おまとめローンとは
おまとめローンとは、複数社からの借入金を1つにまとめるローンのことを指します。
1社から別の有利な条件の1社へ借り換えることも、大きな意味でおまとめと呼びます。おまとめ専用ローンを使ったり、銀行系カードローンを使ったりして借入金をまとめます。
おまとめローンのメリット
複数社から借入をしていると、自分の正確な借入金の残高が分からなくなります。返済期日もA社が20日、B社が25日、C社が月末など、返済期日の管理が難しくなります。そのことにより、延滞の原因になるのです。
おまとめローンを利用すると返済日が1つになり、最小返済金額が低く設定されているので月々の支払が楽になります。
おまとめローンを利用することで、金利が下がる場合があります。理由は『利息制限法』に定められた金利です。
利息制限法
借入金 | 上限金利 |
10万円未満 | 20.0% |
10万円以上100万円未満 | 18.0% |
100万円以上 | 15.0% |
100万円未満の借入金を100万円以上にまとめると、上限金利が15.0%になるのです。
おまとめローンのデメリット
月々の返済金額が少なくなるということは、完済までの期間が長くなることを意味します。そのことにより、せっかく金利が下がっても、総支払利息が増える場合もあります。
消費者金融系のおまとめローンはカードローンと違い、繰り返し借入はできず、返済専用となっています。そのため、今まで家計が苦しくなったときに借入をしていたのなら、そういった使い方はできなくなります。
消費者金融系おまとめローンだけでなく、銀行系おまとめローンでも返済専用のものがあります。申し込む際には確認が必要です。
おまとめローンの選び方
おまとめローンに限らず、ローンで一番気になるのは金利です。その次に月々の返済金額です。意外に盲点なのが返済の利便性なので、申し込む前に確認しておく必要があります。
金利で選ぶ
後ほどご紹介する6社の商品の金利についてまとめました。
商品名 | 金利 |
アコム貸金業法に基づく借換え専用ローン | 7.7%〜18.0% |
アイフル貸金業法に基づく計画返済支援おまとめローン「おまとめMAX」 | 12.0%~15.0% |
東京スター銀行ワンバンクローン | 5.8%~14.8% |
じぶん銀行au割借り換えコース | 1.7%~12.5% |
三菱東京UFJ銀行バンクイック | 1.8%〜14.6% |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% |
上限金利を比較すると、消費者金融系おまとめローンの金利が高いことが分かります。ただし先述したように、借入金が100万円以上の場合は上限金利が15.0%となるので、じぶん銀行以外と比較するとあまり差が出ません。
金利だけを比較すると、じぶん銀行が有利なことがわかります。
月々の返済金額で選ぶ
おまとめローンを組むメリットは、月々の返済金額が少なくなることです。100万円借入をした場合の各社の最小返済金額について比較してみます。
商品名 | 最小返済金額 |
アコム貸金業法に基づく借換え専用ローン | 20,000円 |
アイフル貸金業法に基づく計画返済支援おまとめローン「おまとめMAX」 | 17,000円 |
東京スター銀行ワンバンクローン | 19,000円 |
じぶん銀行au割借り換えコース | 18,000円 |
三菱東京UFJ銀行バンクイック | 20.000円 |
みずほ銀行カードローン | 20,000円 |
3,000円の違いが出る結果となりました。ただし、1,000円以下の端数は切り上げて、20,000円の返済にすると返済金額が覚えやすく、千円札のおつりの出ないATMに対応できるので、そちらをおすすめします。完済までの期間も早くなります。
利便性で選ぶ
利便性もおまとめローンを選ぶ際のポイントです。例えばATMで返済するときに、提携ATM利用手数料が無料のところと、そうでないところがあります。
手数料も元金以外に支払うお金という意味では利息と変わらないので、ATMの利便性は重要です。
以下、提携ATM利用手数料が無料であるかをまとめました。無料を○、有料を×、ATM利用不可を-と表記します。
商品名 | 提携ATM手数料 |
アコム貸金業法に基づく借換え専用ローン | × |
アイフル貸金業法に基づく計画返済支援おまとめローン「おまとめMAX」 | × |
東京スター銀行ワンバンクローン | - |
じぶん銀行au割借り換えコース | ○ |
三菱東京UFJ銀行バンクイック | ○ |
みずほ銀行カードローン | × |
提携ATM利用手数料無料で返済できるのは、じぶん銀行と三菱東京UFJ銀行です。東京スター銀行の返済方法は、口座振替とインターネットバンキングによる振込のみです。
おまとめローン申込の注意点
おまとめローンを申し込む際の注意点が2つあります。この2つをキチンと準備しないと審査落ちになりかねないので、重要なポイントです。
虚偽の申告をしない
まず理解しておかなければいけないことは、借りる相手は金融のプロであるということです。審査に通りやすいように、と小さな嘘を申告してもすぐに発覚して、逆に信用できないということで審査落ちにします。
例えば、借入件数と借入金額を少なく申告することは一番してはならないことです。金融機関各社は信用情報機関で他社の借入情報を把握できるので、すぐに虚偽の申告とわかります。
年収を多めに、と申告しても給与明細や源泉徴収票を見れば、正確な数字が分かってしまいます。
無担保ローンで必要なのは信用です。信用を落とさないように、正直にすべてを申告しましょう。
返済計画を立てる
おまとめローン申込の理由は『計画的な借金の返済』です。借入金額と月々の返済金額からどれくらいになるか、前もって知っておくことが大切です。
または完済までの期間を決めて、そのためには月々の返済金額がどれくらいになるか把握しておく必要があります。
無担保でお金を貸すことは、その人に信用があると審査の結果、判断したからです。もちろん住居や勤務先が審査を決定する重要な要素なのですが、最後は人となりが判断されます。
お金にだらしない人には誰だってお金を貸しません。計画を持っている、ということは明確な完済ビジョンがあるということで、審査にはプラスに働くのです。
消費者金融系の申込方法
アコムとアイフルを例にとって説明します。消費者金融系おまとめローンは通常のカードローンと違い、借入ができず返済専用のローンです。
アコム
項目 | 内容 |
名称 | 貸金業法に基づく借換え専用ローン |
貸付額 | 1万円〜300万円 |
金利 | 7.7%〜18.0% |
インターネットでの申込はできません。まずフリーコール(0120-07-1000)で連絡すると、必要書類などが案内されます。
必要書類
- 他社契約書
- ATM取引の明細
- 利用代金明細
ほか、他社での借入が証明できる書類です。
本人確認書類、収入証明書を持参して店頭窓口・自動契約機(むじんくん)へ来店、その場で審査結果を回答、契約という流れです。
契約後、アコムが契約者名で他社に返済して解約します。自分で精算する場合は、他社精算書類の提出が必要です。
毎月1回の返済は口座振替になります。カードを使いATMで追加返済も可能です。提携ATM利用手数料は所定の金額がかかります。
貸金業法に基づく借換え専用ローン【公式サイト】カードローン・キャッシングならアコム
アイフル
項目 | 内容 |
名称 | 貸金業法に基づく計画返済支援おまとめローン「おまとめMAX」 |
貸付額 | 1万円〜500万円 |
金利 | 12.0%~15.0% |
インターネット、または電話で申し込めます。必要な書類はアコムと同じで、他社借入の証明です。審査結果の連絡がメールか電話で届き、その後郵送か来店での契約になります。他社への返済はアイフルか契約者が行います。
返済プランが3つあり、3年完済・5年完済・10年完済です。完済までの期間ごとの最小返済金額が決まっており、追加返済をすれば、それより完済の時期が早くなるのを実感できるのがメリットです。
返済はATM・口座振替・口座振込です。提携ATM利用手数料は有料となっています。
貸金業法に基づく計画返済支援おまとめローン[おまとめMAX] |【アイフル公式サイト】消費者金融・キャッシング・カードローン
銀行系の申込方法
東京スター銀行ワンバンクローンと、じぶん銀行au割借り換えコースを紹介します。おまとめ専用ローンですが、消費者金融系おまとめローンと違い一定の限度額で借入ができます。
東京スター銀行ワンバンクローン
項目 | 内容 |
名称 | 東京スター銀行ワンバンクローン |
貸付額 | 最大1,000万円 |
金利 | 5.8%~14.8% |
契約社員・派遣社員は利用できますが、自営業・パート・アルバイトは利用できません。また収入制限があり、年収200万円以上と、申込基準は厳しめです。
融資額とは別にカードローンのような限度額が設定され、融資額が限度額を下回れば追加借入ができる商品です。
申込はインターネット・電話・店頭で受け付けています。ただし、店頭は取り扱い店舗がきまっているので、申込に行く前に確認してください。
契約はインターネット・郵送・店頭(取り扱い店舗のみ)です。
返済は毎月10日普通口座から自動引落しで、追加返済はインターネットバンキングで可能です。ATMでの返済はできません。
じぶん銀行au割借り換えコース
項目 | 内容 |
名称 | じぶん銀行au割借り換えコース |
限度額 | 10万円〜800万円 |
金利 | 1.7%~12.5% |
おまとめローンですが、限度額を決め繰り返し借入できるのはカードローンと同様です。auユーザーが金利を0.5%優遇されているコースです。主婦・年金生活者は申し込めません。
じぶん銀行の口座を持っているのが契約の条件なので、口座を持っていない場合は、ローンの申込と同時に開設する必要があります。
申込はインターネットで行います。じぶん銀行の口座がある場合、本人確認書類は不要です。ただし収入証明書は必要です。審査の結果はメールか電話で伝えられます。契約が成立すると、じぶん銀行の口座に振り込まれます。
契約者が他社への返済、解約手続きをおこない、解約をした証明書を提出する義務があります。なお、返済日は自由に選べ、ATMか口座振替で返済します。提携ATM利用手数料は無料です。
銀行系カードローンでまとめる
専用のおまとめローンではなく、銀行系カードローンでまとめることもできます。ただし、審査は厳しくなります。
例えば200万円を借り入れるおまとめローンの場合、他社200万円を完済する前提の審査なので、200万円の審査になります。
銀行系カードローンの場合、他社200万円+新規200万円の計400万円の信用があるかを審査されます。
三菱東京UFJ銀行バンクイック
項目 | 内容 |
名称 | 三菱東京UFJ銀行バンクイック |
限度額 | 10万円〜500万円 |
金利 | 1.8%〜14.6% |
申込方法は、インターネット・テレビ窓口・電話・郵送のいずれかです。三菱東京UFJ銀行の銀行口座は必要ありません。パートやアルバイトでも申し込めます。
契約はテレビ窓口か郵送で行い、カードを受け取ります。返済方法は口座振替・ATM・指定口座への振込があります。なお、提携ATM利用手数料は無料です。
カードローン「バンクイック」金利年1.8%~年14.6%|三菱東京UFJ銀行
みずほ銀行カードローン
項目 | 内容 |
名称 | みずほ銀行カードローン |
限度額 | 10万円〜800万円 |
金利 | 2.0%~14.0% |
専業主婦は利用できません。申込はインターネット・電話・窓口・郵送の中から選べます。ただし、インターネットでの契約は、みずほ銀行に口座がある場合にのみ限られます。口座がない場合、自宅に書類が届いてしまうのがデメリットです。
書類は郵便で返送するか、みずほ銀行の窓口へ持っていき契約をします。返済は月々の返済は自動引落しで、追加返済はATMかみずほダイレクトによる返済となっています。なお、提携ATMを利用する場合、所定の手数料がかかります。
まとめ
いいおまとめローンの申込先とは、確実にコツコツと完済できるローンです。追加の借入ができない商品はカードローンに比べて不便ですが、返済を重ねることによって借入残高が確実に減っていきます。
さらに、ローンとなると金利に目がいってしまいがちですが、残高を減らすポイントは金利より、むしろ月々の返済金額です。無理のない程度に申込時に設定して、可能な限り追加返済をしていくと総支払利息も少なくて済みます。
そのためには返済のしやすさが重要となるので、口座振替以外の追加返済の手段が豊富な商品を選ぶことです。
以上を考慮して、おまとめローンに申し込みましょう。