住民税の種類について
住民税には課税のされ方によって以下の2つの種類に分けられます。
- 所得にかかわらず平等に課税される「均等割」
- 前年の所得に応じて課税される「所得割」
これらの住民税を、現在住んでいる市区町村に納めることになります。
住民税と生命保険料控除の関係
生命保険料控除は、所得から控除額を引く所得控除の一種になります。そのため、この控除は所得割に関係します。また、住民税の所得割の税率は、一律10%と決められています。
したがって、この控除で実際に安くなる税額は、そのままの控除額ではなく、控除額に10%を掛けたものになります。
生命保険料控除の求め方
控除の求め方には、新制度と旧制度の2つの求め方があります。どちらの制度の対象になるかは、契約したのが平成23年以前なら旧制度を使って求め、契約したのが平成24年以降なら新制度を使って求めます。
また、旧制度で控除額を求めていた保険を更新した場合は、更新した月から新制度で控除額を求めます。そのため、その年は1つの保険に対し、2つの制度で合算した控除額が引かれることになります。
生命保険料控除の種類
生命保険料控除には以下の3つの種類があります。
- 「一般生命保険料控除」 例えば死亡保険などの一般的な生命保険
- 「介護医療保険料控除」 介護保険や医療保険など、医療費や障害に関わるものなど
- 「個人年金保険料控除」 個人年金保険料税制適格特約がついた個人年金保険
出典:Q.新しい生命保険料控除制度とは?|公益財団法人 生命保険文化センター
この内、新制度で新たに加えられたのが、介護医療保険料控除です。
なお、加入している保険が、これら3つのどれに当たるのかは、その保障内容によります。そのため、保険の名前だけでは判断するのは難しいです。
もし加入している保険が、どれに当たるのか確認したい場合は、保険会社に連絡するようにしましょう。特に複数の保険に加入している場合は、種類ごとに控除額を計算する必要があります。
生命保険料控除の計算式
新制度と旧制度では、控除額の求め方や控除の種類が変わり、ひとつひとつの控除の上限額が低くなっています。ただし、3つの控除額を合わせた全体の上限額は、どちらの制度でも7万円で変わっていません。
また、3種類の控除は、いずれも同じ年間払込保険料額で分けられ、またそれに対応する計算方法にて求められます。
新制度の場合
年間払込保険料額 | 控除される金額 |
12,000円以下 | 払込保険料全額 |
12,000円超 32,000円以下 |
(払込保険料×1/2) +6,000円 |
32,000円超 56,000円以下 |
(払込保険料×1/4) +14,000円 |
56,000円超 | 一律28,000円 |
出典:税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」|公益財団法人 生命保険文化センター
この控除額を求める際に、もし3つの控除額の合計が、7万を超える場合であっても、超えた分は控除には含まれず、控除額は最高で7万円になります。
旧制度の場合
年間払込保険料額 | 控除される金額 |
15,000円以下 | 払込保険料全額 |
15,000円超 40,000円以下 |
(払込保険料×1/2) +7,500円 |
40,000円超 70,000円以下 |
(払込保険料×1/4) +17,500円 |
70,000円超 | 一律35,000円 |
出典:税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」|公益財団法人 生命保険文化センター
新制度と旧制度で求められる保険がどちらもある場合は、それぞれ計算し、求めたそれらの控除額を合算します。また、全体の上限額である7万円は変わらないので、それを超えた額は控除されません。
住民税と所得税の控除の違い
生命保険料控除は、所得から控除されるので所得税も安くなります。また、所得税も1年間に支払った保険料によって、控除額が決められています。ただし、住民税と所得税には、大きく2つの違いがあるので注意しましょう。
控除の上限額の違い
住民税で3種類の控除を合わせた上限額は7万円でした。それに対し所得税は、合計したときの上限額は12万円となっています。さらに、それに伴い使われる計算方法などが異なっています。
そのため住民税と所得税で、同じ保険料でも控除額は全く異なるものになります。
控除の反映の仕方の違い
所得税の控除は、確定申告、あるいは年末調整をすれば、その年の所得税を求める際に、その額が反映されます。そのため、実際の納税額を超えて、納税していた分は、還付されます。
対して住民税は、次の年の納税額を求める際に反映されることになります。そのため、控除を受けた後の納税額が請求されるので、還付が発生することはありません。
生命保険料控除の申告方法
住民税には、それ専用の控除を受けるための申告方法というものはありません。
しかし、それは全く何もしなくてよいのではなく、所得に関する申告をする必要があります。そうすることで、住民税が求められる際にその控除が反映されるのです。
控除が受けられる仕組み
税務署に提出された確定申告書あるいは、会社からの給与支払報告書によって、各市区町村に全ての控除に関する情報が伝わります。
そして、それを元にして各市区町村は、そこに住む納税者の税金を計算しています。このようにして、控除が反映された税額が計算されています。
また納税者が、控除されたかどうかを確認するためには、同じく市区町村から住民税額の決定通知書が送られてきますので、それを確認しましょう。
所得税とは違って、住民税は還付によって、手元に実際にお金が返ってこないので、この確認は重要です。
会社員の申告方法
まず、10月頃に保険会社の方から、「生命保険料控除証明書」というものが送られてきます。それから、年末になると会社の方から「給与所得者の保険料控除申告書」が配られます。
これら2つを、会社の担当部署に提出して、年末調整を受ければ、控除を受けることができます。もし、提出期限に間に合わなかった場合は、自分で確定申告をすることで控除を受けることができます。
自営業者の申告方法
自営業者の場合は、確定申告により控除を受けることができます。
この際、確定申告に必要事項を記入し、先程と同じく、保険会社から送られてきた「生命保険料控除証明書」を添付して提出する必要があります。
控除証明書を無くした場合
生命保険料控除証明書を無くしてしまった場合は、再発行が可能ですので、できるだけ速やかに保険会社に連絡するようにしましょう。
保険会社によっては、申請を受け付けてくれる期限があったり、送られてくるまでに時間がかかったりする場合があります。
まとめ
生命保険料控除は住民税の場合だと、還付されるわけではありません。そのため、今回紹介した方法で、しっかりと控除されているかの確認が必要になります。
また、それにはあらかじめ控除額を把握しておくことも大切です。これもまた今回紹介した方法で計算することができます。
このように、住民税で控除をしっかり受けるためには、申告してからも重要になります。そのため、申告方法だけではなく、それに関連する知識も忘れないようにしましょう。
住民税の控除にはどんな種類があるの?漏れなく申告すれば節税に
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