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住宅ローンの返済は早い方がよい?繰上返済について理解しよう

住宅ローンの返済中に資金の余裕ができたときには、繰上返済をするのも一つの方法です。本記事では、住宅ローンの基本事項、特に繰上返済について詳しく解説します。繰上返済もメリットおよびデメリットも、併せて見ていきましょう。

この記事の目次

住宅ローンはみんなどう組んでいる?

『住宅ローン』とは、住宅を建築したり、新築および中古の戸建て・マンションを購入したりする費用として、住宅を担保(※)に金融機関から借り入れるローンです。

住宅ローンの融資にあたっては、債務者の返済能力や物件の価値が審査されます。よって原則として、債務者の返済能力以上の融資が行われることはありません。

ここでは、一般的な住宅ローン契約の一例として、返済額や返済期間の平均を見てみましょう。

(※担保とは、ローンを借りる人が返済できなくなった場合に、ローンを貸した人に返済の原資として提供されるものです)

報道発表資料:マンション購入者は「立地環境」の選好が強まっています~平成30年度住宅市場動向調査の結果をとりまとめ~ - 国土交通省

月々の返済額の平均

住宅ローンの返済額の平均を、購入する住宅の種類別に下表にまとめます。

住宅の種類 平均返済額(年:円) 平均返済額(月:円)
注文住宅 116万5000 9万6666
分譲戸建て 116万7000 9万7250
分譲マンション 130万9000 10万9083
中古戸建て 115万3000 9万6083
中古マンション 104万3000 8万6916

返済期間の平均

返済期間の平均は、下表のとおりです。

住宅の種類 平均返済期間(年)
新築住宅 建物 31.6
土地 33.7
分譲戸建て 33.3
分譲マンション 33.7
中古戸建て 27.3
中古マンション 28.5

返済シミュレーションしてみよう

購入を希望する物件が決まったら、返済シミュレーションをしてみましょう。月々の返済額や返済総額、返済期間を試算できます。返済シミュレーションには、以下を利用しましょう。

  • 金融機関窓口
  • 金融機関ホームページ

返済シミュレーションと併せて、住宅ローンの具体的な商品内容や借入条件などを相談したい人は、金融機関の窓口に相談するとよいでしょう。

時間や場所を選ばず、手軽にシミュレーションをしたい人は、金融機関ホームページが便利です。

住宅ローンの返済方法

住宅ローンの返済方法には、『元利均等返済』と『元金均等返済』があります。どちらを選ぶかにより、毎月の返済額や返済総額に差が出てきます。それぞれの特徴を知り、自分に合った方法を選びましょう。

元金均等返済と元利均等返済の違いは何ですか。:よくある質問:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

元利均等返済

『元利均等返済』とは、毎月の返済額が変わらない返済方法です。返済当初は元金よりも利息を多く返済し、返済が進むにつれて元金の返済額が増えます。

元利均等返済のメリットおよびデメリットは、下表のとおりです。

メリット デメリット
詳細 ・返済額が一定のため、返済計画を立てやすい
・元金均等返済に比べ、返済当初の返済額が少ない
・元金均等返済に比べ、返済総額が大きくなる

毎月の返済額が一定であり、将来に渡って家計管理がしやすいというメリットがあるため、一般的には元利均等返済を選択する人が多いです。

ただし返済当初は利息部分が返済額の多くを占め、元金部分の返済ペースは遅くなります。そのため元金均等返済と比べて、返済総額が多くなってしまう点に注意が必要です。

毎月の家計の負担をできるだけ抑えて住宅ローンの返済をしたい人や、将来の資金計画をきちんと立てたい人は、元利均等返済を選ぶとよいでしょう。

元金均等返済

『元金均等返済』は、毎月一定額の元金を返済する方法です。元金の残高に応じて利息を計算し返済額が決定するため、返済当初は毎月の返済額が大きく、返済が進むにつれて返済額が減っていきます。

元金均等返済のメリットおよびデメリットは、下表のとおりです。

メリット デメリット
詳細 ・元金を効率的に返済できる
・元利均等返済に比べ、返済総額が少ない
・返済当初の返済額が、元利均等返済に比べ大きい
・元利均等返済よりも、収入の審査が厳しくなることがある

返済開始から多くの元金を返済し、できるだけ返済総額を少なくしたい人は、元金均等返済がおすすめです。

ただし元金均等返済を選ぶと、返済総額が少なく済む反面、最初のうちの返済額が高くなってしまいます。

なお保証会社は、1回目の返済額を基準に審査を行います。そのため元金均等返済を選ぶと、元利均等返済の場合よりも審査が厳しくなりやすく、融資可能額が下がるおそれがあります。

また金融機関によっては、元金均等返済に対応していない場合があるので、事前に確認しておきましょう。

返済比率が重要

住宅ローンは、借入額が大きく借入期間が長いという特徴があります。そのため、借入額を最後まで返済できる金額に抑えることが重要です。

返済を無理なく続けられる借入額かどうかの確認には、一般的に『返済比率』が用いられます。ここでは、返済比率の基本事項および計算方法を解説します。

いくらまで借りられる? : 三井住友銀行

返済比率とは?

返済比率とは、年収に対し1年間の住宅ローン返済額が占める割です。

返済比率から、希望している借入金額が適正かどうか、また自分に合った住宅ローンの借入額はいくらかを確認する事ができます。

さらに返済比率を活用すれば、年間返済額の目安も計算できます。例えば、年収600万円の人の返済比率別の年間返済額は、下表のとおりです。

返済比率 年間返済額(円)
30% 180万(600万×30%)
35% 210万(600万円×35%)

返済比率の計算方法

返済比率は、以下の式で求めます。

  • 返済比率(%)=年間返済額÷年収×100

年間返済額とは、ローン返済のために1年間に支払う総額を指し、元金部分と利息部分を合せた金額になります。

例えば年収500万円の人が、年間返済額150万円の住宅ローンを借り入れた場合、返済比率は30%(150万円÷500万円×100)と計算できます。

年間返済額は、金利の上昇により増加する可能性があるため、多めの金額で計算すると安心です。

また、年間返済額には住宅ローンに加えて、自動車ローンやキャッシング、クレジットカードの分割払い・リボルビング払いなどの残高も含みます。住宅ローン以外に借り入れがある人は、年間返済額に合算しましょう。

上限は30%から35%とされる

住宅ローン審査において、返済比率は重要なポイントです。

安全な借入額とされる返済比率の上限は、一般的に30~35%といわれます。

細かな基準は金融機関や住宅ローンの種類によって異なりますが、35%を超えると、住宅ローン審査に通るのは厳しくなります。

適切な返済比率とは

一般的に、滞納せずスムーズに完済するための適正な返済比率は、30%以内と考えられています。

住宅ローンの借入額を決める際には、以下の点も考慮しましょう。

  • 自己資金(頭金)はいくら準備できるか
  • 購入後の維持費はどのくらいか
  • 住宅ローンの返済以外に必要な出費があるか

住宅購入後に必要な維持費は、管理費や修繕費・固定資産税(※)などです。これらの費用は、住宅を保有しているあいだ、毎月もしくは毎年支払う必要があります。

そのほか、ローンの返済中に子どもの学費などが必要な人は、将来の資金計画を踏まえた上で、借入額を考えなければなりません。債務者の状況によっては、適正な返済比率が30%よりも少なくなる可能性もあります。

(※固定資産税とは、 土地や家屋(住宅・店舗・工場・事務所など)・償却資産を所有する人に課される税金です。毎年1月1日に不動産を保有する人が、納税者となります)

繰上返済とは

『繰上返済』とは、返済中の住宅ローンの全部もしくは一部を、毎月の返済額に加えて支払うことです。

ここからは、繰上返済について詳しく解説します。まずは、繰上返済の種類や手数料などを見ていきましょう。

繰上返済 | はじめての住宅ローン | 住信SBIネット銀行

繰上返済の種類

繰上返済には、以下の種類があります。

  • 返済期間短縮型
  • 返済額軽減型

『返済期間短縮型』は、毎月の返済額はそのままで、返済期間を短くする繰上返済です。早く返済を終えることができ、短縮された期間中に支払う予定だった利息を軽減する効果があります。

一方、『返済額軽減型』では、返済期間は変わりませんが、毎月の返済額が少なくなります。月々の家計への負担を軽くすることができ、金利上昇による返済額の増加などへの備えとして効果的です。

同時点で同額の繰上返済をした場合、返済額軽減型よりも返済期間短縮型の方が、返済総額を多く軽減できます。

手数料に注意

繰上返済をするにあたっては、手数料に注意が必要です。手数料額は、以下により差が出ます。

  • どの金融機関か
  • 一部繰上返済か全額繰上返済か
  • どの方法で繰上返済を申し込むか

一般的に、店舗型の銀行よりもネット銀行(※)の方が手数料は低めです。また、一部繰上返済よりも全額繰上返済の方が、手数料額が高く設定されます。

繰上返済の手続き方法は、窓口や電話・インターネットなどです。窓口や電話では手数料がかかる金融機関でも、インターネット手続きは無料の場合があるため、手続き前に確認しましょう。

(※ネット銀行とは、店舗や窓口を持たず、インターネットを通じた取引を行う銀行です。店舗維持費や人件費を抑えられるぶん、手数料が安い特徴があります)

返済予定表を確認しよう

返済予定表とは、今後の返済予定が記載された一覧表で、通常ローンの借入時に発行されます。返済予定表の一例は、以下のとおりです。

返済予定表

出典:返済予定表の見方がわかりません。どのように見ればいいのでしょうか:けいしん(兵庫県警察信用組合)

返済予定表には、借り入れたローンの条件および、今後の返済予定が記載されます。具体的な記載内容を、下表にまとめます。

記載項目
借入条件 ・借入金額
・借入日
・借入期間
・借入利率
返済予定 ・返済日
・返済回数
・返済額
・返済残高

返済途中で借入条件や返済予定が分からなくなってしまった場合でも、返済予定表による確認が可能です。

繰上返済もシミュレーションできる

返済予定表を活用すれば、繰上返済のシミュレーションもできます。下表に、シミュレーションの一例を紹介します。

返済回数 返済日 返済額(毎月10万円) 借入残高(円)
元金(円) 利息(円)
1 4月1日 8万 2万 3000万
2 5月1日 8万 2万 2992万
3 6月1日 8万 2万 2984万
4 7月1日 8万 2万 2976万
5 8月1日 8万 2万 2968万

例えば、第1回の返済が終わった住宅ローンを、32万円繰上返済したとしましょう。この場合、4回分の元金と同じ分が返済されるため、8万円(2万円×4回)分の利息の支払いが減り、ローン残高は3000万円から2968万円に減ります。

繰上返済のメリットとデメリット

繰上返済をすると、ローンの返済計画に変更が生じます。繰上返済をする際は、メリットおよびデメリットを事前に確認しておくことが重要です

メリット

繰上返済をするメリットは、以下のとおりです。

  • ローンの完済を早められる
  • 毎月の家計の負担を減らせる
  • 利息の支払い総額を減らせる

上でも解説しましたが、返済期間短縮型で繰上返済をした場合、当初の予定よりも早くローンを完済できます。これにより、定年退職などで収入が減少する前のローンの完済も目指せます。

また、繰上返済した分は元金返済にあてられるため、元金に対してかかるはずの利息を減らせるのも、メリットの一つです。

デメリット

繰上返済によるデメリットには、以下があります。

  • 手持ちのお金が減る
  • 住宅ローン控除(※)を受けられなくなる可能性がある

繰上返済をするには、ある程度のまとまった金額を用意しなければなりません。繰上返済をするにあたっては、子どもの教育費や老後の資金など、資金計画を併せて行うことが大切です。

また、住宅ローンの借入期間中は、住宅ローン控除を受けられる場合があります。繰上返済によりローンの借入期間が短縮した場合、控除を受けられなくなる可能性は知っておきましょう。

(※住宅ローン控除とは、住宅の取得や一定の増改築・ リフォーム工事をして、10年以上のローンを組んだ場合に、所得税が控除される制度です)

繰上返済を考える時期

繰上返済を効果的に行うには、タイミングをよく検討することが大切です。繰上返済のタイミングを考えるポイントには、以下があります。

  • 住宅ローン控除の適用はいつまでか
  • 現在の借入金利や、今後の金利の動向

繰上返済では支払った全額が元金部分に充当されるため、繰上返済のタイミングが早ければ早いほど、効果的に利息を軽減できます。

ただし変動金利型のローンでは、繰上返済を行った時点の金利で返済額が再計算されてしまいます。金利の上昇局面で繰上返済を行うと、月々の返済額が増えるおそれがあるので要注意です。

繰上返済はした方がよいの?

住宅ローンを借り入れている状況によっては、繰上返済をしない方がよいケースも考えられます。ここでは、繰上返済をするかどうかの判断の仕方を、ケース別に見ていきましょう。

住宅ローン控除と比較

住宅ローン控除の適用を受けている間に繰上返済をする際は、以下の二つの効果を比較します。

  • 繰上返済により減らせる利息の金額
  • 住宅ローン控除で受けられる控除額

繰上返済の効果が大きくなるのは、借り入れから早い時期に行った場合です。その場合、住宅ローン控除の適用期間中であることも考えられるでしょう。

借り入れから早い段階で繰上返済をした場合と、住宅ローン控除が終了した後に繰上返済した場合の効果をシミュレーションし、繰上返済をするかどうかを検討することが大切です。

Q. 住宅ローン減税と繰上返済、どちらを優先させた方がいいですか? | 住宅購入 | 一般社団法人 全国銀行協会

繰上返済資金での資産運用も考える

低い金利で住宅ローンを借り入れていると、繰上返済をしても大きな効果を得られない場合があります。その場合は、繰上返済の資金で資産運用を行い資産の増加を目指すのも、選択肢の一つです。

資産運用には、預貯金のほか以下の金融商品もあります。

  • 債券
  • 投資信託
  • 株式

金融商品は、選んだ商品によってリスクやリターンが異なります。資産運用の経験やリスク許容度などにより、自分に合った運用方法を選ぶとよいでしょう。

繰上返済や資産運用について、自分一人で検討するのが難しい人は、金融機関の窓口やFP(エフピー※)にも相談ができます。

(※FP(ファイナンシャルプランナー)とは、将来に向けた資金計画を立ててくれる、家計の専門家です。住宅ローンだけでなく、資産運用や税金・年金など幅広く相談できます)

返済中に状況が変わったらどうする?

住宅ローンは、返済期間が30年以上の長期に渡ることも少なくありません。返済中に債務者の状況が変わった場合は、いくつかの手続きが必要です。

転職した場合

住宅ローンの返済中に転職をしたときには、借り入れている金融機関に報告をします。転職をしたことにより融資の内容が見直されることはありませんが、債務者として正しい勤務先を伝えておくことは重要です。

また、転職により年収が減る可能性がある場合は、金融機関窓口で相談しましょう。毎月の返済額を減らし、返済期間を延ばすなどの対応を受けられることがあります。

転勤した場合

住宅ローンの返済中に転勤が決まったときには、ローンを借り入れている金融機関で相談しましょう。住宅ローンは原則として、債務者がその物件に居住することを条件に貸し出されます。

よって、債務者がローンの対象となる物件に居住できなくなる場合には、金融機関へ速やかに報告しなければなりません。

なお、住宅ローンの返済中に転勤が決まった場合には、以下のケースが考えられます。

  • 債務者が単身赴任をし、家族は住宅に住み続ける
  • 住宅を売却し、家族で引っ越す
  • 家族で引っ越すが、住宅は売却しない

債務者や家族が住宅に居住しなくなる場合は、住宅ローンの一括返済や住宅ローン以外のローンへの借り換えを求められることがあります。

場合によっては賃貸が認められる

借り入れている住宅ローンによっては、住宅ローンを組んだまま、融資の対象となっている物件を賃貸することも可能です。

例えば、フラット35(※)では、転勤などのやむを得ない事情で一時的に居住できない場合に、融資住宅に戻ることを前提としての賃貸が認められます。

住宅を賃貸する場合には、ローンを借り入れた金融機関で所定の手続きをしなければなりません。転勤などにより、自宅の賃貸を考えている人は、速やかに金融機関に相談することが重要です。

(※フラット35は、取り扱い先の民間金融機関と住宅金融支援機構が提供している、長期固定金利の住宅ローンです)

返済中に融資住宅を賃貸にしてもいいですか。:よくある質問:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)

まとめ

住宅ローンの返済中に資金の余裕ができた場合には、毎月の返済に加えて繰上返済ができます。

繰上返済は、住宅ローン控除や借入金利を考慮し、適正なタイミングで行うことが重要です。自分でタイミングを決めるのが難しい人は、金融機関に相談するとよいでしょう。

この記事の監修者

元銀行員ライター
慶應義塾大学出身。FP2級の資格を保有。新卒で大手銀行に入行し、支店で個人向けローン営業を経験。2018年まで、本社にてクレジットカードの商品企画や広告宣伝を担当した。専業主婦となった現在、家事の傍ら金融情報サイトでライターとしても活躍中。

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