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住宅ローンを滞納したらどうなる?流れや対処法をやさしく解説

住宅ローンの返済が滞った場合、どのような措置がとられるのでしょうか。本記事では、住宅ローン滞納時に考えられる措置を、滞納からの経過日数別に詳しく解説します。返済が難しくなったときの対処方法も、併せて見ていきましょう。

この記事の目次

住宅ローン破たんの現状を知る

『住宅ローン』とは、住宅を建築したり、新築や中古の一戸建ておよびマンションを購入したりするために借り入れる資金です。住宅ローンは、銀行やJA(ジェイエー:農協※)・信用金庫などの金融機関から貸し出されます。

一般的に住宅ローンは、借入額が大きく返済期間が長いため、借入時には債務者の返済能力を確認する以下の審査が行われます。

  • 収入
  • 勤務先
  • 年齢や健康状態
  • 住宅ローン以外の借り入れの有無および金額

この審査により、通常は返済能力以上の住宅ローンが貸し出されることはありません。しかし、借入後に債務者の収入などが変化した場合には、予定していた返済ができなくなるケースもあります。

ここではまず、住宅ローンの滞納に関する基本情報を見ていきましょう。

(※農協とは、相互扶助の精神のもと、農家の営農と生活を守り高めるために組織された協同組合です。 生産資材・生活資材の共同購入や農畜産物の共同販売・貯金やローン・共同利用施設の設置などを行っています)

滞納の割合や滞納率

貸し出された住宅ローンのうち、返済が滞っているのはどのくらいなのでしょう。住宅金融支援機構(※)が2005年以降に貸し出した住宅ローンを例に見てみます。

住宅金融支援機構が貸し出したローンにおける、17年時点での滞納状況は、下表のとおりです。

項目 金額(円)
貸出元金残高 14兆7979億
破たん先債権額 122億
延滞債権額 362億
3カ月以上延滞債権額 153億

住宅金融支援機構が貸し出した元金残高に対して、破たんしているもしくは延滞している債権額の割合は、0.43%((122億+362億+153億)÷14兆7979億×100)と計算されます。

(※住宅金融支援機構は、国土交通省と財務省が所管する独立行政法人で、旧住宅金融公庫の業務を引き継いで行っています)

平成30年度ディスクロージャー誌:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)

破たん経験者のブログを参考にする

住宅ローンの延滞や破たんに繋がる具体的なケースを知りたい人は、経験者によるブログを参考にしてもよいでしょう。なお、住宅ローンを滞納する原因の一例としては、以下のものが挙げられます。

  • 借入後に収入が減少した
  • 予定よりも子どもの教育費がかさんだ
  • 金利が上昇し、返済額が増えた

住宅ローンが払えないとき

次に、住宅ローンの支払いができなくなったときに、債務者がしなければならないことを解説します。

滞納する前に金融機関へ相談する

住宅ローンの支払が難しいときには、借り入れている金融機関に速やかに相談することが大切です。相談した場合、状況によっては以下の措置が認められます。

  • 毎月の返済額の減額
  • 一定期間の返済の猶予
  • ボーナス払い分の金額変更

何らかの理由で一定期間のみの返済が難しいと認められると、その期間のローンの返済猶予を受けられる可能性があります。

そのほか、毎月の返済額やボーナス返済額を減らすのも、対処方法の一つです。この場合、返済期間は借入当初の予定よりも長くなります。

滞納を放置し続けると競売に

金融機関に何の連絡もせず滞納し続けると、担保(※)となっている物件が、競売にかけられます。競売とは、裁判所の権限で強制的に住宅を売却する手続きです。

競売による売却価格は、裁判所が決めた最低価格から、オークション形式で決まります。一般的な売却よりも、2~3割程度低い売却価格となることがほとんどです。

(※担保とは、ローンを借りる人が返済できなくなった場合に、ローンを貸した人に返済の原資として提供されるものです)

滞納から競売までの流れ

住宅ローンの滞納を続けると、最終的には物件が競売にかけられます。ただし、滞納後すぐに競売手続きが始まるわけではありません。

競売による売却を避けるには、滞納後にとられる手続きを知り、早めに対処することが重要です。

滞納後1カ月程度で督促状が届く

住宅ローン滞納から1カ月程度経過すると、住宅ローンを借り入れた金融機関から、督促状が郵送されます。督促状は、滞納からあまり日数がたっていない段階で、支払いを促す目的で送られる書類です。

督促状に記載される主な内容は、以下のとおりです。

  • 住宅ローンの滞納期間
  • 滞納金額
  • 延滞金額
  • 支払方法

督促状が送られたにもかかわらず、住宅ローンの返済をしなかった場合、催告書が送られます。催告書は、督促状よりも重い意味を持ちます。

催告書を受け取ってからも滞納し続けると、法的手段(差し押さえや競売など)を取られる可能性があることは、知っておきましょう。

滞納後3カ月程度で代位弁済予告の通知

督促状や催告書が送られても、住宅ローンが返済されなかった場合、代位弁済予告の通知が送られます。これは、このままローンが返済されない場合、代位弁済が行われることを知らせる書類です。

代位弁済とは、保証会社(※)が債務者に代わって、住宅ローンを全額返済することです。代位弁済がされると、債務者は保証会社に対しローンの支払い義務を負うこととなります。

(※保証会社とは、ローンの延滞時に債務者に代わってローンを一括返済する会社です。債務者に対するローンの返済要求も行います。保証料は、住宅ローンの借入時に一括もしくは、月々の返済と併せて支払います)

期限の利益の喪失通知

滞納から6カ月程度経過すると、期限の利益の喪失通知が送られます。期限の利益とは、契約で定めた期限までは、ローンの返済を要求されない権利で、これにより住宅ローンは分割による返済が可能となります。

また、借入期間内に一括返済を求められることもありません。しかし、住宅ローンの滞納により期限の利益が喪失されると、残額を一括返済しなければならなくなります。

この、残額の一括返済を求める書類が、期限の利益喪失通知書です。

代位弁済通知

代位弁済通知は、予告されていた代位弁済が、手続きの段階に入ったことを知らせる通知です。

代位弁済後1カ月程度で競売

代位弁済後は、一括によりローンを返済しなければなりません。返済できない場合は、1カ月程度で物件が競売にかけられます。

競売を避けたい人は、一日でも早く債権者や専門家に今後の返済計画を相談することが肝心です。

期限の利益の喪失とは

住宅ローンでは、借入額が3000万円や4000万円といった、高額になることも少なくありません。高額な借入額を、一括ではなく分割で返済していく契約が、期限の利益です。

住宅ローンの返済が滞るということは、分割で返済していくという契約が守られなかったことになります。そのため、返済の滞納は、期限の利益の喪失に繋がるのです。

では、期限の利益の喪失となった場合、どのような事態になるのでしょう。

一括で住宅ローン残債を払う必要

期限の利益が喪失すると、分割で返済する権利を手放したことになります。そのため、期限の利益の喪失後は、一括でローンの残高を返済しなければなりません。

一括返済できない場合は、保証会社による代位弁済が行われます。

自宅を手放す覚悟が必要

住宅ローン滞納時の一括返済では、住宅ローンの元金および利息・延滞金の一括返済が必要です。借り入れからの経過年数や金利によっては、一括での返済額が数千万円になることもあります。

毎月の返済を滞納している人にとっては、住宅ローンを一括返済するのは、簡単ではないと考えられるでしょう。

一括返済の資金が用意できない場合、住宅の売却により取得した資金が、返済に充てられることとなります。

代位弁済通知とは

代位弁済通知が送られると、住宅ローンの借入人に代わって、保証会社が住宅ローンを一括返済する手続きをスタートさせます。しかし、代位弁済がされても、債務者の返済義務がなくなるわけではありません。

金融機関から保証会社へ債権が移動

代位弁済が行われ、保証会社が債権者(ローンを貸し出す人)になった場合、以下の点に変更が生じます。

  • 住宅ローンの金利が上がる
  • 一括での返済を求められる
  • 団体信用生命保険(※)がなくなる

保証会社の金利は、住宅ローンの借入時に適用された金利に比べ、高く設定されることがほとんどです。

また、団体信用生命保険がなくなるため、債務者が死亡もしくは高度障害状態になった場合でも、ローンを完済しなければならなくなります。

(※団体信用生命保険は、住宅ローンを組む人が被保険者(保険の対象者)、銀行が契約者および保険金受取人となり契約します。債務者の死亡・高度障害状態により保険金が支払われ、以後のローン返済が不要となります)

期限までに完済しないと競売になる

代位弁済がされると、決められた期限内に、保証会社に対するローンの一括返済が必要です。期限内に一括返済ができない場合は、物件が裁判所に差し押さえ(※)られ、競売にかけられます。

(※差し押さえとは、裁判所による決定の一つです。差し押さえられると、債務者の財産を拘束した上で、競売などその財産を換金する手続きを行い、債権を回収します)

競売よりも任意売却を

住宅ローンの一括返済資金を調達するために住宅を売却する方法は、以下の二つです。

  • 競売
  • 任意売却

『任意売却』とは、住宅ローンが払えなくなったときに、債権者との合意に基づいて家を売却する手続で、競売よりも高い値段での売却を目指せます。ここでは、競売と任意売却の違いを解説します。

競売は裁判所の強制措置

物件の差し押さえおよび競売は、裁判所が行う強制的な措置です。差し押さえの事実は登記簿謄本(※)に登記されるため、差し押さえ後に債務者が黙って物件を売却したり、措置を無視したりすることはできません。

(※登記簿謄本とは、土地・建物の所在・面積、所有者の住所・氏名、その物件の権利関係などが記載された、不動産登記簿の写しをいいます。交付が義務付けられているため、法務局(登記所)にて誰でも交付・閲覧が可能です)

任意売却で少しでも高く売却しよう

競売の開始が決定された後でも、実際に売却代金が納付される(開札期日(※)の前日)までは、債権者による申し立ての取り下げが可能な場合があります。

競売の申し立てを取り下げるには、以下のどちらかの要件を満たさなければなりません。

  • 住宅ローンの一括返済
  • 任意売却の成立

よって、一括返済をする資金がない人は、任意売却の成立を目指すことになります。任意売却を進めるには、以下の交渉や手続きが必要です。自分での手続きが難しい人は、専門家に相談しましょう。

  • 競売申立の取り下げの交渉
  • 任意売却における条件の交渉
  • 裁判所での手続き
  • 任意売却後の返済方法の交渉

(※開札期日とは、入札書を開封して1番高く買ってくれる買受希望者を決定する日です。開札期日には落札者が決定し、代金が納入されます)

競売と任意売却の違い

裁判所の強制措置である競売は、市場価格よりも安い金額で売却されることが一般的です。また、売却のスケジュールなどにおいて、債務者の希望が通ることは、ほとんどありません。

一方、任意売却には、以下のメリットがあります。

  • 市場価格に近い値段での売却を目指せる
  • 引き渡しの時期や条件を相談できる
  • 引っ越し代金などの費用を確保できる

よって、競売よりも任意売却の方が、債務者にとってよい条件で物件を売却できると考えられるでしょう。

任意売却をしても借金が残るとき

住宅ローンの返済額には、元金だけでなく金利も含まれます。そのため、任意売却をした時期や売却価格によっては、住宅ローンを完済できないケースがあります。

任意売却をしても住宅ローンを完済できなかった場合は、債権者と今後の返済計画についてよく話し合うことが重要です。

給料を差し押さえられることも

住宅ローンの滞納が続くと、債権者は裁判所に対し、強制的な給料差し押さえの申し立てをします。給与が差し押さえられると、給与の手取りが減るだけでなく、滞納している事実が勤務先に知られる点には、注意が必要です。

差し押さえられる金額は給与の手取り額によって、以下のように定められています。

  • 手取り月額が44万円以下:手取り額の1/4まで
  • 手取り月額が44万円を超える:手取り額から33万円を引いた額まで

なお、場合によっては、裁判所は差押禁止債権の範囲の変更が可能です。変更されるケースには、以下があります。

  • 債務者の申し立てにより、差押禁止債権の範囲を広げる
  • 債権者の申し立てにより、差押禁止債権の部分の差押命令を発する

e-Gov法令検索

債務整理を行う

債務整理とは、ローンの返済が立ち行かなくなった場合の、法的手続きの一つです。債務整理を行うと、以下の効果を得られます。

  • 住宅ローン残高の減額
  • 住宅ローンの返済の免責

債務整理には、任意整理および個人再生・自己破産があります。それぞれの条件や効果には違いがあるため、債務者にあった方法を選ぶことが重要です。

債務者自身による債務整理の手続きが難しい場合は、弁護士や司法書士・専門業者といった専門家に相談しましょう。

任意整理と個人再生

任意整理では、債権者と債務者の交渉により新たなローン契約を結び、返済額の減額を目指します。個人再生では、裁判所を介し、ローンの残高を大幅に減少させます。それぞれの特徴は、下表のとおりです。

任意整理 個人再生
効果 交渉により減額
(多くの場合、利息が免除)
借金総額の1/5または100万円に減額
条件 継続的な収入がある ・住宅ローン以外の債務の合計が5000万円以下
・継続的な収入および、具体的な返済計画がある
メリット 手続きが簡単 ローンを大幅に減らせる
デメリット 減額できる金額が少ない 官報(※)に載る

任意整理は裁判所を通さないため、第三者に知られずに債務整理ができます。個人再生で減額した後のローンは、原則として3年で完済しましょう。

(※官報とは、法律・政令等の制定・改正の情報や、破産・相続等の裁判内容が掲載される国の刊行物です。誰でも閲覧できますが、閲覧には購読料がかかります)

最終手段は自己破産

自己破産は、裁判所に申請が認められることで、税金の滞納以外の借金がすべて免責される制度です。自己破産の基本事項は、下表のとおりです。

詳細
条件 ・無職(今後の就職も難しい)
・債務超過(※)している
・価値のある財産がない
メリット ローンの返済がなくなる
デメリット ・自己破産から7年間は、新たな借り入れができない
・連帯保証人の返済義務はなくならない

自己破産をするにあたっては、20万円を超えるすべての財産が差し押さえられ、現金化されたうえでローンの返済に充てられます。よって、自己破産をするためには、保有する財産のほとんどを失う点は知っておきましょう。

(※債務超過とは、借り入れている借金の額が、保有する財産よりも多い状態をいいます)

まとめ

住宅ローンを滞納すると、返済を促す督促状や催告書が届きます。住宅ローンの返済が難しいときには、そのままにせず、債権者に速やかに相談しましょう。

督促状や催告書を受け取ったにもかかわらず返済が行われなかった場合、最終的に住宅が差し押さえられる可能性があります。

住宅ローンを返済できない人には、債務整理などの選択肢もあるため、司法書士・弁護士・専門業者などに相談してはいかがでしょうか。

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