1. Fincyトップ
  2. 税金
  3. 所得税
  4. 所得税の扶養控除について。年金受給者を扶養対象としたいときは?

所得税の扶養控除について。年金受給者を扶養対象としたいときは?

親を所得税の扶養に入れて扶養控除を受けたいけれど、親が年金を貰っている場合には、扶養に入ることができるのでしょうか。所得税の扶養における年金受給者の取り扱いについて、具体的な金額でわかりやすく解説します。

この記事の目次

扶養控除について

扶養とは、納税者によって生活を維持してもらっている人のことをいい、その人を所得税における扶養として取り扱うことで、扶養控除を受けることができます。

扶養控除とは、14種類ある所得控除のうちのひとつで、扶養状況に応じて1人当たり38万円から63万円の控除額があり、課税所得を減らす効果があります。

課税所得が減るということは、所得税率が乗じられる金額が減るということになるので、結果として所得税の節税に繋がります。

親を扶養控除の対象にする場合

親を扶養対象とする場合の条件と、控除金額を確認していきましょう。

条件について

まず、扶養親族の条件は次の通りです。

  1. 配偶者以外の親族であること。
  2. その年12月31日時点において16歳以上であること。
  3. 生計一であること。
  4. その年の合計所得金額が38万円以下であること。
  5. 青色申告者の事業専従者としてその年に給与の支払いを受けていないこと。
  6. 白色申告者の事業専従者でないこと。

扶養親族が親である場合には、それだけで1と2の条件はクリアしているので、3~6までの条件がすべて満たされているか否かで判断します。

3の生計一という条件は、同居を意味しているものではありません。別居であっても、生活費や医療費などの生きていくために必要な費用を、納税者が仕送りしている場合でも生計一とみなされます。

控除される金額

親を扶養にした場合に受けられる扶養控除額は次の通りです。

扶養区分 控除額
一般の扶養親族 38万円
老人扶養親族(※1)のうち同居老親等(※2) 58万円
老人扶養親族(※1)のうち同居老親等以外 48万円

※1 老人扶養親族とは、扶養条件を満たす人のうち、その年12月31日時点において70歳以上の人をいいます。

※2 同居老親等とは、老人扶養親族のうち、納税者または配偶者と常に同居している人をいいます。

扶養控除|所得税|国税庁

所得税の扶養とは。制度の概要と知っておきたいポイントまとめ

扶養控除が受けられる年金受給額の上限

扶養に入るような親世代である人は、すでに年金受給者である場合が多いでしょう。年金を貰っているからといって、それだけで扶養対象から外れるということはありません。

扶養条件にある年間合計所得金額38万円以下というのは、年金の場合には、年金収入額から公的年金等控除額を差し引いた残額になります。よって、38万円に公的年金控除額を足した額が、扶養に入れる上限額になります。

公的年金等控除額は65歳を境にして2通り設けられているため、上限額についても次の2通りとなります。

65歳未満の場合は108万円

公的年金等控除額を差し引いた後の所得金額は、次の速算表により計算されます。

年金収入額 所得金額
70万円以下 0円
70万円超~130万円未満 収入額-70万円
130万円以上~410万円未満 収入額×0.75-37.5万円
410万円以上~770万円未満 収入額×0.85-78.5万円
770万円以上 収入額×0.95-155.5万円

この表から、所得金額38万円となるのは、38万円+70万円=108万円となり、65歳未満の親が扶養に入れる年金収入額の上限は、108万円となります。

65歳以上の場合は158万円

年金収入額 所得金額
120万円以下 0円
120万円超~330万円未満 収入額-120万円
330万円以上~410万円未満 収入額×0.75-37.5万円
410万円以上~770万円未満 収入額×0.85-78.5万円
770万円以上 収入額×0.95-155.5万円

この表から、所得金額38万円となるのは、38万円+120万円=158万円となり、65歳以上の親が扶養に入れる年金収入額の上限は、158万円となります。

高齢者と税(年金と税)|税について調べる|国税庁

年金の他に給与もある場合の上限

年金受給者であっても、退職後の再雇用やパート勤務などにより、給与も合わせて貰っている人は多いでしょう。この場合の扶養は、どのように取り扱われるのでしょうか。

合計所得金額が38万円以下

所得がいくつあろうと、その合計所得金額が38万円以下であれば扶養とすることができます。親に給与と年金がある場合には、次の金額が38万円以下であれば大丈夫です。

  1. 給与収入額-給与所得控除額=給与所得
  2. 年金収入額-公的年金等控除額=雑所得
  3. 1+2=総所得金額

給与所得控除

給与所得控除の金額は、次の表で計算することができます。

給与収入額 給与所得控除額
180万円以下 収入額×40%

(65万円未満の場合には65万円)

180万円超~360万円以下 収入額×30%+18万円
360万円超~660万円以下 収入額×20%+54万円
660万円超~1,000万円以下 収入額×10%+120万円
1,000万円超 一律220万円

例えば、60歳で平成29年分のパート収入90万円、年金収入80万円の場合には、90万円-65万円=25万円が、給与所得の金額になります。

給与所得控除|税について調べる|国税庁

公的年金の控除

上記に記載した、公的年金等特別控除の速算表から、簡単に控除額を差し引いた後の雑所得の金額を計算することができます。

先程の例えの続きで、年金収入80万円の場合には、80万円-70万円=10万円が、雑所得の金額になります。

よって、この人の場合の合計所得金額は、25万円+10万円=35万円となり、38万円以下なので扶養に入れることができます。

高齢者と税(年金と税)|税について調べる|国税庁

手続きについて

親が扶養に入れることが分かったら、具体的にどのような手続きを行えばよいのか、確認していきましょう。

年末調整

サラリーマンの場合、その年分の所得税の確定と精算は、勤務先の年末調整により行われます。よって、親が扶養に入ることを勤務先に知らせて、年末調整の計算に考慮してもう必要があります。

扶養控除等申告書

扶養控除等申告書は、所得税の計算において、自分にどのような扶養がいるかを知らせるために、勤務先に提出する書類です。正式名称を『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』といいます。

この書類は、毎年11月頃に『給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書』と一緒に勤務先から配布され、提出するよう求められます。

扶養控除等申告書に扶養内容を記入し提出することで、親が扶養に入った状態での年末調整をしてもらえます。

ただし、この方法では月々天引きされている源泉所得税について扶養が考慮されるのは、来年になってしまいます。

源泉所得税に扶養を少しでも早く考慮させたいのであれば、年末調整の時期を待たずに、扶養に入れると分かった月に勤務先に知らせましょう。

勤務先により異なりますが、この際にはまず口頭により連絡し、指示を待つのがよいでしょう。

[手続名]給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|源泉所得税関係|国税庁

まとめ

扶養控除が1人あるのとないのとでは、大きく所得税額が変わります。また、扶養控除は住民税にも関係してくるので、その節税額は少なくとも数万円以上になります。さらに両親を扶養にすることができれば、節税額は2倍になるということです。

サラリーマンの場合には、扶養に入れるかどうかの判断を自分1人で行う必要はありません。分からないことがあれば、勤務先に確認しましょう。個人事業主の場合でも、直接税務署に確認すれば教えてもらえます。

年金受給者である親を適切に扶養とすることで、節税に繋げていきましょう。

クラウド会計ソフトを活用すると簡単な入力で、対象となる控除や扶養控除の限度額を自動計算できます。初心者でも無料で利用できるため、非常にオススメです。

【2019年最新版】おすすめの人気クラウド会計ソフト3選を徹底比較!

【2018年最新】当サイトの登録の多い、所得税などの節税対策のためサイト

  1. 確定申告の書類作成がわからない方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)
  2. 確定申告の帳簿管理が面倒だという方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)
  3. 確定申告がギリギリになってしまった方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)」 「税理士に相談できる 「税理士ドットコム
  4. 帳簿を作成したがあっているが、不安な方 「税理士に相談できる 税理士ドットコム
  5. 請求書管理が面倒だという方 「請求書管理サービス Misoca(みそか)

この記事の監修者

明治大学出身。上場保険代理店にて1年目新人賞、2年目社長賞受賞後にFPとして独立。これまで約2,000人と面談、プランニングを手掛ける。一人ひとりの資産設計の参謀として、お金の貯め方・守り方・増やし方などをアドバイスしている。 掲載メディア:ゼクシィ、Lifehacker、みんなのおかねドットコム、RAINBOW Town FM、他

消費税、住民税、所得税、相続税、固定資産税など税金は沢山あり、支出と含めて計算しなければ家計を 圧迫するものです。

税金を考慮した将来の家計を立てなければ、住宅の購入、保険の加入はしにくいものです。 ライフプラン・家計簿を作成して、長期的に管理しましょう!

関連するお金の記事

関連するお金の相談

所得税の人気記事

カテゴリ

税金