カードローンの基礎知識
カードローンと他のローン、例えば住宅ローンや自動車ローンとの違いは利用目的が限定されないことです。また『無担保ローン』で、保証人も必要ありません。さらに契約した金額=限度額の範囲内なら何回でも追加で借りることができます。
限度額の仕組み
カードローンの契約によって、借り入れできる上限の金額が決まっており、その金額は『限度額』と呼ばれます。限度額の範囲内なら、何回でも借り入れすることが可能です。
例えば、100万円が限度額で50万円借り入れている場合、あと50万円追加で借り入れることができます。返済が進み、借入残高が10万円になった場合さらに追加で90万円借り入れることができるのです。
カードローンのこの仕組みは、専門用語でリボルビング方式と呼ばれます。返済金額は借入残高によって決まり、返済回数は借入を繰り返すので決められていません。
住宅ローンや自動車ローンの場合は借り入れた後は決まった金額を決まった回数で返済していくので、そこが大きな違いです。
最小返済金額
借入金額によって『最小返済金額』が決まっており、毎月最小返済金額以上の返済をする必要があります。なお最小返済金額は会社によって異なります。
例えば100万円借入の場合の例は以下の通りです。
カードローン | 最小返済金額 |
三菱東京UFJ銀行バンクイック | 20,000円 |
みずほ銀行カードローン | 20,000円 |
住信SBIネット銀行MR.カードローン | 15,000円 |
利息の計算方法
カードローンの利息計算は日割り計算になっています。日割り計算とは、30日借りたら30日分の利息が発生するということです。
例として、100万円を年利14.6%で30日間借り入れた場合の利息を計算します。
100万円×14.6%=146,000円(年間の利息)
146,000円÷365日=400円(1日の利息)
400円×30日=12,000円
100万円を年利14.6%で30日間借入をすると12,000円の利息が発生するということです。
カードローンの返済。借りる前にしっかりと把握しておくべきこと
カードローンの金利比較
カードローンの返済シミュレーションで確認しなければならないのは上限金利です。金利はどのカードローン会社も○%~△%という表記になっています。
どの金利が適用されるかは分からないので、上限金利が適用されるとして返済計画を立てなければならないのです。
また銀行系カードローンの場合限度額によって金利が違います。
シミュレーションを行う各行のカードローンの限度額別金利は以下の通りです。
三菱東京UFJ銀行バンクイック
限度額 | 金利 |
10万円以上100万円以下 | 13.6%~14.6% |
100万円超200万円以下 | 10.6%~13.6% |
200万円超300万円以下 | 7.6%~10.6% |
300万円超400万円以下 | 6.1%~7.6% |
400万円超500万円以下 | 1.8%~6.1% |
カードローン「バンクイック」 金利年1.8%~年14.6% | 三菱東京UFJ銀行
みずほ銀行カードローン
限度額 | 金利 |
10万円以上100万円未満 | 14.0% |
100万円以上200万円未満 | 12.0% |
200万円以上300万円未満 | 9.0% |
300万円以上400万円未満 | 7.0% |
400万円以上500万円未満 | 6.0% |
500万円以上は割愛します。
住信SBIネット銀行MR.カードローン
MR.カードローンには、プレミアムコースとスタンダードコースがあります。
今回はスタンダードコースをシミュレーションに使用します。
限度額 | 金利 |
10万円~100万円 | 14.79% |
100万円超~200万円 | 11.99% |
200万円超~300万円 | 8.99% |
借入金額100万円でシミュレーション
それではシミュレーションに移ります。3つのケースを比較します。
条件は以下の通りです。
- 100万円の限度額で100万円借入
- 金利は上限金利を適用
住信SBIネット銀行にはカードローンの返済シミュレーションのサイトがないため、みずほ銀行とオリックス・クレジット株式会社のシミュレーションサイトで計算しています。
なお、シミュレーションの結果は取引によって多少変動します。
返済を3年で終わらせる場合
銀行 | 金利 | 毎月の返済額 | 返済回数 | 総支払利息 |
三菱東京UFJ銀行 | 14.6% | 34.469円 | 36回 | 240,895円 |
みずほ銀行 | 12.0% | 34,343円 | 36回 | 202,017円 |
住信SBIネット銀行 | 14.79% | 35,784円 | 36回 | 252,412円 |
カードローン「バンクイック」 : 返済シミュレーション | 三菱東京UFJ銀行
みずほ銀行 : 返済金額シミュレーション
(住信SBIネット銀行MR.カードローンのシミュレーションにも使用)
月々の返済額を2万円にする場合
銀行 | 金利 | 毎月の返済額 | 返済回数 | 総支払利息 |
三菱東京UFJ銀行 | 14.6% | 20,000円 | 78回 | 550,160円 |
みずほ銀行 | 12.0% | 20,000円 | 73回 | 413,395円 |
住信SBIネット銀行 | 14.79% | 20,000円 | 79回 | 596,253円 |
カードローン「バンクイック」 : 返済シミュレーション | 三菱東京UFJ銀行
ご返済シミュレーション | VIPローンカード | 【公式サイト】カードローンならオリックス・クレジット株式会社(住信SBIネット銀行のシミュレーションに使用)
月々の返済が最小返済金額の場合
銀行 | 金利 | 最小返済金額 | 返済回数 | 総支払利息 |
三菱東京UFJ銀行 | 14.6% | 20,000円 | 78回 | 550,160円 |
みずほ銀行 | 12.0% | 20,000円 | 73回 | 413,395円 |
住信SBIネット銀行 | 14.79% | 15,000円 | 141回 | 1,111,045円 |
カードローン「バンクイック」 : 返済シミュレーション | 三菱東京UFJ銀行
ご返済シミュレーション | VIPローンカード | 【公式サイト】カードローンならオリックス・クレジット株式会社(住信SBIネット銀行のシミュレーションに使用)
計画的な返済のために
シミュレーションの結果、『月々の返済金額』が一番完済までの返済回数や総支払利息に影響することがわかります。
完済までの期間を決める
完済の期間を決めてしまえば、金利の差の影響が少なくなります。金利による月々の返済金額の違いは、一番低いみずほ銀行と一番高い住信SBIネット銀行との差で1,441円(35,784円-34,343円)です。総支払利息の差は約5万円(252,412円-202,017円)です。
月々2万円を返済した場合、みずほ銀行と住信SBIネット銀行の総支払利息の差は約20万円(596,253円-413,395円)に広がり、完済まで6カ月(79回-73回)長くなります。
最小返済金額以上の返済をする
三菱東京UFJ銀行バンクイックとみずほ銀行カードローンの最小返済額2万円で返済していくと、完済まで5年以上かかります。
住信SBIネット銀行の最小返済金額は1万5千円です。完済まで141回、総支払利息は1,111,045円です。完済まで11年以上かかり、総支払利息は元金を超えています。
余裕のあるときに追加返済をしなければ、完済までの期間が非常に長くなり、総支払利息も増えるということです。
まとめ
以上、3行を比較してシミュレーションを行い、その結果を分析しました。金利が低ければそれだけ支払利息も減ります。しかしながら、一番大事なのは、返済金額です。今の返済金額なら何年で返済できるということを理解しておかないと、返済がなかなか終わらないのです。
シミュレーションでは途中で借り入れるケースを紹介しませんでしたが、途中で借り入れると当然元金が増え、そこからまた返済が始まるので返済しても返済しても、完済まで非常に時間がかかることになります。
返済期限を区切り、月々の返済金額を決めることがカードローンの『計画的な利用』に一番大切なことです。