自動車ローン審査の流れ
自動車ローンには、銀行や信用金庫などの金融機関が提供する『銀行系マイカーローン』と、メーカー系の信販会社などが提供する『ディーラー系ローン』があります。
どちらのローンも利用するには、審査のクリアが必要です。まず、審査の流れや必要書類を確認しておきましょう。
必要書類
銀行系マイカーローンの審査では、基本として以下の書類が必要です。
- 運転免許証などの本人確認書類
- 借入金の使いみちが確認できる書類(販売会社が発行する注文書や見積書など)
- 年収を証明できる書類(源泉徴収票・納税証明書など)
- 支払先(購入先)への振込金額・振込先が確認できる書面
一方のディーラー系ローンでは、本人確認書類・印鑑登録証明書・銀行印の用意だけで審査を申し込めます。銀行系のローンに比べ、申し込みが簡単で審査時間もかかりません。
申込から借り入れまでの流れ
自動車ローンの申込みから借り入れまでの流れは、以下になります。
- 仮審査の申込み
- 仮審査
- 本審査の申込み
- 本審査
- 契約手続き
- 融資の実行
ディーラー系ローンでは購入車が決まっていないと、仮審査ができない場合があります。しかし、申込み手続きが販売店で行えるので、担当スタッフのアドバイスやサポートが受けられスムーズな契約が可能でしょう。
電話で会社に連絡が入る
銀行系オートローンでは勤務先への在籍確認があり、金融機関の担当者が個人名で電話によって確認します。
本人が電話に出られなくても「〇〇は只今、外出中です」など、会社に在籍していることがわかれば、確認は完了です。ただし、休職中で不在の場合は、審査に通らない可能性が高いでしょう。
金融機関によっては、電話する時間帯などを相談できる場合があります。心配な点は事前に問い合わせておきましょう。
一方、ディーラー系ローンでは在籍確認が必要ないローンがあるなど、柔軟な対応が可能です。
審査に落ちる可能性がある人とは
審査に落ちる可能性が高いのは、どのような人でしょう。
信用情報で引っかかる
年収などに問題がない人でも、信用情報が良好でないと審査に落ちる場合があります。
信用情報とは信用取引に関する情報をいい、クレジットやローンなどの契約内容や利用残高、返済状況などに関する情報です。金融機関は利用者の信用情報を信用情報機関に登録し、審査時には個人の登録情報を照会します。
信用情報機関に以下の登録情報があると、審査に落ちる確率が高いでしょう。
情報 | 概要 |
長期延滞 | 2~3カ月以上の返済の遅れ |
代位弁済 | 保証会社が債務者に代わり行う返済 |
債務整理 | 交渉・裁判によって、返済を免除あるいは減額すること |
信用情報には登録期間があり、期間を超えた登録情報は自動的に抹消されます。上記の情報は『異動』と呼ばれ、登録期間は最長で5年です。
CICが保有する信用情報|信用情報について|指定信用情報機関のCIC
自営業者や会社役員の場合
自営業者に対する自動車ローンの審査では、収入の安定性と継続性が重視されます。事業年数が浅いと経営が未だ不安定なため、今後の事業の見通しが立ちづらく審査では不利になるでしょう。
また、年収が低いことも審査に影響します。節税対策として経費を多く計上し、年収を抑えすぎると、審査に落ちる可能性が高いでしょう。
個人で会社を設立し会社役員として役員報酬(役員給与)を得ている人も、意図的に報酬を抑えている場合は、妥当な額に上げておく方が審査では有利といえます。
しかし、役員報酬を増やすと社会保険料・所得税などが増加するため、バランスを考慮して報酬額を検討するとよいでしょう。
自動車ローンを完済したら
ディーラー系ローンではローンの完済後に、『所有権解除』が必要です。
ローン会社名義の自動車の所有権解除をする
所有権解除とは、ローン会社にある車の所有権を、購入者に移すために行う手続きです。
ディーラー系ローンで車を買うと、車検証の所有者欄にローン会社や販売会社の名称が記載されます。これは、車の所有権がローン会社にあることを意味し、購入者は車を売却したり廃車にしたりできません。
所有権がローン会社にあるのは、返済が滞った時に車を売って貸したお金を回収できるように、手元に車を確保しておくためです。
所有権の解除は、ローンを完済してから行います。手続きは自分で行うか、もしくはディーラーなどの業者に委任することも可能です。
所有権解除の方法
自分で所有権解除を行う場合の流れは、以下の通りです。
- 現在の所有者(ローン会社など)から、必要書類を取り寄せる
- 印鑑証明書など、自分で用意が必要な書類をそろえる
- 管轄する運輸支局で、所有権解除の手続きを行う
ローン完済後に自宅へ『所有権解除の案内書』が届きます。記載のある連絡先へ電話し、指示に従い必要書類を請求しましょう。
所有権解除には、以下の書類が必要です。
- ローン会社から取り寄せた必要書類
- 車検証(有効期間のあるもの)
- 印鑑証明書(発行から3カ月以内)
- 実印
- 以下は手続き当日に運輸支局にて入手
申請書(OCR申請書第1号様式)
手数料納付書(登録印紙代500円が必要)
住所や車の保管場所に変更があると、上記以外に書類が必要です。事前に運輸支局のホームページで確認しておきましょう。
まとめ
自動車ローンには銀行系自動車ローンとディーラー系ローンがあり、ディーラー系ローンの方が審査に通りやすい反面、金利が高めです。
一方、銀行系ローンは審査は厳しめですが、低金利で車の所有者を購入者にできるなどのメリットがあります。しっかり検討して、自分に最適なローンを選びましょう。