何日遅れたら延滞したとみなされる?
銀行系カードローンは、それぞれのカードローンの約款によって異なるケースがあるものの、3カ月を延滞期間と定めていることがほとんどです。
また、カードローンを運営している会社によっては、61日と明確な日付を設定していることもあります。
まずは、カードローンの返済が遅れてしまった場合の対応を知る前に、『延滞』と『遅延』の違いを理解しておきましょう。それぞれの規定を理解しておくことで、落ち着いて適切な行動をとることができます。
延滞と遅延の違い
『延滞』と『遅延』は似たようなニュアンスですが、銀行のみならずカードローン会社ではこの2つのワードに明確な違いを設けています。
- 3カ月以上、または61日以上の遅れ…『延滞』
- 数日間の遅れ…『遅延』
このように『どのくらいの遅れが生じているか』によって、延滞と遅延というワードを使い分け、それぞれに対処の仕方も異なります。
カードローンの返済に遅れるとどうなる?
カードローンの返済に遅れが生じた場合、どのような処理が行われるのか、把握しておきましょう。
どのような催促があるのか
銀行のカードローンであれば、まずは保証会社から書面により、返済が遅れている旨を利用者に知らせるのが一般的です。
そして、書面により通知したにも関わらず、カードローン利用者から連絡がなく、返済が確認できない場合は、申込時に提出した連絡先に電話がかかってきます。さらに電話でも連絡がとれず、返済の確認がとれなければ次なる督促が行われます。
まず、返済日から1カ月間は電話と定期的な書面での連絡が主になります。時間が遅れるほどに電話の頻度が増え、2週間を過ぎたころには、1日3回程度連絡が入ります。
さらに、この期間の書面での督促には、遅れていることと金額の詳細が記載され、1週間に1度を目処に送られてきます。
ブラックリストに載ってしまうのか
『延滞』と判断される期間、すなわち3カ月以上、または61日以上の遅れが生じない限り、ブラックリストに載ることはありません。ただし、数日間の延滞でも頻発してしまえば信用を失い、今後の取引に影響がでることに変わりません。
銀行ごとの裁量によって返済が遅れている方への対処は異なりますが、大きく信頼を損なってしまった場合は、カードローンの利用限度額がゼロとなり、返済に限定した使い方しかできない口座にされてしまうこともあります。
また、一度ブラックリストに載ってしまうと、5年間〜10年間は記録が残り、自動車ローンや住宅ローン、クレジットカードにも悪影響が出てしまいます。
銀行に関係なく起こさなければならない行動
返済の目処が立っていなくても適切な行動を起こし、信頼を損なわない努力をすることが大切です。どこの銀行のカードローンかに関係なく、それぞれの状況に合わせた適切な行動をとっておくことが懸命となります。
返済が遅れることがわかっていた場合
返済が遅れると事前にわかっていた場合には、わかった段階で連絡を入れましょう。カードローンの中でも銀行は融通が利きにくいとされていますが、遅れが生じる前の連絡であれば、大きく心象を損なうことはありません。
いつでも返済できるが遅れてしまった場合
返済するお金はあるにも関わらず、スケジュールなどの都合により、すぐに振込ができない場合は、事前に返済期日の相談を連絡するようにしましょう。事情を加味して、期日を設定し直してくれるケースもあります。
返済できる目途が立っていない場合
返済できる目途が立っていない場合は、極力早めにコンタクトをとりましょう。
返済の目途が立っていないという旨を伝えたところで、『◯日までに必ず返済してください!」と一方的に要求されることはありません。事情を把握したうえで、適切な処理を行ってくれます。
ただし、返済できないといっても、返済すべきお金は必ず用意しなければなりません。ローンの借り換えや法律事務所で任意整理の相談をするなどの、自分なりに解決に向けた動きが必要になります。
※任意整理とは、債権者と司法書士との間で返済の方法や返済額を交渉し、裁判所を介さずに返済可能な条件で合意を得る手段のことです。
任意整理とは(メリット・デメリットの解説) | 松谷司法書士事務所
銀行別、返済が遅れたときの対応法
ここでは、返済が遅れたときの対応法を銀行別にみていきます。
みずほ銀行カードローンの場合
みずほ銀行カードローンにおいて遅延が生じた場合は、下記の状態になります。
- 遅延損害金が年19.9%で発生
- 遅延損害金を含んだ金額の入金が確認されるまで、カードローンは一切使用できない
遅延損害金は年19.9%の利率で上乗せされ、超過日数分を支払わなければなりません。例えば、10万円の借入に対して30日の遅れが乗じた場合には、1,635円を返済に上乗せして支払う必要があります。
※利息金額は『借入残高÷実質年率÷365日×利用日数』の計算式により算出します。
三井住友銀行カードローンの場合
三井住友銀行カードローンでの遅延は、以下の処置が取られます。
- 遅延損害金が年19.4%で発生
- 遅延損害金を含んだ金額の入金が確認されるまで、カードローンは一切使用できない
みずほ銀行よりも遅延損害金の金利は低いものの、大きな違いはありません。
三菱東京UFJ銀行カードローンの場合
三菱東京UFJ銀行のカードローン、バンクイックで遅延が発生した場合は、下記の処置がとられることになります。
- 遅延損害金が契約時と同じ金利で発生
- 遅延損害金を含んだ金額の入金が確認されるまで、カードローンは一切使用できない
返済が完了するまでカードローンの使用ができないという点は変わりませんが、遅延損害金の金利が契約時と同じという特徴があります。
りそな銀行カードローンの場合
りそな銀行のカードローンで遅延が生じた場合は、以下の処置がとられます。
- 遅延損害金が年14%で発生
- 遅延損害金を含んだ金額の入金が確認されるまで、カードローンは一切使用できない
りそな銀行のカードローンは、他の銀行よりも遅延損害金の金利こそ低く設定しています。ただし、遅れたことによって心象を損なうことに変わりはないので、注意が必要です。
横浜銀行カードローンの場合
横浜銀行カードローンにおいて、遅れが生じた場合は以下の処置がとられます。
- 遅延損害金が年14.6%で発生
- 遅延損害金を含んだ金額の入金が確認されるまで、カードローンは一切使用できない
まとめ
返済が遅れる場合にはとにかく『早く連絡する』ことが重要です。遅延損害金は借入額によって異なり、借入残高が高額になれば、支払う遅延損害金額は大きくなるので注意が必要です。
また、ブラックリストに記録されずとも、信用を失ってしまえばカードローンの制限がかかるなどの支障をきたすことに繋がります。しっかりと責任のある行動を心がけ、銀行との関係を維持することを最優先しましょう。
カードローンの返済。借りる前にしっかりと把握しておくべきこと