住宅ローンの借り換えとは
住宅ローンの借り換えとは、今返済中の住宅ローンから、他社の住宅ローンに変更することです。借り換えは、以下の流れで進めます。
- 希望の金融機関に住宅ローンの借り換えを申し込む
- 仮審査が行われる
- 仮審査に通ったら本審査が行われる
- 本審査に通ったら、返済中の金融機関にローン残高の一括返済を申し込む
- 新たな金融機関と契約を結ぶ
- 新たな金融機関から融資金が振り込まれる
- 振り込まれた融資金を使って、それまでの金融機関のローン残高を一括返済する
- それまでの金融機関で設定されている抵当権(※)を抹消し、新たな金融機関で抵当権を設定する
(※抵当権とは、ローンの返済ができなくなった場合に担保となるものを売却し、その利益でローン残高を弁済する権利のことをいいます)
借り換えのメリットや時期
住宅ローンの借り換えのメリットは、利息(※)の支払い額を減らし、総返済額を減らせることです。
住宅ローンの融資を受けると、融資額に利息を加算した金額を返済しなくてはなりません。そして、利息額は『金利』によって決まります。
金利とは、融資額に対する利息の割合を表すもので、金利が高いとその分利息が高くなり、総返済額も上がります。よって、今までより金利が低い住宅ローンで借り直せば、今までよりも総返済額が安くなるのです。
なお、住宅ローンの借り換えは、以下に該当する場合に行うとメリットが大きいとされています。
- 返済中の住宅ローンと借り換え後の住宅ローンの金利差が1%以上
- ローン残高が1000万円以上
- 返済期間が残り10年以上
(※利息とは、融資をしてもらったことに対する手数料のこと)
シミュレーションしてみよう
住宅ローンの借り換えは、前述の条件から外れるとかえって総返済額が増える可能性があります。さまざまな手数料がかかるので、事前にシミュレーションすることが重要です。
金利差があまりなかったり、ローン残高や返済期間が少なく、利息の支払い回数が残り少なかったりすると、利息の減額分も少なくなります。
手数料は数十万~数百万円もの金額になることがあるため、利息の減額分が少ないと、手数料の方が高くつく可能性があるのです。
金融機関の無料シミュレーターで簡単にシミュレーションできるので、手数料も含めたうえで、借り換え前後の総返済額を計算してみましょう。
固定金利と変動金利で迷ったら
住宅ローンの金利には、『固定金利』と『変動金利』があります。
- 固定金利:返済開始から完済まで、契約時に設定された金利が続く方式
- 変動金利:市場金利の動向などによって、適時金利が変更される方式
また、固定金利には、契約時に設定した期間のみ同じ金利が続き、一定期間経過後に金利が変わる『固定金利期間選択型』もあります。どの方式にするのか迷ったときには、どうすればよいのでしょうか。
金利の動向やリスクを考える
住宅ローンの金利方式を決めるときには、市場金利の動向や市場金利が上がった場合のリスクを考えましょう。
現在、日本は超低金利の状態が続いているため、変動金利の方が利率が低い住宅ローンが多くなっています。しかし、今後市場金利が上昇した場合、変動金利では返済中に利率が引き上げられ、返済が苦しくなるリスクがあるのです。
もし、借り換えや繰り上げ返済などを活用して、早めに完済できそうなのであれば、変動金利を選んでもよいでしょう。
しかし、返済が長引きそうな場合は、超低金利の今のうちに固定金利にして、リスクを回避することも検討しましょう。
借り換えで多いのは10年固定
基本的に、住宅ローン返済中に金利方式を変更することはできません(※)。利息は金融機関にとっての収入減であり、金利が下がる度に低い方に変更されては、収入が下がってしまうからです。
そのため、金利方式を変更したいときには、住宅ローンを借り換えるのが一般的です。『2017年・民間住宅ローン借換の実態調査』によると、借り換え時に固定期間選択型に変更する人が多いとの結果が出ています。
区分 | 変動型(%) | 固定期間選択型(%) | 全期間固定型(%) |
借り換え前 | 36.2 | 43.9 | 19.9 |
借り換え後 | 42 | 46.3 | 11.6 |
また、固定期間選択型には、固定期間3年、固定期間10年などいくつか選択肢がありますが、固定期間10年を選ぶ人が最も多くなっています。
(※所定の条件を満たした場合、あるいは金融機関との交渉などによって金利方式の変更に対応してもらえるケースもあります)
比較表などサイトを活用しよう
住宅ローンの金利方式の種類や利率は、金融機関によって異なります。しかし、数多くの金融機関の住宅ローンを一つずつ調べて比較するのは大変です。
比較表などを掲載しているサイトを活用して、手軽に各住宅ローンの金利を比較してみましょう。
なお、住宅ローンの金利は定期的に改定されます。金利を比較するときには、現在の金利をチェックするようにしましょう。
金利の低い10年固定のネット銀行
ここからは、借り換えで人気の『固定期間選択型(10年固定)』の金利が低いおすすめの住宅ローンを紹介します。まずは、ネット銀行の住宅ローンを見てみましょう。
りそな銀行 WEB限定借りかえローン
りそな銀行には、WEB限定の借り換え専用の住宅ローンがあります。現在超低金利の状態が続いているため、多くの金融機関が固定金利よりも変動金利の利率を低く設定しています。
しかし、りそな銀行の借りかえローンは、固定期間10年の固定金利選択型の利率が年0.6%と変動金利と大差なく、お得に利用できるのが特徴です。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年0.429% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年0.6% |
みずほ銀行 最後まで変わらずおトク!
みずほ銀行の住宅ローンは、『最後まで変わらずおトク!プラン』を選ぶと、固定期間10年の固定金利選択型の利率が年0.6%に下がります。
みずほ銀行には通常の住宅ローンとネット住宅ローンがあり、金利が低く設定されているのはネット住宅ローンの方なので、間違えないように注意しましょう。
プラン | 金利 |
変動金利型(最後まで変わらずおトク!プラン) | 年0.525% |
固定金利選択型(最後まで変わらずおトク!プラン・固定期間10年) | 年0.6% |
固定金利型 | 年1.055% |
ネット住宅ローン(借り換えの方) | みずほ銀行
みずほネット住宅ローン金利一覧 | みずほ銀行
イオン銀行 当初固定金利プラン(定率)
イオン銀行の固定期間10年の固定金利選択型の利率は年0.69%です。借り換え限定の変動金利型は年0.47%に抑えられているので、どちらがよいかよく考えてみましょう。
また、イオン銀行の住宅ローンの融資を受けると、イオンでの買い物が毎日5%OFFという特典が利用できます。日々の買い物をイオンで済ませている人にはメリットが大きいでしょう。
プラン | 金利 |
変動金利型(借り換え限定) | 年0.47% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年0.69% |
金利の低い10年固定の北海道の金融機関
続いて、地域別の借り換えにおすすめの住宅ローンを紹介します。北海道の金融機関の住宅ローンを見ていきましょう。
旭川信用金庫 スーパー住宅ローン
旭川信用金庫のスーパー住宅ローンSSSプランは、保障会社付きの場合は年0.85%、保障会社なしの場合は年1.05%で融資が受けられます。
保障会社付きの方が金利は低いですが、保障会社を付けると別途保証料が発生します。どちらが自分に合うのか、前もってシミュレーションしてからプランを決めましょう。
プラン | 金利 |
固定金利選択型(SSSプラン保証会社保証付き・固定期間10年) | 年0.85% |
固定金利選択型(SSSプラン保証会社なし・固定期間10年) | 年1.05% |
住宅ローン金利プランの適用条件|旭川信用金庫
個人ローン金利|旭川信用金庫
北海道労働金庫 住宅ローン
北海道労働金庫の住宅ローンは、変動金利よりも固定期間10年の固定金利選択型の方が金利は低く設定されています。
さらに、通常の固定金利型も変動金利型より金利が低いので、変動金利のリスクを避けたい人におすすめです。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年2.675% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年0.95% |
固定金利型(30年以内) | 年1.45% |
住宅ローン|かりる|北海道ろうきんホームページ
ローン金利情報|北海道ろうきんとは|北海道ろうきんホームページ
みちのく銀行 金利選択型住宅ローン
みちのく銀行の『金利選択型住宅ローン』は、固定期間10年の固定金利選択型の金利が年0.9%と、1%を切る低金利で融資が受けられます。
職業や勤務年数など、申込み条件が細かく定められているので、対象に入るかどうかを事前にチェックしておきましょう。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年0.675% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年0.9% |
金利選択型住宅ローン「住まいる いちばんネクストV(全国保証(株)保証付・全期間金利引下げタイプ)」 みちのく銀行
金利の低い10年固定の名古屋の金融機関
ここでは、名古屋で金利が低いおすすめの住宅ローンを紹介します。
十六銀行 住宅ローン
十六銀行の住宅ローンの固定金利選択型は、変動金利とほぼ同程度の金利です。Aコースでは年0.75%、Bコースでは年0.65%の低金利で融資が受けられます。
他の金融機関の住宅ローンと比較しても負けない金利の低さなので、借り換え先を決めるときの選択肢の一つに含めるとよいでしょう。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年0.625% |
固定金利選択型(固定期間10年・Aコース) | 年0.75% |
固定金利選択型(固定期間10年・Bコース) | 年0.65% |
中京銀行 住宅ローン
オール電化などのエコ住宅や耐震・免震住宅を建てた人は、中京銀行の住宅ローンも検討してみましょう。
エコ住宅や耐震・免震住宅のプランが用意されており、変動金利の場合は年0.65%、固定期間10年の固定金利選択型でも年0.8%で融資を受けることが可能です。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年0.65% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年0.8% |
東海労働金庫 借換住宅ローン
東海労働金庫の借換住宅ローンは、通常金利の上乗せなどで徴収される保証料や団体信用生命保険料などが無料で、お得に利用できます。
固定期間10年の固定金利選択型の金利は年1.04%ですが、保証料や団体信用生命保険料などがかからないので、実質金利(※)は低く抑えられます。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年0.89% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年1.04% |
固定金利型 | 年1.54% |
(※実質金利とは、保証料や団体信用生命保険料などの諸費用を考慮した金利のこと)
金利の低い10年固定の大阪の金融機関
大阪の金利が低い住宅ローンについても知っておきましょう。
池田泉州銀行 住宅ローン借換え専用プラン
池田泉州銀行の『住宅ローン借換え専用プラン』は、固定期間10年の固定金利選択型が年1.025%で利用できます。
窓口相談が平日20時まで可能で、土日でも対応しているので、仕事が終わる時間が遅い人や平日に銀行に相談に行けない人でも利用しやすいでしょう。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年0.625% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年1.025% |
個人のお客さまへ かりる 住宅ローン借換え専用プラン l 池田泉州銀行
近畿労働金庫 住宅ローン
近畿労働金庫の住宅ローンは、固定期間10年の固定金利選択型の金利が年0.85%と低金利でありながら、無料で団体信用生命保険料が付帯しています。
さらに、火災保険や火災共済が割引価格で利用できるので、火災保険の見直しを考えている人にもおすすめです。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年0.625% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年0.85% |
固定金利型 | 年1.35% |
関西みらい銀行 借りかえ専用住宅ローン
関西みらい銀行には、借りかえ専用住宅ローンがあります。通常プランとWEBプランがあり、WEBプランの固定期間10年の固定金利選択型は年0.77%で融資が受けられます。
通常プランの場合、変動金利型は年0.625%、固定期間10年の固定金利選択型は年0.85%になるので、WEBプランを選んだ方がよいでしょう。
プラン | 金利 |
変動金利型(WEBプラン) | 年0.545% |
固定金利選択型(WEBプラン・固定期間10年) | 年0.77% |
借りかえ専用住宅ローン(住宅ローン お借りかえ用)|関西みらい銀行
ローン金利(店頭表示金利)|関西みらい銀行
金利の低い10年固定の福岡の金融機関
最後に、福岡の金融機関の住宅ローンから、金利が低いおすすめの商品を紹介します。
福岡ひびき信用金庫 ひびしん住宅ローン
エコ住宅を建てた人、子どもがいる人には、福岡ひびき信用金庫の『ひびしん住宅ローン』がおすすめです。
通常、固定期間10年の固定金利選択型の金利は年1.25%ですが、エコ住宅を建てた人や子育て世帯は、条件によって割引が受けられます。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年2.475% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年1.25% |
固定金利型 | 年2.6% |
九州労働金庫 住宅ローン
九州労働金庫の住宅ローンは、固定期間10年の固定金利選択型を年1.05%の金利で利用できます。
定期的に金利が見直されますが、申込み日よりも借入れ日の金利が低かった場合は、そちらの金利が適用されるので安心です。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年0.75% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年1.05% |
固定金利型(15年以内) | 年1.05% |
住宅ローン(固定金利選択型・変動金利型) | 九州ろうきん【九州労働金庫】
金利表
福岡銀行 住宅ローン
福岡銀行の住宅ローンでは、固定期間10年の固定金利選択型の金利が年1.05%に設定されています。
仮審査の申し込みは、福岡銀行のサイトからであれば10分程度で完了します。また、土日でも住宅ローンの相談ができるので、忙しい人にもおすすめです。
プラン | 金利 |
変動金利型 | 年0.975% |
固定金利選択型(固定期間10年) | 年1.05% |
まとめ
住宅ローンの金利は、金融機関によって大きく異なります。今より金利が低い金融機関の住宅ローンに借り換えれば、利息の支払い額が下がって返済の負担が軽減できるので、さまざまな金融機関の金利をチェックしてみましょう。
ただし、借り換えには手数料がかかるので、事前に手数料も含めた総返済額をシミュレーションすることが重要です。