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相続税について詳しく知ろう。内容やポイントを押さえて適切な申告を

遺産相続があった場合には、その金額に応じて相続税が課税される可能性があります。相続税の計算方法や控除について理解し、適切に申告できるようになりましょう。また、相続税の申告や納税を怠った場合のペナルティーについても解説します。

この記事の目次

相続税とはどんな税?

税金には『国税』と『地方税』があります。このうち、相続税は国税に該当します。

種類 概要 納付先
国税 国の維持や社会保障のために徴収される税金
地方税 地方自治体の行政サービスのために徴収される税金 都道府県や市区町村

遺産相続時にかかる税金

相続税とは、被相続人(※1)の遺産を相続や遺言によって受け継いだ場合にかかる税金のことです。ただし、遺産を相続すれば必ず課税されるわけではなく、その遺産の価額が『基礎控除額』よりも多かった場合に課税されます。

(※被相続人とは、遺産の持ち主であった故人のことを指します)

財産を相続したとき|国税庁

相続税の基礎控除とは

相続税の基礎控除とは、相続税が非課税になる遺産の上限額のことです。相続税は、すべての遺産の総額から基礎控除を差し引いた、『課税遺産総額』に対して課税されます。基礎控除額は以下の式で計算可能です。

  • 基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人(※)の数

法定相続人の数別の基礎控除額を一覧で見てみましょう。

法定相続人の数(人) 基礎控除額
1 3600万円
2 4200万円
3 4800万円
4 5400万円
5 6000万円

なお、基礎控除額は、法定相続人の中で相続放棄をした人がいても、その人を含めた人数で計算する必要があります。

(※法定相続人については後述します)

No.4152 相続税の計算|国税庁

相続税の基礎知識

ここでは、相続人や相続税率など、相続税について考えるときに知っておきたい基礎知識を解説します。

相続人とは

相続人とは遺産を相続する人、基礎控除額の計算に出てくる『法定相続人』とは、民法で規定されている相続人のことです。法定相続人は第1~3順位に分かれており、それぞれ以下の人が該当します。

  • 第1順位:被相続人の配偶者・子ども(子どもがいない場合は孫・ひ孫)
  • 第2順位:被相続人の父母・祖父母とその配偶者
  • 第3順位:被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹がいない場合は甥姪)

法定相続人には『法定相続分』が定められており、基本的には法定相続分通りに遺産が分けられます。

出典:法定相続分│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

なお、遺産相続では最上位の第1順位の人が優先されるように定められています。下位順位の人は、自分よりも上位順位の人が相続放棄しない限り、相続の権利がありません。

法定相続人│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

相続税率

相続税率は一律ではありません。課税遺産総額が多いほど、相続税率が高くなります。

課税遺産総額 税率(%) 控除額
1000万円以下 10 -
3000万円以下 15 50
5000万円以下 20 200
1億円以下 30 700
2億円以下 40 1700
3億円以下 45 2700
6億円以下 50 4200
6億円超 55 7200

最高で55%と課税遺産総額の半分以上が相続税として差し引かれます。そのため、税額控除などについて理解し、節税対策をしっかり行うことが重要です。

No.4155 相続税の税率|国税庁

相続税の申告期限

相続した遺産の価額が基礎控除額を超え、相続税が発生した場合には、相続税について税務署に申告しなければなりません。相続税の申告期限は、被相続人の死亡後10カ月以内です。また、納税も被相続人の死亡後10カ月以内に済ませる必要があります。

期限までに申告、納税ができなかった場合、あるいは故意に申告、納税しなかった場合には、加算税や延滞税などのペナルティーが科せられるので注意しましょう。

No.4205 相続税の申告と納税|国税庁

2018年に相続税法改正

2018年の税制改正時に相続税法が大きく改正されています。この改正でのポイントは、相続税の増税と納税逃れの防止です。

例えば、相続税には家を相続した場合に税額を軽減できる特例がありますが、その適用条件が厳格化されるなど、特例を利用した相続税逃れができないようにされています。

一方で、これまで特例の対象外であった分離型の2世帯住宅が対象に入るなど、条件が緩和された部分もあります。

18年以前の相続税法で相続税を考えていると、思いのほか高額な税額になったり、受けられるはずの特例を見逃したりしてしまうので、現在の相続税法を把握することが重要です。

相続税計算の流れ

相続税額は、以下の流れで計算します。

  1. 遺産総額を計算する
  2. 基礎控除額を計算する
  3. 課税遺産総額を計算する
  4. 法定相続人が法定相続分通りに遺産を相続したとして、各自の遺産取得金額を計算する
  5. 各自の遺産取得金額に対する相続税額を計算する
  6. 各自の相続税額を合算し、相続税の総額を計算する
  7. 相続完了後、相続した遺産の価額から税額控除を控除し、実際の遺産取得金額を計算する
  8. 実際の遺産取得額に対する相続税額を計算する

それでは、各手順の詳細を見ていきましょう。

No.4152 相続税の計算|国税庁

正味の相続財産を計算する

まずは、以下の式で正味の相続財産(遺産総額)を計算しましょう。

  • 遺産総額=(プラスの財産+みなし相続財産-非課税の財産)+相続開始前3年以内に贈与された財産-(マイナスの財産+葬儀費用)

『プラスの財産』『みなし相続財産』『マイナスの財産』には、それぞれ以下のような財産が該当します。

  • プラスの財産:現金、預金、金融商品、土地建物など、資産を増やす財産
  • みなし相続財産:生命保険の保険金など、直接相続はしないものの、相続したとみなされる財産
  • マイナスの財産:借入金、葬儀費用など、資産を減らす財産

また、生前贈与による相続税逃れの防止のため、相続の開始以前3年に贈与された財産も遺産総額に含まなければなりません。

基礎控除額の計算

遺産総額を計算したら、次に以下の式で基礎控除額を計算します。

  • 基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数

法定相続人が多いほど基礎控除額も多くなり、相続税が安くなります。相続放棄した人を法定相続人の数に含めるのを忘れないようにしましょう。

課税遺産総額の計算

遺産総額と基礎控除額が計算できたら、課税遺産総額を計算しましょう。

  • 課税遺産総額=遺産総額-基礎控除額

この課税遺産総額によって、相続税額が決まります。

相続税の計算

課税遺産総額を計算したら、各法定相続人が法定相続分通りに相続したとして、各自の相続税額を計算します。

  • 相続税額=課税遺産総額×相続税率-控除額

そして、各自の相続税額を合算して相続税の総額を計算します。しかし、必ずしも法定相続分通りに遺産を相続するとは限りません。遺言がある場合は遺言の内容が優先されるため、法定相続分よりも多かったり、少なかったりする場合があります。

そこで、相続が完了したら各自が実際に相続した価額を計算し、あらためて相続税額を計算し直します。配偶者控除などの税額控除は、このときに適用しましょう。

便利な計算サイトもある

相続税の計算は複雑なので、自分で計算するのがむずかしいという人もいるでしょう。そのような人は、無料の税額計算サイトを利用するのがおすすめです。必要事項を入力するだけで、自動で相続税額が計算されます。

相続税 - 高精度計算サイト

主な非課税財産

遺産総額を計算する際に、相続した遺産から『非課税財産』を差し引きます。この非課税財産にはどのようなものが該当するのでしょうか。

墓地や墓石など

墓地や墓石、また神棚などの神具や仏壇などの仏具は非課税財産です。被相続人が生前にこれらを購入しておけば、遺産総額が減らせるので相続税の節税に役立ちます。

生命保険や損害保険

みなし相続財産である生命保険や損害保険の保険金や死亡退職金などには、非課税枠が設定されています。非課税枠は、以下の式で算出しましょう。

  • 保険金や死亡退職金の非課税枠=500万円×法定相続人数

これらの財産は、遺族の生活を守る目的を有しているお金です。そこに通常通りの税率を課すと遺族の負担が大きすぎることから、税額が軽減できるようにされています。

ただし、非課税枠が適用されるのは相続人に対してのみです。相続人以外の人が保険金などを受け取った場合には、受け取った金額全額が相続税の課税対象になります。

No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁
No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金|国税庁

公益事業や寄付

相続した遺産が公共事業に使われることが確定している場合、あるいは相続した遺産を寄付した場合は、相続税は課せられません。ただし、相続から2年経過しても公共事業に利用されなかった場合は、相続税が課税されます。

相続で知っておくべきポイント

相続税にはさまざまな税額控除があり、税額控除を受けると相続税額を下げることが可能です。できるだけ相続税を節税できるように、相続税の税額控除について理解しておきましょう。

一方、相続税が加算されるケースも存在します。予想よりも高額な税金が課せられて驚くことがないよう、こちらも把握しておきましょう。

税額控除

相続税には、基礎控除や生命保険の保険金や、死亡退職金の非課税枠以外にも税額控除があります。税額控除が適用されると相続税額が安くなるので、どのような控除があるのか把握しておきましょう。

控除の種類 詳細 控除額
配偶者控除 被相続人の配偶者に適用される控除 1億6000万円と配偶者の法定相続分相当額のいずれか高い方
未成年者控除 相続人が未成年であった場合に適用される 20歳に達するまでの年数×10万円
小規模宅地等の特例 相続した土地家屋が『小規模宅地等』に該当する場合に適用される控除 相続開始直前における宅地の利用区分で異なる
地積規模の大きな宅地の評価 相続した宅地が所定の要件を満たす場合に適用される控除 宅地の規模や所在地などによって異なる

No.4158 配偶者の税額の軽減|国税庁
No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁
No.4609 地積規模の大きな宅地の評価|国税庁

2割加算

遺産を相続した人が、被相続人の配偶者、または被相続人の一親等以内の血族以外である場合には、その相続人の相続税額の2割が加算されます。一親等以内の血族とは、被相続人と血のつながりがある父母、または子どもです。

なお、被相続人の相続人の養子は、被相続人の一親等の法定血族とみなされるため、2割加算からは除外されます。ただし、被相続人の孫が養子になっている場合は、2割加算の対象に入ります。(孫が代襲相続人※になっている場合は対象外)

(※代襲相続人とは、配偶者や子どもなど、もともとの相続人が死亡しているなどの理由で、本来の相続人に代わって相続人となった人のことです)

No.4157 相続税額の2割加算|国税庁

相続税申告書を書くには

遺産の価額が基礎控除額を超えた場合には、税務署に相続税申告書などの書類を提出しなければなりません。相続税申告書自体は、申告者の名前や住所、課税価格などの必要事項を書いていくだけです。

しかし、その必要事項を書くには、相続した財産ごとの価額を計算したり、控除額を計算したりする必要があります。また、財産の価額や控除額計算のために、土地の面積を出すなどさまざまな作業が必要です。

必要書類はとても多い

相続税の申告は、相続した財産や適用される控除ごとに書類が必要で、その数は膨大です。そのすべてを被相続人の死亡から10カ月以内に誤りがない状態で準備するのはむずかしいでしょう。

相続税の申告書等の様式一覧(平成28年分用)|国税庁

税理士など専門家への相談がおすすめ

相続税の申告手続きに関しては、税理士などの専門家に相談するのがおすすめです。被相続人の死亡後には、葬儀や引っ越し、保険金の請求などするべきことが数多くあります。

それらを近しい人が亡くなった精神的なダメージを抱えながらこなさなくてはならないのです。その状態で、これほど複雑な相続税の手続きまで自分で済ませるのは、かなり負担が大きいといえます。

さらに、手続きの内容に誤りがあると、過失であってもペナルティーが科せられる可能性があるので、専門家に任せてしまった方がよいでしょう。

税理士の報酬は、相続した遺産総額の0.5~1%程度になるのが一般的ですが、税理士によって異なるので、前もって報酬について確認することが重要です。

申告漏れや無申告があるとペナルティー

相続税の申告内容に漏れがあったり、申告しなかったりした場合には、『加算税』や『延滞税』などのペナルティーが科せられる可能性があります。

加算税

『加算税』は、申告内容に漏れがあったり、申告をしなかったりした場合に、本来の税額に上乗せして課せられる税金です。全部で4種類あり、申告漏れや無申告が起こった状況によって適用される種類が変わります。

種類 詳細
過少申告加算税 期限までに申告はしたが、本来の税額より少なく申告していた場合に課せられる加算税
無申告加算税 期限までに申告を済ませなかった場合に課せられる加算税
不納付加算税 個人事業主や法人が、源泉徴収した税金を納めなかった場合に課せられる加算税
重加算税 他の加算税が課せられている状態で、事実の隠ぺいや仮装などによって申告した、または申告しなかった場合に課せられる加算税

加算税制度(国税通則法)の改正のあらまし

延滞税

『延滞税』は、納付すべき税金を期限までに納めなかった場合に課せられる税金です。以下の式で計算した金額を、本来の税額とは別に納める必要があります。

  • 延滞税額=滞納額×延滞金の割合×納付期限の翌日から納付日までの日数÷365

延滞金の割合は税金を滞納した期間と、滞納分を納めるまでの日数で決まります。

滞納した期間 滞納分を納期限から1カ月以内に納めたとき 滞納分を納期限から1カ月以上経過して納めたとき
17年1月1日~12月31日 年2.7% 年9%
18年1月1日~19年12月31日 年2.6% 年8.9%

また、申告、納税の期限に間に合わない場合は、事前に手続きをすれば期限の延長が認められることがありますが、延長期間中に『利子税』がかかります。

No.9205 延滞税について|国税庁
利子税 | 国税通則法

まとめ

遺産を相続し、その価額が基礎控除額を超えた場合には相続税が課税されます。ただし、相続税にはさまざまな税額控除が設けられており、それらが適用されると税額を軽減することが可能です。

税額控除ごとに適用条件が異なるので、前もって各控除の適用条件を調べておきましょう。また、相続税が発生した場合には、被相続人の死亡から10カ月以内に、税務署に申告、および納税を済ませなくてはなりません。

期限までに申告、納税しなかった場合、あるいは申告したものの税額が誤っていた場合などには、加算税や延滞税などのペナルティーが科せられます。相続税の申告には多くの書類が必要で、控除などの計算も複雑であるため、専門家に任せた方がよいでしょう。

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