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住民税非課税世帯になる条件。非課税世帯のメリットとは

住民税非課税世帯と認められるのは、どのような場合なのでしょうか。本記事では、住民税非課税世帯になる条件や得られるメリットについて解説します。また、住民税の非課税証明書の発行手続きについても知っておきましょう。

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この記事の目次

そもそも住民税とは

住民税とは、ゴミ処理や教育、福祉といった行政サービスの費用のために徴収されている税金です。

『都道府県民税』と『市区町村民税』で構成されており、2つの合計額を住民税としてその年の1月1日に住民票があった市区町村に納付します。納付方法は『特別徴収』と『普通徴収』の2種類です。

納付方法 対象者 詳細
特別徴収 給与所得者
年金受給者
・給与などの支払者が住民税を天引きし、納税者の代わりに納める
・給与所得者は6~翌年5月の間で12回、年金受給者は4・6・ 8・10・12・翌年2月の6回で納付(※)
普通徴収 自営業者 ・納付書を金融機関などに持参し、納税者自ら納める
・6・ 8・10・翌年1月の4回で納付

(※年金受給者は、初年度に限り6・ 8・10・12・翌年2月の5回で納めます。このうち、6・8月は普通徴収で納付しなければなりません)

<都税Q&A><個人住民税> | 東京都主税局

住民税は所得割と均等割の2種類

住民税額は、都道府県民税と市区町村民税それぞれの『所得割』と『均等割』の合計額です。

  • 所得割:前年の課税所得額(※1)に対して課される
  • 均等割:住民税の納税義務があるすべての人に、一律の金額で課される

所得割額は、『課税所得額×住民税率10%-調整控除額(※2)』で算出します。調整控除額は以下の通りです。

課税所得額 調整控除額
200万円以下 以下のいずれか少ない方×5%
1.所得税の人的控除額との差額
2.課税所得額
200万円超 所得税の人的控除額との差額-(課税所得額-200万円)×5%
※2500円未満の場合は一律2500円

均等割は『都道府県民税1500円・市区町村民税3500円』が標準税率ですが、自治体によって金額が異なることがあります。

(※1.課税所得額とは、所得額から所得控除を差し引いた後の、住民税や所得税の課税対象額のことです)

(※2.調整控除とは、住民税と所得税の人的控除の差を埋めるために設けられている控除です)

住民税非課税世帯とは?

『住民税非課税世帯』とは、全員が住民税の所得割、均等割ともに非課税になっている世帯をいいます。この『世帯』とは、同じ住民票に載っている同居家族のことです。同居していても住民票が分かれている人は、同一世帯とはみなされません。

非課税になる人はどんな人?

住民税が非課税になるのは、どのような人なのでしょうか。

非課税になる条件

住民税は、『所得割も均等割も非課税になるケース』と『所得割のみ非課税になるケース』があります。それぞれのケースの条件を見てみましょう。

<税金の種類><個人住民税> | 東京都主税局

所得割も均等割も免除になる人

所得割も均等割も免除になるのは、以下のいずれかに該当する人です。

  • 生活保護を受給している人
  • 障害者・未成年者・寡婦または寡夫(かふ※1)で、前年の所得が125万円以下の人
  • 合計所得額(※2)が非課税限度額以下の人

(※1.寡婦・寡夫とは、配偶者と死別または離婚した後、再婚していない人を指します)

(※2.合計所得額とは、前年の収入から必要経費などを控除し、損益通算した金額です)

所得割のみ免除になる人

以下の条件に該当する場合は、所得割のみ免除になります。

  • 前年の総所得額等(※)が非課税限度額以下の人

(※総所得額等とは、合計所得額に純損失、雑損失などの繰越控除を適用した後の金額のことをいいます)

住民税がかからない所得

非課税限度額とは、住民税がかからない合計所得額・総所得額等の上限です。合計所得額の非課税限度額は、生活保護の級地(※)で決まります。

級地 扶養家族あり 扶養家族なし
1級 35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族数)+21万円 35万円
2級 31万5000円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族数)+18万9000円 31万5000円
3級 28万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族数)+16万8000円 28万円

総所得額等の非課税限度額は、級地にかかわらず以下の式で計算します。

  • 扶養家族あり:前年の総所得額等が35万円×家族の人数(本人+控除対象配偶者+扶養親族数)+32万円以下
  • 扶養家族なし:前年の総所得額等が35万円以下

(※生活保護の級地とは、その自治体の生活水準を生活保護基準に反映させるために、自治体を1級・2級・3級の3種類に区分したものです)

非課税になる世帯収入の目安

東京都世田谷区在住、夫婦と子ども1人として、住民税が非課税になる収入を考えてみましょう。世田谷区は生活保護級地1級であるため、合計所得額の非課税限度額は『35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族数)+21万円』で計算します。

  • 合計所得額の非課税限度額:35万円×3人+21万円=126万円

この世帯では、全員の合計所得額が126万円以下であれば、住民税は非課税です。

なお、総所得額等の非課税限度額は合計所得額の非課税限度額よりも高く設定されています。よって、合計所得額が非課税限度額以下であれば、総所得額等の非課税限度額を計算しなくても、所得割・均等割ともに非課税と判断できるのです。

非課税制度 | 世田谷区

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非課税世帯が受けられる補助とは

住民税非課税世帯には、様々な補助が用意されています。ここでは、住民税の非課税世帯が受けられる補助の詳細を見ていきましょう。

健康保険や医療費減額

住民税非課税世帯は、国民健康保険料が安くなります。国民健康保険には、所得が一定額よりも低い場合に、保険料を減額する制度があるためです。軽減措置の内容は自治体によって異なるため、居住地の国民健康保険担当窓口で確認しましょう。

また、公的医療保険には、医療費の自己負担額が定められた上限を超えた場合に超過分の払い戻しが受けられる『高額療養費』制度があります。

医療費の自己負担額の上限は、被保険者(保険の対象者)の年齢と収入によって決められており、住民税非課税世帯の上限は他の世帯よりも低く設定されています。そのため住民税非課税世帯は、その他の世帯よりも医療費を軽減することが可能です。

保険料額について 東京都福祉保健局
高額療養費制度とは~治療費を支援する制度 | がんを学ぶ

NHKの受信料免除

住民税非課税世帯で、生活保護受給者や世帯内に障害者がいる場合は、NHKの受信料が免除されます。

NHK受信料の窓口-放送受信料の免除について

自治体独自のサービスがあることも

自治体によっては、住民税非課税世帯に対して独自のサービスを設けていることもあります。

予防接種の費用免除

名古屋市では、名古屋市が実施する予防接種を住民税非課税世帯の人が受ける場合に、その費用が免除されます。ただし、費用の免除を受ける際には『住民税非課税確認書』あるいは『介護保険料納入通知書の写し』を医療機関の窓口で提示しなければなりません。

住民税非課税確認書などの提示を忘れ自費で予防接種を受けた場合、後で費用の返金を受けることはできないので注意しましょう。

名古屋市:本市が実施する予防接種の自己負担金の免除制度(暮らしの情報)

入院時の食事代減額

大阪市では、住民税非課税世帯の人が入院した場合に、入院中の食事代が減額されます。

  • 通常の食事代:1食あたり460円
  • 住民税非課税世帯の場合:1食あたり260円(直近12カ月の入院日数が90日を超えている場合は、91日目から160円)
  • 住民税非課税世帯で世帯全員の所得が0円、かつ70~74歳の場合:1食あたり100円

大阪市:入院するとき(入院時食事療養費・入院時生活療養費) (…>国民健康保険>給付について)

介護費用の負担軽減

安中市では、住民税非課税世帯は介護費用の負担が軽減されます。以下は、介護老人福祉施設の1日あたりの通常料金と、老齢福祉年金受給者で住民税非課税世帯の場合の料金表です。

種類 居住費 食費
従来型個室 多床室 ユニット型個室 ユニット型
個室的多床室
通常料金 1150円 840円 1970円 1640円 1380円
住民税非課税世帯の料金 320円 0円 820円 490円 300円

利用するときの費用は?|介護・医療・福祉|安中市

住民税が非課税の世帯数はどれくらい?

住民税非課税世帯は、どれくらいあるのでしょうか。各年齢別の分布を見てみましょう。

20代と高齢者に非課税世帯が多い

以下は、『2017年・国民生活基礎調査(表番号129)』をもとにした、住民税の課税・非課税世帯数です。20代と高齢者は住民税非課税世帯数が多いことがわかります。

年齢(歳) 総世帯数 課税世帯数 非課税世帯数
20~24 87 45 42
25~29 163 138 25
30~34 255 236 19
35~39 369 331 38
40~44 540 482 58
45~49 523 478 45
50~54 508 450 58
55~59 543 484 59
60~64 639 537 102
65~69 804 610 194
70~74 665 461 204
75~79 633 366 267
80以上 798 421 377

国民生活基礎調査 平成29年国民生活基礎調査 所得 報告書掲載 | ファイルから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

世帯分離で非課税にすることはできるの?

『世帯分離』で住民税を非課税にすることはできるのでしょうか。ここでは、世帯分離のやり方やメリット、デメリットを説明していきます。

世帯分離って何?

世帯分離とは、1つの住民票上の世帯を2つ以上の世帯に分けることです。

例えば、夫婦とその子どもが1つの住民票に登録されていたとします。そして、子どもが結婚し、その配偶者と同居したとしましょう。

この場合、1つの住民票上に世帯主が2人いる状態になります。そこで、夫婦の世帯と子ども夫婦の世帯とで住民票を分けるのです。

仮に夫婦に収入がなく、住民税の均等割・所得割ともに非課税になる条件を満たしているとしましょう。この場合、世帯分離すれば住民税非課税世帯と認められます。

しかし、世帯分離をせず、子どもに非課税限度額以上の収入がある場合は、住民税非課税世帯と認められないため、様々な補助が受けられません。

介護や保育料減額の可能性

世帯分離すると、介護サービス料や保育料が減額できる可能性があります。これらの費用は、世帯収入をもとに金額が設定されるためです。

仮に、前述のケースで世帯分離しておらず、夫婦と子ども夫婦それぞれに収入があるとします。すると、4人の収入の合算額で介護サービス料や保育料が設定されるため、金額が高くなるのです。

世帯分離すれば、夫婦の収入と子ども夫婦の収入に分けて判定されるので、その分金額が安くなります。

一方で負担が増える可能性も秘めている

世帯分離は、介護サービス料や保育料が安くなる可能性がある一方で、負担が増える可能性があることも考慮しておきましょう。

例えば、国民健康保険料は世帯主が納めるよう定められています。そのため、前述のケースのように夫婦と子ども夫婦の世帯に分けると世帯主が2人になり、その分国民健康保険料の負担が重くなる可能性があるのです。

また、介護サービス料は、自己負担額が一定額を超えると払い戻しが受けられます。このとき、1つの世帯に介護サービスの利用者が複数人いる場合は、全員分の介護サービス料を合算して自己負担額を判定することが可能です。

しかし、世帯分離すると各世帯で介護サービス料の自己負担額を判定しなければならないため、払い戻しが受けられなくなる可能性もあります。

高額介護サービス費等の支給(払い戻し)・高額医療・高額介護合算制度|鹿児島市

住民税を非課税にするための手続き

住民税を非課税にするためには、どのような手続きが必要なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

1月1日時点の市区町村へ

住民税は、住民税が課される年の1月1日に住民票があった市区町村に納めるものです。そのため、住民税を非課税にする手続きも、その年の1月1日に住民票があった市区町村で行う必要があります。

個人住民税の申告について/町田市ホームページ

収入がなくても申告は必要

前年に収入がまったくなかったとしても、収入の有無を申告し、住民税を非課税にする手続きをしなければなりません。ただし、以下のいずれかに該当する場合は、手続き不要です。

  • 確定申告をした場合
  • 収入が給与収入のみで、勤め先が市区町村に給与支払報告書を提出している場合
  • 収入が公的年金などによるもののみで、日本年金機構などの機関が市区町村に公的年金等支払報告書を提出している場合
  • 給与収入と公的年金などによる収入のみで、各支払報告書が市区町村に提出されている場合
  • 同一生計配偶者または扶養親族になる場合

非課税証明書の発行手続き

住民税非課税世帯向けの様々な補助を受ける場合には、住民税の『非課税証明書』の提出を求められることがあります。

住民税の非課税証明書とは、ある年に住民税が非課税であったことを証明するための書類のことです。住民税の非課税証明書には、以下のような内容が記載されています。

  • 非課税証明書の前年の所得額(例えば、19年の非課税証明書には18年の所得額が記載されます)
  • 所得控除の内容と控除額
  • 課税所得額
  • 住民税額(年額)
  • 扶養親族の人数

非課税証明書の発行手続きは、証明したい年の1月1日に住民票があった市区町村で行いましょう。

市民税・都民税 課税・非課税証明書/町田市ホームページ

非課税証明書の使い道

以下のようなときに、住民税の非課税証明書の提出を求められることがあります。

  • 非課税世帯向けの補助を利用するとき
  • 国民健康保険料や介護サービス料の減額、免除を受けるとき
  • 所定の所得以下であることが入居条件になっている公営住宅などに入居の申請をするとき
  • 配偶者の扶養に入るとき
  • 保育園への入園を申請するとき

手続きに必要な書類

住民税の非課税証明書の発行手続きをする際には、『交付請求書』と『本人確認書類』が必要です。

本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなどの顔写真付きのものであれば1点のみで手続きができます。健康保険証やマイナンバー通知カードなど写真が付いていないものを利用する場合は、2点必要になるので注意しましょう。

また、請求者本人が手続きできない事情がある場合は、代理人が手続きすることもできます。ただし、代理人が手続きする場合は、代理人の本人確認書類と委任状が必要です。

自治体によっては、印鑑や上記以外の書類が必要になる可能性もあります。手続きに行く前に、自治体のホームページなどで必要なものを確認しておきましょう。

まとめ

同一世帯の全員が住民税の所得割も均等割も非課税になった場合は、住民税非課税世帯と認められます。住民税非課税世帯になると様々な補助が受けられるので、自分の世帯が該当しないか確認してみましょう。

なお、住民税を非課税にするには手続きが必要です。手続きは、その年の1月1日に住民票があった市区町村で行う必要があります。間違えないように注意してください。

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