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税金の時効は成立しない?時効の理解とペナルティーのまとめ

税金の納付には時効があり、時効が成立すると納付義務が消滅します。しかし、基本的に税金の時効が成立することはありません。税金の時効と時効が成立しにくい理由を理解しておきましょう。また、税金を延滞した際のペナルティーについても解説します。

この記事の目次

税金の時効期間の種類

日本国民には税金の申告、および納税の義務が課せられています。

日本国憲法第30条
「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」

出典:納税の義務 | 税の学習コーナー|国税庁

税金の申告と納税には期限が定められており、期限内に申告、納税を済ませないとペナルティーが科せられます。また、本来よりも少なく申告、納納税していた場合もペナルティーの対象です。

ただし、税金には時効期間が設定されており、所定の期間が経過すると納税義務が消滅します。時効期間は3年・5年・6年・7年の4種類で、税金の未納や無申告などが起きた状況によって適用される期間が異なります。

時効までの期間3年

税金について期限内に申告したものの、何らかのミスで申告した税額に不足があり、その不足分を納付していない場合の時効期間は、申告期限の翌日から3年です。例えば、申告期限が2018年12月31日だった場合、時効のカウントが開始されるのが19年1月1日、時効が成立するのは22年1月1日となります。

注意したい点は、3年の時効期間が適用されるのは、過失であった場合のみに限られることです。故意に税額を少なく申告したなど、不正を行う意思があったケースは除外されます。

時効までの期間5年

所得税などの税金について期限内に申告しておらず、納付もしていない場合の時効期間は、申告期限の翌日から5年です。ただし、贈与税については申告期限の翌日から6年と、時効期間が1年長くなります。

時効期間3年の場合と同じく、申告・納税の義務があることを知らなかったなど、過失である場合のみ適用されるもので、故意に申告・納税をしなかったケースは除外されます。

時効までの期間7年

故意に税金について申告・納税をしなかった、意図的に税額を少なく申告したなど、不正を行った場合の時効期間は7年です。内容が悪質であるため、過失の場合よりも時効期間が長く設定されています。

主な税金の時効

ここでは、相続税や固定資産税など、主な税金の時効について解説します。

相続税や固定資産税は5年

相続税や固定資産税の時効は、申告期限の翌日から5年です。

種類 詳細 申告・納税期限
相続税 故人の財産を相続した場合に、相続した金額に応じて課せられる税金 ・申告期限:被相続人(※)の死亡を知った日から10カ月
・納税期限:被相続人の死亡を知った日から10カ月
固定資産税 土地や家屋などの固定資産を所有している場合に、その固定資産の価格に応じて課せられる税金 ・申告期限:1月31日
・納税期限:第1期7月2日・第2期10月1日・第3期12月27日・第4期翌年2月28日

ただし、前述のとおり納付義務が発生していることを知らなかった、申告を忘れていたなどの過失のケースに限られます。

(※被相続人とは、相続の対象となった財産の持ち主、つまり故人のことをいいます)

No.4205 相続税の申告と納税|国税庁
<都税Q&A><都税:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)> | 東京都主税局

贈与税は6年

贈与税の時効期間は申告期限の翌日から6年です。

種類 詳細 申告・納税期限
贈与税 個人から財産を譲り受けたときに課せられる税金 ・申告期限:財産を譲り受けた年の翌年2月1日~3月15日
・納税期限:財産を譲り受けた年の翌年2月1日~3月15日

やはり、申告を忘れていたなどの過失のケースに限られます。

No.4429 贈与税の申告と納税|国税庁

時効に関して知っておくべきポイント

税金には時効が定められているものの、時効が成立することはほぼありません。なぜ時効が成立しないのか、税金の時効に関して知っておくべきポイントについて解説します。

督促状などによる時効の中断

以下のいずれかが行われた場合には、その時点で時効が中断されます。

  • 役所から督促状が発送された
  • 時効のカウント中に差し押さえが執行された
  • 無申告、未納分の税金を一部でも納税した

時効が中断されると、カウントされていた時効期間がリセットされ、中断された日の翌日を起算日(※)として、新たに時効のカウントが始まります。

督促状が時効の中断事由になるケースで注意したいのは、役所側に督促状を発送した記録があれば、滞納者・無申告者が督促状を受け取っていなくても届いたとみなされることです。役所からの通知を無視しても意味はありません。

(※起算日とは、期間のカウントが始まる初日を指します)

第73条関係 時効の中断および停止|国税庁

延滞税がある場合などの時効の停止

税金を滞納すると、本税(※)に対して延滞税や加算税などの罰則が科せられます。これらの罰則が科せられている場合は時効が停止されるため、本税を全額納付しても、罰則分を納税しない限り納付義務が消滅することはありません。

(※本税とは、もともと納めるべき税金のことを指します)

起算日は中断事由が終了した日の翌日から

時効が中断された場合、『中断事由の終了日の翌日』を起算日として、新たに時効期間のカウントが始まります。仮に、19年1月1日に時効期間5年のカウントが始まったとしましょう。この場合、24年1月1日に時効が成立します。

しかし、23年12月1日に督促状が発送されると、時効期間がリセットされます。すると、時効成立が23年12月2日から5年後の28年12月2日に変更されるのです。

過去には督促状が発送されず時効が成立することもありましたが、きちんと納税している人との公平性が保たれないことから、現在では厳しく管理されています。

また、時効成立前に差し押さえが執行されるケースも増えています。結果、税金の時効が成立するケースが少なくなっているのです。

時効の援用

通常、時効は『援用』をしないと成立しません。援用とは、返済などの義務を負う側が、裁判や内容証明の送付などによって、時効が成立し、負っていた義務が消滅したことを主張することです。ここでは、税金の時効における援用について解説します。

取得時効と消滅時効

援用の解説の前に、時効の種類を把握しておきましょう。時効には、『取得時効』と『消滅時効』というものがあります。

  • 取得時効:時効の成立により、何らかの権利を得ること
  • 消滅時効:時効の成立により、何らかの権利を失うこと

例えば、もともと自分のものではない土地に住んでいて、権利者から何の催告も受けずに一定期間経過した場合、その土地が住んでいる人のものになります。これが取得時効です。

一方、一定期間催告などをせず放置したことにより、権利者はその土地の権利を失います。これが消滅時効です。

時効の援用による成立

借入金の返済など、債権・債務には消滅時効が規定されています。よって、債権者(※1)は、一定期間債務に対する催告などを行わずに放置してしまうと、返済を請求する権利を失います。

ただし、消滅時効を成立させるには、債務者(※2)側が時効の援用をしなければなりません。たとえ、時効期間が経過していても、債務者が援用をしない限り、債権者の返済を請求する権利が消滅することはないのです。

(※1.債権者とは、お金やものを貸している側のことです。債権者は、債務者に対して一定の給付を請求できる権利を有しています)

(※2.債務者とは、お金やものを借りている側のことです。債務者は、債権者に対して一定の給付を行う義務を有しています)

税金には必要ない

税金にも催告せずに一定期間経過すると、徴収の権利を失う消滅時効が規定されています。ただし、税金の時効に関しては、援用が必要ありません。時効期間が経過すれば自動的に時効が成立します。

また、債務などの時効は、債務者が支払いの意思を示した場合には成立しません。これを、『時効の利益の放棄』といいます。

しかし、税金の時効に関しては、時効の利益の放棄が認められていないため、納税の意思を示しても時効が成立した分の税金を納めることはできません。

貸倒れでは問題となることもある

消滅時効の援用は、貸倒れで問題となる場合があります。貸倒れとは、取引先の倒産などによって貸付金や売掛金(※1)が回収できなくなることです。

貸倒れがあった場合、その金額を損金として計上することで所得額(※2)が下がり、税金が安くなるため、経営者は貸倒れを損金に算入したうえで税務署に確定申告書を出します。

しかし、貸倒れ分の時効が申告年度より前だと、税務署から『〇年前に時効を迎えているのに、なぜ今になって損失に計上しているのか』と指摘が入ることがあります。

とはいえ、回収できなくなるといっても、債務者からの援用がなければ権利は消滅しません。よって、時効期間が過ぎていても、債務者からの援用がなければ、損失として計上しても問題ないのです。

(※1.売掛金とは、商品やサービスの代金を、あとから回収する権利のことです)

(※2.所得額とは、収入額から必要経費や給与所得控除を差し引いた後の金額のことを指します)

No.5320 貸倒損失として処理できる場合|国税庁

ペナルティーとしての加算税

税金について期間内に申告、納税しなかった、あるいは少なく申告した場合、過失・故意にかかわらず、ペナルティーとして『加算税』が課せられます。加算税には以下の4種類があり、状況によって課せられる加算税の種類が異なります。

  • 過少申告加算税
  • 不納付加算税
  • 無申告加算税
  • 重加算税

各加算税が適用されるケースと、加算税の計算方法について見ていきましょう。なお、確定申告の期限前に誤りに気づいた場合は、何度修正を行ってもペナルティーが課せられることはありません。

過少申告加算税

過少申告加算税とは、期限内に税金について申告をしたものの、過少申告(※1)していた場合に課せられる加算税です。過少申告加算税額は、以下のとおりです。

  • 過少申告加算税額:追加納税額の10%

ただし、追加納税額が最初に申告していた税額か50万円、いずれか多い方の金額を超えた場合、超過部分には15%が課税されます。なお、過少申告加算税は、税務署から通知が来る前に誤りに気づき、自主的に修正申告(※2)をした場合には課税されません。

また、税務署からの通知が届いた後でも、更正を予知(※3)していなかった場合は、追加納税額の5%に減額されます。(最初に申告していた税額か50万円、いずれか多い方の金額を超えた場合、超過部分は10%)

(※1.過少申告とは、本来の税額よりも少ない金額で申告することをいいます)

(※2.修正申告とは、確定申告後に税額を少なく申告していたことに気づいた場合に、正しい税額で申告をやり直すことです)

(※3.更正の予知とは、税額に誤りがあり、修正する必要があることを事前に把握していたことをいいます)

過少申告加算税 | 国税通則法

不納付加算税

不納付加算税とは、個人事業主や法人が、源泉徴収した税金を期限内に納めなかった際に課せられる加算税です。不納付加算税額は以下のとおりです。

  • 不納付加算税額:納税すべき税額の10%

ただし、税務署から指摘が入る前に自主的に納税した場合は、5%に減額されます。

不納付加算税 | 国税通則法

無申告加算税

無申告加算税とは、税金について期限内に申告せず、納税もしていない場合に課せられる加算税です。無申告加算税額は、以下のように定められています。

  • 無申告加算税額:納税すべき税額の15%

納税額が50万円以上の場合、50万円を超えた部分には20%が課税されます。ただし、以下の条件を満たした場合は、無申告加算税は課せられません。

  • 申告期限から1カ月以内に自主的に申告し、期限内に納税を済ませている
  • 過去5年以内に無申告加算税・重加算税を課せられたことがない
  • 期限内に申告する意思があった

また、上記を満たしていなくても、税務署から通知が来る前に自主的に申告、納税を済ませた場合には納税額の5%に減額されます。

無申告加算税 | 国税通則法

重加算税

重加算税とは、過少申告加算税・不納付加算税・無申告加算税のいずれかが課せられている状態で、不正な申告した、あるいは故意に申告しなかった場合に課せられる加算税です。

重加算税は、その状況に応じて課せられる加算税に代えて課せられるものであり、もともと課せられていた加算税の種類によって税額が異なります。

  • 過少申告加算税に代えて課税される場合:追加納税額の35%
  • 不納付加算税に代えて課税される場合:納税すべき税額の35%
  • 無申告加算税に代えて課税される場合:納税すべき税額の45%

重加算税 | 国税通則法

本税に対する利息としての延滞金

税金を滞納した場合、本税に対する利息としての延滞金が課せられます。事前に相談もなく滞納した場合に課せられるのは『延滞税』、事前に手続きをして申告や納税の期限を延長した場合に課せられるのは『利子税』です。それぞれの詳細を把握しておきましょう。

延滞税

延滞税とは、事前に相談もなく税金を滞納した場合に課せられる税金です。延滞税額は、以下で算出します。

  • 延滞税額=滞納額×延滞金の割合×納付期限の翌日から納付の日までの日数÷365

延滞金の割合は、税金を滞納した時期と延滞分を納付するまでの日数で変わります。

滞納した時期 納期限から1カ月以内に延滞分を納付した場合 納期限から1カ月以上経過して延滞分を納付した場合
17年1月1日~12月31日 年2.7% 年9%
18年1月1日~19年12月31日 年2.6% 年8.9%

延滞税 | 国税通則法

利子税

利子税とは、事前に申告・納税の期限を延長する手続きを済ませていた場合に課せられる税金です。利子税額は延長の手続きをした税金の種類によって異なります。

  • 所得税・法人税:年7.3%
  • 相続税・贈与税:年1.2~6.6%

利子税 | 国税通則法

租税における刑事罰

故意に税金について申告しなかったり、税額を少なく申告したりして、その金額が大きい場合など、悪質なケースでは刑事罰が科せられる可能性があります。

脱税犯となる場合

脱税犯とは、納税、または租税徴収義務者が納税や徴収の義務を怠り、税収入を減少させることをいいます。脱税犯には以下の3種類があり、税の種類によって所定の罰金刑、または懲役刑が科せられます。

  • 逋脱犯(ほだつはん):不正に納税義務を逃れた、または還付を受けた
  • 不納付犯:故意に源泉徴収した税金を納めていない
  • 関節逋脱犯:消費税に関する免許を受けずに物品を製造した
税の種類 刑事罰
・所得税
・法人税
・消費税
・相続税
・贈与税
・地価税
・罰金:1000万円以下
・懲役:10年以下
・源泉徴収税 ・罰金:200万円以下
・懲役:10年以下
・その他間接税 ・罰金:100万円以下
・懲役:10年以下

秩序犯となる場合

秩序犯とは、脱税犯のように直接的な権利阻害を行ったわけではないものの、その危険があるために刑罰の対象となる行為をすることです。

正当な理由なく税金について申告しなかったり、税務所からの質問に答えなかったりといった行為が該当します。秩序犯にも罰金刑、または懲役刑が科せられますが、脱税犯よりは軽いものとなっています。

税の種類 刑事罰
・所得税
・法人税
・消費税
・相続税
・贈与税
・地価税
・罰金:50万円以下
・懲役:1年以下
・その他間接税 ・罰金:50万円以下
・懲役:1年以下

まとめ

税金には時効が定められているものの、時効の中断や停止があり、管理も厳しくなっていることから、時効が成立することはほぼありません。また、税金の申告、納税を怠ると、加算税や延滞税などのペナルティーや刑事罰が科せられます。

成立することがない時効を狙って税金の申告や納税を怠るようなことはせず、正しく納税することが大切です。

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