住民税とは
住民税とは、道府県民税と市町村民税を合わせた税金のことです。住民税の基本的な計算方法について解説します。
住民税の計算方法
住民税を計算するときにまずすべきことは、『課税所得』を求めることです。住民税は『課税所得』に対して課されるのです。『課税所得=収入-経費-所得控除』で求められます。
例えば、パートで102万円の収入だった場合には、収入102万円-給与所得控除65万円-住民税の基礎控除33万円=課税所得4万円となるのです。
住民税には『所得割』と『均等割』があり、この合計が実際に請求される住民税額となります。それぞれの金額は市町村ごとに違いますが、『所得割』が10%・『均等割』が一律5000円ということが多いです。
上の例で計算すると、『所得割』は課税所得4万円×10%=4000円になります。均等割5000円と合わせると、9000円が住民税額です。
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控除の種類
住民税の計算をするときには、さまざまな控除を受けられます。控除額は、簡単に説明すると、収入から差し引ける金額のことです。控除額が多いほど課税所得が小さく、その分、住民税が安く抑えられます。
年少扶養家族と非課税限度額の関係
年少扶養家族というのは、16歳未満の扶養家族のことです。2010年の税制改正によって、それまであった年少扶養家族の扶養控除がなくなりました。そのため、中には源泉徴収や確定申告で年少扶養家族を記載しない人もいます。
しかし、年少扶養家族は必ず記載しましょう。なぜなら『住民税非課税限度額』を考えるときには、年少扶養家族も含めて計算するからです。『住民税非課税限度額』は、住民税が非課税になる金額のことで、家族構成によって異なります。
- 本人のみ:35万円(35万円×1人)
- 本人+配偶者:91万円(35万円×2人+21万円)
- 本人+配偶者+扶養親族:126万円 (35万円×3人+21万円)
『住民税非課税限度額』は『扶養控除』とは別の制度です。そのため、同じ扶養家族でも基準が違います。年少扶養家族についても必ず用紙に記載し、正しく住民税が適用されるようにしましょう。
住民税における配偶者控除
住民税を計算するとき、一定の要件を満たすと配偶者控除を受けられます。配偶者控除について解説します。
控除を受ける要件
控除対象になる配偶者がいる場合、住民税の納税者は、住民税の配偶者控除33万円を受けることができます。ただし、誰でも受けられるわけではありません。下記の要件を満たした人のみが、配偶者控除を受けられるのです。
- 世帯主の年間合計所得金額が1000万円以下(給与は年収1220万円以下)
- 民法上の配偶者である
- 納税者と生計を共にしている
- 年間合計所得金額が38万円以下(給与収入の場合には103万円以下)
- 青色申告もしくは白色申告の事業専従者でないこと
配偶者特別控除
配偶者特別控除は、配偶者と納税者の合計所得金額の組み合わせで金額が決まる控除です。所得が多くなるほど、控除額は段階的に少なくなっていきます。納税者本人(夫)の所得(収入)別の表が下記です。
本人(夫)の所得金額900万円以下(収入1120万円以下)
配偶者の合計所得金額(パート収入の金額) | 配偶者控除の金額 |
38 万円超 90 万円以下(103万円超155万円以下) | 33万円 |
90 万円超 95 万円以下(155万円超160万円以下) | 31万円 |
95 万円超 100 万円以下(160万円超166万8000円以下) | 26万円 |
100 万円超 105 万円以下(166万8000円超175万2000円以下) | 21万円 |
105 万円超 110 万円以下(175万2000円超183万2000円以下) | 16万円 |
110 万円超 115 万円以下(183万2000円超190万4000円以下) | 11万円 |
115 万円超 120 万円以下(190万4000円超197万2000円以下) | 6万円 |
120 万円超 123 万円以下(197万2000円超201万6000円以下) | 3万円 |
本人(夫)の所得950万円以下(収入1170万円以下)
配偶者の合計所得金額(パート収入の金額) | 配偶者控除の金額 |
38 万円超 90 万円以下(103万円超155万円以下) | 22万円 |
90 万円超 95 万円以下(155万円超160万円以下) | 21万円 |
95 万円超 100 万円以下(160万円超166万8000円以下) | 18万円 |
100 万円超 105 万円以下(166万8000円超175万2000円以下) | 14 万円 |
105 万円超 110 万円以下(175万2000円超183万2000円以下) | 11 万円 |
110 万円超 115 万円以下(183万2000円超190万4000円以下) | 8 万円 |
115 万円超 120 万円以下(190万4000円超197万2000円以下) | 4 万円 |
120 万円超 123 万円以下(197万2000円超201万6000円以下) | 2 万円 |
本人(夫)の所得1000万円以下(収入1220万円以下)
配偶者の合計所得金額(パート収入の金額) | 配偶者控除の金額 |
38 万円超 90 万円以下(103万円超155万円以下) | 11万円 |
90 万円超 95 万円以下(155万円超160万円以下) | 11万円 |
95 万円超 100 万円以下(160万円超166万8000円以下) | 9万円 |
100 万円超 105 万円以下(166万8000円超175万2000円以下) | 7万円 |
105 万円超 110 万円以下(175万2000円超183万2000円以下) | 6万円 |
110 万円超 115 万円以下(183万2000円超190万4000円以下) | 4万円 |
115 万円超 120 万円以下(190万4000円超197万2000円以下) | 2万円 |
120 万円超 123 万円以下(197万2000円超201万6000円以下) | 1万円 |
配偶者特別控除の適用は、2018年度の税制改正で上記のように拡大されました。所得123万円(パート収入であれば201万6000円)まで控除が受けられるのです。また、最高33万円の控除が受けられる範囲も、所得90万円(パート収入であれば155万円)までと拡大しています。
100万の壁と103万の壁の違い
パートで働く主婦には、税制上の壁があります。『100万の壁』『103万の壁』と呼ばれるものです。
『100万の壁』は、住民税が課税されないラインです。そのため、住民税を支払わない範囲で働くためには、パート収入を100万円以内におさめます。100万円以内だと住民税非課税になるのは、給与所得控除65万円を差し引いたときに、非課税控除額である35万円になるからです。
(※非課税控除額とは、住民税を課税するかどうか判断の基準となる金額のこと)
『103万の壁』は、配偶者控除が受けられて、所得税がかからないラインです。住民税は課税されますが、所得税がかかりません。所得税がかからないのは、パート収入103万円から給与所得控除65万円を差し引くと、所得税が不要の所得38万円になるからです。
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企業手当や社会保険とのかねあいに注意
『100万の壁』や『103万の壁』を意識してパートの仕事をセーブしても、住民税について公的に受けられる措置は、配偶者控除33万円だけです。それでもこれらの壁を無視できないのは、社会保険料の負担や会社独自の配偶者手当の支給を受けられなくなる可能性があるからといえます。
社会保険料と会社の配偶者手当を合わせると、大きな金額です。中途半端にパートで働いてしまうと、壁を意識して仕事量をセーブしたときよりも、手取り収入が減ってしまうこともあります。
特に会社独自の配偶者手当は、納税者の勤め先によって違ってきますので、確認の上パートの働き方を考えましょう。
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2018年の税制改正による変更点
2018年に行われた税制改正では、配偶者控除に関する制度に大きな変更がありました。注目の変更点について解説します。
主な改正内容
今回の税制改正で最も注目されているのは、住民税の33万円控除の適用範囲が拡大したことです。パート収入が103万円を超えた場合でも、配偶者特別控除によって155万円までは33万円の控除を受けられます。
ただし、この控除を受けられるのは、納税者の年間合計所得が1000万円以下の場合に限ります。更に、納税者の所得が、~900万円・900~950万円・950~1000万円の各段階によって控除額に違いがあるのです。所得が増えるほど、控除額は少なくなります。
この改正内容は、2018年1月以降の所得から適用されます。反映は2019年度分の住民税からです。
まとめ
2018年の税制改正によって、配偶者控除を受けられる範囲が大きくなりました。そのため、これまで100万円・103万円にパートを抑えてきた主婦も、よりたくさん働けます。注意が必要なのは、企業が独自に行っている配偶者手当や社会保険の支払いです。
単に配偶者控除が受けられる範囲だけでなく、受け取れる手当や社会保険の負担についても含めて考えた方がよいでしょう。控除の仕組みを理解し、損をしない収入の調整をしてみてはいかがでしょうか。
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