おまとめローンの役割
おまとめローンとは、複数のローンをまとめられるローンです。おまとめローンで新たに借り入れたお金で現在の複数のローンを完済し、おまとめローンで借り入れたお金を返済していくものです。
では、おまとめローンの具体的な役割をみていきましょう。
債務の一本化
おまとめローンの目的は、債務を一本化することにあります。返済日が異なる複数の債務があると返済の管理が煩雑になりますが、一本にまとめることで返済日の管理が楽になります。
また、返済額それぞれにかかっていた金利が、おまとめローンの金利になるので、場合によっては金利が低くなることもあります。
おまとめローンのメリット
おまとめローンを利用して債務を一本化することによるメリットを、さらに詳しくみていきましょう。
総量規制の対象外
おまとめローンの最大のメリットは、総量規制の対象外であることです。総量規制とは、年収の1/3を超える借入がある場合には、貸金業者から新たに借入はできないという制度で、2010年6月に導入されました。
この制度が導入されるまでは、年収よりも多い借入が簡単にできてしまう状況だったため、多額の借金を抱えてしまう多重債務者が後を絶ちませんでした。
貸金業法により、お客様が貸金業者から借りることのできる額の総額に制限が設けられている規制のことです。
具体的には、借入残高が年収の3分の1を超える場合、新規の借入れをすることができません。
※この規制が適用されるのは、貸金業者から個人が借入れを行う場合です。
銀行からの借入れや法人名義での借入れは対象外です。
また、住宅ローンなど一般に低金利で返済期間が長く、定型的である一部の借入れについては、総量規制は適用されません。
出典:総量規制に関するQ&A |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
総量規制が適用されない貸付については、例外貸付と除外貸付があります。内容は以下のとおりです。
例外貸付 | 除外貸付 |
・借換えローン ・緊急医療費貸付け ・特定緊急貸付け ・個人事業者への貸付け ・配偶者と合算して年収合計の3分の1を超えない貸付け |
・住宅ローン ・自動車ローン ・高額療養費の貸付け ・有価証券担保貸付け ・不動産担保貸付け(居宅以外) |
出典:総量規制に関するQ&A |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
おまとめローンは、例外貸付のうち『借換えローン』に該当します。つまり、すでに複数のローンがあり、借り入れている総額が年収の1/3を超えている場合でも、おまとめローンは総量規制の対象外なので、新たに借入ができるのです。
金利が低い
おまとめローンはローンの返済を目的としているため、金利は低めに設定されています。また、複数のローンを並行して返済している場合、各ローンの元本に金利が適用されるため、相対的に高い金利になってしまっていることがあります。
おまとめローンで元本をまとめることにより、金利を低く抑えられる可能性があるのです。
返済に特化した借入プラン
おまとめローンは、ローンの返済に特化した借入プランです。おまとめローンで借り入れた資金はローンの返済にしか使えないため、利用目的が自由な通常のローンのように追加で借入ができません。
結果として、毎月決まった額を返済することにより、確実に元本を減らしていけます。
返済期間が短くなることも
おまとめローンを利用すると、返済期間が短くなることもあります。おまとめローンでは追加の借入ができないので借入額が増えることはなく、また、毎月の返済で確実に元本が減っていくからです。
返済を続けて元本がある程度減ってきたら、繰り上げ返済や一括返済などでさらに返済期間を短くすることもできます。
おまとめローンのデメリット
メリットの多いおまとめローンですが、当然デメリットもあります。おまとめローンを利用するデメリットについてみていきましょう。
審査が厳しい
おまとめローンは、利用使途をローンの返済に限定しています。つまり、すでにある程度の借入がある人が対象となるため、必然的に審査が厳しくなります。
勤続年数や雇用形態、住宅ローンの有無など、通常のローンよりも条件が厳しくなっているため、おまとめローンの審査に通らないことが十分にありえます。
また、仮に審査に通ったとしても、自分が希望する利率や金額が適用されない可能性もあります。
現時点でローンの返済を何度も延滞している、携帯電話や光熱費の支払いが遅延したことがあるなど、返済能力に問題があるとみなされると、審査に通りにくくなることを覚えておきましょう。
返済期間が延びることも
おまとめローンを利用すると返済期間が延びる場合があります。特に、毎月の返済額を低く抑える目的でおまとめローンに乗り換えると、毎月の返済が楽になる分、完済までの期間は必然的に長くなるからです。
毎月の返済額が抑えられた分で繰り上げ返済をしたり、余裕のある月には上乗せで返済したりするなどの工夫が必要になってきます。
追加借り入れができないローンも
おまとめローンは、ローンの完済を目的としたローンであるため、追加で借入ができない場合があります。一度おまとめローンで借入をすると、その後は借入ができなくなる可能性があることに注意しましょう。
おまとめローンのメリットとデメリット。どちらも理解し賢く利用する
おすすめのおまとめローン
おまとめローンは、銀行や銀行系の消費者金融で取り扱いがあります。ここでは、東京スター銀行の『スターワンバンクローン』と、アイフルの『おまとめMAX』を紹介します。
東京スター銀行のおまとめローン
東京スター銀行のおまとめローン『スターワンバンクローン』を利用する最大のメリットは、インターネットで24時間365日申込ができることです。わざわざ店舗まで出向く必要がないため、忙しい人でもローンの申込がしやすいのが特徴です。
貸付利率 | 借入最高額 | 最大借入期間 |
5.8%~14.8% | 1,000万円 | 10年 |
借入最高額が高く、最大借入期間も長く設定されているため、無理なく完済を目指せます。
アイフルおまとめMAX
アイフルのおまとめローン『おまとめMAX』は、アイフルの利用者を対象としたおまとめローンです。総量規制の対象外なので、他社でおまとめローンの審査に落ちた場合でも、審査に通る可能性があります。
貸付利率 | 借入最高額 | 最大借入期間 |
12.0%~15.0% | 500万円 | 10年 |
担保や連帯保証人が不要のため、誰にも知られずに借金の完済を目指したい場合などに使いやすいおまとめローンとなっています。
貸金業法に基づく計画返済支援おまとめローン[おまとめMAX] | 【アイフル公式サイト】消費者金融・キャッシング・カードローン
まとめ
おまとめローンは、借入目的を借金の返済に限定し、複数のローンをまとめて一本化したうえで完済を目指すローンです。
おまとめローンに乗り換えることにより、毎月の返済の管理が楽になり、返済期間が短くなったり金利を低く抑えたりできます。
その一方で、通常のローンより審査が厳しいため融資が受けられなかったり、条件によっては返済期間が延びてしまったりすることもあります。
現在の借入状況をよく確認し、おまとめローンに乗り換えるメリットとデメリットを理解して、上手に利用しましょう。