そもそもカードローンってどんなもの?
まずはカードローンの概要と、限度額や金利などの基本的な仕組みを解説します。
無担保・使い道自由な個人向け融資
カードローンは、個人向けの無担保ローンです。個人向けのカードローンは、法人が利用することはできません。住宅ローンや自動車ローンなど、高額融資の場合は有担保が多いのですが、カードローンは無担保で借入できることがほとんどです。
使い道も限定されておらず、生活費や趣味にかかる費用など、好きに使うことができます。さらに借入も自分のタイミングで行うことができ、好きなときに好きな金額をATMなどで引き出せるのが特徴です。
カードローンの限度額と金利の関係
カードローンを利用するにあたり、限度額と金利について知る必要があります。限度額とは、借入できる上限額のことをいいます。一回ごとの借入上限ではなく、すべての借入合計額の上限です。
限度額はカードローン会社が、利用者の収入などを審査することで決定します。収入が低ければ限度額は低く設定され、返済不能にならないように調整されます。
金利は利息を算出するための割合を表したものです。たとえば、10万円の借入で年間の金利(年利)が10%なら、利息は1年間で1万円となります。
金利には〇%~△%というように幅がありますが、これは限度額によって異なるためです。限度額が高ければ金利は低くなり、反対に限度額が低ければ金利は高くなってしまいます。
金利にまつわる法律
金利はカードローン会社が決めるものですが、いくらでも好きな数字にすることはできません。金利の上限は、いくつかの法律によって制限されています。
利息制限法
利息制限法は、すべての金銭貸し借りにかかる利息に対し、制限をかける法律です。法人間の貸し借りだけではなく、個人間の貸し借り、また法人と個人の貸し借りであっても利息制限法の制限を受けます。
利息制限法で定められた上限金利は以下の通りです。
借入金額 | 上限金利 |
10万円未満 | 年20.0% |
10万円以上100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
つまり、金銭の貸し借りはどのような形であっても、20.0%を超える金利を設定してはいけないということです。これを超える利息はすべて無効とされ、支払いの必要はありません。
出資法の上限金利
出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)は、主に法人に対して課せられる出資規制を定めた法律です。カードローンに関連する内容としては、業者から借りた金銭の利息は『上限を20.0%とする』と定められています。
出資法が制定された1954年当時は、上限109.5%という業者にとって非常に有利な金利が定められていました。100万円の借入をすると、利息だけで年間110万円近くかかってしまうことになります。
これでは立場の弱い消費者を守ることはできないということで年々改正が進み、2000年には29.2%、2010年の改正で20.0%まで上限金利が下がりました。
グレーゾーン金利
2000年に改正された出資法(29.2%)は、貸金業法によって条件付きで認められていました。いくつかの条件を備えた場合に、この金利を認めるというものです。
利息制限法では上限金利が20.0%となっていることから、この2つの金利差は『グレーゾーン金利』と呼ばれていました。グレーゾーン金利で貸金業者がうまく利を得ていましたが、2010年の貸金業法改正によりグレーゾーン金利は完全に撤廃されています。
それまで条件付きで認められていたグレーゾーン金利が認められなくなったため、実質的に利息制限法による制限が上限金利となりました。
金利の計算方法
これから借入をする、もしくは現在借入をしているという人は、一度利息の計算をしてみましょう。
元金と借入期間を決めれば簡単に算出できる
金利による利息の計算は、元金(借入額)と借入期間を決めれば簡単に計算することができます。借入期間が1カ月を超える場合は、1カ月ごとに利息を計算していきます。
利息の計算式は以下の通りです。
- 利息 = 元金 × 金利 ÷ 365 × 借入期間(日数)
元金と金利(年利)を掛けると、1年間の利息が算出されます。その数字を365で割り、借入期間(日数)を掛けることで、必要な利息を計算することができます。
たとえば、金利20.0%で20万円を借りた場合、1カ月(30日)にかかる利息は、
20万円×0.20÷365×30=3,287円となります。
金利を少しでも抑えるためには
金利を低く抑えるには、借入の限度額を上げることが重要です。借入額が同じ10万円でも、限度額50万円で借りるのと、限度額800万円で借りるのでは金利に大きな差が出ます。
限度額を上げるには、増額(増枠)審査を受ける必要があります。増額審査に通るためには、安定した収入と、それまで滞りなく返済をしていたという信用度が大切です。
長期的に見てお得にカードローンを利用するために、返済期日にきっちり返済をするようにし、増額審査の案内があれば積極的に受けてみるとよいでしょう。
まとめ
金利について正しく理解することは、カードローンを利用するうえでとても重要です。まずは実際にシミュレートして、無理のない返済計画を立てましょう。