住宅ローン相談はどこにするか
住宅ローンを借り入れる際には、以下の点を確認する必要があります。
- 借入限度額
- 最適な借入額
- 借入期間
- 毎月の返済額
借入額や返済額を検討する際には、まずライフプランに合わせた資金計画を考えなければなりません。難しいと感じる人は、専門家に相談するとよいでしょう。
ここでは、住宅ローンの相談ができる場所を種類別に紹介します。
住宅ローンの基礎知識
住宅ローンは、新築や中古の住宅を購入したり、一戸建てを建築したりするために、金融機関などから借り入れるローンです。
どの金融機関で住宅ローンを借り入れるかは、以下のポイントを比較・検討して決めます。
- 金利
- 諸費用
- 団体信用生命保険(※)の内容
金利には以下の3種類があり、金融機関により適用される金利が異なります。
金利の種類 | 詳細 |
変動金利型 | 定期的に金利の見直しがある |
固定金利特約型 | 2・5・10年など一定期間金利が固定され、その後は変動金利になる |
超長期固定金利型 (全期間固定金利型) |
借入期間中、金利が変わらない |
金利の種類により毎月の返済額や返済総額が変わるため、しっかりと確認して自分に合った金利を選ぶことが重要です。
(※団体信用生命保険とは、住宅ローンを組む人が被保険者(保険の対象者)、銀行が契約者および保険金受取人となり契約する保険です。債務者が死亡、および高度障害状態となったときに保険金が支払われ、以後のローンの支払いが不要となります)
住宅ローン - 全国銀行協会
金利とは?(はじめての住宅ローン) : 三井住友銀行
住宅ローンで不明な場合があったときは?
住宅ローンの借入を検討する中で不明な点がある場合は、専門家に相談しましょう。相談できる主な場所には、『銀行』『不動産会社』『ファイナンシャルプランナー事務所』などがあります。
銀行へ相談する
銀行での住宅ローン相談の特徴は、以下の通りです。
- 取り扱っている住宅ローンの商品内容を詳しく聞ける
- 借入上限額を相談できる
- 金利の相談ができる
- 相談は無料
銀行では、住宅ローンの商品内容や借入の手順など、具体的な話が聞けます。相談料も無料なので各銀行で相談し、商品内容や金利を比較するとよいでしょう。
不動産会社に相談する
不動産会社では、物件の購入を検討する材料の1つとして、住宅ローンの相談を受け付けてくれる場合があります。不動産会社での相談の特徴は、以下の通りです。
- 住宅の購入にあたり、住宅ローンを利用する大まかな流れを聞ける
- 物件と住宅ローンの話を併せて聞ける
- 相談料は無料
不動産会社で相談をすれば、物件の選定と同時に、住宅ローンの基礎知識を得ることができます。
ファイナンシャルプランナーに相談する
ファイナンシャルプランナーに住宅ローンの相談をする特徴は、以下の通りです。
- 毎月の収支をもとに、適正な毎月の返済額を相談できる
- ライフプランをもとに、住宅の予算(返済可能な借入額)を相談できる
- 住宅ローンだけでなく、保険や教育費など家計全般の相談も可能
- 相談料がかかる
ファイナンシャルプランナーは、家計を考慮してライフプランを立てる専門家です。そのため、現在の収支や、将来必要な費用を計算した上で、無理なく返済できる借入額を提案してもらえます。
相談料は、ファイナンシャルプランナー事務所により異なるため、相談前に確認しましょう。時期によっては、初回相談無料などのキャンペーンを行っている事務所もあります。
住宅ローンの相談をする前に準備するもの
住宅ローンの相談をするときには、以下の書類を用意すると、より詳しく具体的な話ができます。なお、書類は原本でなくコピーでも問題ありません。
項目 | 詳細 |
年収や勤務先が分かるもの | ・会社員:源泉徴収票 ・自営業:3年分の確定申告書と決算書 |
勤続年数が分かるもの | 健康保険証(入社日の記載があるため) |
住宅ローン以外のローンの明細 | 返済予定明細表など |
ここからは、上記に加えて用意しておく書類をケース別に解説します。
購入物件が決まっている人
購入する物件が決まっている人は、物件の詳細が分かる以下の書類も持参しましょう。
- 購入物件のチラシやパンフレット
- 販売図面
- 見積書
- 重要事項説明書
住宅ローンの借入の可否や借入可能額は、物件によって異なります。そのため、物件が決まっている人は、物件の詳細が分かる書類を用意することが大切です。
購入物件が決まっていない人
購入する物件が決まっていない人は、以下の書類を用意するとよいでしょう。
- 家計簿
- 加入している生命保険の明細
- 貯蓄残高が分かる書類(通帳など)
これらの書類を持って相談に行けば、住宅の予算や返済可能な借入額を相談できます。
銀行が開催する住宅ローン相談会
ここでは、銀行が開催している住宅ローン相談会を紹介します。自分に合った相談会を選びましょう。
仕事帰りや土日に店舗で相談
銀行の営業時間は、通常平日の9~15時です。しかし、銀行によっては、夕方や夜間、休日にも相談を受け付けている場合があります。
日中に銀行に行く時間がない人や、休日に落ち着いて相談したい人は、活用するとよいでしょう。
なお、営業時間外や土日・祝日の相談は、予約制であることが多いため事前に確認が必要です。
三菱UFJ銀行の場合
三菱UFJ銀行では、平日15時以降および土日・祝日にも住宅ローンの相談が可能です。相談を希望する人は、前営業日の12時までに予約をしましょう。
予約は、ホームページの申込フォームや電話でできます。
電話番号 | 受付時間 |
0120-860-777 | 9~17時(1/1~1/3、5/3~5/5を除く) |
ネットで住宅ローンで相談
銀行によっては、インターネットでの相談を受け付けている場合もあります。支店に行く時間がない人や近くに支店がない人は、利用するとよいでしょう。
みずほ銀行の場合
みずほ銀行では、インターネットを通じ住宅ローンの相談ができます。希望する人は、ホームページの『インターネットからのご相談』をクリックし、メールフォームに入力して送信しましょう。
後日、住宅ローンの担当者より、電話にて相談内容の回答がもらえます。インターネット相談サービスは、みずほ銀行に口座がない人でも利用可能です。
住宅ローンの返済を銀行へ相談する
住宅ローンの借入をして返済が開始した後に、住宅ローンについて不明点や不安なことがでてきた場合は、まず銀行に相談しましょう。
返済条件の変更を相談できる
何らかの理由で、住宅ローンの毎月の返済が難しくなったときには、返済条件を変更できます。
ただし、どのように変更されるかは銀行により異なるため、まず借り入れている銀行に相談しましょう。返済条件変更の主な具体例は、以下の通りです。
- 一定期間、利息のみの支払いにしてもらう
- 毎月のローン返済額を減らし、ローンの返済期間を延ばす
どちらの方法も住宅ローンの総返済額は増えますが、毎月の返済額を減らせるため、返済が苦しい人には有用です。
住宅ローン 返済計画「返済プラン」の見直し : 三井住友銀行
6カ月延滞すると家は競売に出されることも
住宅ローンの返済ができなくなったときには、まずは銀行に相談しなければなりません。相談や連絡をせず滞納すると、返済の督促状や銀行への来店を求める電話がきます。
これらに応じなかった場合には催告状が送られ、住宅ローンを一括返済しなければなりません。一括返済ができないときには、住宅が競売にだされることもあります。
住宅が競売にだされることを防ぐには、督促状が届いた時点で銀行に相談に出向くことが重要です。
離婚したら住宅ローンはどうなるのか
住宅ローンの借入後、離婚により自宅を手放すことになった場合は、どのように手続きすればよいのでしょうか。
アンダーローンなら家を売って返済
家を手放すことになった場合、まずは不動産会社などを通じて、手放す家がどのくらいの金額で売れるかを調べます。
想定される売却価格と住宅ローンの残高を比較し、売却価格の方が大きい場合(アンダーローンといいます)は、住宅を売却した費用で住宅ローンを完済しましょう。
また、売却価格が住宅ローンの残高に足りなかったとしても、預貯金などほかの資産を不足額に充てることで、住宅ローンを完済してしまうこともできます。
離婚で持ち家の住宅ローンはどうなる?【全任協】任意売却の無料相談
オーバーローンなら銀行に相談して任意売却
想定される売却価格よりも住宅ローンの残高の方が大きい状態を、オーバーローンといいます。オーバーローンとなるには、以下のケースが考えられます。
- 少ない自己資金で住宅を購入した(借入額が大きかった)
- 何らかの理由で、住宅の価値が大幅に下がった
オーバーローンの場合は、勝手に家を売却することはできません。住宅ローンを借り入れている銀行に相談し、了承を得た上で任意売却しましょう。
任意売却後は、売却額で返済しきれなかったローン残高を返済していく必要がありますが、住宅ローンの返済額に比べると負担を抑えられます。
まとめ
住宅ローンは、大きな金額を長期間借り入れることが一般的です。最後まで返済できるよう借入前に専門家に相談し、適正な返済計画を立てましょう。
場合によっては、借入後にも住宅ローンの相談が必要となることもあります。その場合は、住宅ローンを借り入れている銀行に相談しましょう。