金利と利息と実質年率の関係
カードローンでは、金利・利息・実質年率などの用語がよく使われます。意味は似ていますが、使い方は異なります。まずは、それぞれの違いを確認していきましょう。
利息とは?
利息とは、お金を貸し借りした際に発生する『利用料』のことで、借りた側が貸した側に対して支払います。利子も利息と同じ意味です。
カードローンや住宅ローンだけでなく、銀行預金など金銭の預け入れをする際にも発生します。カードローンと違い、銀行預金では利用者は銀行から利息を受け取ることになります。利息の額は金利によって計算されます。
金利とは?
金利とは、利息の額を計算するための割合のことで、%で表します。借入額に対して何%が利息となるか、その計算をするために金利が定められています。
たとえば、『借入額100万円で金利10%の場合、利息は10万円』などの使い方をします。
金利が高ければ高いほど利息は大きくなり、金利が低ければ借入したときの利息は小さくなります。カードローンを選ぶ際は、この金利の高さが非常に重要なポイントです。
実質年率とは?
年率とは1年間にかかる金利(利率)のことで、年利と呼ぶこともあります。対して月利は、1カ月の間にかかる金利のことです。カードローンでは、月利ではなく年利で表示されていることがほとんどです。
実質年率(実質年利)は、利息・事務手数料・保証料などをすべて含めた1年間にかかる金利のことです。カードローンで表示されている金利は、ほぼすべて実質年率で表示されています。
金利と実質年率の違いについて
実質年率と金利はは厳密には違う意味ですが、カードローンでは同じ意味で使われています。カードローンを利用する際は、その違いについて気にする必要はありません。
本来、金利は利息を計算するための割合なので、事務手数料や保証料の割合は含まれていません。これを一括で計算するために、実質年率が使われます。
カードローンでは事務手数料や保証料がすべて含まれた『実質年率』が表示されているので、その割合以上に手数料を取られたり、保証料がかかったりするということはありません。
金利の相場は?
カードローン利用者の多くは、金利を見て商品(カードローン)を選びます。金利は利用者の心理を考慮し、さらに、法律による制限やサービスとの兼ね合いなどで決められていきます。
金利はどうやって決まるのか
カードローンの金利は、カードローン会社が決めます。ただし、一般的には〇%~△%など、幅を持たせていることが通常です。この幅は、借入額によって金利が変わるということを意味しています。
借入額が少ない場合は、カードローン会社側からすると収益(利息)が少なくなってしまうので、その分金利を高く設定します。反対に、借入額が大きい場合は収益が多くなるので、低い金利で貸付できるということです。
カードローン側からすれば、10万円の貸付も100万円の貸付も、経費は同じだけかかります。しかし、利息による収益は10万円よりも100万円のほうが多く得られます。そこで、金利の高さを調節して収益を平均化させようとしています。
上限は年率20.0%
金利に幅があるといっても、いくらでも高くできるわけではありません。利息制限法という法律によって、金額ごとに上限利息が定められています。
利息制限法で定められている上限金利は以下の通りです。
借入金額(元本) | 上限金利 |
10万円未満 | 年20.0% |
10万円以上100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
借入額が少なくても、20.0%を超える金利が設定されることはありません。それを超えた金利が設定された場合、超えた分の利息は無効となります。
銀行と消費者金融では大きく違う
金利の相場は、銀行系カードローンと消費者金融系カードローンで大きく異なります。
消費者金融系カードローンは利用者を広く集めることで収益を計り、銀行系カードローンは、利用者を限定して確実に元金と利息を回収することで、収益を得ようとしています。
具体的な数字でいえば、銀行系カードローンは上限金利14.0%が平均相場、消費者金融系カードローンは上限金利18.0%が平均相場となっています。
利息の計算方法
利息の計算方法はとても簡単です。計算式を利用して一度シミュレートしてみましょう。
利息の計算式について
利息の計算方法は以下のとおりです。
- 利息 = 利用残高 × 実質年率 ÷ 365日× 利用日数
利用残高と実質年率を掛けることで、1年間の利息が計算できます。その数字を365日(うるう年は366日)で割り、さらに利用日数で掛けることで、利用日数分の利息が計算できるということです。
シミュレートしてみる
現在借入をしている人は、計算式を使って実際にシミュレートしてみましょう。
たとえば、実質年率18.0%で30万円を借りた場合、1カ月(30日)にかかる利息は、30万円 × 0.18 ÷ 365 × 30 = 4,438円となります。
また、カードローン会社によっては自動で計算してくれるシミュレーターを用意しているところもあります。返済計画を立てる際は、ぜひ利用してみてください。
返済額を少なくする方法
返済額を少なくするには、利息を少なくすることが大切です。
早く返済する
利息は日割りで計算されます。つまり、返済期間が長くなればなるほど高額になるということです。
1日でも早く返済すれば、その分利息は少なくなります。自分で決めた返済計画を守り、返済が長引かないように気をつけましょう。
無利息ローンで借りる
消費者金融系カードローンでは、無利息期間を設けていることがあります。初めて借りる人や、はじめの30日間などの条件はありますが、とてもお得に利用できるサービスです。
お金を借りて無利息期間内に返済ができれば、実質利息0円でカードローンを利用することも可能です。
銀行系カードローンよりも、消費者金融系カードローンのほうが金利相場は高いですが、消費者金融系カードローンを上手に利用すれば、総返済額を少なくすることができます。
まとめ
カードローンを利用するときは、利息のこともしっかり考えなければいけません。できるだけ低金利のカードローンを選び、返済計画を立てて早めの返済を心がけましょう。