シミュレーション取引とは?
シミュレーション取引はデモ取引、デモトレードとも呼ばれ、FX業者に口座を開設する前に、その会社の投資環境(ツールの操作性や投資情報の質など)を試して確認するためのサービスです。
お金不要の仮想取引
シミュレーション取引は、投資方法に慣れることが目的であるため、投資ツールのうえで仮想的な資金を運用し、さまざまな売買を体験することが可能です。
シミュレーションを行う意味
FX業者は多彩で、そのシステムにも微妙な個性があります。そういった各社の違いを実際に使用して比較・確認できるのが、シミュレーション取引のメリットですが、同時に、初心者にとって有益な点がいくつか存在します。
操作ツールに慣れる
本番のFX取引で利益を増やすには、取引ツールのリアルタイムで適格な操作が必須となります。しかし、実際に資産を投入した後にその練習をすることは、取引に失敗するリスクも大きく、あまり賢明とは言えません。
シミュレーション取引を利用することで、さまざまなデータ表示の切り替えや注文にかかわる操作方法を、損失のリスクなしで繰り返し体験でき、本番に充分備えることが可能です。
相場観を養う
本番のFX取引で重要なもうひとつの点は、為替レートの動きをどう見るかです。この点も、FX業者が配信するリアルな為替レートを相手に、シミュレーション取引を行うことで、効果的に学べるようになります。
多くのシミュレーションアプリには、本番の取引ツールと同様の、相場のトレンド(上昇もしくは下降が継続する期間)を判断するためのテクニカル指標(統計データなど)を表示する機能が備わっているので、そういったものの使用法を学ぶこともできます。
失敗経験を積んでルール作りに役立てる
実際のFX取引を開始すれば、かならず損失を抱える事態に直面します。したがって、どのようなケースが損失を生みやすいかや、損失をどう処理すべきかを、あらかじめ体験として知っておくことは重要です。
シミュレーション取引で、あえて危険なパターンで取引を行い、損失を生む失敗体験を積むことで、本番の取引で損失を少なくするためのルールを作る際に、役立てることができます。
シミュレーションアプリの選び方
スマートフォンでFX取引の練習ができる、シミュレーションアプリの選び方を確認しましょう。
ツールの使いやすさを比較
各FX業者は、独自で開発した取引ツールをユーザーに提供しており、使い方にもそれぞれの個性があります。
また、スマートフォンなど画面の小さなモバイル端末では、チャートやマーケットデータの表示方式や、発注のための操作の配置もツールにとって重要な評価ポイントです。
気軽に試せるというシミュレーションアプリの長所を活かし、各社のツールを比較検討したうえで、自分の感覚に最も適したツールを選びましょう。
スプレッドをチェック
スプレッドとは、FX業者が設定する通貨の売りと買いの価格差のことです。業者にとってはこの差額が利益となり、利用者側にとっては取引のコストとなります。
各FX業者は独自に、また、通貨ごとにスプレッドを設定しており、FX取引を始める際に検討するべき大きなポイントとなっています。
選択した業者のスプレッドが、自分のトレードスタイルにどう影響するかについても、シミュレーションアプリを使い、充分に検証しておきましょう。
おすすめのFXシミュレーションアプリ
ここでは、おすすめの各種FXシミュレーションアプリをご紹介します。
FX会社専用アプリ
複数のFX業者から、取引ツールを試すことができるように、無料で本格的なシミュレーションアプリがリリースされています。
外為オンライン
外為オンラインが提供するスマートフォン向けアプリは、チャート表示に、トレンド系(※1)とオシレーター系(※2)といったテクニカル指標を組み合わせ、それぞれのパラメータを個別に設定することで、充実した表示が可能です。
チャート画面には、チャンスを逃さず即座に注文が行えるようボタンが表示され、短期のトレードにも充分対応しています。
注文方法は、売買価格を指定しない『成行(なりゆき)注文』から、価格を指定する『指値(さしね)注文』『逆指値(ぎゃくさしね)注文』に加え、『IFD』や『OCO』といった条件つきの注文(※3)までが、PC版と同等に利用できます。
外為オンラインが提供する取引手法の大きな特徴としては、相場の上下波動に合わせ自動売買を繰り返す『iサイクル注文』があります。この機能もシミュレーションアプリ版に実装されており、本格的なレベルのトレードを体験することが可能です。
相場の動きを素早く察知するための経済情報は『ニュース』ボタンにより、また、証拠金などの状況は『口座状況』ボタンにより一括表示できます。なお、iPhone版とAndroid版のアプリを提供しています。
(※1)トレンド系:相場の動向を知るために使用されるテクニカル指標で、代表格には移動平均線があります
(※2)オシレーター系:相場の過熱度合を統計的に分析・算出した指標で、代表格としてはMACDがあります
(※3)条件つき注文:IFDとは、新規注文が成立した時点で決済注文も同時に設定する注文方法をいい、OCOとは、2つの注文を同時に出し、どちらかが成立した場合に残りをキャンセルする注文方法のことをいいます。
外為オンライン for iPhone取引ツール誕生
外為オンライン for Android 取引ツール誕生
DMMFX
DMMFXが提供するシミュレーションアプリも、PC版の取引ツールと同等のテクニカル指標、注文方法を実装しています。
また、DMMFXのスマートフォン向けツールの大きな特徴として、売買比率の表示があります。これは、DMMFXが受けた注文の中で、売りと買いの比率を注文数と人数の2通りで各通貨ペアごとに表示する画面です。
また、相場の動きに大きく関係するニュースなどは、『経済指標』ボタンを使い一括表示することが可能です。
DMMFXのスマートフォン向けシミュレーションアプリにも、iPhone版とAndroid版があります。
オリジナルアプリ
スマートフォンで利用できるFX取引のシミュレーションアプリには、業者のリリース版ではないオリジナルのものもあります。
かるFX
興味を持って実際にはじめようとしても、多くの複雑な知識が関係し、初心者は困惑してしまうのがFX取引です。
かるFXはFXに興味を持った人が、取引を遊び感覚で体験し学べるものと定評のあるアプリです。
相場の向きを予想して、売りと買いどちらかを選択し、勝ち取引を積み重ねることで、取引可能な通貨ペアが増えていくという趣向になっています。
他のユーザーと意見交換(チャット)することが可能な『タイムライン機能』や、FXについての解説を読むことができる『学習コンテンツ』といった機能も、実装しています。なお、iPhone版とAndroid版がリリースされています。
Android端末は非対応もあるので注意
FX業者がリリースするスマートフォン向けシミュレーションアプリは、多くの場合Android版も用意されていますが、オリジナルアプリの中には非対応のものもあるので、使いはじめる際には注意が必要です。
まとめ
各FX業者は、モバイル端末向けの取引ツールを充実させており、それらの操作方法を事前練習できるシミュレーションアプリも、同時に提供しています。
シミュレーションアプリでは、実際の為替レートを相手に、本格的なテクニカル指標を使っての投資練習を行うことが可能です。
取引のための機能はPC版ツールと同等のものが、スマートフォン向けにもリリースされていますが、画面が小さいこともあり、操作方法には事前の習熟が大切です。
また、ゲーム感覚で取り組めるオリジナルアプリもあるので、FXの知識を学ぶために有効活用できます。