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FXのロスカットとは。仕組みを理解して適切に資金管理していこう

外国為替を売買するFX取引は、資金効率よく利益を挙げられると同時に、大きな損失を生む可能性も持っています。そのため、トレーダーが過大な損失を背負わないよう設けられたのがロスカットです。今回は、ロスカットの仕組みについて解説します。

この記事の目次

ロスカットとは

ロスカットとは、どのようなものなのか解説します。

投資家を守る仕組み

為替や株式などの相場は、ときに急激な動きを見せることがあります。仮にその動きが、トレーダーの思惑と反対方向であれば、非常に大きな損失を生むケースも考えられます。

そのような事態を防ぐため、FXには『ロスカット』の制度があります。ロスカットは、トレーダーの取引から生じている含み損が一定ラインに到達した場合、それ以上にならないよう強制的に決済を行う安全措置です。

ロスカットとはなんですか? - よくあるご質問 - FX/CFD取引のDMM.com証券

ロスカットしないと借金が膨らむ

FXでは、トレーダーが証拠金(担保金)をFX会社へ預け、その額の範囲で為替の取引を行います。

証拠金は取引が損失を生んだ場合には、不足することもあり得ます。このようなときトレーダーは、多額の追加証拠金(追証)を要求される可能性があります。

仮に、トレーダーが他に担保とする有価証券や資金を持っていない場合は、この追証を借金で充当しなければならなくなり、状況によっては深刻な事態となり得ます。

ロスカットは、そうなる前に損失額を確定し、追証の発生を防ぐためのシステムです。

国内でロスカットなしのFX会社はない

現在では、金融商品取引法(第四十条二号)および、金融商品取引業等に関する内閣府令(第百二十三条)により、FX会社はロスカットを行うための体制整備と、適切な運用が義務付けられています。

また、日本国内でFX業を営むすべての企業には、金融庁の認可を受ける義務もあります。したがって、国内のFX会社(国内、および外資)は、必ずロスカットのシステムがあります。

ロスカット・ルールの整備・遵守の義務付け:一般社団法人 金融先物取引業協会

ロスカットの仕組み

ここでは、ロスカットがどのように発生するのかを確認しましょう。

証拠金と証拠金維持率

FX取引では証拠金をもとに、FX会社とトレーダーの間で形式的に通貨を売買した状態を取引し、その差額から損益を生み出します。

この売買した状態のことをポジション(※)とも呼びますが、それが生じる含み損益は、証拠金の時価評価に影響を与え、その金額が増減します。当然、証拠金が減れば、トレーダーが維持できるポジションの規模も小さくなります。

このように時価評価された証拠金が、ポジション維持のための能力をどの程度保っているかをパーセンテージで示すのが『証拠金維持率』です。

(※ポジション:通貨の売買を新規で行い、その取引を決済していない状態のことをいいます)

証拠金取引とは? 初心者コーナー / マネックス証券

マージンコールとは

『マージンコール』とは、証拠金の状況が悪化したことを、トレーダーに知らせる警報です。

証拠金維持率が100%であるということは、その時点のポジションを維持する以上の余裕資金がなく、新たな取引を積み増せないことを意味します。仮に、その後に相場状況が悪化すれば、含み損が増え証拠金の評価額が不足します。

トレーダーの資金がそのような状況になった場合、多くのFX会社はマージンコールを発し、追加の証拠金を要請します。

マージンコール │FXを始めるなら外為どっとコム

強制ロスカットとは

マージンコールの状況から、さらに証拠金維持率が低下(資金状態が悪化)した場合に行われるのが『強制ロスカット』です。

強制ロスカットでは、トレーダーが保持しているポジションを自動的に決済し、証拠金維持率を100%に立て直します。ロスカットはトレーダーの意思とは関係なく、FXのシステムにより行われます。

ロスカットされると、その時点の含み損はすべて確定されてしまうので、その後に相場が改善すると予想していても、同じポジションで待ち続けることが不可能になります。

一定以上の損失を防ぐロスカットルールについて|【FX・外為】FX取引の外為ジャパン|世界とつながる、未来が広がる。

FXにおけるロスカットの仕組み。FXで借金を負わないために。

ロスカットの計算方法

ここでは、行っているFX取引がどの程度ロスカットに対して安全かを、計算により確かめる方法を見ていきます。

必要証拠金と有効証拠金の計算

『必要証拠金』とは、その時点のポジションを保持するために、最低限必要な証拠金額です。

具体的には時価為替レート、取引している通貨数量(※1)、レバレッジ(※2)倍率を使い、以下のように計算します。

  • 必要証拠金(円)=(時価為替レート × 通貨数量)÷ レバレッジ倍率

『有効証拠金』とは、その時点で取引が出している含み損益(※3)を、預入証拠金額に加えた証拠金の時価評価額(純資産額)で、以下のように計算します(新たな注文、出金指示などがないと仮定)。

  • 有効証拠金(円)= 預入証拠金額(円)+ 含み損益(円)

上記の2つの要素から以下のように算出する割合を『証拠金維持率』と呼びます。

  • 証拠金維持率(%)=(有効証拠金 ÷ 必要証拠金)× 100

このように、証拠金維持率とは、資産の時価評価額が取引を支える力を、どの程度残しているかを算出した数値といえます。

(※1 FX取引における通貨数量は1通貨単位ではなく、ロットと呼ばれるまとまった数量の倍数となります)

(※2 レバレッジ:手持ち資金を最大25倍した額に相当する通貨を取引できるFXの仕組みです)

(※3 含み損益:決済していないポジションが計算上出している損益のことです)

ポジション必要証拠金はどのような計算方法ですか? - よくあるご質問 - FX/CFD取引のDMM.com証券
証拠金維持率とはなんですか? - よくあるご質問 - FX/CFD取引のDMM.com証券

計算機でシミュレーションできる会社も

どの程度まで為替が動いたら、ロスカットが発生するかを簡単に知りたい場合は、FX会社が提供するシミュレーションを利用するという手段もあります。

取引数量や証拠金額などを入力すると、ロスカットの目安となるレートを自動算出してくれます。

GMOクリック証券 - ロスカットシミュレーション | FXネオ | サービスガイド

FXでロスカット計算は必須?計算方法を理解して常に把握しておこう

各会社のロスカット率設定ラインの比較

証拠金維持率が、どのレベルになると実際にロスカットが行われるかは、特別な決まりがなくFX会社ごとに設定されています。

大手では100もしくは50が多い

ロスカットの設定で多いのは、手持ち資金のすべてが取引を維持するために活用されている状態といえる、証拠金維持率100%のラインです。また、証拠金維持率50%を設定ラインとしているFX会社も複数存在します。

ロスカット(LION FX)|ヒロセ通商株式会社
ロスカット | 楽天 FXビギナーズガイド | 楽天 FX | 楽天証券

50を下回る会社

ロスカットが発生するレベルを、50%未満に設定しているFX会社の例としては、40%に設定している『株式会社マネーパートナーズ』が挙げられます。

マネーパートナーズでは、証拠金維持率100%のときにプレアラーム通知、70%のときにアラーム通知という、2段階のマージンコールを行っています。

ロスカット | FX・証券取引のマネーパートナーズ -外為を誠実に-

選択できる場合や独自ルールの会社

『株式会社SBI証券』が提供するFXでは、ロスカットの初期設定が30%となっており、トレーダーの判断により30~90%の間で設定が可能です。

また、『株式会社外為オンライン』では、取引のコースは4種類、ロスカットの基準を2種類(100%と20%)設定しており、リスクの大きさによって顧客が選択できるようにしています。

FX(外国為替保証金取引)|SBI証券
ロスカットと証拠金判定|FX|外為オンライン

ロスカットは万全ではない

強制ロスカットは、トレーダーに証拠金以上の損失を与えない仕組みですが、完璧に機能しないケースもあり得ます。

急激なレートの変化にはついていけない

社会情勢の変化などにより、為替が急激に変化することは、しばしば見られる現象です。このようなとき、ロスカットが行われても、相場の変動速度に追い付かないことがあります。

ロスカットが発動した時点より、さらに不利な価格で約定(取引が成立すること)することもあるわけです。結果的に、ロスカット後の証拠金がマイナスになり、追加の入金を求められることとなります。

レバレッジを含めて資金管理は厳重に

証拠金維持率が100%付近となる新規ポジションを建てるなど、余裕のない取引は行わないほうが賢明です。

一般に各FX会社は、決められた時刻においてトレーダーの資金力を評価し、その状態が基準を下回っていればロスカットを発動します。つまり、タイミングによっては相場の一瞬の変動により、強制決済の条件が成立することもあり得ます。

また、レバレッジを効かせ大きな通貨数量で取引をすると、相場の小さな動きでも損益が大きく振れるので、同様にリスクが高まります。

ロスカットのためにその後の投資機会を失わないためには、自分の証拠金維持率などを常にチェックするとともに、必要であれば追加証拠金の入金を行い、資金状態を管理する必要があります。

まとめ

ロスカットは、FXのトレーダーが証拠金以上の損失を受けないように保護する仕組みです。現在では法律の規制により、すべてのFX会社にロスカットの制度があります。

ロスカットは、証拠金維持率という数値を判断材料として自動的に発動するもので、その数値は、自分の取引状況から計算できます。

ロスカットの発動基準は100%か50%が大半です。また、それ以前の段階でマージンコールと呼ばれる警報が発せられる場合もあります。

FXのトレーダーは、日ごろから含み損益を把握し、証拠金維持率を大きく下振れさせない規模で取引することも大切です。

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