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法人税法施行令では何を規定?法令の種類や主な項目の内容を紹介

法人税を納付するには、法人税法にのっとった申告をする必要があります。本記事では、法人税法について詳しく解説します。また、法人税法施行令についても紹介します。税制改正のポイントも、併せて見ていきましょう。

この記事の目次

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法人の税金に関する法律

『法人』の企業活動により所得を得た場合は、国税である『法人税』を納めなければなりません。法人税は申告納税方式のため、納税者が税金額を計算し申告を行います。

期限内に申告・納税ができなかった場合は、本来納めるべき税金のほか、無申告加算税(※)や延滞税の対象となるため、注意が必要です。

速やかに申告・納税を行うには、『法人税法』についての知識を持っておくことが大切です。ここではまず、法人税法の基本事項について見ていきましょう。

(※無申告加算税とは、申告期限までに確定申告を行わなかった場合に、納税者に課せられる国税です)

申告と納税|国税庁

法人税法

法人税法とは、法人税全般に関して規定した法律です。法人税法で定められている内容には、以下があります。

  • 課税所得の範囲
  • 法人税の計算方法
  • 申告および納付の流れ
  • 納税地
  • 外国法人の納税について

法人税が課される法人とは

法人の種類と課税の有無は、下表のように定義されます。

区分 具体例 課税の有無
普通法人 ・株式会社
・有限会社
・医療法人
課税
公共法人 ・地方公共団体
・金融公庫
・事業団
非課税
公益法人など ・社団法人
・財団法人
・学校法人
・宗教法人
原則非課税
(収益事業(※)で得た所得には課税)
協同組合など ・信用金庫
・農業協同組合
課税
人格のない団体 ・PTA(ピーティーエー)
・同窓会
収益事業で得た所得に課税

(※収益事業とは、物品販売業や不動産販売業・金銭貸付業など33種類の事業を、事業場を設けて継続して営むことです)

租税特別措置法

『租税特別措置法』は、法人税法とともに法人税を定義している法律です。主に、法人税に関する政策上の特例を定めています。租税特別措置法が定める内容の一例は、以下のとおりです。

  • 中小企業者等の法人税率の特例
  • 資産譲渡の課税の特例
  • 景気調整のための課税の特例

命令や通達

法人税の規定には、法人税法や租税特別措置法のほかに以下があります。

  • 法人税法施行(しこう)令
  • 法人税法施行規則
  • 基本通達

上記の規定は、以下の組織により制定されます。

  • 法人税法施行令:内閣
  • 法人税法施行規則:財務省

法人税において最も優先される規定は、法人税法です。次に優先順位が高いのが法人税法施行令、次が法人税法施行規則と決まっています。ここでは、各規定について、さらに詳しく解説します。

法人税基本通達の制定について|国税庁

法人税法施行令とは

『法人税法施行令』とは、法律ではあいまいな部分や記載が足りていない部分を定めたものです。

法人税法施行規則とは

『法人税法施行規則』には、法令の施行に必要な規則が定められています。

法人税法基本通達とは

『法人税法基本通達』は、法律の具体的な取り扱いが記載された、納税手続きにおける判断の目安となる規定です。

基本通達は、行政機関による事務手続きを統一するための内部規定であり、法律で定められたものではありません。

法人税の納税手続きは、基本通達の範囲内で、それぞれのケースに合わせて行われます。

法人税法で定められた税金

ここでは、法人税法で定められた税金について、さらに詳しく見ていきましょう。

法人税

法人税とは、法人が得た所得に対し課せられる国税です。税額は、所得(益金(えききん※)-損金)に税率をかけて計算します。税率は、会社の規模などにより異なります。

2019年4月以降に開始する事業年度の、普通法人の税率は、下表のとおりです。

区分 税率(%)
年800万円以下の部分 年800万円超の部分
資本金1億円以下の法人など 15
(適用除外事業者は19)
23.2
上記以外の普通法人 23.2

また、上記以外の法人税率の一例を、下表に紹介します。

区分 税率(%)
年800万円以下の部分 年800万円超の部分
公益法人等 ・公益法人
・公益財団法人
・非営利型法人
・公益法人等とみなされているもの
15 23.2
上記以外 15 19
特定の医療法人 15
(適用除外事業者は19)
19

(※税法上、法人の資産を増加させた収益を益金といいます。一方、法人の資産を減少させたものが、損金です。損金には、経費や費用・損失などがあります)

No.5759 法人税の税率|国税庁

法人住民税

法人住民税は、法人の事業所または事務所がある都道府県および、市区町村に納める地方税です。法人住民税は、以下の二つで構成されます。

  • 法人税割:法人税額をもとに算出される
  • 均等割:従業員数や資本金額などをもとに算出される

法人住民税額は、納める市区町村により異なります。例えば、2019年10月1日以降に開始する事業年度の都民税法人税割の税率は、下表のとおりです。

区分 税率(%)
不均一課税適用法人(標準税率) 超過税率
事務所等がある場所 23区内 7 10.4
市町村 1 2

不均一課税適用法人とされるのは、資本金または出資金の額が1億円以下で、法人税額が1000万円以下の法人です。

法人事業税・法人都民税 | 税金の種類 | 東京都主税局

法人事業税

地方税の一つである法人事業税は、法人がある地方自治体(都道府県)に納めます。事業を行うにあたって使用した公共サービスや公共施設について、費用の一部を負担する目的で課税されるのです。

法人事業税率は、所得や資本金または出資金額により異なります。詳細は、各都道府県に確認しましょう。

その他の法人にかかる税金

上記のほか、法人が納めなければならない税金の一例を、下表に紹介します。

税金の種類 区分 詳細
消費税 国税 ・法人が、消費者から預かった消費税を納める
・資本金が1000万円未満で2年前の売り上げが1000万円以下の法人は、納税免除
印紙税 国税 ・課税文書作成時にかかる税金
・収入印紙の貼付により納税
固定資産税 地方税 法人が保有する土地や建物・償却資産(※)に対し課税
自動車税 地方税 法人が保有する自動車に対し課税

(※償却資産とは、土地や建物以外で事業に供することができる資産を指します。例えば、事業のために用いている構築物・機械・工具・器具・備品等の固定資産などです)

法人税法施行令第8条

ここからは、法人税法施行令の規定について、詳しく解説します。まずは、法人の資本金等について規定した、第8条です。

e-Gov法令検索

資本金等の額

資本金とは、出資者が法人に拠出した資金をいいます。法人税を計算するにあたっては、資本金の額と資本金等の額に、以下の違いがあることを知っておかなければなりません。

  • 資本金の額:資本金として、貸借対照表(※)に計上した額
  • 資本金等の額:資本金の額に、法人税法施行令8条の項目を加算または減算した額

資本金等の額を求めるには、法人税法施行令第8条に定められた19項の金額を考慮する必要があります。

(※貸借対照表とは、財務諸表の一つです。一定の時点において、法人が保有する財産や権利を表します。勘定科目ごとに記載することで、資産や負債・資本の合計額が明確になります)

資本金等の額に影響する取引

資本金等の額の計算に影響するのは、法人税法施行令第8条に規定された、19の取引です。一例を以下に紹介します。

  • 株式の発行等
  • 新株予約権の行使に基づく株式の交付
  • 取得条項付新株予約権に基づく株式の交付
  • 加入金を徴収
  • 合併
  • 適格現物出資
  • 事業の移転を伴う非適格現物出資
  • 株式交換
  • 株式移転
  • 資本金または出資金額の減少
  • 準備金の資本組み入れ
  • 資本または出資を有する法人が、資本または出資を有しなくなった
  • 資本の払い戻し等
  • みなし配当事由に係る自己株式の取得等
  • みなし配当が生じない自己株式の取得

法人税法施行令第23条

次は、法人税法施行令第23条です。第23条はみなし配当に関して規定しています。みなし配当とは、剰余金の配当または分配等ではないものの、税務上配当と変わらないとされる一定の金額です。

みなし配当の金額は、以下の式で計算します。

  • みなし配当金額=交付金銭等の合計額-交付の基因となる所有株式に対応する資本金等の額

所有株式に対応する資本金等の額の計算方法

みなし配当金額を求める際に必要となる、所有株式に対応する資本金等の額は、下表の式で求めます。

自己株式を取得等した法人が発行していた株式の種類 計算式
一つのみ 資本金等の額÷発行済株式等の総数×株主等が有していたその自己株式の取得等にかかる株式の数
二つ以上 その種類の株式にかかる種類資本金額÷その種類の株式総数×株主等が有していたその自己株式の取得等にかかるその種類の株式の数

第8 配当所得の源泉徴収事務|国税庁

みなし配当の発生事由

みなし配当が発生する事由としては、以下が挙げられます。

  • 合併に伴う金銭等の交付(適格合併(※1)を除く)
  • 分割型分割(※2)に伴う、金銭等の交付
  • 資本の払い戻しまたは、解散に伴う残余財産の分配
  • 自己株式取得に伴う金銭等の交付(市場での取得は除く)
  • 社員の退社等による持ち分の払い戻しに伴い、金銭等が交付される

(※1:適格合併とは、法人の資産および負債が簿価で移転されるため、法人税が発生しない合併方法です。適格合併をするには、一定の要件を満たす必要があります)

(※2:分割型分割とは、承継会社(事業を引き継ぐ会社)が交付する株式を、分割会社(事業を切り離す会社)の株主に割り当てる、M&A(エムアンドエー:合併・買収)の手法です)

法人税法施行令第54条

法人税法施行令第54条は、法人が固定資産を取得した場合の取り扱いを規定しています。固定資産とは、土地や家屋・償却資産です。

固定資産は、年数の経過により資産価値が減少すると考えられます。これを、減価償却といいます。減価償却により目減りした金額は、経費としての計上が可能です。

減価償却の額は、対象となる固定資産税の取得価額をもとに計算します。法人税法施行令第54条では、固定資産税の取得価額の求め方について、詳しく規定しています。

減価償却資産の取得価額

固定資産税の取得価額は、原則として以下のように求めます。

  • 取得価額=本体購入価額+付随費用

付随費用とは、固定資産税を事業に利用するためにかかった費用です。一例を以下に挙げます。

  • 引き取り運賃
  • 荷役費
  • 運送保険料
  • 購入手数料
  • 関税
  • 土地建物の取得に必要な立退料

取得価額に算入しないことが可能な費用

上記以外の付随費用のいくつかは、例外として取得価額に算入せず、費用を支払った時点で経費に計上することが可能です。取得価額に算入しない付随費用には、以下があります。

  • 関税以外の税金(不動産取得税や自動車取得税など)
  • 借入金の利子
  • 登記や登録にかかる費用

法人税法施行令第142条

法人税法施行令第142条で規定されているのは、外国で得た所得に対する課税についてです。日本の法人税法では、全世界所得課税方式が採用されています。

全世界所得課税方式とは、所得の発生場所が国内か国外かにかかわらず、日本で課税される方式です。よって、国外で得た所得に対しては、現地および日本の両方で課税(二重課税)されることがあります。

その場合、国外で納めた税金額を国内で課税される税金額から控除することで、二重課税を防ぐのです。

法人税法施行令第142条では、外国税額控除の限度額や、控除の対象などについて詳しく規定しています。

控除限度額の計算

外国税額控除には、限度額があります。控除限度額を求める式は、以下のとおりです。

  • 控除限度額=全世界所得に対する法人税×国外所得金額÷全世界所得金額

なお、外国税額控除には、以下の二つの方式があります。

  • 損金算入方式
  • 税額控除方式

損金算入方式では、外国税額を損金に算入することで、二重課税を防ぎます。税額控除方式は、税額の計算時に控除する方法です。

損金算入方式と税額控除方式のどちらを選ぶかは、事業年度ごとに選択できます。ただし、1事業年度に両方の方式を併用することはできません。

外国税額控除の対象とならない外国法人税額

以下の外国法人税額は、外国税額控除の対象外です。

  • 外国法人税額のうち、高率な部分
  • 国内で、通常行われると考えられる取引以外の取引にかかる外国法人税額
  • 日本の法人税が課されない部分にかかる、外国法人税額
  • 租税条約による、限度税率超過部分

高率な部分とは、日本の法人税率と比較して、税率が高い部分をいいます。また、租税条約により規定された税率を超える部分は、外国税額控除の対象にはなりません。

税制改正で施行令に関するポイント

2017年および18年度には、いくつかの税制が改正されました。最後に、税制改正に伴う、法人税の変更点を解説します。

2017年度税制改正

2017年度に改正された規定の一例は、下表のとおりです。

項目 改定前 改定後
研究開発税(※1)の見直し 税額控除率 研究開発費総額の8~10%
(中小法人は12%)
試験研究費の増減に応じ6~14%
(中小法人は12~17%)
試験研究費の定義の追加 ・製品の製造
・技術の改良や考案・発明にかかる試験研究費
改正前の定義に、第四次産業革命型のサービス開発(※2)を追加
所得拡大促進税制(※3)の見直し 大企業 12年度から増加した給与支給総額の10% 改正前の控除に加え、前年度からの増加額に対し2%上乗せ
中小企業 改正前の控除に加え、平均給与等支給額が前年度より2%以上増えている場合は、前年度からの増加額に対し12%上乗せ
法人税申告期限の見直し 事業年度終了から最大3カ月後 最大6カ月後

(※1:研究開発税制とは、物づくりまたはサービス開発を行う企業を対象とした、税制優遇制度です。基礎研究や応用研究の費用の一部が、法人税から控除されます)

(※2:第四次産業革命型のサービス開発とは、自然災害予測サービス・観光サービス・ヘルスケアサービスなどです)

(※3:所得拡大促進税制とは、前年度よりも賃金を上げた法人に対し、増加した給与支給総額から一定の割合で法人税を控除する制度です)

「平成29年度税制改正」(平成29年4月発行) : 財務省

2018年度税制改正

2018年度には、下表の税制改正が行われました。

項目 改正内容
賃上げおよび生産性向上のための税制 要件 ・継続雇用者給与等支給額が、前年度より3%以上増加(中小企業は1.5%)
・国内設備投資額が、当期減価償却費総額の90%以上(中小企業は要件とせず)
税額控除 ・前年度から増加した給与支給総額の15%
・教育訓練費増加要件(※)を満たす場合、控除率を5%上乗せ
・中小企業は、継続雇用者給与等支給額が前年度に比べ2.5%以上増加しており、教育訓練費増加要件を満たす場合に、控除率を10%上乗せ
租税特別措置の適用要件の見直し 所得が増加しているにもかかわらず、賃上げと国内設備投資を行わない大企業は、一部の租税特別措置の適用から除外される

(※教育訓練費増加要件は、当期の教育訓練費が前期および前々期の教育訓練費平均の1.2倍を満たすことです)

Chapter2 法人課税---平成30年度税制改正 : 財務省

まとめ

法人税法は、法人税全般について規定した法律です。法人税法施行令は、法人税法で足りていない規定を定めています。

法人税を申告する際には、法人税法や法人税法施行令などに基づいた、正しい申告をしましょう。

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