そもそも交通費に消費税はかかるのか?
消費税とは、『物やサービスの消費』という行為に対して課せられる税金です。サービスの消費も対象ということは、バスや電車、タクシーなどの利用で発生した交通費にも消費税はかかります。
ただし、飛行機に関しては、国内線か国際線かで異なるので注意が必要です。消費税は国内での取引が課税対象であるため、出発地も到着地も国内の国内線の運賃には消費税がかかります。
しかし、出発地か到着地のいずれかが海外になる国際線は、はっきりした線引きができないので消費税がかかりません。
また、国際線に乗るために国内線で別の空港まで移動した場合は、24時間以内に国際線に乗り継げば、国内線も国際線の一部とみなされ消費税が免税されます。
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電車賃やタクシー代などの交通費は内税
多くの商品の値札には、『税抜』と『税込』の二つの料金が表示されている、もしくは、『(税抜)』『(税込)』のように記載されているのが基本です。
電車やタクシー代にはそのような表示がないので、消費税がかかっていないようにも見えますが、内税になっているだけで消費税はしっかり課せられています。
内税とは、表示金額に消費税が含まれていることです。電車やタクシー代には『(税込)』の記載がないだけで、消費税込の金額が表示されています。
取引先に経費や報酬を請求する際に、消費税を上乗せして請求することもありますが、交通費は内税であるため、消費税を上乗せすると二重請求になるので注意が必要です。
交通費と宿泊費を一緒に請求する場合は?
泊りがけの仕事で、交通費と宿泊費を一緒に請求することもあるでしょう。この場合、交通費は内税ですが宿泊費は外税なので、請求書は以下のように作成します。
- 『交通費÷1.08』で交通費の内税分を算出
- 『宿泊費×1.08』で宿泊費の外税金額を算出
- 『交通費-内税』の金額を交通費の欄に記入
- 宿泊費の欄に外税金額を足していない金額を記入
- 『交通費の内税分+宿泊費の外税金額』を消費税の欄に記入
文章だけでは分かりにくいので、交通費が3000円、宿泊費が8000円かかったとして簡易的な請求書を作成してみましょう。
品目 | 数量 | 金額 |
交通費 | 1 | 2778円 |
宿泊費 | 1 | 8000円 |
小計 | 1万778円 | |
消費税 | 862円 | |
合計 | 1万1640円 |
交通費に二重で消費税がかかっていることも
交通費と宿泊費を一緒に請求する場合、これらをまとめて『出張費』として請求するケースも多くあります。この場合、交通費と宿泊費の合計額から消費税を計算すると、交通費の消費税が二重請求になるので注意が必要です。
例えば、交通費が3000円、宿泊費が8000円かかったとして、単純に『3000+8000=1万1000円』に消費税をかけると、総額は『1万1880円』になります。
消費税の内税を引かずに消費税を計算しているため、消費税の二重請求になっているのですが、特に問題にせず受け付けてくれる取引先もあるでしょう。
しかし、過大請求として問題になる可能性もあるので、念のため取引先に確認しておくと安心です。
交通費の経理処理 立替金とする場合
交通費を立て替えてあとで取引先に請求する場合、返金されるとはいえお金が動いているので、経理処理が必要です。交通費を『立替金』として計上する場合の処理方法を知っておきましょう。
実費精算が必要となる
交通費を立て替えた場合、取引先に『実費精算』してもらいます。実費精算とは、領収証をもとに、実際にかかった費用をそのまま精算してもらうことです。
交通費が3000円かかったのであれば、3000円を取引先に請求します。帳簿には、まず交通費を立て替えた時点で以下のように記帳しましょう。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
立替金 | 3000円 | 現金 | 3000円 | ○○交通費立替 |
そして、取引先から立替金を受け取ったら、以下の仕訳で立替金を消します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
現金 | 3000円 | 立替金 | 3000円 | ○○交通費立替 |
宿泊費と共に請求する場合は外税金額を表示
前述のとおり、交通費と宿泊費を請求するときには、交通費の内税分と宿泊費の外税金額を計算し、それを合算した金額を消費税額として表示します。
この場合は、交通費の消費税が二重になることがないので、実費精算が可能です。帳簿には交通費と宿泊費、消費税の合計額を立替金として記帳してかまいません。
しかし、交通費と宿泊費をまとめて出張費とし、交通費の消費税が二重請求になっている場合は、実際に支払った金額よりも請求額が高くなるので実費精算ではなくなります。よって、全額『売上』として処理しなくてはなりません。
交通費の経理処理 売上に含める場合
交通費に外税で消費税を加算したなどの理由で、交通費を売上に含めて処理する方法について見ていきましょう。
立替費用を仕入の勘定科目で処理
立て替えた交通費を売上に含める場合、まず交通費の支払い時点で、仕入れの勘定科目『旅費交通費』で経費計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
旅費交通費 | 3000円 | 現金 | 3000円 | ○○交通費 |
そして、取引先には報酬と交通費をまとめて請求しましょう。報酬は1万円とします。
品目 | 数量 | 金額 |
本体価格(報酬) | 1 | 1万3000円 |
小計 | 1万3000円 | |
消費税 | 1040円 | |
合計 | 1万4040円 |
すると、取引先から『報酬+交通費』がまとめて支払われるので、全額を『売上高』として計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
現金 | 1万4040円 | 売上高 | 1万4040円 | ○○交通費含む |
旅費交通費のマイナス計上を行うとミスが増えるため、旅費交通費を売上高で相殺するのです。
消費税の納税額が少なくなるケースも
消費税には『原則課税』と『簡易課税』があります。
- 原則課税:『受け取った消費税額-支払った消費税額』で納税額を算出する
- 簡易課税:『受け取った消費税額×所定の割合』で納税額を算出する
原則課税を採用している場合、交通費を売上に含めて処理すると、消費税の納税額が少なくなることがあります。交通費を売上高に含めて課税売上高(※1)が上がると、課税売上割合(※2)が上がるからです。
課税売上割合は以下で計算します。つまり、課税売上高が高いほど、課税売上割合が高くなるということです。
原則課税において、支払った消費税を全額差し引けるのは課税売上割合が95%を超えた場合のみです。交通費によって課税売上高が95%以上になれば、消費税の納付額が下がります。
(※1.課税売上高とは、消費税額を抜いた売上のことです)
(※2.課税売上割合とは、売上高に占める課税売上高の割合のことです)
簡易課税制度の場合
簡易課税では、以下の式で納付額を計算します。
簡易課税を採用している場合は、売上高から消費税の納付額を算出するので、交通費を売り上げに含めると納付額が高くなります。
源泉徴収する必要がある場合
取引先から報酬を受け取る際に、『所得税』と『復興特別所得税』が源泉徴収されることがあるでしょう。このとき、交通費からも源泉徴収されるのでしょうか。
基本的には交通費も報酬として扱う
基本的には交通費も報酬として扱うため、源泉徴収の対象に入ります。ただし、支払者が交通機関に対して直接支払う、必要な範囲内の交通費に関しては源泉徴収の対象外です。
よって、立て替えた交通費を請求した場合に、そこから源泉徴収されることはあまりないでしょう。
外税交通費にのみ源泉徴収税をかけるには
報酬に交通費を加算して請求した場合は、交通費も含めた全額が源泉徴収の対象になります。いくら源泉徴収額されるのか知りたい場合は、以下で計算しましょう。
- 報酬額が100万円以下の場合:報酬額×10.21%
- 報酬額が100万円以上の場合:報酬額× 20.42%
報酬額については、消費税込みでも消費税抜きでもどちらでも構いません。
まとめ
交通費は表示価格に消費税についての記載がありません。しかし、内税であるため消費税額が記載されていないだけで、しっかり消費税は課せられています。
よって、取引先に交通費を請求する場合には、二重請求にならないように、消費税を加算せずに請求書を作成する必要があるのです。
宿泊費などと合算して出張費として請求する場合は、消費税とその他経費の総額に対する消費税を加算することがありますが、これは消費税の二重請求にあたります。
そのまま受け付けてもらえることもありますが、過大請求として問題になることもあるので注意しましょう。
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