借り換えのメリットとデメリット
カードローンの借り換えには大きなメリットがありますが、デメリットもあります。再度の借り換えは難しいので、借り換え先に選ぶカードローンをよく調べることが必要です。
借り換えのメリット
借り換えのメリットは3つあります。
- 支払う利息が少なくなる
- 毎月の返済金額が少なくなる
- 支払い先を1社にまとめられる
1つ目は、『金利』が下がることによって、支払う利息が少なくなることです。借り換えの一番のメリットと言っても過言ではありません。
2つ目は、毎月の『返済金額』が少なくなることです。カードローンによって毎月の最小返済金額が決まっており、今のローンより最小返済金額が少ない借り換え先を選べば、毎月の返済のやりくりが楽になります。
3つ目は、複数社からの借入をしていた場合、『1社にまとまる』ことです。借入先によって返済額、返済日がバラバラだったのが、1社にまとめることによって、返済の管理が楽になります。
借り換えのデメリット
借り換えのデメリットとしては2つ挙げられます。
金利が下がらない場合がある
以下に例を示します。
- 今利用しているカードローンの金利:18.0%
- 借り換えを検討している別のカードローンの金利:4.0%~17.8%
最低金利4.0%に惹かれて借り換えても審査の結果、金利は『上限金利(一番高い金利)』の17.8%が適用される可能性があります。0.2%(18.0%-17.8%)しか金利が下がりません。
上限金利が適用されても、金利が下がるカードローンに借り換えることが大切です。
追加借入ができない場合がある
『借り換え専用ローン』の中には追加借入ができないものもあります。特に消費者金融の借り換え専用ローンは追加借入ができません。
貸金業法に基づく借換え専用ローン【公式サイト】カードローン・キャッシングならアコム
ただし、借り換え専用ローンのすべてが、追加借入ができなくなるわけではなく、銀行については借り換えローンの追加借入規制がありません。
例えば、東京スター銀行のスターワンバンクローンでは、限度額の範囲内で借入が可能です。
カードローンの金利比較
特に注目しなければならないのは上限金利です。上限金利が適用されても、今借りているカードローンより低いローンを選ぶのがポイントです。
メガバンク
カードローン | 金利 | 限度額 |
みずほ銀行カードローン | 2.0~14.0% | 800万円 |
三井住友銀行カードローン | 4.0~14.5% | 800万円 |
りそなクイックカードローン | 3.5~12.475% | 200万円 |
三菱東京UFJ銀行カードローンバンクイック | 1.8~14.6% | 500万円 |
ネット銀行
カードローン | 金利 | 限度額 |
住信SBIネット銀行 | 0.99~14.79% | 1,200万円 |
イオン銀行 | 3.8~13.8% | 800万円 |
楽天銀行 | 1.9~14.5% | 800万円 |
ソニー銀行 | 2.5~13.8% | 800万円 |
消費者金融
カードローン | 金利 | 限度額 |
アコム | 3.0~18.0% | 800万円 |
プロミス | 4.5~17.8% | 500万円 |
アイフル | 4.5~18.0% | 500万円 |
モビット | 3.0~18.0% | 800万円 |
銀行の限度額別上限金利
先ほど説明した上限金利ですが、銀行の場合は『限度額に応じて上限金利が変わる』仕組みになっています。限度額が大きいほど上限金利が低くなります。よって、自分の借入額に応じた上限金利を比較することがポイントです。
以下、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行バンクイックの例です。
みずほ銀行の限度額別金利
限度額 | 上限金利 |
10万円以上100万円未満 | 14.0% |
100万円以上200万円未満 | 12.0% |
200万円以上300万円未満 | 9.0% |
300万円以上400万円未満 | 7.0% |
400万円以上500万円未満 | 6.0% |
500万円以上600万円未満 | 5.0% |
600万円以上800万円未満 | 4.5% |
800万円 | 2.0% |
バンクイックの限度額別金利
バンクイックは三菱東京UFJ銀行のカードローンの名称です。
利用限度額 | 上限金利 |
10万円以上100万円以下 | 14.6% |
100万円超200万円以下 | 13.6% |
200万円超300万円以下 | 10.6% |
300万円超400万円以下 | 7.6% |
400万円超500万円以下 | 6.1% |
カードローン「バンクイック」:選ばれる理由 | 三菱東京UFJ銀行
借り換えの審査は厳しい
メリットが多い借り換えですが、その審査は厳しくなっています。
新たな借入と見なされる
借り換え専用ローンでないかぎり、今借入している金額に加えて『新たな借入をするという前提で審査』されます。なぜなら、借り換え目的として申し込んでも、本当にその目的で使うかわからないからです。
例えば、同じ条件なら、他社で100万円借入をしている人より、全く借入をしていない人の方が審査に通りやすいということです。
希望融資額に足りない場合もある
借り換え先の審査の結果、希望額より少ない限度額になる可能性があります。例えば、現在100万円借入しているのが、50万円の限度額になるという場合です。
金利が下がるので50万円は借り換えた方が得ですが、残りの50万円は今のカードローンでの借入を継続することになります。そうすると、返済するカードローンが2社になり、管理が不便になります。
借り換えの際の注意点
金利が下がり月々の返済金額が減って、借り換えに成功したと思っていても意外な落とし穴があります。金利が下がっても、『月々の返済金額』が少ないとなかなか返済が終わらず、結局支払う利息が多くなる場合があります。
具体例を挙げて説明します。
アイフルとバンクイックの比較
バンクイックは三菱東京UFJ銀行のカードローンです。アイフルからバンクイックに50万円借り換えた場合をシミュレーションします。
カードローン | 金利 | 最小返済金額 |
アイフル | 18.0% | 13,000円 |
バンクイック | 14.6% | 10,000円 |
最小返済金額で返済
カードローン | 返済回数 | 返済金額 |
アイフル | 58回 | 751,057円 |
バンクイック | 78回 | 775,050円 |
返済シミュレーション | 【アイフル公式サイト】消費者金融・キャッシング・カードローン
カードローン「バンクイック」 : 返済シミュレーション | 三菱東京UFJ銀行
総支払利息と返済回数
先ほどのアイフルと三菱東京UFJ銀行バンクイックの比較でわかることは、借り換え先で最小返済金額の返済を続けると、金利が下がっても返済回数が多くなり『総支払利息が増える』ということです。
- 返済回数:+20回(78回-58回)
- 支払利息:+23,000円(775,050円-751,057円)
余裕のあるときは多めに返済することで返済回数を減らし、支払利息を減らすことができます。
利便性が悪くなる場合もある
借り換え先のカードローンが利用できるATMが少なく、借入や返済が不便になる場合があります。自分の行動範囲に利用できるATMがあるかどうか前もって調べておくことが必要です。『提携ATMの手数料』も合わせて調べましょう。
まとめ
カードローンの借り換えのメリットは金利が下がり、月々の返済金額が少なくなることです。複数社から借り入れていた場合は、一つにまとめることによって、返済の管理がわかりやすくなります。
しかしながら、借り換え先を間違えると、思ったほど金利が下がらなかったり、カードローンの利用が不便になったりします。正しい『金利の比較と利便性の比較』をすることが、借り換えを成功させる方法です。