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FXでレバレッジをかける。仕組みからリスク管理までご紹介

レバレッジはFXの大きな利点です。しかし、リスクも高く不用意にかけてしまうとFXでの失敗の要因となりやすいのも事実です。この記事ではレバレッジの基本的な仕組みから、かけ方や計算方法、リスク管理まで詳細に紹介します。

この記事の目次

レバレッジとは

レバレッジとは外貨や株といった金融商品を運用する際に、『手持ちの資金以上の金額で運用する』ことを可能にするものです。

株取引のレバレッジが最大3倍なのに対し、FXのレバレッジは最大25倍となっていて、その倍率の高さがFXの大きな魅力となっています。

なお、これ以降の章では計算の例として様々な計算式で説明しています。全て『ドル円の取引』、『買いポジション※1での取引』、スプレッド※2はFX会社によって幅があるため『スプレッドは含まない』計算式となります。

(※1買いポジションとは、FXでは取引を行うことを『ポジションを立てる』という表現をします。買いポジションを立てるというのは、円を売ってドルを買う取引をして、ドル円の通貨価値が上がったら利益が出るということです。)

(※2スプレッドとは、取引ごとにトレーダーがFX会社に支払う、手数料のよなものです。)

レバレッジのメリット

レバレッジの倍率が高いことのメリットは単純に、『利益が大きくなる』という点もありますが、その他にも以下のようなメリットがあります。

少額資金でも運用できる

FX会社は少なくとも1000通貨での取引、つまりドル円での取引で、1ドル100円なら10万円の取引が最低ラインです。本来なら最低でも10万円の資金が必要となります。

しかし、レバレッジを最大の25倍でかければ、およそ4,000円の資金で運用可能となります。

投資効率が良い

レバレッジは投資効率を上げるのにも適しています。

例えば、10万円の資金で1ドルが100円のとき、ドル円を1,000通貨購入しての取引で、1万円の利益を目標としたとします。レバレッジなしでは以下のような計算になります。

買いポジション※で1ドル101円に値上がりした場合

101円(1ドルの値段)×1.000(購入した通貨の数)=101,000円(取引を完了した場合に手元に戻る金額)

101,000円−100,000円(投資した金額)=1,000円(利益)

上記の式のように1円の動きでは、1,000円の利益となり、1万円の利益を出すためには10円分の動きが必要となります。

ドル円では短期間に10円の動きを見せることは少ないです。つまり、レバレッジなしでは数回に分けての取引でないと、1万円の利益は出せません。

しかし、レバレッジを10倍かけたとすれば、利益は10倍となるので1円分の動きで1万円の利益を出すことが可能です。

つまり『短期間で利益を生みだす』ことを可能にするのがレバレッジです。

レバレッジの仕組み

レバレッジの仕組みは『てこ』のような原理で、イメージとしては『自分の資金を担保として、より多くの資金を一時的に借りて運用している』と表現できます。

なぜそんなことが可能なのかというと、FXが『外国証拠金取引』だからです。

外国為替証拠金取引とは

FXの正式名称でもある『外国証拠金取引』とは、実際に口座にあるお金を『証拠金』として運用することです。

例えば、FXでドル円が100円のときに1000通貨購入した場合、口座の中にある10万円が1,000ドルに変わっている訳ではありません。

実際に運用しているのはFX会社であり、トレーダーの証拠金を基準に資金を貸しています。そして、トレーダーがその資金で取引した際に生じた『利益あるいは損益』を証拠金に反映させています。

このようなシステムにより、実際より大きな資金を動かすレバレッジが可能となります。

レバレッジのかけ方

FX会社の取引用のソフトやアプリの設定項目で、レバレッジを直接2倍、3倍と操作することはできないことが多くあります。

レバレッジのかけ方は主に以下のような方法です。

lot数を増やす

lotというのは通貨の購入枚数の単位で、1lotは1万通貨です。

資金10万円で1lot購入する場合は、ドル円なら10倍前後のレバレッジが必要となります。その場合、実際に1lot分の通貨を注文すれば、自動的にレバレッジがかかります。

つまり『手持ちの資金より、高額な通貨を購入すれば自動的にレバレッジがかかる』仕組みとなっています。

計算方法

ここで、レバレッジの計算方法を詳しく紹介します。これまでの例題のように切りのよい数字なら簡単に暗算できます。しかし、実際の通貨の値段は『111円881銭』のように細かいのが普通です。

まずは、手持ちの資金を基にレバレッジを算出する方法を紹介します。

ドル円が111円881銭の場合の計算例

111.881円(通貨の値段)×10,000(購入枚数)=1,118,810円(取引金額)

1,118,810円(取引金額)÷100,000円(資金)=11.1881→11.18倍のレバレッジ

最大レバレッジから利益を算出

最大レバレッジの25倍で取引した場合の、利益の算出方法を紹介します。

ドル円が111円881銭の場合の計算例

100,000円(資金)×25(レバレッジ倍率)=2,500,000円(投資資金)

2,500,000円(投資資金)÷111.881円(通貨の値段)=22,345.1703→

22,345(購入枚数)

通貨の値段が112,881円に上がったとします。

22,345(購入枚数)×112,881円(通貨の値段)=2,522,325.94円

2,522,325.94円−2,500,000円(投資資金)=22,325,94円

つまり2万2,325円94銭の利益となります。

計算に便利なツール

前章のようなレバレッジの計算を行えば、より計画的な運用ができます。しかし、運用計画を立てるのには何度も計算を繰り返す場合もあるので、効率化のためにツールを利用すると良いでしょう。

エクセルを使って計算

エクセルを使って、計算を自動化する方法を紹介します。フォーマットを1から作成する手間はありますが、自分流にアレンジができるのが強みです。

参考までに、前章のレバレッジの計算式をフォーマット化した場合の1例を紹介します。

手持ちの資金を基にレバレッジを算出するフォーマット

 

A B
1 通貨の値段 111.881
2 購入枚数 10,000
3 取引金額 1,118,810
4 資金 100,000
5 レバレッジ  11.1881

 

上記のようなフォーマットを作成するには、以下のような計算式をセルの関数入力欄に設定します。

  • B3のセル→=B1×B2
  • B5のセル→=B3÷B4

レバレッジを基に利益を算出するフォーマット

A B
1 資金 100,000
2 レバレッジ倍率 25
3 投資資金 2,500,000
4 購入枚数 22,345.1703
5 購入時の通貨の値段 111,881
6 変動後の通貨の値段 112,881
7 利益  2,522,345.17

上記のようなフォーマットを作成するには、以下のような計算式をセルの関数入力欄に設定します。

  • B3のセル→=B1×B2
  • B4のセル→=B3÷B5
  • B7のセル→=B4×B6−B3

HPの計算機を使用する

FX会社のホームページにある、計算システムを使用する方法もあります。前章のエクセルフォーマットのようなものが、初めから用意されています。

その他にも、後に詳しくご紹介する『ロスカット』の計算も自動で算出してくれるものもあり、情報量が多いのが強みです。

レバレッジ計算機 | サービス一覧 | セントラル短資FX

レバレッジのリスク

レバレッジには、これまでの章で述べたように大きな利点がありますが、同時にリスクも存在します。このリスクを踏まえた上で取引を行わなないと、利益を出すどころか借金まで背負う可能性もあります。

損益の計算例

どのようなリスクが生じるのか、具体的な計算例で説明します。

ドル円が111円881銭の場合の計算例

100,000円(資金)×25(レバレッジ倍率)=2,500,000円(投資資金)

2,500,000円(投資資金)÷111.881円(通貨の値段)=22,345.1703→

22,345(購入枚数)

通貨の値段が110,881円に下がったとします。

22,345(購入枚数)×110,881円(通貨の値段)=2,477,635.94円

2,477,635.94円−2,500,000円(投資資金)=-22,364,06円

つまり2万2,364円06銭の損益となります。

レバレッジには、見込める利益とほぼ同じ額の損益を出す可能性があります。

目標利益と許容損失額を決める

レバレッジをかけて損失を増やしすぎて失敗しないために、『リスク管理』について説明します。

レバレッジをかける前に、決めおくべきなのは『目標利益』と『許容損失額』です。まずは月の利益目標を決め、そこから週の目標利益を設定します。

例として以下のような目標を定めたとします。

  • 100万円の資金で、月に10%の利益を出す。
  • 4週として、週に2万5,000円の利益を出す。

続いては許容損失額についても同じように設定します。

  • 損失額は、資金の8%に抑える。
  • 4週として、週に2万円の損失で抑える

この許容損失額は目標利益と同額では、スプレッドの支払いも含めるとマイナスになってしまいます。逆に少なすぎても勝率が下がるので、『目標利益額の50〜80%の額』を設定しましょう。

そして、『計算方法』の章でご紹介した計算を用いて、レバレッジ倍率や購入枚数などを設定します。週に1回の取引するとして、通貨が1円上がれば購入した通貨1枚につき1円の利益なので、1円上がったら取引を約定するとして、購入枚数を25,000とします。

111.881円(通貨の値段)×25,000(購入枚数)=2,797,025円(取引金額)

2,797,025円(取引金額)÷1,000,000円(資金)=2.79倍のレバレッジ

取引の回数を分ける場合は、1回の購入枚数をその分減らすなどして対応します。

次に、損失許容額を超えないために、『損切り※1』の金額を設定します。1円上がったら、利益確定して取引を約定するとすれば以下のような計算をします。

1円×80%(許容利益額の倍率)=0.8円

つまり、80銭価格が下がったら損切りするということです。

このように、リターンとリスクのバランスをとりながら設定し、それを忠実に守ることが『リスク管理』の基本です。

利益目標にしても、許容損益額にしても、『設定したら2〜3カ月は厳守する』ことが大事です。2〜3カ月様子を見て、利益が伸びなければ、改めて設定し直すということを繰り返して検証していくことが重要です。

(※1損切りとは、損失を大きくしないためにマイナスでも約定させることです。)

ファンダメンタルを考慮する

FXの分析方法として、チャートの形状やメーターなどを基に予測する『テクニカル分析』と経済ニュースや指標などを基とする『ファンダメンタル分析』があります。

ファンダメンタル分析は、経済や金融の知識が必要なことから、初心者には難しい分析方法です。しかし『リスク管理』においては、無視できない要因でもあります。

重要経済指標をチェック

ファンダメンタル分析の基本として、国ごとの雇用者数や保険の加入者数などの『景気の指標』となる数値を発表する『経済指標』の数値を基に分析する手法があります。

今回、紹介するのはあくまでも『リスクを抑える方法』なので、分析は必要なく、『重要経済指標の発表日時前後には取引をしない』ことを推奨します。

重要経済指標とは発表の前後に、通貨価格の相場変動が激しくなるもので、その分大きな利益を生み出すチャンスでもありますが、同時に損失を出すリスクも高まります。

レバレッジをかけてリスクが高まった状態で、初心者が参入するのはやめておきましょう。主な重要経済指標は以下のようなものです。

経済指標 日時
米雇用統計 毎月第1金曜日
GDP(国内総生産) 四半期
米国小売売上高 毎月中旬
MBA住宅ローン申請指数 毎週水曜日
ミシガン大学消費者態度指数  第2、第3金曜日に速報値、最終金曜日に確定値

特にアメリカの指標が重要とされ、相場への影響力が大きくなっています。アメリカの指標は日本時間で金曜日の22:00から4:00の間で発表されることが多く、『金曜日には取引しない』という取り決めをしておくだけでもリスクが抑えられます。

経済指標情報 - Yahoo!ファイナンス

ロスカットとは

トレーダーの口座にある金額が、マイナスになってしまえばそれはFX会社に対する借金となります。ロスカットとは『入金した証拠金以上の損失を出さないためのシステム』のことです。

買いポジションを保持している状態の通貨が、想像以上に下降して含み損※が膨らんでいった場合、一定の基準に達したらFX会社が強制的に取引を約定させる仕組みです。

(※含み損とは、取引が約定していない状況下において、現状で確定している損失額のことです。)

計算方法

ロスカットに至る『基準』について具体的な計算例を基に説明します。

建玉必要証拠金×ロスカット率でいくら口座残高がいくらになったら、ロスカットされるのかを調べます。

建玉必要証拠金とは、新たにポジションを建てるのに必要な金額の最低ラインのことです。例えば、1ドル100円のドル円で最低10,000通貨の購入枚数なら、建玉必要証拠金は最大レバレッジを考慮しておよそ4万円です。

建玉必要証拠金が4万円でロスカット率が30%とした場合の計算式は、以下の通りです。

40,000円×30%=12,000円

つまり、『口座残高が1万2,000円以下となったらロスカットされる』ということです。

通貨の価値が変われば、建玉必要証拠金も変わります。また、ロスカット率も今回は30%としましたがFX会社によって割合は異なるので、よく確認しておきましょう。

ロスカットが機能しない例

ロスカット機能があれば借金を背負うリスクは小さくなりますが、完全にリスクが無くなる訳ではなく、ロスカットが機能しないケースも稀にあります。

ロスカットというのは、パソコンの強制シャットダウンのように強引に取引を遮断するようなものではなく、あくまでもFX会社の発注する『注文』です。

つまり、急激な相場の変動には対応が追いつかず、本来ロスカットされるべき金額を大きく下回ってしまうこともあります。

例えば、2008年のリーマンショックや2016年のトランプ大統領が選挙に当選した日などは、ドル円相場が通常ではありえないほどの激しい変動がありました。

このような世界規模のニュースや事件、地震などの大規模な自然災害のも相場は大きく反応します。

運用計画は『ロスカットされない』ように、余裕を持って建てるべきだと言えます。

レバレッジなしで資金運用

10万円以下の資金であれば、レバレッジは必要不可欠と言ってもいいほどかと思います。しかし、もしも資金が100万円以上であるなら、『レバレッジなし』で運用するのも一つの手です。

レバレッジなしでは10.000通貨の購入で、1円の動きで1万円の利益です。初心者では買ったり負けたりを繰り返すので、月の利益は5万以下となるかもしれません。

しかし、リスクを極力押さえ、常に利益を出していれば芋づる式に利益は着々と増えます。100万円の資金でその月に5万円の利益を出したのあれば、次の月の資金は105万円です。

そうして利益を積みあげれば、購入できる通貨の枚数も増え、1回の取引での利益も上がります。

1,000,000円(資金)+50,000円(月利益)×12(年間)=1,300,000円

1ドル100円とした場合はおよそ3,000通貨分の購入枚数が増えます。1回の取引あたりの利益も、1円の値上がりで3,000円増えるということです。

すぐに儲けを出したい訳でなく、あくまでも『資金運用』の一環としてFXを行う場合は、レバレッジなしでの取引がお勧めです。

まとめ

FXの大きな魅力でもあるレバレッジですが、同時に大きなリスクもはらんでいることをこれまで説明してきました。

レバレッジをかけ利益を出すのに最も重要なのは、『綿密に計画すること』と『その計画を忠実に守ること』です。これまで紹介してきた計算方法や、リスク管理の仕方は投資計画を建てるために役立つものになるでしょう。

この記事の監修者

明治大学出身。上場保険代理店にて1年目新人賞、2年目社長賞受賞後にFPとして独立。これまで約2,000人と面談、プランニングを手掛ける。一人ひとりの資産設計の参謀として、お金の貯め方・守り方・増やし方などをアドバイスしている。 掲載メディア:ゼクシィ、Lifehacker、みんなのおかねドットコム、RAINBOW Town FM、他

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