税|国税庁

合併した場合

新設合併(AとBが合併してCができる)や、吸収合併(AがBに吸収され、Aが消滅してBが存続する)があった場合には、直前課税期間の売上規模と当課税期間の売上規模が異なることになります。

このような場合には、直前課税期間の売上規模を当課税期間の売上規模に合わせて、中間納付額を計算するようになります。

直前課税期間に合併した場合には、当課税期間の各中間申告対象期間の売上規模は、合併法人と被合併法人の売上規模の合計です。

当課税期間に合併した場合には、当課税期間の売上規模は合併前は合併法人のみの売上、合併後は合併法人と被合併法人の売上の合計です。

よって、該当法人の直前課税期間の差引税額を1月ごとの規模にして、中間申告対象期間の内に含まれている月数を乗じることで算出されます。

仮決算方式とは

仮決算方式とは、中間申告対象期間で仮決算を行って計算する方法です。事業者の判断で自由に選択できます。

実際の決算と同様に計算

決算に『仮』と付いていますが、実際の処理は決算と同様です。

メリットとデメリット

次のような場合には、納付税額を抑えるため仮決算方式での申告にメリットがあります。

  • 前期より業績が急に悪化した
  • 多額の設備投資をした

デメリットは、決算相当の時間と手間を要する点です。

中間納付の仕方

中間申告は、申告書を提出した後に納付まで済ませて初めて完了します。納付方法は次の6種類があり、納付の都度選択することが可能です。

納付手続き 納付方法 便利に利用できる方 納付手続きに必要となるもの
ダイレクト納付 e-taxによる簡単な操作で預貯金口座からの振込により納付する方法 ・e-taxで申告等をされている方
・源泉所得税を納めている方(源泉徴収義務者)など、頻繁に納付手続きをされている方
・日付を指定して納付されたい方
・e-taxの開始届出書の提出
・ダイレクト納付利用届出書の提出
インターネットバンキング等 インターネットバンキング等から納付する方法 ・e-Taxで申告等をされている方
・インターネットバンキングやモバイルバンキングを利用されている方
・e-Taxの開始届出書の提出
・インターネットバンキング又はモバイルバンキングの契約
クレジットカード納付 「国税クレジットカードお支払サイト」を運営する納付受託者(民間業者)に納付を委託する方法 ・インターネットに接続できるパソコン等をお持ちの方
・クレジットカードを利用されている方
・クレジットカード
・決済手数料
コンビニ納付 コンビニエンスストアの窓口で納付する方法 ・金融機関や税務署が近隣にない方
・税務署からバーコード付納付書の送付を受けられた方
・バーコード付納付書
振替納税 預貯金口座からの振替により納付する方法 ・申告所得税や消費税(個人)の確定申告書を毎年提出する必要のある方 ・振替依頼書の提出
窓口納付
※) 金融機関や税務署の窓口
金融機関又は所轄の税務署の窓口で納付する方法 ・上記の手続により納付ができない方 ・納付書
(金融機関の窓口で納付する場合)

出典:[手続名]国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)|納税証明書及び納税手続関係|国税庁

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納付書と申告書一体型

予定申告方式の場合には、税務署から送付される申告書と納付書をそのまま使用することができます。これらにはすでに予定申告方式で計算された税額が印字されているので、事業者は必要事項を記入するだけで済みます。

仮決算方式の場合には、この申告書と納付書は使用できないため、新たに作成する必要があります。

納付期限はいつまで?

納付期限は申告期限と同日です。各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2カ月以内となっています。もしも、その末日が土日・祝日である場合には、その翌日が期限となります。

期限内の納付ができなかった場合には、納付日までの延滞税を本税とあわせて納付しなければならなくなるので注意しましょう。

例えば、4月~翌年3月が事業年度である法人が9月に中間申告をする場合は、中間申告対象期間が4月~9月であり、申告納付期限は11月末日となります。

個人事業主の課税期間は、1月1日から12月31日までの1年間と決まっているため期限は皆同じです。6月に中間申告をする場合は、中間申告対象期間が1月~6月であり、申告納付期限は8月末日となります。

中間納付で払い過ぎた場合

中間納付の後に行われる決算で計算された年税額が、中間納付額より少なかったとき(中間納付を払い過ぎたとき)には還付を受けられます。この還付金には還付加算金という利息が付きます。

確定申告で還付される

還付は、還付額が記載された確定申告書を提出することで受けられます。納付であっても還付であっても、確定申告書を作成する流れは同じです。『還付額の計算≒確定申告書の作成』であり、特別な手間はありません。

申告書添付書類 一覧(消費税及び地方消費税 申告書添付書類)|消費税|国税庁

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まとめ

中間納付は一定の事業規模がある事業者は、ほぼ必要となってくるものです。また、消費税は比較的納付額が大きくなることが多い税金なので、中間申告の仕組みをしっかりと理解し、中間申告での納税も資金計画で考えておく必要があるでしょう。

しかし、中間納付が必要かどうか、および納付税額は、直前課税期間の年税額がキーポイントとなり、決算が終わった時点で翌期の中間納付のことがわかります。

数カ月も前から中間納付の具体的な情報を確保することができるので、企業の経理担当者や個人事業主の人は、決算が終わった時点で翌期の予定に組み込んでおくと安心でしょう。

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この記事の監修者

(日本・米国ワシントン州)公認会計士、(日本・米国)税理士、行政書士
監査法人で上場企業の監査業務等を経験後、IPO支援、決算支援、IFRS導入支援、日米の法人の税務顧問等を行っている。本、雑誌、DVD等で約50の出版をしており、代表的な著作として『7つのステップでわかる税効果会計実務入門』がある。

事務所名 : 福留聡税理士事務所、福留聡国際会計アドバイザリー株式会社、福留聡クラウド会計給与合同会社、有限責任開花監査法人

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