ふるさと納税を活用しよう
ふるさと納税を活用するために、制度の概要や仕組みを理解しておきましょう。
ふるさと納税の仕組みとは
ふるさと納税とは、自分が希望する地方自治体に寄付ができる制度のことです。仕組みは、以下のようになっています。
- 希望する地方自治体に寄付をする
- 寄付先の地方自治体から、返礼品と寄付金受領証明書(※)が送られてくる
- 寄付金受領証明書の内容をもとに申告をすると、年間寄付額から自己負担額2000円を差し引いた金額が、税金から還付・控除される
年々需要が高まっており、2008年の運用開始当初は約81億円だった寄付額が、17年には、約3653億円まで増加しています。(総務省発表『平成30年度・ふるさと納税に関する現況調査結果』より)
(※寄付金受領証明書とは、寄付額を証明するための書類です)
ふるさと納税とは? | ふるさと納税サイト [ふるさとチョイス]
総務省|ふるさと納税ポータルサイト|平成30年度ふるさと納税に関する現況調査について
確定申告後に還付・控除される
税金の控除を受けるには、給与所得者・自営業者にかかわらず、確定申告(※)で寄付額を申告する必要があります。
確定申告は、2月16日~3月15日の期間内に済ませなくてはならないので、早めに準備しておきましょう。
なお、寄付額を申告する際には、寄付金受領証明書が必要です。寄付金受領証明書は、返礼品と一緒ではなく、寄付の申込から1~2カ月後に届くので、失くさないようにしましょう。
(※確定申告とは、1月1日~12月31日の間に得た所得額(収入額から経費、給与所得者は給与所得控除額を控除した金額)と、所得税額・復興特別所得税額を計算して、源泉徴収や予定納税などで納めた税金との過不足を精算するための手続きです)
意外と簡単!ふるさと納税をした場合の確定申告 | ふるさと納税サイト [ふるさとチョイス]
寄付金受領証明書はいつ頃送られてきますか? | よくあるご質問 | ふるさと納税サイト「さとふる」
控除や還付の計算方法
還付や控除の対象となる税金は、『所得税』と『住民税』です。控除額は、以下の式で計算しましょう。
種類 | 控除額 |
所得税 | (年間寄附額−2000円)×所得税率 |
住民税 | 基本分と特例分を合算した金額 ・基本分=年間寄附額−2000円)×10% ・特例分=(年間寄附額−2000円)×(100%−基本分10%−所得税率) ※特例分は住民税の所得割額(※1)の2割が上限 |
所得税率は、以下の通りです。
課税所得額(※2) | 税率(%) |
195万円以下 | 5 |
195万円超 330万円以下 | 10 |
330万円超 695万円以下 | 20 |
695万円超 900万円以下 | 23 |
900万円超 1800万円以下 | 33 |
1800万円超 4000万円以下 | 40 |
4000万円超 | 45 |
(※1.住民税の所得割額とは、前年の課税所得額によって納める住民税額のことです)
(※2.課税所得額とは、所得額から所得控除(税負担軽減のために、所得額から差し引ける控除)を差し引いた金額のことです)
総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について
所得税の税率|所得税|国税庁
ワンストップ特例制度
給与所得者の場合は、『ワンストップ特例制度』を利用すると、確定申告をする手間が省けます。
ワンストップ特例制度とは、寄付先の地方自治体に『寄付金税額控除に係る申告特例申請書』を送付することで、税金の控除が受けられる制度です。制度を利用するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 寄付をした年の所得について、確定申告をする必要がない
- 1年間の寄付先が5自治体以内
ワンストップ特例制度を利用した場合は、所得税からの還付がなくなり、住民税からの控除のみになります。所得税の還付分は、住民税の控除に合算される仕組みとなっており、実質の控除額は変わりません。
ふるさと納税 ワンストップ特例制度について | ふるさと納税サイト「さとふる」
ふるさと納税のメリット
ふるさと納税を利用して寄付をすると、どんなメリットが得られるのでしょうか。
返礼品がもらえる
寄付をすると、寄付先の地方自治体の名産品などを返礼品として受け取れる点が大きな魅力です。
お米やお菓子などの食料品やイベントのチケット、宿泊券などさまざまな種類から好きな品物を選べます。ただし、返礼品によって必要な寄付額が決まっています。
ふるさと納税サイトを利用すると、返礼品の種類や寄付額などの条件を指定して探すことが可能です。
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還付や控除が受けられる
寄付をすると、税金の還付や控除が受けられる点も大きなメリットです。寄付額から自己負担額2000円を除いた金額が、所得税からの還付と住民税からの控除対象となります。
- 所得税:寄付をした年の所得額から、寄付の控除額が差し引かれ減税分が還付される
- 住民税:寄付をした翌年の住民税から、寄付の控除額が差し引かれ税額が下がる
ふるさと納税を活用することで、節税は可能でしょうか。 | よくあるご質問 | ふるさと納税サイト「さとふる」
自治体や寄付金の使い道が選べる
寄付先として指定する地方自治体は、自分のふるさとや居住地である必要はなく、応援したいと思う自治体や、返礼品が魅力的な自治体など自由に選べます。
また、寄付金の使い道を提示している地方自治体もあり、その用途から寄付先を選ぶことも可能です。
さらに、寄付金の使い道が複数提示されている場合は、どれに寄付金を使ってほしいのかを指定することもできます。
自治体をさがす | ふるさと納税サイト [ふるさとチョイス]
使い道をさがす | ふるさと納税サイト [ふるさとチョイス]
地方活性に貢献
ふるさと納税により寄付をすると、人口が少ない地方自治体の税収を増やし、活性化に貢献できます。
また、経済的な理由から存続が危ぶまれている伝統工芸品が、ふるさと納税の返礼品に選ばれることにり存続できるようになるなど、日本文化を守ることに繋がる場合もあります。
寄付先を選ぶ際には、このような観点から地方自治体を探してみるのもよいでしょう。
ふるさと納税の限度額
寄付をするときには、『限度額』に注意が必要です。
控除には年間上限が定められている
寄付による控除には、年間上限(限度額)が定められています。年間上限内の寄附であれば、自己負担が2000円で済みますが、上限を超えた分は、控除対象外となるので注意しましょう。
なお、年間限度額は、年収や家族構成などにより細かく分かれています。インターネット上で目安額が確認可能です。ただし、あくまでも目安額なので、詳しい金額を知りたい場合は、役所などに問い合わせましょう。
総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について
住宅ローン控除を受けている人は注意
住宅ローン控除(※)を受けている人は、ふるさと納税を利用する際に注意すべき点があります。
(※1.住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを組んでマイホームの購入・増改築を行い、一定の要件を満たす場合に、住宅ローンの年末残高をもとに算出した金額を、所得税から控除できる制度のことです)
併用の場合は控除の上限が変わる
住宅ローン控除をふるさと納税と併用する場合は、住宅ローン控除の上限額が変わります。まず、住宅ローン控除とふるさと納税を併用した場合の、控除の流れを見てみましょう。
- 所得額から寄付の控除額を含む所得控除が差し引かれ、課税所得額が決まる
- 課税所得額をもとに所得税額が算出される
- 所得税額から住宅ローン控除が差し引かれる
- 所得税額から住宅ローン控除額が全額引ききれなかった場合は、残額が住民税から差し引かれる
住民税から住宅ローン控除を差し引く場合は、課税所得額の7%(最大13万6500円)が上限となります。
寄付の控除額を差し引くことによって課税所得額が下がると、その分住民税から住宅ローン控除を差し引ける上限も下がるので注意しましょう。
ワンストップ特例制度を上手に使う
住宅ローン控除を受けている人は、ワンストップ特例制度を上手に使いましょう。ワンストップ特例制度を利用すれば、寄付の控除額が所得額から差し引かれないため、住宅ローン控除への影響が軽減できます。
限度額をシミュレーションしよう
寄付をする前に、年間限度額をシミュレーションしておきましょう。
家族構成や年収から簡単に確認できる
年間限度額は、インターネット上で公開されているシミュレーションツールを利用するを、簡単に確認できます。
『ふるさとチョイス』のシミュレーションツールでは、家族構成と年収を入力するだけで年間限度額が分かるので、試してみるとよいでしょう。
その他の控除も考慮して計算を
年間限度額をシミュレーションするときには、住宅ローン控除など他の控除も考慮して計算しましょう。
ふるさとチョイスのシミュレーションツールには、その他の控除の情報も入力して、より詳しい年間限度額を算出できる『詳細シミュレーション』があります。
なお、詳細シミュレーションを利用する際には『源泉徴収票』、または『確定申告書の控え』を手元に用意しておくと、スムーズに情報が入力できます。
まとめ
ふるさと納税を利用して、自分が応援したい自治体に寄付をすると、寄付額に応じた返礼品が受け取れるほか、税金の還付や控除も受けられます。
税金の控除額には年間限度額が定められています。限度額を超えた分は控除の対象外になるため、寄付を行う前にシミュレーションをして、自分の限度額を確認しておきましょう。
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