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住宅ローンを早期完済するには?完済後の手続きも併せて解説します

住宅ローンは、なるべく早めに完済した方がお得です。なぜ早く完済した方がお得なのか、その理由を知っておきましょう。住宅ローンを早期完済する方法や早期完済する際の注意点、完済後に必要な手続きについても併せて解説します。

この記事の目次

住宅ローンの完済年齢、上限はいくつまで?

住宅を新築、購入するときには、多くの人が住宅ローンを利用するでしょう。住宅ローンを利用すると、当然返済をしていかなくてはなりませんが、どれだけ時間をかけてもよいわけではなく、完済の上限年齢が定められているのが一般的です。

ここでは、住宅ローンの利用開始年齢と、完済の上限年齢について解説します。

住宅ローンの利用開始は30代からが多い

国土交通省住宅局の『2018年・住宅市場動向調査』によると、以下の住宅を購入した世帯の世帯主の年齢は、30代が最も多いという結果が出ています。

  • 注文住宅(新築)
  • 分譲戸建住宅
  • 分譲マンション
  • 中古戸建住宅

つまり、住宅ローンの利用開始年齢も30代が多いと判断できます。

住宅市場動向調査 年度次 2018年度 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

完済の上限年齢は80歳前後が主流

多くの金融機関が住宅ローンを取り扱っていますが、そのほとんどが完済の上限年齢を80歳前後に設定しています。

  • フラット35:完済時80歳の誕生日の前日まで
  • 三菱UFJ銀行:完済時80歳の誕生日まで
  • 三井住友銀行:完済時80歳の誕生日まで
  • みずほ銀行:完済時81歳未満まで

これは、多くの金融機関で住宅ローン契約時に加入を求められる、団体信用生命保険の保険期間が80歳までとされているためです。

団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者が返済中に死亡したり、所定の障害状態になったりした場合に、保険金によってローン残高が弁済される生命保険のことをいいます。

契約者に万が一のことがあっても貸付金を回収できるよう、生命保険の保険期間内に完済するよう求めているのです。

住宅ローンの審査に信用情報が影響する

住宅ローンを利用するには金融機関の審査を受けなくてはなりませんが、このとき契約者の『信用情報』が審査に大きく影響します。

信用情報とは、信用情報機関に登録されている、クレジットカードやローン利用者の氏名、住所、年収や勤務先、他社での申し込みや借り入れ、返済状況といった情報のことです。

住宅ローンの審査の際には、信用情報機関で申込者の信用情報が照会され、返済能力があるのか、信用できる人物なのかが調査されます。そして、調査の結果、返済能力や信用力が低いと判断されると、審査に落ちることがあります。

過去に延滞等があると不利になる

信用情報を照会すると、他社のクレジットカードやローンの返済状況も調査できます。このとき、支払いを延滞している履歴があると、住宅ローンの審査で不利に働くこともあり注意が必要です。

特に、長期延滞や債務整理などの金融事故を起こした履歴があると、住宅ローンの審査に通過するのは非常にむずかしくなります。

延滞は継続中ずっと、解消からは5年間、金融事故は発生から5年間履歴が残るため、その間は審査に通過できない可能性が高いでしょう。

CICが保有する信用情報|信用情報について|指定信用情報機関のCIC

キャッシングは完済条件がつくこともある

住宅ローンの審査では、申込者の『総返済負担率』が算出されます。総返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合のことです。

住宅ローンの返済だけでなく、クレジットカードやその他ローンなど、すべての返済を合計して、以下の基準内に収まるかが目安とされています。

  • 年収400万未満:年収の30%以下
  • 年収400万以上:年収の35%以下

もし、審査の際にキャッシングなどを利用していて、住宅ローンの返済を合計すると総返済負担率を超える場合は、融資前に完済することを条件として審査に通過することがあります。

もし守れなかった場合は貸付不可になったり、融資額が減額されたりすることがあるので、条件はきちんと守るようにしましょう。

総返済負担率とは?総返済負担率の意味を調べる|不動産用語集【HOME'S】

住宅ローン完済までの実態

ここでは、住宅ローン完済までの平均年数や繰上返済期間など、住宅ローン完済に関するデータを紹介します。

完済までの平均年数

住宅金融支援機構の『18年度・民間住宅ローンの貸出動向調査結果』によると、住宅ローン完済までの平均年数は『15.2年』です。年数別の割合も見てみましょう。

完済までの年数 割合(%)
10年以下 25.9
15年以下 39.2
20年以下 13.3
25年以下 13.3
30年以下 8.4
35年以下

住宅金融支援機構「2018年度 民間住宅ローンの貸出動向調査結果」

平均繰り上げ返済期間

不動産情報サイト アットホームの調査によると、住宅ローンを繰り上げ返済した人は、住宅ローン利用者の約9割にも上ります。また当初の完済予定から短縮した期間は、平均11.2年でした。

「住宅ローン完済」の実態調査

繰り上げ返済をする理由

多くの人が住宅ローンを繰り上げ返済する理由は、繰り上げ返済によって利息額が下がり、総返済額が安くなるからです。

住宅ローンを利用した場合、借入額(元金)とは別に利息を支払わなくてはなりません。そして、利息額は毎月のローン残高によって決定されます。つまり、返済が早ければ早いほど支払う利息が少なくなるということです。

そのため、多くの人がボーナスなどで余裕が出たときに繰り上げ返済して、早期完済を目指しているのです。

住宅ローンを早期完済させるための秘訣

住宅ローンを早期完済するための秘訣は、『繰り上げ返済』か『借り換え』です。

  • 繰り上げ返済:ボーナスが出たときなどに、いつもの返済とは別に返済をして、もともとの予定よりも早く住宅ローンを減らすこと
  • 借り換え:今よりも金利が安い住宅ローンに乗り換えることで利息を減らし、総返済額を減らすこと

借り換えも住宅ローンの早期完済に役立つ方法ではありますが、他社で改めてさまざまな書類を準備して審査を受ける必要があるうえに、初回借入時と同様に手数料もかかります。ここでは、より利用者に負担が少ない『繰り上げ返済』について解説します。

繰り上げ返済で負担軽減

住宅ローンの毎月の返済額は、『元金返済分+利息分』で構成されています。利息額は毎月の元金の残高によって決まるため、繰り上げ返済で元金が減ると利息額も下がります。すると、総返済額が下がって、返済の負担が軽減できるのです。

なお、住宅ローンには、『ボーナス払い』という返済方法があります。これは、通常の返済額を抑える代わりに、ボーナス時に多く返済するという返済方法であり、繰り上げ返済とは異なるので注意しましょう。

繰り上げ返済は早めに行おう

住宅ローンは、できるだけ早めに繰り上げ返済するのがおすすめです。利息の金額を示す金利には、『変動金利』と『固定金利』の2種類があります。

  • 変動金利:経済情勢などによって、金利が上がったり下がったりする金利タイプ。金利は半年ごとに見直されるが、返済額は5年ごとに変更されるのが一般的。
  • 固定金利:契約当初に設定された金利から変更がない金利タイプ。さらに最後まで金利の見直しがない「全期間固定金利型」と、一定の固定金利期間後に金利タイプを再選択できる「固定金利期間選択型」に分けられる。

多くの金融機関で変動金利の方が利率が低く設定されているため、契約時に変動金利を選択した人も多いでしょう。

しかし、現在(19年時点)日本は超低金利の状態が続いていますが、いずれ景気が回復する可能性があります。そのとき、変動金利では大幅に金利が引き上げられ、返済の負担が重くなるリスクがあるのです。

金利が低い今のうちに早めに繰り上げ返済しておけば、そのようなリスクを防げるでしょう。

完済した人のブログを参考にする

早期完済を目指す際には、すでに住宅ローンを完済した人のブログなどを参考にするのもよいでしょう。

金融機関のホームページなどではわからない、具体的な繰り上げ返済の方法やタイミングなど、役立つ知識が得られることがあります。

このとき、なるべく生活環境や家族構成などが自分に近い人のブログを選ぶことが重要です。あまりに特殊な方法で住宅ローンを完済している人は、まねできない可能性が高く、そもそも虚偽の情報の可能性もあるため、あまり参考にしない方がよいでしょう。

繰り上げ返済の種類

繰り上げ返済には、『期間短縮型』と『返済額軽減型』の2種類があります。早期完済のためには、どちらを選ぶとよいのでしょうか。

期間短縮型繰り上げ返済

期間短縮型繰り上げ返済とは、繰り上げ返済した分、返済期間を短縮する方法です。早期完済を目指している場合は、こちらを選択しましょう。

返済額軽減型繰り上げ返済

返済額軽減型繰り上げ返済とは、繰り上げ返済した分、毎月の返済額を減額する方法です。普段の返済の負担は軽減できるものの、返済期間は変わらないので早期完済には役立ちません。

繰り上げ返済の注意点

住宅ローンをお得にするための繰り上げ返済ですが、いくつか注意点もあります。

住宅ローン控除との兼ね合いに注意

『住宅ローン控除』を受けている人は、繰り上げ返済によって控除額が減るので注意が必要です。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを使って住宅を新築したり購入したりした人が、一定額を所得税額から差し引いて、税負担を軽減できる制度のことです。

住宅ローン控除の控除額は、『年末の住宅ローン残高の1%』と定められています。よって、繰り上げ返済でローン残高が減ると、住宅ローン控除の控除額も減ってしまうのです。

繰り上げ返済する前に、繰り上げ返済するのと住宅ローン控除を受けるのでは、どちらがよりお得になるのかをシミュレーションしてみることが大切です。

No.1213 住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

生活に支障が出ないようにする

繰り上げ返済するほど総返済額が安くなるので、できる限り早く繰り上げ返済したいところですが、生活に支障が出ないようすることも重要です。

まとまった資金が必要になるタイミングは、住宅の購入だけではありません。子どもの教育費や自動車の購入費、老後の資金なども必要です。

また万が一、世帯主が病気になったり、死亡したりした場合のため、当面の生活費や治療費を確保しておく必要もあるでしょう。いつどのような資金が必要になるのかを考え、計画的に繰り上げ返済を行ってください。

手数料を把握する

住宅ローンの繰り上げ返済には、手数料がかかることがあります。数万円かかる金融機関もあり、一部繰り上げ返済と全額繰り上げ返済で金額が異なる場合もあるので、事前に手数料がいくらになるのか把握しておきましょう。

なお、ネット経由で送金すると、繰り上げ返済手数料が無料になる金融機関が多くあります。できれば、ネット経由で送金できるよう準備しておきましょう。

住宅ローン 繰上返済 : 三井住友銀行

一括返済は避けた方がよい

退職金で住宅ローンの残高を一括返済することを検討している人もいますが、退職金での一括返済は避けた方がよいでしょう。

医療の進歩などにより、日本人の平均寿命は昔に比べて延びています。一方、老後の生活を補助する年金は、支給開始年齢が引き上げられたり、支給額が引き下げられたりと、長い老後の支えとするには不安があるのです。

また、会社の業績が定年まで安定しているとは限らず、万一業績が下がったり、倒産したりすれば退職金自体がなくなる恐れもあります。

退職金をあてにするのではなく、定年までに完済できるような返済計画を立てることが重要です。

<平均寿命の推移>
平成 29 年度の年金額改定についてお知らせします

住宅ローン完済時の手続き

住宅ローンの契約時には、住宅に『抵当権』が設定されるのが一般的です。抵当権とは、住宅ローン利用者が返済不能状態になった場合に、金融機関が住宅を売却して、貸付金の弁済を受ける権利のことです。

抵当権が設定されると、不動産登記簿謄本(ふどうさんとうきぼとうほん※1)に、金融機関が抵当権者(※2)である旨が記録されます。

この記録は、住宅ローン完済後に、住宅ローン利用者が所定の手続きによって抹消するまで、不動産登記簿謄本に残り続けます。

抵当権の抹消手続きをし忘れると、リフォームのために新たに住宅ローンを組みたい、住宅を売却したいといったときに不利になるので、しっかり手続きしておきましょう。

(※1.不動産登記簿謄本とは、不動産の権利関係について記録されている不動産登記簿の写しのことです)

(※2.抵当権者とは、抵当権を設定することで利益が得られる側のことです)

抵当権の抵当権抹消登記を行う

住宅に設定されている抵当権を抹消するには、『抵当権抹消登記』を行う必要があります。『登記』とは、ある事柄について公の帳簿に記録し、一般に公開することです。抵当権抹消登記は、以下の流れで行います。

  1. 住宅ローン完済時に金融機関から書類が届く
  2. 登記申請書を作成する
  3. 金融機関から届いた書類と登記申請書を併せて法務局に提出する
  4. 内容に不備がなければ登記完了

なお、抵当権抹消登記には、以下のような費用がかかります。

  • 登録免許税:土地や建物1件につき1,000円
  • 登記事項証明書の取得費用:600円

登録免許税について、土地・建物それぞれに抵当権が設定されている場合には、2,000円(2件分)の登録免許税がかかります。

また敷地が分筆されていたり、道路部分などの持分にも抵当権が設定されている場合は、それぞれ1,000円ずつ必要になる点に注意してください。

登記事項証明書とは、不動産登記簿をデータ化して専用用紙に印刷したものです。抵当権が確実に抹消されたかどうかを確認するために取得します。

書面請求では600円かかりますが、オンラインでの請求・送付なら500円、オンライン請求し窓口交付にすれば480円で受け取ることが出来ます。

融資金を完済されたとき(抵当権抹消手続きについて):住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)

自分で手続きが可能

抵当権設定登記は、高額な融資の手続きで誤りが発生しないよう、金融機関が指定した司法書士に委託するのが基本です。しかし、抵当権抹消登記に関しては、自分で手続きできます。

抵当権抹消登記を司法書士に依頼すると、5,000円~1万円程度の司法書士報酬が発生するので、費用を節約したい人は自分で手続きを済ませるとよいでしょう。

ただし、登記申請書にはさまざまな内容を記入する必要があり、誤りがあると受け付けてもらえません。

また、その他の提出書類を準備したり、法務局に書類を提出したりする手間や時間もかかります。その手間を省きたいという人は、司法書士に依頼するのがおすすめです。

完済後3カ月以内に手続きをする

抵当権抹消登記の手続きには、とくに期限はありません。ただし、金融機関から届く書類の有効期限が3カ月であるため、住宅ローン完済後3カ月以内に手続きを済ませた方がよいでしょう。

もし有効期限が切れてしまうと、金融機関に再発行してもらわなくてはならず、余計な手間がかかります。

火災保険の質権消滅手続き

住宅ローン契約時に、火災保険に質権が設定された場合は、完済後に質権抹消手続きも済ませなくてはなりません。

質権とは、抵当権が設定されている住宅が火災に遭った場合に、金融機関が優先的に火災保険金を受け取る権利のことをいいます。

抵当権を設定している住宅が焼失すると、住宅を売却して弁済にあてるということができなくなるため、返済が滞ったときの万が一の保証として火災保険に質権を設定するのです。

質権の設定期間中は火災保険の保険証券が金融機関に保管されるので、住宅ローン完済後には質権抹消手続きをし、保険証券を返却してもらいましょう。

まとめ

住宅ローンを早期完済すると、利息が減って総返済額が軽減できます。住宅ローン控除との兼ね合いなどを考慮しつつ、できるだけ早い完済を目指しましょう。

また、完済後には抵当権や火災保険の質権抹消手続きが必要です。抹消手続きをせずにいると、新たなローンの借り入れ時などに不利に働くことがあるので、忘れないように十分注意してください。

この記事の監修者

元銀行員ライター
慶應義塾大学出身。FP2級の資格を保有。新卒で大手銀行に入行し、支店で個人向けローン営業を経験。2018年まで、本社にてクレジットカードの商品企画や広告宣伝を担当した。専業主婦となった現在、家事の傍ら金融情報サイトでライターとしても活躍中。

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