所得税は年収によって納める金額が変わる。年収別の所得税額を紹介

身近な消費税と違い、なかなか意識する機会が少ない所得税ですが、控除についてなど、様々な仕組みがあります。また、年収によって所得税の金額も変わるため、人によって税金額は千差万別です。ここでは、所得税について詳しく紹介します。

所得税とは

所得税は、個人の所得に応じて課税される税金で、10種類の所得に分類されています。

所得の種類 所得の対象
給与所得 サラリーマンの給与や賞与など
不動産所得 小規模な駐車場やアパート経営など
事業所得 自営業など。フリーランスやYouTuberも含まれます
配当所得 株式の配当金や、投資信託による分配金など
退職所得 退職金
利子所得 預貯金などによる利子
譲渡所得 土地や株式など、資産の売却などによる所得
山林所得 管理する山林の木々などを売却などによる所得
一時所得 生命保険の満期金や、懸賞金など
雑所得 年金収入や、オークションの売却などで得た所得

所得の区分のあらまし|所得税|国税庁

所得税は、日本の税金収入の多くを占めており、平成29年度の予算では、その30%が所得税や住民税で賄われているのが現状です。

毎年1月1日から12月31日までの所得に応じて、所得税の金額は決められるので、人によって納付しなければならない所得税額は相違します。

年収によって計算が違う

年収が多くなればなるほど、納付する所得税の金額は多くなります。また、年収が多いということは、それだけ経費もあるという考えから、給与所得者の場合などは、給与所得額から差し引かれる控除額も変わってきます。

例えば、年収300万円の人と700万円の人とでは、所得税の計算方法が変わります。同じ計算方法だと、年収が多い人の方が所得税が少なく、年収が低い人は、少ない年収から多額の所得税を納付しなければならなくなってしまいます。

そのため、不平等さをなくすために、このような仕組みになっています。

税率について

所得税の税率は所得に応じて、国税庁の所得税の速算表で定められています。

税率の段階は、5%から45%の7段階に分けられており、1,000円未満を切り捨てた課税所得に対して、表に当てはめて税率を知ることができます。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円超 330万円以下 10%
330万円超 695万円以下 25%
695万円超 900万円以下 23%
900万円超 1,800万円以下 33%
1,800万円超 4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

控除について

各所得に応じて税率を乗じた金額から、経費として一定の控除を受けることができます。この控除後の金額が、納付しなければならない所得税額となるのです。

課税される所得金額 控除額
195万円以下 0円
195万円超 330万円以下 9万7,500円
330万円超 695万円以下 42万7,000円
695万円超 900万円以下 63万6,000円
900万円超 1,800万円以下 153万6,000円
1,800万円超 4,000万円以下 279万6,000円
4,000万円超 479万6,000円

所得税の税率|所得税|国税庁

給与所得控除

給与所得者の場合、各所得額に応じた控除額を国税庁が定めています。

自営業者であれば、所得から必要経費を差し引くことができますが、サラリーマンなどの給与所得者は、必要経費を差し引くことができないことが多く、不平等との考えから、給与所得控除が設けられています。

給与等の収入金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%(65万円に満たない場合は、65万円)
180万円超 360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超 660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超 1,000万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超 220万円(上限)

給与所得控除|税について調べる|国税庁

社会保険料控除

その年に実際に支払った社会保険料や、給与や公的年金から差し引かれた社会保険料の全額を、控除として所得から差し引くことができます。

また、自分自身の社会保険料だけではなく、生計を一にする配偶者や扶養する親族が負担すべき社会保険料控除を支払った場合にも、控除を受けることができます。

その他控除

所得に関する控除は多数あり、当てはまる項目があれば、控除を受けることができます。

  • 雑損控除:地震や災害、盗難などにより資産に損害を受けたとき
  • 医療費控除:一定額の医療費を支払ったとき
  • 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済法に規定された共済契約に対する掛金を支払ったとき
  • 生命保険料・個人年金保険料控除:生命保険や個人年金保険の保険料を支払ったとき
  • 地震保険料控除:地震保険の保険料を支払ったとき
  • 寄付金控除:国や地方公共団体、4特定公益増進法人などに、特定寄付をしたとき
  • 障害者控除:所得税法上の障害者に当てはまるとき
  • 寡婦・寡夫控除:配偶者と離婚や死別したとき
  • 勤労学生控除:学生が給与所得などがあるとき
  • 扶養控除:合計所得金額が38万円(給与のみの場合、年収103万円)以下で、生計を一にする扶養者がいるとき
  • 配偶者控除:合計所得金額が38万円(給与のみの場合、年収103万円)以下で、民法上の配偶者がいるとき
  • 配偶者特別控除:所得により配偶者控除が受けれないとき
  • 基礎控除:一律38万円

所得税の計算方法

一見難しそうに感じる所得税の計算方法ですが、所得金額の出し方、受けることができる控除の種類と計算方法、税率がわかれば、自分自身で所得税を計算することができます。

まず、サラリーマンの場合は年収から給与所得控除、自営業者の場合は必要経費などを引き、給与所得額を算出します。

次に、自分自身が受けることができる控除があれば、その金額を給与所得額から差し引きます。例えば、基礎控除や社会保険料控除、生命保険料控除が、この控除にあたります。

控除後の課税所得額に税率をかけ、控除額を差し引きます。最終的に算出された金額が所得税額となります。

年収いくらから所得税がかかるのか

収入があるからといって、必ずしも所得税を納付する必要はありません。例えば、サラリーマンの配偶者が、家計の足しにとパートで得た収入に税金がかかってしまっては、手元に残る金額は少なくなってしまいます。

年収103万円の壁

「扶養以内で働く」という言葉は、よく使われています。扶養であれば、所得税を納付しなくてもよいとされているのですが、その基準となるのが、年収103万円までとされています。

例えば、子どもがアルバイトを始め、年間103万円以上の収入を得た場合、子ども自身が所得税を納付しなければならなくなり、親の扶養から外れ、親自身も子どもの扶養控除を受けれなくなってしまうのです。

年収別の所得税の金額

所得税の計算方法はわかったけれども、実際にどれくらいの年収で、いくらの所得税がかかるものなのかを、年収別に例を挙げてみます。

また、所得による税金は、所得税以外にも、復興所得税が平成49年まで課せられることになっているので、それも踏まえて見てみます。

なお、サラリーマンの給与を前提とし、社会保険料控除や生命保険料控除などを考慮しないものとします。

年収200万円の場合

200万円×30%+18万円=78万円(給与所得控除額)

200万円-78万円=122万円(給与所得額)

122万円-38万円(基礎控除)=84万円(課税所得額)

84万円×5%-0円=4万2,000円(所得税額)

4万2,000円×2.1%=882円(復興特別所得税)

年収200万円の場合、計4万2,800円の所得税を納付することになります。

(※復興特別所得税は100円未満切り捨てとなります。)

年収300万円の場合

300万円×30%+18万円=108万円(給与所得控除額)

300万円-108万円=192万円(給与所得額)

192万円-38万円(基礎控除)=154万円(課税所得額)

154万円×5%-0円=7万7,000円(所得税額)

7万7,000円×2.1%=1,617円(復興特別所得税)

年収300万円の場合、計7万8,600円の所得税を納付することになります。

年収400万円の場合

400万円×20%+54万円=134万円(給与所得控除額)

400万円-134万円=266万円(給与所得額)

266万円-38万円(基礎控除)=228万円(課税所得額)

228万円×10%-9万7,500円=13万500円(所得税額)

13万500円×2.1%=2,740円(復興特別所得税)

年収400万円の場合、計13万3,200円の所得税を納付することになります。

年収700万円の場合

700万円×10%+120万円=190万円(給与所得控除額)

700万円-190万円=510万円(給与所得額)

510万円-38万円(基礎控除)=472万円(課税所得額)

472万円×20%-42万7,500円=51万6,500円(所得税額)

51万6,500円×2.1%=1万846円(復興特別所得税)

年収700万円の場合、計52万7,300円の所得税を納付することになります。

年収1000万円の場合

1,000万円×10%+120万円=220万円(給与所得控除額)

1,000万円-220万円=780万円(給与所得額)

780万円-38万円(基礎控除)=742万円(課税所得額)

742万円×23%-63万6,000円=107万600円(所得税額)

107万600円×2.1%=2万2,482円(復興特別所得税)

年収1,000万円の場合、計109万3,000円の所得税を納付することになります。

まとめ

扶養する配偶者や親族の有無、生命保険料や個人年金保険への加入状況など、どのような控除を受けることができるかは、人によって様々です。

これから働きたいと思っている人や、年収について考えている人は、所得税の計算方法を知っておかなければ、年収が上がったからと喜んでばかりではありません。

正しい税金の知識を知って、節税に役立ててください。

消費税、住民税、所得税、相続税、固定資産税など税金は沢山あり、支出と含めて計算しなければ家計を 圧迫するものです。税金を考慮した将来の家計を立てなければ、住宅の購入、保険の加入はしにくいものです。 ライフプラン・家計簿を作成して、長期的に管理しましょう!

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