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法人税率の引き下げ政策とは何?その基本から解説します

平成28年度税制改正により法人税率の引き下げが始まりました。なぜ法人税率を引き下げるのでしょうか。引き下げることによって、どんなメリットがあるのでしょうか。ここでは法人税率引き下げについて、法人税率とはの基本からわかりやすく解説します。

この記事の目次

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法人税率の税制改正

平成28年度税制改正では、法人税実効税率が将来的に20%台となるように、法人税率を平成28年度より段階的に引き下げることになりました。

従来は25.5%であった法人税率は、改革初年度である平成27年度では23.9%、更にこの税制改正により平成28年度より23.4%、平成30年度からは23.2%となります。

法人税率とは

法人が納める税金である法人税を計算する際に用いる率のことで、法人の利益に乗じられます。

引き下げられた理由

日本の法人税率は、世界と比較すると高いというのが長年の問題でした。法人税は企業の利益に対して課税されるので、同じ利益であっても他の国に比べて高い法人税を取られてしまうと、それだけ日本企業の負担となってしまいます。

また、企業がグローバル化している現代において法人税率が高いと、企業は法人税率が低い国に逃げてしまうのです。

法人税率を引き下げることは、日本企業の国際経済力を高めるとともに、世界の企業の日本誘致に繋がるのです。

引き下げはいつから

平成28年4月1日以後に開始する事業年度については23.4%、平成30年4月1日以後に開始する事業年度については23.2%となります。

引き下げによる効果

  • 法人税として納税する金額が減ることにより、以前より資金を確保することができます。新規事業や研究開発など、企業が発展していくための様々なことに投資することができます。
  • 確保することができるようになった資金は、その企業で働く労働者の賃金の上昇や、能力向上のための費用などに充てることができます。
  • 法人税率の低い海外に逃げ出す必要がなくなり、国内企業の海外流出を止めることができます。
  • 海外企業の国内誘致に繋がり、GDP上昇に貢献します。

法人税率を知ろう。その基本から最新の改正まで解説します

法人税率は何%?

法人税率は全ての法人に対して一定ではありません。法人には、株式会社などの普通法人のほか、協同組合、人格のない社団、公益法人、公共法人などがあり、法人税率はその種類や年間所得に応じてそれぞれ設けられています。

ここでは、代表的な中小法人と普通法人について見てみましょう。

中小法人

中小法人とは、簡単には資本金1億円以下の法人をいいます。詳しくは下記リンクの、法人税の税率に関する改正よりご確認ください。

H27.4.1以後開始事業年度 H28.4.1以後開始事業年度 H30.4.1以後開始事業年度
年間所得800万円以下の部分 15% 19%(H29.3.31までは15%) 19%
年間所得800万円超の部分 23.9% 23.4% 23.2%

平成28年度 法人税関係法令の改正の概要|パンフレット・手引き|国税庁

普通法人

普通法人とは、簡単には上記の中小法人を除く、資本金1億円超の法人をいいます。詳しくは下記リンクの、法人税の税率に関する改正よりご確認ください。

H27.4.1以後開始事業年度 H28.4.1以後開始事業年度 H30.4.1以後開始事業年度
23.9% 23.4% 23.2%

平成28年度 法人税関係法令の改正の概要|パンフレット・手引き|国税庁

法人税実効税率とは

『法人税実効税率』とは、国税である法人税だけでなく、地方法人税、法人住民税、法人事業税の地方税があります。

それらのうち事業税だけは損金算入(経費にすること)が認められていますので、それを考慮し、法人が実質的に負担することになる税率を表します。

これに対して、法人が納めるべき税金を単純に合計した税率を『表面税率』といいます。

法人税実効税率の内訳

それでは実効税率はどのような税金の内訳からできているのか、確認してみましょう。ここでは現在の税率である、平成29年度の税率でお伝えしていきます。

法人税

所得×23.4%

上記で紹介した通り、法人の所得(利益)に対して課税される税金です。

地方法人税

法人税額×4.4%

平成26年10月1日より新設された税金で、地方税である法人住民税の一部を国税に移行するために設けられました。名称には地方とついていますが国税になります。

地方税の一部を国税として徴収し、各地方自治体に配分することで自治体間の格差をなくすことを目的としています。

法人住民税

法人税額×17.3%(都道府県5%+市区町村12.3%)

住民税には都道府県に納める道府県民税と、市区町村に納める市町村民税があります。この2つを合わせて法人住民税といいます。

住民税には所得割と均等割というものがありますが、この場合は所得割の税率のみ関係しますので、税率は17.3%となります。

法人事業税

事業を行っている法人に対して課される税金で、都道府県に納めます。法人税と同様に所得に対して課されます。税率は都道府県によって異なります。

実効税率の計算方法

実効税率は次の算式により計算され、その結果次でお伝えする実効税率となります。

『実効税率=法人税率×(1+地方法人税率+法人住民税率)+法人事業税率/1+法人事業税率』

実効税率の近年の推移

我が国における法人実効税率は、次の通り推移しています。平成28年度の法人税率引き下げにより、実効税率20%台を達成していることがわかります。

H27.4.1以後開始事業年度 H28.4.1以後開始事業年度 H30.4.1以後開始事業年度
32.11% 29.97% 29.74%

世界と比較した日本の実効税率

それでは最後に、かつてはアメリカに並んで高率だった我が国の実効税率は、この税制改正により世界7位まで順位を下げることができています。

こうやって上位20位までの国々の実効税率を見ていると、かつての日本の税率がどれ程高かったのかがわかります。

順位 国名 実効税率
1 アメリカ合衆国 38.91%
2 フランス 34.43%
3 ベルギー 33.99%
4 ドイツ 30.18%
5 オーストラリア 30.00%
5 メキシコ 30.00%
7 日本 29.97%
8 ポルトガル 29.50%
9 ギリシャ 29.00%
10 ニュージーランド 28.00%
11 イタリア 27.81%
12 ルクセンブルク 27.08%
13 カナダ 26.70%
14 オランダ 25.00%
14 オーストリア 25.00%
14 スペイン 25.00%
14 チリ 25.00%
18 韓国 24.20%
19 イスラエル 24.00%
19 ノルウェー 24.00%

法人実効税率の国際比較 : 財務省

まとめ

かつて我が国の法人税実効税率は、40%近くありました。それが2017年現在では30%を切るまで引き下げられています。安倍政権が掲げていた20%台という目標が達成できたのです。

この法人税率の引き下げは多くのプラス効果を生み出します。賃金上昇の可能性、企業の収益力や競争力のアップ、失業率の低下、海外企業の日本誘致などです。

これに対してマイナス効果として上げられるのは、税収が下がる、これ1点に尽きるでしょう。法人税率が1%下がると、おおよそ4,700億円もの税収がなくなると言われています。これが消費税増税理由の1つに繋がるのです。

法人税率の引き下げは、企業にしか恩恵がないように見えますが、国民を豊かにするにはまず企業を豊かにすることから始まるのではないでしょうか。

ニワトリが先なのか卵が先なのか。元気な卵を産むためには、まず鶏を元気にしなければいけないということです。

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この記事の監修者

明治大学出身。上場保険代理店にて1年目新人賞、2年目社長賞受賞後にFPとして独立。これまで約2,000人と面談、プランニングを手掛ける。一人ひとりの資産設計の参謀として、お金の貯め方・守り方・増やし方などをアドバイスしている。 掲載メディア:ゼクシィ、Lifehacker、みんなのおかねドットコム、RAINBOW Town FM、他

消費税、住民税、所得税、相続税、固定資産税など税金は沢山あり、支出と含めて計算しなければ家計を 圧迫するものです。

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