住宅ローンとは
住宅ローンとは、住宅に関わる費用のために、金融機関から借りるお金のことです。住宅や土地の購入、新築・改築・増築などを行う人のほとんどが利用しています。
住宅ローンは、一般的に借り入れられる金額が大きいこと、返済期間が30年、35年など長期間に設定されているのが特徴です。
金融機関によってばらつきがあるものの、住宅ローンの金利は、ほかのローンに比べて低めになっています。
住宅ローンの利率は、契約者本人の年齢や立場、収入、返済期間などから決められる仕組みです。さらに、変動金利か固定金利か、保証会社をつけるのかなどによっても金利に差が生まれます。
住宅ローンの返済額の総額や月々の返済額に影響するので、念頭に入れておきましょう。
新規借り入れと借り換え
住宅ローンの『新規借り入れ』とは、金融機関から新たに融資を受ける住宅ローンのことです。
一方、住宅ローンの『借り換え』とは、すでに返済が行われている住宅ローンを有利な条件の別の住宅ローンに借り換えることをいいます。
近年、住宅ローンの中で注目されているのが、借り換えです。主に、返済額が下がるものや、返済期間を延長ができるものがあります。
しかし、借り換えも新規借り入れと同様、審査が必要です。審査内容によっては、全額借り換えできない、返済期間の延長が認められないといったケースもあります。
また、プランによっては保証団体が外れるものもあるため、注意しておきましょう。
変動金利と固定金利
住宅ローンの金利は主に『変動金利』と『固定金利』に分けられます。
比較的、低金利である変動金利は、金融状況や物価の変動に伴い、利率が変わる可能性があるのが特徴です。
対して固定金利とは、住宅ローンの契約時に決めた金利が、状勢や物価の変動にかかわらず、返済期間中金利が一律であるタイプを指しています。
また、固定金利の期間を5年、10年など一定期間のみとして契約し、期間が終了すると、変動か固定かを見直すことのできる『固定金利選択型』というタイプの金利も選択肢の1つです。
それぞれの主な特徴・メリット・デメリットは次の表の通りです。
変動金利 | 固定金利 | 固定金利選択型 | |
特徴 | 状況に応じて利率が上下する | 借り入れ期間中、利率の変化なし | 一定期間の固定金利期間を満了後、変動金利か固定金利を選択できる |
メリット | 現状、利率が低い | 利率が一定のため安心感がある | 固定金利期間終了後に固定か変動かを選べる |
デメリット | 今後利率上昇の可能性がある | 現状、変動金利に比べて、利率が高い | 金利の変動に応じた上限がないため、金利の固定期間終了時に支払額が急増する場合がある |
フラット35とは
フラット35とは、住宅金融公庫と民間の金融機関が、連携して融資を行う住宅ローンの1つです。年収と年齢の基準を満たせば、自営業でも借りやすいため、おすすめの住宅ローンと言われています。
フラット35のメリットとしてあげられるのは、民間の金融機関だけでは難しい『長期返済型、固定低金利』を実現していることでしょう。
フラット35の返済期間で一般的なのが、35年です。ほかにも、15年、20年、親子2代でのローン返済を見込んだ50年などのプランがあります。利点は次の通りです。
・保証人、保証料不要
・繰上返済手数料不要
・団体信用生命保険(以下、団信)の加入が強制ではない
・ほかの住宅ローンとの併用が可能
ただし、フラット35は、基準に適合した住宅への融資に限られています。融資額の上限は8000万までです。また、年齢と収入を基準に返済期間が設定されます。
頭金がゼロという人には金利が少し高めに設定される傾向です。
住宅ローンのおすすめは固定金利?将来設計がしやすいなどがメリット
比較サイトや本などで情報収集しよう
ひとくちで、住宅ローンといっても、人によっておすすめが異なり、情報収集が必須です。住宅ローンは、月々の支出の中で大きな割合を占めます。
信頼できる比較サイトや本などで、じっくり情報収集と比較をし、どの住宅ローンを利用するか検討しましょう。検討の際に、注意する項目は次の通りです。
・表面金利と実質金利
・変動金利か固定金利か固定金利選択型か
・保証料、各手数料(繰り上げ返済手数料を含む)の額
また、比較サイトや本の情報が、半年以前の場合や少数の銀行・プランの情報に限られている場合には情報が古かったり、偏りがあったりするかもしれません。
サイトの更新や本の発行日が最近で、多くの住宅ローンのプランを比較しているサイトや本を参考にするのがおすすめです。
借入先それぞれのメリット
住宅ローンは、借入先によって大きく2つに分けられます。公的ローンと民間ローンです。公的ローンには、自治体からの融資や勤務先の財形制度の一部として融資を受けられるものがあります。
民間ローンとは、民間の企業からの融資です。民間企業というと銀行をイメージしがちですが、ノンバンク系とよばれる保険団体やJAなどの共同組合が融資を行うケースもあります。
同じ住宅ローンでも、どの企業や団体から、どういったタイプの借入を行うかによって、メリットが異なります。
かつては、フラット35を貸し出す住宅金融公庫からの融資も公的ローンとみなされていました。現在は、独立行政法人となり民間と提携していることから、厳密には公的ローンではありません。
公的ローンのメリット
公的ローンのメリットは、契約者への審査が比較的甘く、一般的には金利も優遇されている点です。
デメリットとしては、住宅物件そのものへの審査は厳しく、借り入れ金額の上限も低めに設定されています。また、基本的には固定金利のみです。
銀行やろうきんでのメリット
銀行やろうきんなどの民間企業から、住宅ローンを借り入れる場合、比較的借り入れ金額の上限が高かったり、住宅物件そのものへの審査が甘いといったメリットがあります。
ほかにも変動や固定など金利のタイプが選べたり、企業によってさまざまなタイプの返済プランがあったりとバラエティが豊富です。
JAや保険会社でのメリット
ノンバンク系とよばれる、JAや保険会社、住宅ローン専門業者から住宅ローンを借り入れるメリットは、審査が甘く、自営業の人でも借り入れが通りやすい点でしょう。
ただし、銀行などでの借り入れに比べて金利が高め、といったデメリットも含んでいます。
2018年の変動金利のおすすめネット銀行
近年、特に注目されているのが『ネット銀行』の住宅ローンです。実店舗を持たないネット銀行では、魅力的な変動金利のプランをそれぞれ打ちだしています。
ネット銀行の住宅ローンの懸念材料は、団信に加入をすると利率が大幅に上がったり、年収や年齢によって優遇が受けられなかったりといった点です。
しかし、がん特約が無料でついていたり、審査や比較が簡単といったメリットもあります。それぞれ特徴のあるネット銀行の変動金利型住宅ローンを紹介していきましょう。
なお、以下掲載の金利は、2019年1月時点、金利引下げ条件を満たした場合のものです。
じぶん銀行 全期間引下げプラン
じぶん銀行は三菱UFJ銀行とau、大手2社が共同出資をして設立しました。
じぶん銀行の住宅ローン『全期間引き下げプラン』は、年利0.457%~とネット銀行の中でも最高水準の低金利です。
がん診断を受けると残高が半額になる『がん50%保証団信』が無料付与と保障内容が充実しています。
ソニー銀行 変動セレクト
ソニー銀行の『変動セレクト』は、頭金が物件購入代の10%以上準備できる人には、年利0.457%~と低金利のため、おすすめです。
ソニー銀行も金利の上乗せなしで『がん50%保障団信』がついてきます。また、女性の契約者は、入院一時給付金の特約が受けられることも魅力です。
住信SBIネット銀行 通期引下げプラン
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同出資しているネット銀行です。
住宅ローンの『通期引下げプラン』は現在、年利0.457%~と抜群の低金利で、口座開設でさらに0.01%の優遇を受けられます。
さらに、無料付帯の団信保障内容もトップクラスの充実です。女性契約者には特におすすめのプランで、ソニー銀行と同じように入院一時給付金特約も付いています。
ネット専用住宅ローンー金利一覧(新規借り入れ・借り換え)/住信SBIネット銀行
変動金利の新規借入を北海道で選ぶなら
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地方では、メガバンクからの住宅ローンが一般的ではないため、ネット銀行以外にも、各地方銀行がおすすめのプランを打ちだしています。
北海道では、メガバンクやJAといったノンバンク系の団体から住宅ローンを借り入れることも多くなってきました。
そうした状況の中、長年道民に利用されている、『みちのく銀行』や『北海道銀行』でも魅力あるプランを提供しています。
みちのく銀行 金利選択型住宅ローン
地元では『みちぎん』と呼ばれ親しまれているみちのく銀行では、金利選択型住宅ローンが提供されています。
商品名は『住まいる いちばんネクストV(全国保証(株)保証付・全期間金利引下げタイプ)』です。
当初固定期間を3年・5年・10年、とした固定金利選択型と変動金利型を選べます。利率は、当初3年固定の場合、年利0.45%~、変動金利でも年利0.67%~と低金利です。
みちのく銀行の支店がある都市(青森県、北海道、秋田県、岩手県、宮城県内のみ)で借り入れが認められています。
北海道銀行 道銀住宅ローン変動金利型
北海道銀行は、地元では略して『どうぎん』と呼ばれている銀行です。変動金利型住宅ローンは金利が年利1.175%~と少し高めの設定ですが、おすすめの理由は、団信の保障内容です。
8疾病保障や一時金などの特約、さらに契約者が男性だった場合に妻のがん診断にも特約が付きます。51歳までなら団信に加入することが可能で、さらに30歳までの契約者には無料付帯されます。
変動金利の新規借入を愛知で選ぶなら
続いて、愛知県で新規借り入れを行う場合に、おすすめな変動金利型のプランを見ていきます。
いちい信用金庫 変動金利型住宅ローン
愛知県内の信用金庫の1つであるいちい信用金庫の変動金利型、住宅ローンは『ダッシュ』です。
利率は、年利0.600%~と、地方信用金庫の中では、かなりの低金利が設定されています。団信とは別に債務返済支援保険に加入することができるため、おすすめのプランです。
中京銀行 住宅ローン
中京銀行ではエコ住宅や耐震住宅といった、一定の基準を満たした物件購入にのみ借り入れが認められる住宅ローンがあります
変動金利型では年利0.65%~と低金利です。8大疾病特約や、契約者妻のがん特約などの保障が低価格でつけられます。
変動金利の新規借入を大阪で選ぶなら
次は、大阪府で新規の借り入れを行う場合、おすすめの変動金利型住宅ローンを見ていきましょう。
近畿大阪銀行 住宅ローン
近畿大阪銀行は、りそなグループの銀行の1つです。
メガバンクの中でも低金利で知られる、りそなグループのため、近畿大阪銀行の変動金利型住宅ローンも年利0.565%~と低めの数値が設定されています。
土日や夜間も相談できるため、一生に一度の買い物、といわれる住宅ローンを新規で契約する人には安心材料といえるでしょう。
池田泉州銀行 住宅ローン
池田泉州銀行では、変動金利型住宅ローンの利率が年利0.625%~と低金利で提供されています。インターネットで試算、仮申し込みができるため、利用しやすい点がおすすめです。
ただし、親子ローンや夫婦親子で収入合算して住宅ローンを利用したい場合は、窓口での扱いとなります。
池田泉州銀行も休日に住宅ローン相談ができるので、まずは窓口に聞いてみるというのもよいでしょう。
個人のお客様へ 借りる 住宅ローン 金利プランのご案内/池田泉州銀行
変動金利の新規借入を広島で選ぶなら
広島県で、住宅ローンを変動金利型で新規借り入れる場合に、おすすめの地方銀行を紹介します。
呉信用金庫 住宅ローン
広島県で親しまれている呉信用金庫は通称『くれしん』と呼ばれています。くれしんの変動金利型住宅ローンの利率は年利0.975%~です。
くれしんの住宅ローンは団信加入のうえ、債務返済支援保険や8大疾病補償付債務返済支援保険の特約に加入することも可能です。
条件にあえば、申し込み前にインターネットで事前審査もできます。広島県内の金融機関で住宅ローンをお考えの人は1度試してみるのもよいでしょう。
西京銀行 住宅ローン
西京銀行の新規住宅ローンは、変動金利型が年利0.9%~利用できます。オプションで金利に+0.1%払えば、8大疾病補償付債務返済支援保険を付与できます。
原則として、別荘や、契約者以外の家族が住む住宅にも利用できる住宅ローンです。
新規に住宅ローンをお借り入れいただく方/住宅ローン/西京銀行
変動金利の新規借入を福岡で選ぶなら
福岡県で変動金利型の住宅ローン新規借り入れをお考えの場合には下記の2行がおすすめです。
九州労働金庫 上限金利設定型住宅ローン
九州労働金庫が提供する『上限金利設定型住宅ローン』はその名の通り、変動金利型でも金利の上限が設定できる住宅ローンです。
適用金利は年利1.30%~とほかと比べると高めに感じますが、上限が2.6%までとされています。
固定金利より少し安い金利でも、固定型のような安心感を得ることができる、いわば両方のいいとこ取りをしたようなプランといえるでしょう。
フラット35などの低い利率の固定金利型の条件が通らなかった物件におすすめのプランです。
北九州銀行 住宅ローン
北九州銀行の住宅ローンは、変動金利でも年利2.475%と高めの利率となっています。
しかし、変動金利と固定金利、双方の利率が得な方を随時選べる『双方向金利選択型』では、一定の条件を満たす契約者には年利0.925%~0.975%の低金利で利用が可能です。
ローンや貯蓄の見直しが好き、変動金利の上昇が怖い、という方にはおすすめできるプランとなっています。
北九州銀行:個人のお客様>かりる>住宅に関するローン>新規で住宅ローンをご検討中の方
まとめ
住宅ローンは、借り入れ先によって公的ローン・民間ローンとよばれ、変動金利・固定金利などの金利タイプがあります。
新規借り入れ・借り換えのときには、多くのプランの中から自分にあったものを見極めることが大切です。