株主優待は課税対象なのか
ここでは、株主優待とは何かを確認したうえで、株主優待は課税対象なのか、課税対象ならどの所得に当てはまるのかについて説明します。
株主優待とは
まず、株主優待とは何かを確認しておきましょう。
会社が株主に対して自社製品や優待券、サービス券等を無料で進呈することを株主優待といいます。デパートやファミリーレストラン、ファーストフード店なら割引券、食品会社なら自社製品、鉄道会社は回数券や全線パス、映画・劇場会社なら招待券や優待券といった具合です。
株主優待を実施している株式を権利確定日時点で保有していれば、その保有株数に応じて、割引券や自社製品などの優待品を受け取れます。
例えば、日本マクドナルドホールディングスの株式を権利確定日に100株保有していると、配当とは別に年2回、無料食事券が受け取れます。
このような株主優待は2016年9月時点で1,307社が実施しています。
株主優待ガイドの販売について | 株主優待 | 個人投資家の皆さまへ | 大和インベスター・リレーションズ | Daiwa IR
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株主優待は雑所得に該当する
そして、株主優待は非課税ではないことが、所得税法基本通達24-2で確認できます。
法人が株主等に対してその株主等である地位に基づいて供与した経済的な利益であっても、法人の利益の有無にかかわらず供与することとしている次に掲げるようなもの(中略)は、法人が剰余金又は利益の処分として取り扱わない限り、配当等には含まれないものとする。
出典:法第24条《配当所得》関係|通達目次 / 所得税基本通達|国税庁
「次に掲げるようなもの」には、注意書きで株主優待が含まれること、そしてそれは雑所得に該当すると書かれています。
つまり、株主優待は利益処分ではないので配当所得ではなく、雑所得として確定申告する必要があるということになります。
雑所得の計算方法
ここまでで、株主優待が雑所得に該当することがわかりました。次に雑所得の計算方法について説明します。
雑所得とは
雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。
給与所得や事業所得など、9種類の所得のいずれにも当たらない所得が雑所得です。株主優待はこの雑所得に該当します。
雑所得の計算方法
雑所得の計算方法は以下の通りです。
雑所得の金額は、次の(1)と(2)との合計額です。
(1) 公的年金等
収入金額-公的年金等控除額=公的年金等の雑所得(注) 公的年金等控除額は、受給者の年齢、年金の収入金額に応じて定められています
(2) 公的年金等以外のもの
総収入金額-必要経費=その他の雑所得
株主優待は(2)公的年金等以外のものに含まれます。ここで判断が難しいのが、所得金額の計算です。
クオカードや割引券のように、金額が明示されているものはその額面金額で計算すればいいでしょう。しかし、自社製品の場合、いくら「2,000円相当」と言われても、本当に2,000円の価値があるかどうかは判断が難しいところです。
金額が不明確な場合は、最寄りの税務署に相談した方がよいかもしれません。
雑所得は、給与所得など他の所得と合計し、総所得金額を求めたうえで税額を計算することになります。
株主優待品を転売した場合
では、株主優待品を転売した場合はどうなるのでしょうか。転売した利益は譲渡所得に該当し、こちらも課税対象になります。
例えば、株主優待でもらった3,000円分の食事券を5,000円で転売した場合、5,000円-3,000円=2,000円を譲渡所得、食事券の3,000円は雑所得として、確定申告する必要があります。
ただし、株主優待品の価値の算定が難しい場合や、所得が少額のため申告が不要な場合もあります。
確定申告が必要かの判断基準
ここでは、株主優待をもらったときに、確定申告が必要かの判断基準について説明します。
給与所得がある場合
会社員で給与所得がある場合、株主優待を含めた副収入が20万円以下であれば、原則として確定申告は不要です。
ただし、給与所得が2,000万円超の場合は年末調整が受けられず、確定申告しなくてはいけないので注意が必要です。
確定申告が必要かは、株主優待を含めた副収入が20万円を超えるかで判断しましょう。
所得が38万円以下の場合
専業主婦(夫)などで、株主優待を含めた所得が38万円以下の場合も確定申告は不要です。38万という金額は、もともと38万円の基礎控除があるからです。
給与所得がない場合、確定申告が必要かは、株主優待を含めて所得が38万円を超えるかで判断しましょう。
基本的には確定申告が必要
会社員で給与所得以外の所得が20万円以下、所得が38万円以下以外は、基本的には確定申告が必要です。
しかし、株主優待は自社製品など、その価値の算定が難しいものもあります。判断に迷う場合は自己判断せず、最寄りの税務署に確認するのが確実です。
申告漏れは、税務署から「お尋ね」がきたり、過少申告加算税や無申告加算税などのペナルティーが課されたりする可能性もあります。
不明点は税理士や税務署に確認して対応しましょう。
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まとめ
ここまで、株主優待にも税金はかかるのかについて説明してきました。
株主優待は雑所得に該当し、課税対象になります。個人の状況によっては確定申告が必要な場合がありますので、申告が必要かを確認しておきましょう。
そして、判断に迷う場合は税務署に相談すると、その方の状況に応じて適切なアドバイスをもらえます。申告漏れにならないように、適切に対処することが大切です。
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