おまとめローンとは
おまとめローンとは、複数の借入をひとつにまとめられるローンのことです。毎月複数社に対して返済をし、それぞれに高金利の利息がかかっている場合は、おまとめローンにすることで返済の負担が軽くなる可能性があります。
複数社の借入を1社にまとめる
おまとめローンでは、複数社の借入を1社にまとめることができます。複数社から借入があると、毎月の返済がとても大変です。
利息的にも返済の労力的にも、利用者の大きな負担になります。1社にまとめることで利用者の負担を減らし、確実に借金を減らす目的で利用するサービスです。
おまとめローンの仕組みとは?賢く借り換えて返済の負担を楽にする
総量規制の範囲を超えてまとめられる
消費者金融系カードローンでは、年収の1/3までしか借入できない『総量規制』という規定があります。貸金業法に定められており、貸す側も借りる側も『最大で年収の1/3まで』というルールです。
これは借りすぎを抑止して、消費者を保護するための法律です。しかし、おまとめローンの場合、複数社のローンをまとめるのは消費者のメリットになることがほとんどです。
そのため、おまとめローンは総量規制の対象外とみなされ、年収の1/3以上のおまとめも可能となります。
おまとめローンのメリット
まずは、おまとめローンのメリットを確認していきましょう。利用者の負担が減るだけでなく、遅滞リスクの軽減なども考えられます。
利息の負担が減る
利息の額を決める金利は、借入額によって上限が制限されています。つまり借入の状況によっては、毎月の利息負担が少なくなる可能性があるということです。
利息制限法による借入額ごとの上限金利は以下のとおりです。
借入金額(元本) | 上限金利 |
10万円未満 | 年20.0% |
10万円以上100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
- たとえば、カードローン4件から50万円ずつ借入をしている場合
50万円×18.0%×4件=36万円
1年間の利息支払額は36万円です。
- おまとめカードローン1件で200万円の借入の場合
200万円×15.0%×1件=30万円
1年間の利息支払額は30万円です。
借入合計額は同じでも上限金利に差があることで、毎月の負担額が大きく減少することがあります。
月々の支払金額が減る
毎月の最小返済金額はカードローン会社によって異なり、基本的には借入額が大きくなると最小返済金額も大きくなります。
しかし、合計借入額は同じでも、複数社のカードローンで借入をしているより、1件にまとめたほうが最小返済金額が減る傾向にあります。
50万円の借入で最小返済金額が1万円だとしても、4件重なると4万円です。もし1件から200万円の借入で、最小返済金額が2万円になるのであれば、毎月の負担が2万円も少なくなることになります。
万が一返済が苦しくなっても、最小返済金額だけきっちり返していれば、遅延金や加算金がかかってしまう心配はありません。精神的にも楽になるので、大きなメリットだといえるでしょう。
支払日の管理がしやすくなる
複数社で借入をしていていも、すべて同じATMで同じ日に返済できるのであれば問題ありません。しかし、返済場所や返済期日が異なる場合、非常に手間がかかってしまいます。
また、労力が増えるだけでなく、返済期日を間違えたり忘れてしまったりする可能性もあります。返済期日を忘れて遅滞してしまい、遅延損害金として余分な手数料を取られるのは無駄な出費です。
おまとめローンで借入を1カ所にしてしまえば、返済は毎月1回だけで済みます。支払日の管理がとても楽になり、返済忘れの予防にもなります。
おまとめローンのデメリット
多重債務で生活が苦しいとき、おまとめローンを利用すれば負担が減少する可能性があります。しかし、返済額や返済計画によってはデメリットとなることもあり、すべての人がおまとめローンのメリットを享受できるわけではありません。
総支払利息が多くなる場合がある
おまとめローンによって毎月の返済額が減るのは、大きなメリットのひとつです。しかし、その分返済が長引くことになり、最終的な『総支払利息』が多くなる可能性があります。
最小返済額が減っても、今までと同じ金額の返済をしていれば、総支払利息は少なくなります。しかし、最小返済金額が減ることで気持ちが緩んでしまい、毎月の支払額を減らしてしまうと、返済が長引いて総支払利息は多くなります。
最小返済金額が減ったとしても、きっちり自分で決めた返済計画を守って返済していくことが大切です。
追加借入ができない場合がある
一般的なカードローンは、急にお金が必要になったときにいつでも利用できるのが大きなメリットです。しかし、おまとめ専用のカードローンは、返済目的での借入となるため、追加借入できないことがほとんどです。
おまとめ専用ではなく、おまとめとして利用できるカードローン(借り換え)であれば、追加借入は可能です。その場合は一般的なカードローンとして審査を受ける必要があるため、収入によって審査に落ちてしまう可能性は高くなります。
おまとめローンのメリットとデメリット。どちらも理解し賢く利用する
おまとめローンを申し込む前の準備
おまとめローンは、申し込む前に相応の準備が必要です。返済計画もきっちり立てないといけないので、自分の状況を把握するためにも、まずは事前準備から始めましょう。
現在の借入額と金利を把握する
おまとめローンを申し込む前に、まずは現在の借入額の合計と、それぞれにかかる金利を把握しておきましょう。おまとめローンをする必要がない場合や、おまとめすることで損をしてしまう可能性もあるからです。
複数のカードローンから、それぞれ法律上の最高金利で借入している場合、おまとめローンを利用したほうがお得です。反対に、低い金利で借入ができている場合は、おまとめローンにすることで、利息が高くなってしまう可能性もあります。
さらに、おまとめカードローンによっては、申込時に現在の借入額がわかる書類の提出が必要になることがあります。その場合、現在借入しているすべてのローンの契約書や請求書などを提出します。
自分の家計を把握する
おまとめローンは、基本的には返済専用のローンです。おまとめローンの条件のひとつとして、今まで使っていたカードローンの解約が必要になることもあります。
つまり、自分の家計をしっかり把握しておき、カードローン利用に慣れていた生活から抜け出す必要があります。家計を把握せずに申込をしてしまい、結局また他のカードローンで借りてしまうということのないように注意しましょう。
おまとめローンの選び方
おまとめローンを利用して、今ある借金をすべて返済したいと考えているのであれば、おまとめ専用のローンを選びましょう。一般のカードローンでローンをまとめると、結局は高い金利を支払わなくてはいけません。
おまとめ専用のローンの選び方で重要なポイントは、金利と最小返済金額です。どちらも総返済額に大きく関わる事項なので、自分に合ったローンをしっかりと見極めましょう。
金利で比較する
カードローンを選ぶうえでもっとも重要なポイントは、金利の高さです。金利とは、利息がどれだけかかるかの割合のことです。
一般的なローンでは、月利ではなく年利(年間の利息)で表示されています。たとえば、借入額100万円で年利が15.0%なら、1年間に15万円の利息がかかるということです。
銀行系カードローンは14.0%、消費者金融系カードローンは18.0%が目安となる平均値です。
毎月の最小返済金額で比較する
金利だけではなく、毎月の最小返済金額にも注目しましょう。最小返済金額が高いと、それだけ毎月の負担になってしまいます。
返済が間に合わないと遅延金を取られてしまい、総返済額が多くなります。さらに、返済が追いつかず、また別のカードローンを利用してしまう『多重債務』に陥る人も少なくありません。
ただし、最小返済金額が少ないと、それだけ返済期間が延びてしまいます。返済期間が延びるということは、返済に必要な総額が大きくなるということです。最小返済金額が少なくても、しっかり計画を立てて返済していくことが重要です。
消費者金融系おまとめローンの比較
おまとめローンは主に、消費者金融系の会社が提供しているサービスです。金利は少し高めですが、審査には通りやすくなっています。ただし、おまとめ専用のローンでは追加借入ができないので注意が必要です。
アコム貸金業法に基づく借換え専用ローン
項目 | 内容 |
限度額 | 300万円 |
金利 | 7.7%~18.0% |
目的 | 貸金業者からの借入金返済 |
担保・連帯保証人 | 不要 |
返済期間 | 最長13年7カ月 |
追加借入 | 不可 |
株式会社アコムは、三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社です。カードローン業務だけでなく、三菱東京UFJ銀行カードローンの保証会社としての活動もしています。
貸金業者からの借入金返済が目的なので、生活資金や旅行費用に利用することはできません。返済期間が他のおまとめローンよりも少し長いのが特徴です。
貸金業法に基づく借換え専用ローン【公式サイト】カードローン・キャッシングならアコム
アイフルおまとめMAX
項目 | 内容 |
限度額 | 500万円 |
金利 | 12.0%~15.0% |
目的 | 貸金業者からの借入金返済 |
担保・連帯保証人 | 不要 |
返済期間 | 最長10年 |
追加借入 | 不可 |
消費者金融系の中では、非常に低い金利が最大の特徴です。最大でも15.0%なので、銀行系カードローンとほぼ同じ利率です。
複数カードローンのおまとめだけではなく、年15.0%以上の金利で借入しているカードローンの借り換えをするだけでもかなりお得です。
貸金業法に基づく計画返済支援おまとめローン[おまとめMAX] | 【アイフル公式サイト】消費者金融・キャッシング・カードローン
プロミスおまとめローン
項目 | 内容 |
限度額 | 300万円 |
金利 | 6.3%~17.8% |
目的 | 貸金業者からの借入金返済 |
担保・連帯保証人 | 不要 |
返済期間 | 最長10年 |
追加借入 | 不可 |
プロミスのおまとめローンは、5日・15日・25日・末日の中から、返済日を自分で決められます。給与日などに合わせて支払いができるので大変便利です。
おまとめローン|商品・サービスのご紹介|キャッシング・消費者金融のプロミス公式サイト
銀行系おまとめローンの比較
銀行系のおまとめローンは、消費者金融系よりも金利が低い傾向にあります。また、追加借入も可能なところが多く、普通のカードローンとしても利用できるのは大きなメリットです。
京銀フリーローン
項目 | 内容 |
限度額 | 1000万円 |
金利 | 3.675%~13.675% |
目的 | 自由 |
担保・連帯保証人 | 不要 |
返済期間 | 最長10年 |
追加借入 | 可 |
京都銀行が実施する京銀フリーローンは、借入のおまとめだけでなく、生活資金や趣味の費用などに利用することもできます。金利が他の銀行系カードローンの平均よりも低いので、まずは第一候補としておすすめのローンです。
東京スター銀行スターワンバンクローン
項目 | 内容 |
限度額 | 300万円 |
金利 | 5.8%~14.8% |
目的 | 貸金業者からの借入金返済 |
担保・連帯保証人 | 不要 |
返済期間 | 最長10年 |
追加借入 | 可(限度額内に限る) |
東京スター銀行のスターワンバンクローンは、限度額を超えるおまとめも可能です。ただし、追加借入ができるのは、限度額内まで返済をしたあとになるので注意しましょう。
銀行系カードローンはおまとめに利用できる
おまとめ専用ローンではありませんが、銀行系カードローンをおまとめに利用することも可能です。
特に、消費者金融系カードローンで借入をしている場合、銀行系カードローンに借り換えをするだけで金利が大幅に下がり、総返済額が少なくなることがあります。
楽天銀行スーパーローン
項目 | 内容 |
限度額 | 800万円 |
金利 | 1.9%~14.5% |
目的 | 自由(事業性資金は除く) |
担保・連帯保証人 | 不要 |
追加借入 | 可 |
楽天銀行のカードローン『スーパーローン』は、借入使途が原則自由なので、おまとめだけではなく、生活費用などとしても使うことができます。
基本金利は1.9%~14.5%となっていますが、金利が安くなるキャンペーンが頻繁に実施されているのが特徴です。
イオン銀行カードローン
項目 | 内容 |
限度額 | 800万円 |
金利 | 3.8%~13.8% |
目的 | 自由(事業性資金は除く) |
担保・連帯保証人 | 不要 |
追加借入 | 可 |
イオン銀行が発行するカードローンは、銀行系カードローンの中では金利が平均よりも少し低めです。『イオン銀行普通預金口座』を持っている場合は、上限金利13.5%のフリーローンに申し込むこともできます。(イオン銀行カードローンは口座不要)
みずほ銀行カードローン
項目 | 内容 |
限度額 | 800万円 |
金利 | 2.0%~14.0% |
目的 | 自由(事業性資金は除く) |
担保・連帯保証人 | 不要 |
追加借入 | 可 |
みずほ銀行カードローンは、最低金利が2.0%と非常に低いことが特徴です。ただし、金利2.0%でカードローンを利用するには、限度額が800万円の審査に通る必要があります。収入に余裕がある人は、申し込んでみるのもよいでしょう。
さらに、みずほ銀行の住宅ローンを契約している場合は、0.5%の金利優遇があります。
おまとめローン契約後の注意点
おまとめローンを契約できたからといって、借入がなくなるわけではありません。そこからどのように返済していくのかが非常に大切です。
返済計画を必ず守る
おまとめローンではきっちり返済計画を立て、それに従って返済していくことが重要です。返済計画が守れないと、返済が遅れてしまったり、利息が膨らんで返済できなくなったりする可能性もあります。
おまとめローンで返済ができなくなると、次は債務整理(任意整理や自己破産)しか残っていません。無理な返済計画を立てているならその見直しも含め、しっかり考えながら返済をしていきましょう。
追加の借入をしない
おまとめ専用ではないフリーローンやカードローンの場合、限度額内であれば追加の借入ができてしまいます。
借金を返済するためにおまとめローンを利用しているのに、さらに追加で借入をしてしまうと、返済がどんどん長引いてしまいます。
場合によっては返済不能になることもあるので、おまとめ契約したあとは、できるだけ追加借入をしないように注意しましょう。
まとめ
おまとめローンは、使い方によっては大変お得なローンサービスです。しかし借金が減るわけではないので、しっかりと返済計画を立てて返済していくことが非常に重要です。
消費者金融系や銀行系、おまとめ専用ローンやフリーローンなど、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を知り、自分の生活に合ったおまとめローンを選びましょう。