住民税とは
住民税とは、道路の整備や救急、防災、教育や福祉など、自治体が行う行政サービスの費用のために徴収される税金のことです。
『都道府県民税』と『市区町村民税』の2種類で構成されており、市区町村がどちらも合わせて徴収します。
大阪市:個人市民税の概要 (…>市税について>個人市民税)
所得割と均等割
住民税額は、『所得割』と『均等割』の合計額となります。
種類 | 詳細 |
所得割 | ・前年の課税所得額(※)によって税額が決まる ・税率は都道府県民税率4%・市区町村民税率6%の計10% ※地域によっては都道府県民税率2%・市区町村民税率8%の計10% |
均等割 | ・課税所得額にかかわらず、一律の金額を負担 ・標準税率は都道府県民税1500円・市区町村民税3500円 ※地域によっては税率が異なる場合がある |
(※課税所得額とは、所得額から各種所得控除を差し引いた残額です。この金額によって、住民税や所得税の税額が決定されます)
1月1日の住所地が課税する
住民税は、その年の1月1日の住所地に納めるものです。1月1日以降に引っ越しをした場合は、引っ越し前の住所地に納付します。大阪市に住民税の納税義務があるのは、以下に該当する人です。
区分 | 納付額 |
1月1日時点で市内に住所がある人 | 均等割と所得割の合計額 |
1月1日時点で市内に事務所・事業所・家屋敷があり、その市内に住所がない人 | 均等割のみ |
納付方法は2種類
住民税の納付方法は、『特別徴収』と『普通徴収』の2種類です。
納付方法 | 詳細 |
特別徴収 | ・主に給与所得者が対象 ・事業者が住民税を給与天引きし、納税者に代わって納付する ・前年の住民税を、翌年6月~翌々年5月の1年間で、12回に分けて納付する |
普通徴収 | ・主に個人事業主が対象 ・市区町村から送られてきた納付書を使って、自分で納付する ・前年の住民税を、翌年6月~翌々年5月の1年間で、4回に分けて納付する |
住民税の仕組みを解説。自治体によって税率が違うって知ってた?
大阪の住民税を比較してみる
大阪市と大阪狭山市の住民税を比較してみましょう。
大阪市の住民税
大阪市の住民税率は、以下のように定められています。
- 所得割:府民税率2%・市民税率8%の合計10%
- 均等割:府民税1800円・市民税3500円の合計5300円
大阪狭山市の住民税
大阪狭山市の住民税率は、以下の通りです。
- 所得割:府民税率4%・市民税率6%の合計10%
- 均等割:府民税1800円・市民税3500円の合計5300円
大阪市と比較すると、所得割の割合が異なりますが、合計10%になる点は同じです。よって、納税額に差が出ることはありません。
大阪市住民税の計算シミュレーション
大阪市の住民税をシミュレーションしてみましょう。住民税は、以下の流れで計算します。
- 『所得額(※1)-所得控除(※2)』で課税所得額を算出
- 『課税所得額×住民税率10%-調整控除額(※3)』で所得割額を算出
- 『所得割額+均等割額』で住民税額を算出
課税所得額が250万円、調整控除額が2500円と仮定して、住民税額を計算してみましょう。
- 所得割額:250万円×10%-2500円=24万7500円
- 均等割額:1800円+3500円=5300円
- 住民税額:24万7500円+5300円=25万2800円
この場合、住民税額は『25万2800円』となります。
(※1.所得額とは、収入額から給与所得者は給与所得控除を、自営業者は必要経費を差し引いて算出した金額のことです)
(※2.所得控除とは、条件に該当する場合に、所定の金額を所得額から差し引くことで、住民税や所得税の負担を軽減できる制度のことです)
(※3.調整控除とは、住民税と所得税の人的控除の差を調整するための控除です。課税所得額によって控除額が異なります)
大阪市:税額の計算 (…>市税について>個人市民税)
住民税の延滞金
住民税を延滞するとどうなるのでしょうか。
住民税の納付期限が過ぎた場合
住民税の納付期限が過ぎると、滞納日数に対して延滞金が課せられるほか、督促状や文書、電話などで納税勧告が行われます。それでも納付されない場合は、預金や給与、不動産、貴金属が差し押さえられたり、公売にかけられたりといった滞納処分を受ける可能性があります。
災害や盗難の被害に遭ったり、廃業したりしたことによって、どうしても住民税が納付できない場合は、納税相談に行きましょう。事情が認められれば、猶予が受けられます。
大阪市:自主納税と滞納 ~新着情報~ (…>税>市税についてのお知らせ)
大阪市:納税の猶予制度 (…>税>市税の納付)
延滞金の計算事例
住民税の延滞金の割合は、以下のように定められています。
- 納期限後1カ月以内:特例基準割合(※)に年1%を加算した割合(上限7.3%)
- 納期限後1カ月以後:特例基準割合に年7.3%を加算した割合(上限14.6%)
延滞金額の計算方法は、以下の通りです。
- 延滞金=延滞額×延滞金の割合×納付期限の翌日から納付の日までの日数÷365
仮に、2018年6月末が納付期限だった住民税2万円を、18年7月1日~7月30日の間滞納したとして、延滞金を計算してみましょう。
- 延滞金:2万円×2.6%×30日÷365=42.7円
1円未満の端数は切り捨てるので、『42円』が延滞金額となります。
(※特例基準割合とは、各年の前々年10月~前年9月までにおける、国内銀行の新規の短期貸出約定金利の平均の割合に、1%を加算した割合のことです。18年は1.6%となっています)
大阪市:市税の延滞金 (…>税>市税についてのお知らせ)
まとめ
住民税額は、所得割と均等割の合計で決まります。居住地によって税率が異なる場合がありますが、納税額に大きな差が出ることはありません。
住民税の計算は、慣れればそれほど難しいものではないので、自分の居住地の税率を把握して、シミュレーションしてみましょう。
【2020年最新】 ▼ 当サイトの登録の多い、所得税などの節税対策のためサイト
- 確定申告の書類作成がわからない方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)」
- 確定申告の帳簿管理が面倒だという方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)」
- 確定申告がギリギリになってしまった方は、 「自動会計ソフトのfreee(フリー)」 「税理士に相談できる 「税理士ドットコム」
- 帳簿を作成したがあっているが、不安な方 「税理士に相談できる 税理士ドットコム」
- 請求書管理が面倒だという方 「請求書管理サービス Misoca(みそか)
」