決算書とは
最初に、決算書とはどんな書類なのか理解しましょう。
電子申告で必要な添付資料の1つ
決算書は、その年の財務状況や、利益、費用などが書かれた書類で、学校でいう「通知表」のようなものです。法人では、株主への報告書類として使われることが多いですが、確定申告の際にも提出が必要になります。
青色申告決算書って?
青色申告決済書とは、青色申告で確定申告を行う方が提出する決算書です。青色申告とは、主に個人事業主の方が行う確定申告の1種で、10万円または65万円の特別控除を受けることができます。
決算書の書き方は?
次に、決算書の作成方法を説明します。青色申告決算書は、4ページから構成されるので、各ページ毎の記入内容を確認していきましょう。
国税庁webページからダウンロードできる
青色申告決算書は国税庁のwebページからダウンロードができます。
「一般用」「農業所得用」「不動産所得用」「現金主義用」がありますので、自身の青色申告で申請する所得税の種類に応じて選択してください。
例えば、個人事業主の方は「一般用」に当てはまります。
1ページ目(売上や経費の内訳)
1年間の売上や経費を記入します。
各項目 | 記載する内容 |
売上(収入)金額 | 1年間の売上の合計金額 |
売上原価 | 商品を仕入れるとき、または製造する際にかかる費用 |
経費 |
|
各種引当金・準備金等 | 貸倒引当金や専従者給与を記入 |
青色申告特別控除額 | 青色申告特別控除額を記載 |
所得金額 | 「青色申告特別控除前の所得金額」から「青色申告特別控除額」を差し引いた金額を記入 |
2ページ目(売上・仕入れ・給与など)
1ページ目で記入した、売上・仕入れの詳細と、給与額を記載します。
各項目 | 記載する内容 |
月別売上(収入)金額及び仕入金額 | 1月〜12月の月別の売上(収入)金額と仕入金額をそれぞれ記入 |
給料賃金の内訳 | 従業員へ支払った給与 |
専従者給与の内訳 | 事業を手伝ってくれる家族従業員の給与 |
貸倒引当金繰入額の計算 | 貸倒引当金がある場合に記入 |
青色申告特別控除額の計算 | 本年分の不動産所得の金額、青色申告特別控除前の所得金額、10万円または65万円の控除額を記載 |
3ページ目(減価償却費)
3ページ目では、減価償却資産の詳細を記載します。減価償却資産とは、時の流れに伴って価値が減っていく資産のことです。
各項目 | 記載する内容 |
減価償却資産の名称等 | 減価償却資産の名称 |
面積又は数量 | 台数などを記入。建物などの場合は、面積を記入 |
取得年月 | 購入した日付 |
取得価額 | 減価償却資産を購入した時の金額 |
償却の基礎になる金額 |
|
償却方法 | 「定額法」または「定率法」 |
耐用年数 | 耐用年数表を参照し記載 |
償却率 | 減価償却資産の償却率表を参照し記載 |
本年中の償却期間 | 本年度に使用した月数 |
本年分の普通償却費 | 償却の基礎になる金額× 償却率× 本年中の償却期間÷12の計算結果を記入 |
割増(特別)償却費 | 対象となる設備を購入した場合に、特別償却費として割増しする部分の償却費を記入(対象資産がない場合は記入しない) |
本年分の償却費合計 | 本年分の普通償却費と特別償却費の合計金額を記入 |
事業専用割合 | 仕事でしか使わない場合を100とし、その割合を記入 |
本年分の必要経費算入額 | 本年分の償却費合計×事業専有割合の計算結果を記入 |
未償却残高 | 現在の資産の価値を計算:「前年末の未償却残高」と「本年分の償却費合計」の差 |
4ページ目(貸借対照表・製造原価の計算)
4枚目は、65万円の特別控除を受ける方のみ提出する義務があります。決算時に、どれぐらいの資産を持っていて、その資産はどうやって集めたかを記載します。
各項目 | 記載する内容 |
資産の部 | 今ある財産(流動資産と固定資産) |
負債・資本の部 | 財産の調達方法(他人資本と自己資本) |
資産と負債・資本は、合計額が一致するので、最後に確認してください。計算が合わなければ、どこかで記入ミスをしている可能性があります。
「製造原価の計算」は、原材料を仕入れて、それを加工したものを製造して販売する商売を行っている方が記入する欄です。 仕入れたものをそのままの状態で売る商売や、そもそも事業において原材料の仕入れなどがない場合は、記入する必要はありません。
決算書の提出方法
次に、決算書の提出方法を説明していきます。提出期限や提出仕様が決まっているので、しっかり確認しましょう。
提出期限は?
所得税の電子申告期限は毎年2月16日から3月15日までです。この期間内に青色申告決算書を作成し、提出しなければいけません。
提出に間に合わないと、その年の確定申告は白色申告となってしまい、特別控除を受けることができなくなってしまいます。また無申告加算税が課されます(一定の場合は課されません)。
PDFでは提出できない
電子申告の添付書類は、イメージデータのPDF形式で送ることが認められているものも多いのですが、青色申告決算書に関しては、PDF形式での送信は認められていません。
XBRL形式か書面で提出しましょう。XBRL形式とは、金融庁が指定している報告書のデータ形式です。PDFで送信してしまうと受付してもらえず、未送信と見なされてしまうので注意してください。
出典:報告書(XBRL)作成 ツール 操作ガイド - 金融庁
決算書を手軽に書きたい方
最後に、決算書の作成を手軽に行いたい方に、おすすめの会計ソフトを紹介します。
決算書の記入は複雑
上述した通り、決算書は4ページからなり、作成は非常に複雑です。申告に慣れていない人は特に、困ることが多いでしょう。
そのような場合、会計ソフトを使用することがおすすめです。会計ソフトでは、日々の会計データを利用できるので、早く正確に決算書を作成することができます。
電子申告対応の会計ソフト3つ
以下より、電子申告に対応している会計ソフトを3つ紹介します。
会計ソフトfreee
クラウド型会計ソフトの中でも高い人気を誇ります。経理・会計に詳しくない人でも確定申告書を作成できるように、操作性や機能性にさまざまな工夫が凝らされています。また、口座と連動して自動で帳簿も作成してくれます。
個人事業主の方は月額980円で利用できるので、コスト面でも非常におすすめです。
マネーフォワードクラウド会計
こちらは、簿記に関する知識をある程度持っている人に向いているソフトです。帳簿記入の補助としてショートカットキーの使用ができるほか、サーバー稼働率が良く、サクサクと効率的に作業したいというときにも滞りなく進みます。
やよいの青色申告
クラウド型とオンプレミス型の両方のプランが準備されているのが、魅力です。また、サービスの提供実績も豊富でサポート体制がしっかりしているため、税務処理に慣れていない人におすすめです。
まとめ
確定申告の際には、決算書を提出しなければいけません。青色申告決算書は4ページからなり、年間の売り上げや支出、減価償却費などを記入します。提出の際の様式や期限は決まっているので、しっかり確認しておきましょう。
会計ソフトを利用すると、決算書の作成がスムーズに行えるので、検討してみてください。
【2020年最新】 ▼ 当サイトの登録の多い、所得税などの節税対策のためサイト
- 確定申告の書類作成がわからない方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)」
- 確定申告の帳簿管理が面倒だという方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)」
- 確定申告がギリギリになってしまった方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)」 「税理士に相談できる 「税理士ドットコム」
- 帳簿を作成したがあっているが、不安な方 「税理士に相談できる 税理士ドットコム」
- 請求書管理が面倒だという方 「請求書管理サービス Misoca(みそか)
」