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相続税を減らして節税。相続税・贈与税の基本と非課税枠について

相続税対策には、相続税と贈与税が大きく関わっています。そして、非課税枠の特例を上手に利用することで、効果的な相続税対策を行なえます。相続税と贈与税の基本について解説して、適用可能な非課税枠もご紹介していきます。

この記事の目次

相続税の基本を知ろう

まずは、相続税の基本からみていきましょう。

相続税とは

相続とは、被相続(死亡した人)の財産を相続人(遺された人)が受け継ぐことです。相続や遺贈により、(遺贈とは、遺言によって財産が相続人に移ることです)財産を取得した場合にかかる税金のことを相続税といいます。

税金の納税義務者は、原則として財産を取得した個人となります。相続税は、財産により課される額が決まるため、生前贈与などを行ない財産を減らしておくと、支払う相続税はその分少なくなります。

相続税|国税庁

相続税について詳しく知ろう。内容やポイントを押さえて適切な申告を

相続税の計算手順

次は、相続税の計算の手順についての解説です。

計算の流れと金額

相続税の税額は、次の流れで計算します。

  1. 各人の課税価格(相続税がかかる相続財産の価格)を計算
  2. 相続税の総額を計算
  3. 各人の納付税額を計算

1.では、被相続人から相続した財産を集計して、そこから非課税の財産や、控除できる金額を差し引いて、課税価格を計算します。

2.では、1.で出た各人の課税価格を合算したものから、遺産にかかる基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を差し引いて、相続税の総額を出します。

3.では、下記の計算式のように、2.で計算した相続税の総額に、各人が実際に受け取った課税価格の割合を掛けて、各人の税額を計算します。

相続税の総額 × 各人の課税価格 ÷ 課税価格の合計額 = 各相続人の税額

税額の加算と控除

上記の流れで算出した各相続人税額に、さらに加算や控除が必要な場合もあります。

税額の加算

まずは、加算についてです。被相続人の配偶者と1親等の血族(子や父母のこと)以外の人が、相続や遺贈によって財産を取得した場合には、算出税額の2割が加算されます。

算出税額×20%=相続税の加算額

贈与税額控除と配偶者の税額控除

次に、控除についてです。生前贈与加算の対象になった人(相続開始前3年以内に贈与を受けた人)が贈与税を課された場合に、贈与税額を相続税額から控除できます。

配偶者には軽減措置があります。配偶者の取得した財産が、1億6,000万円以下または、配偶者の法定相続分相当額以下の場合には、相続税がかかりません。

未成年者控除と障害者控除

相続や遺贈で取得した相続人が未成年である場合は、(20歳-相続開始時)×10万円=控除額の計算式で、控除額を算出します。

相続や遺贈で取得した相続人が障害者である場合は、(85歳-相続開始時の年齢)×10万円=控除額の計算式で、控除額を算出します。特別障害者の場合は、20万円となります。

相次相続控除と外国税控除

10年以内に2回以上相続があった場合、一定の税額を控除できます。

外国にある被相続人の財産を取得して、その国で相続税に相当する税を課された場合、税額を控除できます。(二重課税を避けるためです)

相続税の計算|贈与税|国税庁

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相続財産について

次は、相続財産についてです。相続財産は、本来の相続財産とみなし相続財産の二つに分けられます。

本来の相続財産

本来の相続財産とは、被相続人が生前に所有していた財産で、金銭で換金できる経済的価値のある財産のことです。以下は、本来の相続財産の例です。

  • 現金(預貯金)
  • 証券
  • 株式
  • 土地
  • 建物
  • ゴルフ会員権
  • 電話加入権

みなし相続財産

みなし贈与財産とは、本来は相続財産ではないが、被相続人の死亡を原因として、相続人が受けった財産のことをいいます。主なみなし財産は、生命保険金や死亡退職金などがあります。

相続税の非課税財産

相続税の非課税財産の中身についてみていきます。

非課税限度額

非課税限度額とは、名前の通り税金がかからない一定の範囲までの額のことです。下記の財産は、非課税財産で、相続税の課税対象とはなりません。

  • 墓地、墓石、祭具、仏壇、仏具など
  • 生命保険金のうち一定額
  • 死亡退職金のうち一定額

生命保険金・死亡退職金

相続人が生命保険金や死亡退職金を受け取った際、次の計算式で求めた金額が非課税限度額となります。

非課税限度額=500万円×法定相続人の数

相続税の課税対象になる死亡保険金|相続税|国税庁

相続税の課税対象になる死亡退職金|相続税|国税庁

法定相続人とは、民法では相続人の範囲を被相続人の配偶者と一定の血族に限っています。相続を放棄した人は相続人ではないため、相続を放棄した人が受け取った保険金などについては、非課税の適用はありません。

相続人の範囲と法定相続分|相続税|国税庁

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弔慰金

相続人などが受け取った弔慰金については、以下の範囲までは非課税となります。なお、超える分については、退職手当金として課税されます。

業務上の死亡の場合は、非課税限度額=死亡時の普通給与×36か月分、業務外であれば、非課税限度額=死亡時の普通給与×6か月分となります。

法定相続人の数

相続税計算上、法定人数の数について、民法とは異なる扱いをしています。

少しややこしいのですが、民法上は養子を何人でも増やせます。しかし、相続税では、無制限に養子を認めると、基礎控除を増やすために養子を増やすといったこともできてしまうため、取り扱いが異なります。

反対に、相続の放棄があった場合は、放棄がなかったものとして法定相続人の数に算入します。

養子がいる場合

被相続人に実子がいる場合は養子は1人まで、実子がいない場合は、養子は2人までとなっています。

次の場合には、養子でも実子とみなされます。

  • 配偶者の実子で、被相続人の養子となった人
  • 特別養子縁組によって、養子になった人

特別養子縁組とは,原則として6歳未満の未成年者の福祉のため特に必要があるときに,未成年者とその実親側との法律上の親族関係を消滅させ,実親子関係に準じる安定した養親子関係を家庭裁判所が成立させる縁組制度です。

出典:裁判所|特別養子縁組成立

  • 代襲相続人で、被相続人の養子となった人(代襲相続とは、相続人がすでに死亡、欠格、廃除によって、相続権がなくなっている場合に、代わりに相続人の子が相続すること)

債務・葬儀費用

被相続人の債務(借入金など)を受け継いだ場合は、その債務を課税価格から控除できます。なお、葬儀費用を負担した場合も、負担した葬儀費用分を課税価格から控除できます。

下記の表は、主な控除の対象となるものとならないものです。

控除できるもの 控除できないもの
債務 借入金

未払いの税金

未払いの医療費など

生前に購入した墓地などの未払い金

遺言執行費用など

葬儀費用 通夜・告別式・火葬・納骨費用

死体捜索費用など

香典返礼費用

初七日など法要費用など

相続税対策は非課税財産の正しい把握から。知っておきたい基礎知識。

相続税の申告と納付

次に、相続税の申告と納付についての解説をしていきます。

申告内容

申告書の提出義務者は、相続や遺贈によって財産を取得した人で、被相続人の死亡時における住所を管轄する税務署へ提出します。

相続財産が以下の場合は申告は不要ですが、配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例を受ける場合は、納付税額が0円でも申告が必要です。提出期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内とされています。

申告期限までに、遺産分割が行われていない場合は、配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例を受けられません。しかし、申告書提出時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出し、相続税の申告期限から3年以内に分割すると、適用を受けられます。

延納

税金は、納期限までに一括納付が原則ですが、相続税については、延納や物納という方法も認められています。延納とは、相続税の全部または一部を年払いで分割して納付する方法です。延納の要件は、次のようになっています。

  • 金銭一括納付が困難であること
  • 納付すべき相続税額が10万円を超えてていること
  • 延納申請書と担保提供関係書類を期限内に提出していること
  • 担保を提供すること

最後の担保の提供については、延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下の場合は不要となっています。

なお、相続税を延納した場合、延納税額のほかに利子税というものも同時に発生します。相続財産によって、延納できる期間の最高年数は異なります。

相続税の延納|相続税|国税庁

物納

物納とは、相続税を相続財産によって納付する方法です。物納の要件は、延納によっても金銭納付が困難であることと、物納申請書を期限までに提出することです。

物納する財産は、国内にある相続財産に限られます。なお、相続時精算課税の適用を受けた財産は物納にあてられません。また、物納には下記のように順位も設けられています。

  1. 国債・地方債・不動産・船舶
  2. 社債・株式・証券投資信託の受益証券
  3. 動産

相続税の物納|相続税|国税庁

納付方法

原則として、延納から物納への変更はできません。しかし、申告期限から10年以内である場合で延納による納付が難しいときは、分納期限が来ていない『未到来の税額部分』については、延納から物納に変更ができます。

また、物納の許可を受けた後に、金銭一括納付や返納が可能となった場合には、物納の許可後1年以内に限り、物納を撤回できます。

贈与税の計算手順

次は、贈与税の計算の手順についてです。まずは、贈与税の基本からみていきましょう。

贈与税の基本

贈与とは、生存している個人から財産をもらう契約をいいます。

贈与税とは、贈与により財産を取得した個人に課される税金のことです。贈与は、諾成契約(だくせいけいやく)といって、財産を贈る側ともらう側の合意によって成立するので、口頭でも書面でも有効となります。

贈与税|国税庁

計算の流れと金額

贈与税は、1年間(1月1日から12月31日までに)に贈与された財産の合計額をもとに計算します。

計算式は、(課税価格-110万円)×税率=贈与税額です。この課税価格とは、贈与税の計算のもととなる財産の金額ことで、110万円は基礎控除の額です。

贈与財産について

贈与財産も相続財産と同様、本来の贈与財産とみなし贈与財産の二つに分けられます。

本来の贈与財産

本来の贈与財産とは、贈与によって取得した財産で、金銭で換算できる財産のことです。以下は、本来の贈与財産の例です。

  • 現金(預貯金)
  • 土地
  • 株式
  • 建物など

みなし贈与財産

みなし贈与財産とは、本来は贈与財産ではないが、贈与を受けた分ほどの効果がある財産をいいます。主なみなし贈与財産は、生命保険、定期金の権利、負担付贈与などです。

上記の定期金の権利とは、個人年金を保険料の負担者以外の人が受け取る権利のことです。負担付贈与とは、贈与を受ける人に一定の債務を負担させることを条件に贈与することです。

贈与税の非課税財産

次の財産は、課税対象になりません。

  • 社会通念上必要と認められる香典、見舞金、祝い金など
  • 扶養義務者から受け取った生活費や教育費のうち、必要と認められる金額
  • 法人から贈与された財産
  • 相続や遺贈によって財産を取得した人が、相続開始年に被相続人から受け取った贈与財産(生前贈与加算の対象になるためです)

贈与税の特例

次は、贈与税の特例についてです。特例を受けることによって、財産を減らし、結果的に相続税対策になることもありますので、内容をよく確認することをおすすめします。

贈与税の配偶者控除

贈与税の配偶者控除は、婚姻期間が20年以上の配偶者から居住用不動産、または居住用不動産を取得するための金銭の贈与があった場合、最高2,000万円まで配偶者控除が受けられます。

主な要件は、贈与を受けた翌年の3月15日までに居住開始をしていることと、過去に同じ配偶者との間で、この特例を受けていないことです。

この特例は、相続税の生前贈与加算(相続開始前3年以内に受けた贈与は、相続財産として加算される制度)の対象となりません。よって、控除額の2,000万円以下の部分については、そのまま控除を受けられます。

夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|贈与税|国税庁

住宅や土地の取得資金贈与

直系尊属(直系の親や祖父母のこと)から子や孫へ、住宅や土地の取得資金の贈与があった場合、一定の金額まで非課税になります。

一般住宅の非課税限度額は、700万円までとなっていますが、耐震や省エネの基準を満たした住宅の場合は、1,200万円まで非課税となります。対象受贈者の条件は、満20歳以上で、贈与を受けた年の所得金額が2,000万円以下であることです。

主な要件は、以下となります。

  • 床面積の半分以上が居住用であること
  • 耐火建築物の場合は、築後25年以内であること(それ以外は築後20年以内)
  • 贈与を受けた翌年の3月15日までに居住していること

相続時精算課税

相続時精算課税とは、贈与が行われる際は贈与税を軽減して、相続時は贈与分と相続分の税を課される制度です。相続時精算課税を利用すると、2,500万円まで非課税となります。なお、2,500万円を超えた分は、20%加算されます。

受贈者は、満20歳以上の子と孫のみとなります。贈与者は、本来この制度を利用する場合、満60歳以上が対象となりますが、住宅取得のための贈与に限り、60歳未満でも可能です。

また、住宅取得の際は、贈与を受けた翌年の3月15日までに、住宅を取得していなければなりません。

相続時精算課税選択の特例|贈与税|国税庁

教育資金贈与

教育資金の贈与は、平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間、直系尊属が30歳未満の子や孫に対して、教育資金にあてるために金銭を贈与できる制度です。

受贈者名義の口座に預け入れなどした場合には、1人につき1,500万円までが非課税となります。

学費の他に非課税となる教育資金は、塾や習い事の月謝などです。このように、学校以外への支払いに関しては、非課税額の上限が1人につき500万円までとなっています。

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税|贈与税|国税庁

結婚・子育て資金贈与

結婚・子育て資金の贈与は、平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に、直系尊属が20歳以上50歳未満の受贈者に対して、結婚・子育て資金にあてるために金銭などを贈与できる制度です。

金融機関に信託した場合に限り、1,000万円までの贈与税が非課税となります。1,000万円のうち、結婚費用については300万円までが非課税となります。

非課税となる費用は、下記のうちの一定のものです。

  • 婚礼、住居、引っ越しに要する費用
  • 妊娠・出産に要する費用、子の医療費・子の保育料

直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税|贈与税|国税庁

贈与税の申告と納付

次は、贈与税の申告と納付についてです。

申告内容

申告書の提出義務者は、贈与を受けた人で、1年間(1月1日から12月31日まで)に贈与された合計額が基礎控除(110万円)以下の場合は申告は不要となります。

ただし、贈与税の配偶者控除と相続時精算課税、住宅取得資金の贈与の特例を受ける場合は、納付税額が0円でも申告は必要なので、注意が必要です。

提出期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までで、受贈者の住所地の税務署への提出となります。

納付方法

贈与税は、相続税と同様、申告書の提出期限までに一括での納付が原則となっていますが、一定の要件を満たした場合は、5年以内の延納も認められています。(物納は認められていません。)

延納の要件は、相続税の延納の条件と同じであるため、そちらをご参照ください。

贈与税の申告と納税|贈与税|国税庁

まとめ

ここまで、相続税と贈与税について解説していきました。

相続税に関しては、計算方法など専門的な部分にも触れたため、ピンとこないところもあったかもしれません。計算の流れが把握できれば、課税される相続税がどのように決定するのかがわかります。

贈与税の特例については、適用を受けることで節税に繋がりますので、ご参考ください。

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この記事の監修者

明治大学出身。上場保険代理店にて1年目新人賞、2年目社長賞受賞後にFPとして独立。これまで約2,000人と面談、プランニングを手掛ける。一人ひとりの資産設計の参謀として、お金の貯め方・守り方・増やし方などをアドバイスしている。 掲載メディア:ゼクシィ、Lifehacker、みんなのおかねドットコム、RAINBOW Town FM、他

消費税、住民税、所得税、相続税、固定資産税など税金は沢山あり、支出と含めて計算しなければ家計を 圧迫するものです。

税金を考慮した将来の家計を立てなければ、住宅の購入、保険の加入はしにくいものです。 ライフプラン・家計簿を作成して、長期的に管理しましょう!

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