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所得税ってなに?その概要と知っておきたいポイントについて

日本の税収の中でも、特に触れる機会が多いのがこの所得税です。給与から引かれていることは知っていても、その詳細を説明できる方は少ないです。そこで今回は、所得税についての概要や納税の方法、計算方法等についてまとめました。

この記事の目次

所得税とは?

はじめに、そもそも所得税とはどういったものなのか、また法律でどのように定められているかについて述べていきます。

所得税について

所得税は、1798年にイギリスで創設され、その後1887年(明治20年)に日本に導入されました。イギリスに比べると遅く感じますが、世界全体では早い部類に入ります。

所得税は、すべての人に公平に収入に応じた税を負担させること、財政需要が高まる中で、財源をしっかり確保するという目的で誕生しました。

明治22年の所得税収は、税収全体のわずか1.5%足らずでしたが、所得税法の整備を進めていった結果、平成28年には税収全体の18.4%を占めるようになりました。

所得税の導入|平成18年度特別展示|税務大学校|国税庁

国税庁|平成29年度予算のポイント

日本の税収として、非常に大きな割合を占めるのが、所得税になります。

所得税法について

所得税法とは、どのような取り決めがなされている法律なのでしょうか。

第一編 総則

第一条 この法律は、所得税について、納税義務者、課税所得の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続、源泉徴収に関する事項並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。

出典:所得税法

所得税法には、所得税を納める額を規定するだけでなく、それに掛かる手続き等に関しても記載があります。

所得税法における所得とは、所得を1暦年(11日から1231日迄)ごとに区切り把握します。経済的利益を一定期間に限ると、経済力を蓄積した結果として判断できます。

所得税法上の所得とは、1年間に形成された、その人の経済力の増加であると、定義することができるのです。

所得税の控除について

次に、所得税の控除の種類について述べていきます。所得税の控除は、基本的な人的控除と、特別な人的控除に分けることができます。

基本的な人的控除について

基本的な人的控除をまとめると、以下の表になります。

 
創設年
(個人住民税)
対象者 控除額 本人の所得要件
基礎的な人的控除 基礎控除 昭和37年度
(1962年度)
本人 33万円
配偶者控除 控除対象配偶者 昭和41年度
(1966年度)
生計を一にする配偶者で、かつ、年間所得が38万円以下である者 33万円
老人控除対象配偶者 昭和56年度
(1981年度)
年齢が70歳以上の控除対象配偶者 38万円
配偶者特別控除 昭和63年度
(1988年度)
生計を一にする配偶者で、かつ、控除対象配偶者に該当しない者 最高
33万円
年間所得1,000万円以下
扶養控除 昭和37年度
(1962年度)
生計を一にする親族等で、かつ、年間所得が38万円以下である者
一般の扶養親族 昭和37年度
(1962年度)
年齢が16歳以上19歳未満又は23歳以上70歳未満の扶養親族 33万円
特定扶養親族 平成2年度
(1990年度)
年齢が19歳以上23歳未満の扶養親族 45万円
老人扶養親族 昭和48年度
(1973年度)
年齢が70歳以上の扶養親族 38万円
(同居老親等加算) 昭和55年度
(1980年度)
老人扶養親族が本人と同居している場合 +7万円

出典:人的控除の概要(所得税) : 財務省

結婚をして配偶者となり、扶養親族が出来る、また両親が退職し扶養になる等、多くの方が経験するライフイベントに関して控除が設けられているのが、この基本的な人的控除です。

特別な人的控除について

特別な人的控除については、以下の表のようにまとめることができます。

創設年
(所得税)
対象者 控除額 本人の所得要件
特別な人的控除 障害者控除 昭和25年
(1950年)
障害者である者

障害者である控除対象配偶者又は扶養親族を有する者

27万円
(特別障害者控除) 昭和43年
(1968年)
特別障害者である者

特別障害者である控除対象配偶者又は扶養親族を有する者

40万円
(同居特別障害者控除) 昭和57年
(1982年)
特別障害者である控除対象配偶者又は扶養親族と同居を常況としている者 75万円
寡婦控除 昭和26年
(1951年)
夫と死別した者

夫と死別又は離婚し、かつ、扶養親族等を有する者

27万円 1の場合
年間所得500万円以下
(特別寡婦加算) 平成元年
(1989年)
寡婦で、扶養親族である子を有する者 +8万円 年間所得500万円以下
寡夫控除 昭和56年
(1981年)
妻と死別又は離婚し、かつ、扶養親族である子を有する者 27万円 年間所得500万円以下
勤労学生控除 昭和26年
(1951年)
本人が学校教育法に規定する学校の学生、生徒等である者 27万円 年間所得65万円以下かつ給与所得等以外が10万円以下

出典:人的控除の概要(所得税) : 財務省

基本的な人的控除の範疇を超えた特別な対象者が、特別な人的控除対象といえます。障害を抱えた方や、学生がいる家庭等、それぞれの家庭環境や状況を加味することができます。

所得税の扶養とは。制度の概要と知っておきたいポイントまとめ

所得税と住民税の関係について

次に、所得税と住民税の関係について述べていきます。

所得税は国税で住民税は地方税?

所得に対する課税という部分では共通していますが、所得税は国税、住民税は地方税という違いがあります。

国税は、国が掛ける税金のことを指し、住民税は地方自治体が掛ける税金を指します。所得税、住民税それぞれ所得に応じた金額を納税する義務があります。

国税の代表としては、他に法人税、相続税、贈与税、消費税等が挙げられます。地方税の代表としては、市町村民税、固定資産税、自動車税、市町村たばこ税等が挙げられます。

原則的な税金が国税となります。車の所有等個人差があるものは、地方税が課せられます。住民票がある地域の住民税が、地方税となります。

具体的な違いについて

具体的な所得税と住民税の違いについて、対象年度の違い、控除額の違い、税率の違いに注目して述べていきます。

対象年度の違い

まず、所得税についてです。所得税は、1暦年(11日から1231日迄)ごとに区切ります。この時の所得は、確定申告をした時に初めて所得になります。

会社員を例に挙げると、その年に貰う給与は、次年の確定申告を行うときに所得となります。この為、その年が対象年度になります。

一方の住民税は、所得が確定した翌年に計算され、これが前年の所得となります。このように、その年の計算か、前年の計算かという違いがあります。

控除額の違い

所得税と住民税では、給与から差し引かれる控除額にも違いがあります。

  • 基礎控除額、配偶者控除額、扶養控除額:所得税38万円、住民税33万円
  • 障碍者控除額:所得税27万円、住民税26万円
  • 生命保険料控除額:所得税上限12万円、住民税上限7万円(※生命保険の契約日が平成23年12月31日以前の契約は、所得税は上限10万円、住民税は上限7万円の旧制度が適応となります。)
  • 地震保険料控除額:所得税上限5万円、住民税上限7万円

控除額に違いがある代表例を挙げました。しかし、これら以外にも金額に差が生じるものが多くありますので、確認が必要です。

税率の違い

所得税は累進課税の為、所得金額が高くなるにつれ、税率も高くなります。その変動幅は、5%から45%の範囲です。

一方の住民税は、一律約10%です。内訳は、都道府県民税が一律4%、市民税が一律6%となっています。※これにプラスして地域ごとに数千円程度掛かります。

住民税は、広く浅く、住民に負担してもらうというコンセプトになっています。この為、累進課税制度はとっておらず、一律に税を課しているのです。

納税のタイミングについて

所得税は確定申告の時期に納税します。この為、翌年2月16日から3月15日の間が、納付期間となります。また、この際には分割で納付することができず、一括で行う必要があります。

一方の住民税は、6月から一括、又は年4回に分けて納付します。分割の場合には、最初の納付期限が6月末、第2期が8月末、第3期が10月末、第4期が翌年の1月末となります。

所得税は特別な場合を除いて一括、地方税は分割で納付することができる違いがあります。

所得税の確定申告はどうするの?押さえたいポイントや方法のまとめ

予定納税について

予定納税とは一体なんでしょうか?予定納税の概要について、またそれを怠るとどうなるかについて述べていきます。

予定納税とは

その年の5月15日現在において確定している前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上である場合、その年の所得税及び復興特別所得税の一部をあらかじめ納付するという制度があります。この制度を予定納税といいます。

出典:予定納税|所得税|国税庁

あらかじめ納税の義務が生じることを把握できている場合は、納税を一部納付することができます。確定申告にて一括で納付する前に、一部を納付することができる制度です。

予定納税額については、自分でその額を決定することはできず、予定納税基準額の1/3の金額を納めます。所轄の税務署長からその年の6月15日までに、書面で通知されます。

納付方法について

予定納税の方法は、直接納付、振替納税、電子納税の3つから選択することができます。

直接納付

最も一般的な納付方法です。確定申告と同様に、税務署に納付書を持参し、現金で納付する方法です。また、30万円以下の納税の場合は、コンビニで支払うことも出来ます。

振替納税

指定した金融機関の口座から、振替することで予定納税を行うという方法です。予め振替する口座を指定しておくだけで、自動で納税ができるため、最も簡便な方法です。

電子納税

e-taxという国税電子申告、納税システムを使用し、自宅からパソコンで予定納税を行えるという方法です。パソコンの使用環境によっては、利用が限定されることがあります。

インターネット環境が整っていないと利用できないこと、また金額の入力等の細かい操作を要する為、パソコンの操作に慣れていない方には不向きであるといえます。

納税しないとどうなる?

予定納税の支払い期限を過ぎた日から滞納期間が約1ヶ月半経過すると、所轄の税務署から督促状が送付されます。この時期としては、どの税金の督促状も同じです。

それ以降にも滞納状態となり、連絡や相談等の接触が得られない場合は、滞納処分差し押さえに関しての通知が送付されます。この予告期限を過ぎると差し押さえが行われます。

また、滞納した分に関しては、原則、本税に対して年利14.6%が加算されます。延滞税計算の始期は確定申告書提出期限の翌日からとなります。

更に、本来申告義務があったにも関わらず、怠慢したとして無申告加算税というものが課されます。税務調査が来た場合は15%、調査前に自主申告した場合は5%となります。

所得税の予定納税って何?制度の内容や理解すべきポイントのまとめ

所得税の計算方法について

所得税をどのように求めていけばよいか、具体的に述べていきます。

どのように計算するか

所得税の計算には、給与所得控除、上述した人的控除等、税率が関係してきます。

給与所得控除について

給与所得の金額は、収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出します。平成29年度における給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて、次のようになります。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

出典:国税庁

上記の表のように、年間の給与収入に対する金額の計算を行い、給与所得控除を求めます。

所得税は年収によって納める金額が変わる。年収別の所得税額を紹介

人的控除等について

次に、人的控除等についてです。これは、上述した基本的な人的控除、また特殊な人的控除がこれにあたります。

給与所得控除後の、給与所得の金額からこの人的控除等が差し引かれ、課税所得の金額が求められます。

税率について

最後に、税率についてです。平成27年度以降の税率は、以下の表を参考に求めます。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

出典:所得税の税率

所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から45%の7段階に区分されています。

課される所得金額に対する所得税の金額は、上記の表を使用することで簡単に求めることができます。

所得税額表について

給与税額表は、正式には給与所得の源泉徴収税額表といいます。給与等を支払うとき、源泉徴収する税額を求める際に使用します。

月額表、日額表、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の3種類があります。月額表は、給与を毎月支払う場合、月や旬を単位として用いる場合にも用います。

次に日額表ですが、文字通り働いたその日ごとに給与を支払う場合に用います。1週間ごとに給与を支払う場合も、この日額表を用います。

最後に、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表です。賞与、またボーナス等を支払う場合に用います。

しかし、前月中の給与がない場合や、賞与、ボーナス等の金額が前月の給与金額の10倍を超える場合には、月額表を用います。

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まとめ

所得税の概要について述べてきました。給与から控除される所得税ですが、その中身を知ることで、控除の対象となった際にその手続きを円滑に行うことができます。

また、納税方法を理解することで、適切な時期に正しく納税することができます。納税の時期を逃してしまうと、滞納とみなされてしまいます。

また、場合によっては必要以上の納税が課されることもあります。過剰に負担しない為にも、注意が必要となります。

人的控除に関しては、今回述べた以外にも復興にするもの等、その種類は多岐にわたります。

今回の記事はあくまでも概要なので、それぞれの詳細については国税庁のホームページ等から、より詳細な情報を得る必要があります。

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この記事の監修者

明治大学出身。上場保険代理店にて1年目新人賞、2年目社長賞受賞後にFPとして独立。これまで約2,000人と面談、プランニングを手掛ける。一人ひとりの資産設計の参謀として、お金の貯め方・守り方・増やし方などをアドバイスしている。 掲載メディア:ゼクシィ、Lifehacker、みんなのおかねドットコム、RAINBOW Town FM、他

消費税、住民税、所得税、相続税、固定資産税など税金は沢山あり、支出と含めて計算しなければ家計を 圧迫するものです。

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