所得税は年収300万円でいくらになるか?住民税も合わせて解説

サラリーマンの皆さんは、自分がいくら税金を納めているのかご存知でしょうか?今回は、年収300万円の人にスポットを当て、所得税や住民税の仕組みがどのようになっているのか、また、計算の仕方についても分かりやすく解説していきます。

所得税について

所得税とは、個人のあらゆる所得について課される国税で所轄税務署に納めます。基本的な課税期間は暦年となっており、その年の1月から12月になります。

一言に所得といっても給与所得以外にもたくさんあり、次の10種類に分かれています。

  • 利子所得(預貯金や公社債の利子、投資信託の収益の分配にかかる所得)
  • 配当所得(出資先の法人から得る剰余金、利益の配当、投信信託等の収益の分配の内利子所得に該当するもの以外など)
  • 不動産所得(土地建物等などの不動産から得られる所得)
  • 事業所得(個人が事業を営み、そこから得られる所得。不動産所得、山林所得に該当するものを除く)
  • 給与所得(会社勤めの人がその会社から受け取る給与、ボーナス)
  • 退職所得(退職することによりその会社から受け取る退職金)
  • 山林所得(林業を営む人が得る所得)
  • 譲渡所得(不動産や株式、ゴルフ会員権などを譲渡することによって得る所得。事業用資産の譲渡は除く)
  • 一時所得(継続的な営利活動以外から生じた一時的な所得。生命保険等の一時金や満期返戻金が代表的)
  • 雑所得(上記のどれにも該当しないもの)

所得の区分のあらまし|所得税|国税庁

 所得税率

税率は、所得が高くなればなるほど上がる累進課税率を採用しており、収入が多い人ほど、多くの所得税を納めるようになっています。現行の所得税率は次の通りです。

課税される金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超 330万円以下 10% 9万7,500円
330万円超 695万円以下 20% 42万7,500円
695万円超 900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超 1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

所得税の税率|所得税|国税庁

 所得税の計算方法

所得税は、まず10種類の所得を合計して総収入金額を算出します。そこから給与所得控除や、基礎控除などの所得控除を差し引き、課税所得を算出します。

これに所得税率を乗じて算出された所得税額から、最後に税額控除を差し引くことによって、納付する所得税額が計算されます。これらを算式に表すと、次の通りとなります。

総収入額-給与所得控除=給与所得額

給与所得額-所得控除=課税所得額

課税所得額×所得税率-控除額=所得税額

サラリーマンであれば、月々の給与から源泉徴収されてるので、算出された所得税額から源泉所得税を差し引いた差額を納付するようになります。もしも算出された所得税額が源泉所得税の額に満たない場合には、その差額は還付されます。

納付する所得税額-源泉所得税額=納付または還付

 年収300万円の場合の所得税額

それでは、年収300万円の場合は、どのくらいの所得税額になるのか、独身で扶養がいない場合を例として、具体的な金額で計算してみましょう。

所得税の対象となる金額を算出

所得税は、収入の額に対してそのまま課税される訳ではありません。300万円の収入額から各控除額を差し引いて計算されます。

 給与所得控除額について

給与所得控除とは、収入に応じて決まった控除額が設けられています。下記の表によると、年収300万円の場合の給与所得控除額は、300万円×30%+18万円=108万円ということになります。

給与収入金額 控除額
180万円以下 収入金額×40% (65万円に満たない場合は65万円)
180万円超 360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超 660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超 1,000万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超 一律220万円

この控除額表は、平成29年分です。平成28年分以前については、こちらよりご確認ください。

給与所得控除|税について調べる|国税庁

社会保険料控除額について

社会保険料控除とは所得控除のひとつで、納税者本人や生計一である配偶者などの親族の社会保険料を、納税者が支払った場合に受けられる控除のことを言います。ここでいう社会保険料とは、次に該当するものをいいます。

今回の計算においては、支払った社会保険料の合計額は40万円であったと仮定します。

  • 健康保険、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の保険料
  • 国民健康保険の保険料または国民健康保険税
  • 後期高齢者医療保険
  • 介護保険料
  • 労働保険料
  • 国民年金基金、厚生年金基金の掛金
  • 公務員共済の掛金
  • その他、国などに公的に支払う保険料

 その他控除について

所得控除は全部で14種類あり、社会保険料控除以外にも次の控除があります。今回の計算においては、便宜的に基礎控除のみ該当するものとします。

 所得控除名 控除額
雑損控除 次のいずれかの多い方の金額

(差引損失額)-(総所得金額等)×10%

(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

医療控除 支払った医療費 − 保険金など − 10 万円
(10万円の部分については、年間所得200万円未満の場合は総所得の5%)
小規模企業共済等掛金控除 支払った掛金の全額
生命保険料控除 最大12万円
地震保険料控除 最大5万円
寄附金控除 次のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額

その年に支出した特定寄附金の額の合計額

その年の総所得金額等の40%相当額

障害者控除 27万円(40万円もしくは75万円の場合もあり)
寡婦・寡夫 27万円(35万円の場合もあり)
勤労学生控除 27万円
配偶者控除 38万円(配偶者が70歳以上の場合は48万円)
配偶者特別控除 最大38万円
扶養控除 38万円(扶養親族の年齢、同居の有無等で48万円、58万円、63万円の場合もあり)
基礎控除 38万円

各所得控除の詳しい解説はこちらをご覧ください。

所得控除のあらまし|所得税|国税庁

 納めるべき所得税の金額

前述した条件により、年収300万円の所得税額は以下のように算出します。

収入額300万円-給与所得控除108万円=給与所得192万円

給与所得192万円-所得控除(社会保険料控除40万円+基礎控除38万円)=課税所得114万円

課税所得114万円×所得税率5%=所得税額5万7,000円

なお、給与所得者の場合は、復興特別所得税2.1%も併せて源泉徴収されます。

住民税について

住民税は、1月1日に住んでいる地方自治体(市区町村)に納める地方税です。所得が確定した翌年に計算され、その年の6月から翌年の5月(これが住民税でいう年度になります)までの12回に分けて給与から天引きされる税金です。

住民税は『所得割』と『均等割』に分けられ、均等割については自治体により異なります。

 住民税の税率について

  • 所得割…全国一律10%(市町村民税6%+道府県民税4%)
  • 均等割…各自治体による(標準税率5,000円:市町村民税3,500円+道府県民税1,500円)

均等割については、復興財源確保のため平成26年度から平成35年度分までの間、標準税率が年1,000円(市町村民税500円+道府県民税500円)引上げられています。

年収300万円の場合の住民税額

住民税は、まず所得税で計算した給与所得金額から、住民税の所得控除を差し引き課税所得金額を算出します。それに所得割の税率を乗じたのち均等割を加算し、調整控除を差し引き計算します。

住民税の主な所得控除は次の通りです。

 所得控除名 金額
生命保険料控除 最大7万円
地震保険料控除 最大2万5,000円
障害者控除 26万円
特別障害者控除 30万円
同居特別障害者控除 53万円
寡夫・寡婦控除 26万円
寡婦控除(特別の寡婦) 30万円
勤労学生控除 26万円
扶養控除 33万円
特定扶養控除 45万円
老人扶養控除 38万円
同居老親扶養控除 45万円
配偶者控除 33万円
配偶者控除(老人) 38万円
配偶者特別控除 最大33万円
基礎控除 33万円

所得税の場合と同条件とした場合、

給与収入300万円-給与所得控除108万円=給与所得192万円

給与所得192万円-所得控除(社会保険料控除40万円+基礎控除33万円)=課税所得119万円

課税所得119万円×所得割10%+均等割5千円-調整控除2千500円=12万1,500円

調整控除とは、所得税と住民税の人的控除(配偶者控除・扶養控除・基礎控除)の差を少なくための制度で、次の計算方法により算出します。

  • 課税所得200万円以下
  1. 所得税と住民税の人的控除額の差
  2. 課税所得金額
  3. 調整控除額=1と2のいずれか小さい方の金額×5%
  • 課税所得200万円超
  1. 所得税と住民税の人的控除額の差
  2. 課税所得金額-200万円
  3. 調整控除額=(1-2)×5%※2,500円未満の場合には2,500円

よって、この場合における調整控除は、

  1. 基礎控除における所得税38万円-住民税33万円=5万円
  2. 119万円
  3. 5万円×5%=2,500円

まとめ

給与所得者の所得税や住民税は、給与からの天引きにより自動的に納めているため、どうしても納税意識が薄くなってしまいます。しかし、今回の計算で分かるように年間合計にしてみると、年収300万円の人でもおよそ20万円もの税金を納めているのです。

月々の給与明細や、年末に貰う源泉徴収票をしっかりと確認し、自分がどれだけの税金を納めているかを知れば、国の税金の使い道などに対して、より一層興味が持てることでしょう。

消費税、住民税、所得税、相続税、固定資産税など税金は沢山あり、支出と含めて計算しなければ家計を 圧迫するものです。税金を考慮した将来の家計を立てなければ、住宅の購入、保険の加入はしにくいものです。 ライフプラン・家計簿を作成して、長期的に管理しましょう!

ライフプランを作成する

Fincy」では、専門家に直接お金の相談をすることができます。「税金に関するお悩み・相談」など のお悩みを、カテゴリーページから探してみましょう。