1. Fincyトップ
  2. 税金
  3. 住民税
  4. 住民税の計算方法って難しいの?自分でシュミレーションしてみよう

住民税の計算方法って難しいの?自分でシュミレーションしてみよう

住民税がいくらになるのか、自分で計算するにはどうすればよいのでしょうか。住民税の成り立ちや住民税の控除、住民税額の計算方法などについて説明します。基礎知識を理解して、住民税額をシミュレーションできるようになりましょう。

この記事の目次

住民税とは

住民税とは、都道府県や市区町村が行うゴミの回収や教育福祉、防災など、行政サービスの提供にかかる費用のために徴収されている税金です。

『都道府県民税』と『市区町村民税』との2種類を合わせたものを住民税と呼びます。その年の1月1日時点で住民票がある市区町村に対して、前年1月1日~12月31日までの所得に係る住民税をまとめて納付します。

そのため、1月1日以降に別の地域に引っ越した場合は、引っ越し前に住んでいた市区町村に住民税を納めなければなりません。

<都税Q&A><個人住民税> | 東京都主税局

住民税は地方税

税金には、『地方税』と『国税』の2種類があります。このうち、住民税は都道府県や市区町村に納める『地方税』に該当します。

種類 納付先 徴収の目的
地方税 ・都道府県
・市区町村
都道府県や市区町村が行う行政サービスの費用確保が目的
国税 ・国 国の維持にかかる費用や年金・医療などの社会保障にかかる費用確保が目的

所得割と均等割で成り立つ

住民税額は、『所得割』と『均等割』の2種類です。

種類 詳細
所得割 ・前年の課税所得額に課せられるもの
・税率は10%(都道府県民税率が4%・市区町村民税率6%)
均等割 ・納税者全員に一律で課せられるもの
・標準税率は都道府県民税1500円・市区町村民税3500円(平成26年から令和5年まで)※上記に加えて上乗せ分の課税がある自治体もあります。

住民税額を計算する際には、都道府県民税と市区町村民税それぞれの所得割額と均等割額を算出し、合算する必要があるでしょう。

住民税は給与以外にも課税される

住民税が課せられるのは、給与だけではありません。所得税の課税対象となる所得と同様、10種類の所得(利子、配当、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡、一時、雑)に対して課税されます。例えば、預貯金や公社債(※)から利子を得た場合や、株取引で配当金などの利益を得た場合にも住民税がかかります。

(※公社債とは、国や地方公共団体が発行する公共債と、民間企業などが発行する民間債での総称です)

預貯金や公社債にかかる利子割

預貯金や公社債から利子の支払いを受けた場合は、住民税の『利子割』が課税されます。利子割額は利子額の5%です。ただし、以下のいずれかに該当する利子は非課税になります。

  • 障害者等の非課税制度に係る利子(少額預金非課税制度、及び少額公債非課税制度のそれぞれ元本350万円以内)
  • 勤労者財産形成貯蓄の非課税制度にかかる利子(財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄合わせて元本550万円以内)
  • 非居住者が利子の支払いを受けた場合
  • その他、所得税法などで非課税とされる利子

<税金の種類><都民税利子割> | 東京都主税局

株取引にかかる配当割と株式等譲渡所得割

株取引によって配当金を得た、あるいは株式の譲渡によって利益を得た場合も、住民税がかかります。配当割額・株式等譲渡所得割額は以下の通りです。

  • 配当割:源泉徴収選択口座内の上場株式等の配当額×5%
  • 株式等譲渡所得割:源泉徴収選択口座内の上場株式等の譲渡による所得額(※)×5%

配当割や株式等譲渡所得割は、金融商品取引業者などが利益から1年分をまとめて特別徴収して、納税者の代わりに納めます。

(※所得額とは、収入額から給与所得控除、または必要経費を控除して算出する金額のことです)

<税金の種類><都民税配当割・都民税株式等譲渡所得割> | 東京都主税局

住民税の仕組みを解説。自治体によって税率が違うって知ってた?

住民税計算の基礎

ここでは、住民税の計算方法の基礎知識を解説します。

計算期間は前年1月1日から12月31日

住民税の計算期間は、前年の1月1日から12月31日の1年間です。前年分の住民税を6月~翌年5月の間に、給与所得者や年金受給者は『特別徴収』、それ以外の人は『普通徴収』で納めます。

  • 特別徴収:給与や年金の支払者が、給与・年金から住民税を天引きして納付する
  • 普通徴収:納税者が自分で納付書をコンビニや金融機関に持参して納付する
区分 詳細
特別徴収(給与所得者) 毎月1回、年税額を計12回に分けて納付する
特別徴収(年金受給者) 4月・6月・ 8月・10月・12月・翌年2月の計6回で納付する
※初年度は6月・ 8月・10月・12月・翌年2月の計5回で、6月・8月は普通徴収で納付
普通徴収 6月・ 8月・10月・翌年1月の計4回で納付する

給与からの特別徴収|横須賀市
普通徴収(個人で納める方) 江戸川区公式ホームページ

控除後の課税所得で計算

住民税の所得割額は、所得額から所得控除を差し引いた後の『課税所得額』で計算します。

  • 課税所得額=所得額-所得控除

所得控除とは、所定の条件を満たす場合に『所得額から一定額を差し引いて税金の負担を軽減できる』制度のことです。所得控除は全部で14種類あります。

  • 基礎控除
  • 社会保険料控除
  • 医療費控除
  • 生命保険料控除
  • 扶養控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除
  • 障害者控除
  • 寡婦(寡夫)控除
  • 勤労学生控除
  • 雑損控除

上記のうち、医療費控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・雑損控除以外の控除は、住民税と所得税で控除額が異なるので注意しましょう。

所得控除のあらまし|国税庁

控除を受ける条件と控除額

代表的な所得控除の適用条件と控除額を見ていきましょう。

配偶者や扶養者がいる場合

配偶者や扶養者がいる場合は、『配偶者控除』や『扶養控除』が受けられます。

配偶者控除とは、控除対象配偶者がいる人が受けられる控除のことです〔年間合計所得額(※)が1000万円超の場合は対象外〕。配偶者控除額は以下の通りです。

配偶者の年齢 扶養者の年間合計所得額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万超
1000万円以下
70歳未満 33万円 22万円 11万円
70歳以上 38万円 26万円 13万円

扶養控除とは、16歳以上の控除対象扶養親族がいる人が受けられる控除のことです。扶養控除額は以下の通りです。

年齢(歳) 扶養控除額
16~18 33万円
19~22 45万円
23~69 33万円
70以上 38万円
※同居の場合は45万円

(※合計所得額とは、前年の収入から必要経費などを控除し、損益通算した金額のことです)

住民税の配偶者控除|葛飾区公式サイト
住民税の扶養控除|葛飾区公式サイト

保険料や医療費を支払っている場合

社会保険料や医療費を支払っている場合は、『社会保険料控除』や『医療費控除』が利用できます。

社会保険料控除とは、自分自身や配偶者などの社会保険料を納めている人が受けられる控除です。社会保険料の1年間の納付額全額を控除できます。

また、医療費控除とは、1年間の支払医療費が一定額を超えた場合に受けられる控除です(最高で200万円)。医療費控除額は、以下のいずれか金額が高い方です。

  1. (医療費-保険金・給付金の合計額)-総所得額等×5%
  2. (医療費-保険金・給付金の合計額)-10万円

住民税の社会保険料控除|葛飾区公式サイト
住民税の医療費控除|葛飾区公式サイト

その他の控除

その他の代表的な控除として『基礎控除』があります。基礎控除とは、誰でも無条件で利用できる控除です。

現在、住民税の基礎控除額は『一律33万円』ですが、税制改正により2021年分以後の基礎控除額は、以下のように変わります。さらに、年間合計所得額が2500万円超の人は、基礎控除の対象外になります。

年間合計所得額 基礎控除額
2400万円以下 43万円
2400万円超 2450万円以下 29万円
2450万円超 2500万円以下 15万円
2500万円超 なし

2.基礎控除の見直し

住民税の計算方法とは

ここでは、住民税の具体的な計算方法を解説します。

所得割の計算

住民税の所得割額は、以下の流れで計算しましょう。

  1. 『前年の収入額-給与所得控除(※)または必要経費』で所得額を算出する
  2. 『所得額-所得控除』で課税所得額を算出する
  3. 『課税所得額×10%(住民税率)-調整控除額』で所得割額を算出する

(※給与所得控除とは、給与所得者が所得額を算出する際に差し引く控除のことです。個人事業主の必要経費のような役割を持っています)

<都税Q&A><個人住民税> | 東京都主税局

均等割の計算

均等割は、都道府県民税と市区町村民税の税率を合算する算出方法です。

均等割の標準税率は、都道府県民税1500円・市町村民税3500円ですが、自治体によっては金額が違うことがあります。

均等割を計算するときは、自分が住んでいる自治体のホームページなどで均等割の税率を確認しておきましょう。所得割額と均等割額が計算できたら、それぞれの金額を合算します。

合算後の金額が、その年の住民税額です。

調整控除の計算

所得割の計算式にある『調整控除』とは、住民税の人的控除と所得税の人的控除の差を調整するための控除です。

人的控除とは、配偶者控除や扶養控除など、『人』に着目した控除のことを指します。

配偶者控除や扶養控除は、住民税よりも所得税の方が控除額が高いため、納税者の人的控除の利用状況に応じた税額に調整できるよう、調整控除が設けられています。

調整控除とは|市税課|市役所の仕事としくみ|行政情報|古賀市オフィシャルページ

課税標準額200万円以下

調整控除額は、課税標準額(※)によって異なります。課税標準額が200万円以下の人の調整控除額は、以下のいずれか少ない金額に5%を掛けた金額です。

  • 住民税と所得税の人的控除額の差額
  • 課税所得額

(※課税標準額とは、税率を掛けて税額を算出するための価額のことをいいます)

課税標準額200万円超

課税標準額が200万円超の人の調整控除額は、以下の式で算出します。

  • 住民税と所得税の人的控除額の差額 -(課税所得額 −200万円)×5%

なお、上記で算出した金額が2500円以下になった場合は、一律2500円です。

住民税は自治体により計算結果が異なる

自治体によっては、住民税の均等割額が標準税率と異なるため、住民税額の計算結果も自治体によって異なります。

より正確な住民税額を算出したい場合は、自分の居住地の均等割額を調べてから計算しましょう。

さいたま市は標準税率

さいたま市の住民税の均等割額は、県民税1500円・市民税3500円で標準税率通りです。

さいたま市/税額の計算方法

横浜市や大阪市は均等割に上乗せ

横浜市と大阪市の住民税の均等割額は、以下の通りです。

  • 横浜市:県民税1800円・市民税4400円
  • 大阪市:府民税1800円・市民税3500円

どちらも標準税率より高いのは、住民税の均等割に様々な税金が上乗せされているためです。

詳細
横浜市 ・震災対策事業の財源確保のため、2014~23年の10年間、県民税・市民税ともに500円上乗せ
・2009年から『横浜みどり税』として、市民税に900円上乗せ
・2007年から水源環境保全・再生のために、県民税に300円上乗せ(所得割の税率も0.025%上乗せ)
大阪市 ・防災対策の財源確保のため、2014~23年の10年間、県民税・市民税ともに500円上乗せ
・2016~19年の4年間、『森林環境税』として府民税に300円上乗せ

横浜市 よこはま市税のページ(個人の市民税)
大阪市:税額の計算 (…>市税について>個人市民税)

住民税は計算機で計算できる?

住民税を計算機などで手軽に計算する方法はあるのでしょうか。

自治体のシミュレーションサイトが便利

手軽に住民税を計算したいときは、自治体のシミュレーションサイトを利用するのが便利です。

多くの自治体が無料でシミュレーションサイトを公開しているので、居住地の住民税が計算できるサイトを探してみましょう。

川崎市の例

神奈川県川崎市は住民税のシミュレーションサイトを公開しています。

収入額や源泉徴収額などをガイドに沿って入力していくだけで、簡単に住民税額を計算することが可能です。

川崎市:個人住民税 税額シミュレーション(税額の試算・申告書作成)

全国に対応したサイトも

居住地の自治体のシミュレーションサイトがない場合は、全国の自治体に対応した住民税額のシミュレーションサイトを利用するとよいでしょう。

シミュレーションサイトを利用する際に注意したい点は、シミュレーション結果で表示された税額は、あくまでも目安であるということです。

シミュレーション後に収入額や控除額などに変化があれば、当然住民税額も変わります。

住民税の税額を自動計算できるサイト!全国1741市区町村の平成30年度料率に対応!

住民税はふるさと納税で安くなる?

ふるさと納税を利用すると、住民税が安くなるのでしょうか。

ふるさと納税の仕組みと限度額

ふるさと納税とは、希望の自治体に寄付ができる制度のことです。

寄付金控除という所得控除の対象になっており、年間の寄付額に応じた金額を所得から控除できるので、住民税も安くなります。

ふるさと納税による住民税の控除額は、以下の『基本分』と『特例分』の計算式で算出した金額の合計額です。

区分 控除額
基本分 (年間の寄付額−2000円)×10%
特例分 (年間の寄付額−2000円)×(100%−基本分10%−所得税率)
※住民税の所得割額の2割が上限

なお、ふるさと納税の控除には、上限が設定されています。

上限を超えた部分は純粋な寄付として扱われ、控除の対象外となるので、以下の計算式で自分の上限額を計算しておきましょう。

住民税特例分の控除【(ふるさと納税額-2000)×(100%-10%-所得税率×復興税率)】<個人住民税所得割額×20%

出典:ふるさと納税控除上限額の目安 | ふるさと納税サイト「ふるなび」

ふるさと納税とは? | ふるさと納税サイト [ふるさとチョイス]
総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について

ワンストップ特例制度で申告不要

ふるさと納税の控除を受ける場合は、給与所得者でも確定申告をしなければなりません。ただし『ワンストップ特例制度』を利用すれば、確定申告なしで控除を受けられます。

ワンストップ特例制度とは、寄付先の自治体に申請用紙を提出するだけで、寄付先が控除の手続きを行ってくれる制度です。

ワンストップ特例制度を利用できるのは、以下の条件を満たす場合に限られます。

  • 給与所得者であること
  • 寄付をした年の確定申告義務がないこと
  • 寄付をした自治体が年間5自治体以内であること
  • 申し込みごとに毎回該当する自治体へ申請書を提出していること

申請用紙は郵送しましたか?ワンストップ特例の注意点 | ふるさと納税サイト [ふるさとチョイス]

個人事業主の住民税はどうなる?

個人事業主が住民税を納付した場合の、経理処理はどうすればよいのでしょうか。

住民税はあくまでも個人の支出

住民税は事業で得た利益ではなく、個人事業主本人に課せられるものであるため、あくまでも『個人の支出』として取り扱います。

事業の経費にはならない

個人事業主本人に課せられた住民税を、事業の経費として処理することはできません。よって、会計帳簿への記帳も不要です。

ただし、事業用の口座やクレジットカード納付した場合は、本来経費ではないものを事業資金から支出しているため『事業主貸』という勘定科目を使って処理します。

借方 金額 貸方 金額
事業主貸 5万円 普通預金 5万円

まとめ

住民税を計算するには、課税所得額を算出し、所得割額と均等割額を計算して合算する必要があります。

課税所得額は所得額から所得控除を差し引いて算出するので、所得控除について理解しておきましょう。また、均等割の税率は自治体によって異なるため、居住地の税率を把握しておくのも大切です。

住民税額を自分で計算するのが難しい場合は、無料で公開されている税額シミュレーターを利用するとよいでしょう。

【2018年最新】当サイトの登録の多い、所得税などの節税対策のためサイト

  1. 確定申告の書類作成がわからない方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)
  2. 確定申告の帳簿管理が面倒だという方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)
  3. 確定申告がギリギリになってしまった方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)」 「税理士に相談できる 「税理士ドットコム
  4. 帳簿を作成したがあっているが、不安な方 「税理士に相談できる 税理士ドットコム
  5. 請求書管理が面倒だという方 「請求書管理サービス Misoca(みそか)

この記事の監修者

立教大学大学院修了。会計事務所にて8年間勤務したのち独立開業。中小企業様・個人事業主様を中心に、税務会計、設立・融資サポート、節税対策等のお手伝いをしている。また、確定申告無料相談・納税者支援センターに従事し、納税者の方々を積極的にサポート。その他、税務コラム執筆なども担当

消費税、住民税、所得税、相続税、固定資産税など税金は沢山あり、支出と含めて計算しなければ家計を 圧迫するものです。

税金を考慮した将来の家計を立てなければ、住宅の購入、保険の加入はしにくいものです。 ライフプラン・家計簿を作成して、長期的に管理しましょう!

関連するお金の記事

関連するお金の相談

住民税の人気記事

カテゴリ

税金