あなたの副業はどの区分?
はじめに、あなたの副業はどの所得区分になるのでしょうか。この区分けをする際に簡単な副業もあれば、難しい副業もあります。特に事業所得者と認められるには要件があり、事業所得と認められない場合は雑所得者となってしまい、税金の控除額が変わってきてしまうのです。
さて、あなたの副業はどの区分の所得になるのでしょうか。
投資による譲渡所得者
株式の売買を主としたトレーダーであったり、不動産売買を行うような「資産」を移転することによってその差額を得ることを目的とした副業の場合、譲渡所得を得ているという区分になります。この差額を得ることをキャピタルゲインといいます。
しかしながら、資産の移転を伴い、その差額を得るFXについては、日本の税務上この譲渡所得ではなく、雑所得となります。FXも株式のトレードと同様人気の高い副業ではありますが、税務上は似て非なるものである、ということも覚えておいてください。
投資等による配当所得者
配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける剰余金や、利益の配当、剰余金の分配、投資法人からの金銭の分配又は投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外のもの)及び特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得をいいます。
株式投資や投資信託購入により、配当を受け取るとそれは配当所得となります。先に述べた差額によって利益を得るキャピタルゲインとよく比較され、インカムゲインと呼ばれます。
経営による事業所得者
ネットの普及によって自分で事業を起こし経営を行うことのハードルが下がっています。その結果、ショップ経営などを副業として選択する人も増えてきています。この副業が事業と税務署から判断された場合(判断基準は多数にのぼり総合的に判断されます)、事業所得となります。
事業所得となった場合、仕入れなどの経費を計上できるとともに、損失の計上や税金の控除額の増額といった特典があります。しかし、この区分に属する人は、毎年確定申告を行う必要があります。
また、ネットショップを経営していても、この区分ではないと判断された人については、雑所得者の区分となります。
アルバイトによる給与所得者
手軽にできる副業として筆頭にあがってくるのが、飲食店でのホールスタッフや夜間警備などのアルバイトです。この区分で就労する人は全て給与所得者となります。
しかし、アルバイトといっても会社によって形態はまちまちです。例えば、高時給で人気な家庭教師業はほとんどが業務委託契約となります。給与所得ではなく雑所得扱いとなるため、税務上注意が必要です。
この記事では、アルバイトは業務委託契約ではなく、会社が雇用する給与所得者として扱います。
アルバイトの副業でお金を稼いだら
アルバイトの副業でお金を稼いだらどのように税金を納めればよいのでしょうか。先にも述べたとおり、この記事ではアルバイトは業務委託契約ではなく、通常の雇用形態であるものとして考えます。
特に気を付けなければいけないのは、アルバイトの場合、住民税の納付が自分で納付できない可能性があるという点にあります。
これは、会社で副業がばれたくない人にとっては大きな問題です。ではどのようにすれば、回避できるようになるのでしょうか。
給与所得者の場合
会社にばれずにアルバイトで給与所得を得ようとする人がまず行わなければいけないのは、各管轄の市区町村に問い合わせをすることです。住民税の納付を自分で行うことは基本的にできないからです。住民税の納付を分けられない場合は、素直にあきらめましょう。
また、分けられた場合も、注意が必要です。年末調整の際に必要になる給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を副業先に提出してしまうと、本来1カ所から提出できない書類が2カ所から提出されたことになり、会社に税務署から確認の電話が掛ってきてしまいます。
このような事態に陥らないように事前確認を徹底することが重要です。
その他の副業で20万円稼いだら
前給与所得以外で、会社にばれずに20万円を稼ぐことは可能です。しかし、住民税に関しては会社と切り離して自分で納付できるだけであり、申告は必要です。自分で住民税の納付を行う場合、住民税の徴収方法を普通徴収にすれば可能です。
なお、譲渡・配当所得者については後述するように確定申告が不必要になる制度があります。
なぜ20万円が争点になるのか
この20万円という数字は、本業が給与所得者である人が確定申告を行わなければならない基準であるからです。20万円以上副業で稼いだ場合は、必ず確定申告を行わなければなりません。
しかし、この20万円以上という数字については所得金額が20万円以上ということです。所得とは、次の式で表します。
収入-経費=所得
副業で得た収入から経費を引いた数字が所得金額となります。この金額が20万円以上超えた人が確定申告を行わなければなりません。
譲渡・配当所得者の場合
譲渡・配当所得者が証券口座などのお金を受け取る口座を作る際に、源泉徴収ありの特別口座を開設したら、確定申告が不必要です。なぜならば、この口座に配当金などの収入が入る前に、あらかじめ税金が引かれるからです。
逆に、源泉徴収のない普通口座を開設し、収入が20万円を超えた場合は、自分で確定申告を行わなければなりません。その際は、徴収方法を普通徴収にするように注意してください。
事業所得者の場合
税務署から副業が事業所得であると認められた場合、確定申告をする際、2つの方式を選べます。白色申告と青色申告です。
この白色申告と青色申告はどちらも帳簿を提出しなければならず、あまりやることに差はありません。しかし、白色申告の場合、税金の控除を受けたり、損失の計上を行って翌年に繰り越すことなどができません。
一方、青色申告申告の場合、最大65万円の税金控除や損失の計上を翌年に繰り越すことができ、事業所得者として節税のメリットを最大に享受することができます。
税金で副業がばれる?副業の所得の確定申告で知っておくべきこと
税金はいくら支払うのか
最後にこの項目では、税金がいくらぐらいかかるのかのロールプレイングを行っていきます。算出する税金額は所得税額のみとし、副業で稼いだ金額を100万円と設定します。
ただし、譲渡所得と配当所得に関しては性質上、住民税額も加算します。
上場株式の譲渡所得にかかる税金
上場株式の譲渡所得にかかる税金は、所得税が15.315%、地方税(住民税も含まれる)が5.0%の計20.315%となります。
特定口座で源泉徴収をしている場合、取引ごとに徴収されることとなっています。では、実際に上場株式の譲渡(売買)による税金はどのようになるのでしょうか。
計算式は譲渡所得=売買差益(売却金額-取得価額)-費用(購入費用や売却費用)となります。ここでは、純粋に100万円の譲渡所得を得た場合を考えます。
100,000円×0.20315=203,150円となります。またこの計算は1回の売り買いでの計算なので例えば、50万円を2回で100万円の所得を得た場合は、源泉徴収額も2倍になります。
上場株式の配当所得にかかる税金
上場株式の配当所得に関する税金も税率は譲渡所得と同じです。ただし、この配当所得の計算は少し特殊です。
収入金額(源泉徴収税額を差し引く前の金額)-株式などを取得するための借入金の利子 = 配当所得の金額
このように、仮に借入金によって株式取得を行った場合、そこから利子分を差し引いた金額が配当所得となります。ただし、個人にはあまり関係ないのも事実です。
ここでは、前述した上場株式の売買による譲渡所得を得たのと同様にして計算すると、やはり100,000円×0.20315=203,150円となります。
事業所得にかかる税金
ここでは、事業所得を確定申告する際に、青色申告をした場合の税金を計算します。まず、事業所得の計算式は以下のようになります。
総収入金額-必要経費=事業所得の金額
ここでは以前と同様に事業所得が100万円として計算します。また、前提が副業として行っているということから青色申告の特別控除(10万円もしくは65万円)のみを受けられるとします。
1,000,000円(事業所得)‐650,000円(青色申告特別控除額)=350,000円この35万円が事業所得となります。また所得が195万円以下なので5%を掛けて最終的に、17,500円が税金となります。
給与所得者にかかる税金
副業がアルバイトで給与所得の場合、計算は簡単です。給与所得が100万円であり、195万円以下なので、所得税率は5%です。それを給与所得に掛けると最終的に5万円が所得税となります。
また、195万円より大きくなってくると所得税率が10%になり、195万円と195万1円の場合では、約9万7500円もの開きがあるため、この瀬戸際にいる方は注意が必要です。
出典:サラリーマンの副業にかかる税金をシミュレーションしてみよう
まとめ
自分の所得区分によってどのように税金が変わるのか、そして納税方法もそれによって変わってきます。
まず、自分の所得区分を知り、副業を行う際にはどの支払形式が自分に合っていて、有利なのかをしっかりと見定めることが重要です。
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